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第6回は『円(2)』です。円とおうぎ形について、面積と、円周や弧(こ)の長さの求め方を学習します。円の計算では、円周率としての3.14という小数のかけ算や、分子を中心角の大きさ、分母を360度とする「中心角/360」という分数の形の(割合)計算が数多く使われます。ですから、計算上の注意も必要となります。なお、分数は、分子/分母の形で表します。
「必修例題1」は、円の中にある角度を求める問題です。
円の半径はどこでも等しい長さですから、半径を使った三角形は二等辺三角形や正三角形になることを利用します。
(1) 半径であるOA=OBより、三角形OABは二等辺三角形となるため、角OAB=角OBA=36度です。よって、180-36×2=108より、xは108度です。
(2) (1)と同様に、半径であるOA=OCより、三角形OACも二等辺三角形です。角OAC=角OCA=yで、外角の定理を利用すると、y×2=x=108となります。よって、108÷2=54より、yは54度です。
なお、直径を1辺として、その1辺の向いにある頂点が円周上にあるような三角形では、円周上の頂点の角が必ず直角になります。
この性質を利用して、(2)は別の解き方もできます。角BACは直角ですから、三角形ABCの残りの2つの角、角ABCと角ACBの和は、(180-90=)90度になります。角ABC=36度ですので、角ACB=90-36=54度となり、角CAO(=y)=角ACB=54度です。
このように、直角三角形を利用する場面が多くありますので、理解しておきましょう。
「必修例題2」は、公式を使って円周や弧の長さを求める問題です。なお、直径に対する円周の長さの割合は一定で、この割合を円周率といい、およそ3.14として使用します。
予習シリーズ54ページ中央の二重線でかこんである、公式を覚えましょう。
(1) 円周の長さの求め方は、「直径(半径×2)×円周率」です。8×3.14=25.12より、円周の長さは、25.12cmとなります。
(2) 弧の長さの求め方は、「円周の長さ×中心角/360」です。9×2×3.14×120/360=6×3.14=18.84より、弧の長さは、18.84cmです。
このように、3.14を含む式では、3.14以外を計算した後で、最後に3.14の計算をすることをお勧めします。効率よく計算でき、ミスも少なくなります。
「必修例題3」は、同じ大きさの円を重ねた図形の問題です。円に関係した角度の問題では、半径を新たにひいて考えることが多くあります。つまり、長さの同じ半径を使うことで、二等辺三角形や正三角形の性質を利用します。
(1) 直線PB、QBをひくと、AP=AB(半径)、BA(AB)=BP(半径)、AQ=AB(半径)、BA(AB)=BQ(半径)より、三角形APBも三角形AQBも正三角形になります。よって、角PAB=角QAB=60度です。
60×2=120より、角PAQの大きさは120度と求められます。
(2) 2つの円が重なっている部分のまわりの長さは、円周の一部、つまり弧でできています。弧PBQの長さは、半径6cm、中心角(角PAQ)は120度であることを使って求めることができます。また、もう一方の弧PAQも同じ長さです。
6×2×3.14×120/360×2=8×3.14=25.12より、2つの円が重なっている部分のまわりの長さは、25.12cmです。
「必修例題4」は、公式を使って円やおうぎ形の面積を求める問題です。
予習シリーズ55ページにある説明を理解して、二重線でかこんである公式を覚えましょう。
(1) 円の面積の求め方は、「半径×半径×円周率」です。5×5×3.14=25×78.5より、円の面積は78.5平方cmです。
(2) おうぎ形の面積の求め方は、「円の面積×中心角/360」です。4×4×3.14×135/360=6×3.14=18.84より、おうぎ形の面積は18.84平方cmです。
繰り返しになりますが、このように、3.14の入った計算は、3.14以外を計算した後で、最後に計算します。
「必修例題5」は、円に関連した図形の面積を求める問題です。面積公式の成り立ちを理解して、公式を使えるようにしましょう。この問題の形を「はっぱ形」といいます。これは、四分円(円を4分割したおうぎ形)の面積から、直角二等辺三角形の面積を引いて求めた形を2つ合わせて、はっぱ形になっています。予習シリーズ56ページの解き方にある図を参照してください。
半径10cmの四分円の面積は、10×10×3.14×1/4=25×3.14=78.5より、78.5平方cmです。また、等辺(直角をはさむ2辺が等しい)が10cmの直角二等辺三角形の面積は、10×10÷2=50より、50平方cmです。よって、(78.5-50)×2=57より、はっぱ形の面積は、57平方cmです。
別の解き方も紹介しましょう。四分円を上下さかさまに重ね合せると、正方形の面積に、求めるはっぱ形の部分のみが二重に上積みされた形となります。そこで、はっぱ形の面積は、「四分円の面積2つ分から、正方形の面積をひく」という解き方でも求められます。
10×10×3.14×1/4×2-10×10
=10×10×3.14×1/2-10×10
=10×10×(1.57-1)
=10×10×0.57=57 として上記と同じ結果になります。
まず面積公式の成り立ちをしっかり理解したうえで、慣れてきたら、このはっぱ形の面積は、正方形の1辺の長さを□とした場合、□×□×0.57で求められることも確認しておきましょう。ただし、この「×0.57」が成り立つのは、円周率が3.14の場合に限られます。円周率が3など、別の値で設定された場合は、数値が変わってきますので気をつけましょう。
なお、3.14の計算についてですが、3.14に1けたの数をかけた計算結果は、覚えておくとよいです。また、中心角/360の約分結果も、120/360=1/3、45/360=1/8など、よく使われる中心角については覚えましょう。
第6回は『植木算』です。直線の道や丸い池のまわりにそって木を植える場合の、木の本数と道や池のまわりの長さとの関係を考える問題です。
長さは、「1区間(木と木の間)の長さ×区間の数」で求められます。 この区間の数と植えた木の本数の関係を整頓しておきます。
(ア) 両はしに木が植えてある場合は、木の本数-1=間(区間)の数です。
(イ) 両はしには木が植えられない場合は、木の本数+1=間の数です。
(ウ) 池のまわりに木を植える場合は、木の本数=間の数です。
それぞれの必修例題について、解き方にある図を参照して下さい。
「必修例題1」は、両はしに木が植えてある場合の、はしからはしまでの長さを求める問題です。
木が25mおきに35本植えられています。1区間の長さ=25mで、間の数=35-1=34か所ですから、25×34=850より、はしからはしまでの長さは850mです。
「必修例題2」は、植える木の本数がたりない場合の問題です。内容を確実に理解するために、予習シリーズ46ページの解き方にある図を参照してください。
(1) 木を植えた長さは540-90=450mで、15mおきに木を植えましたから、450÷15=30より、間の数が30か所とわかります。
この長さの両端にも木を植えますので、(間の数+1)が木の本数になります。
よって、30+1=31より、木の本数は31本です。
(2) 31本の木を植えますから、間の数は30か所です。
540÷30=18より、木を18mおきに植えるとよいことになります。
「必修例題3」は、途中の木と木(この問題では、電柱)の間の数を考えて長さを求める問題です。簡単な例を考えるとわかりやすくなります。たとえば、2番目の電柱から5番目の電柱まで、間は何か所あるかを考えてみますと、3か所で、5-2の計算、つまり番号の引き算で求められることがわかります。
12mおきに立っている、6番の電柱から23番の電柱までの間の数は、23-6=17か所です。よって、12×17=204より、この2本の電柱の間のきょりは、204mです。
「必修例題4」は、池のまわり(つながった長さ)に木(この問題では、くい)を植える問題です。木(=くい)の本数=間の数となります。
くいの数である99本は、間の数が99か所ということです。2×99=198より、この池のまわりの長さは、198mです。
「必修例題5」は、木と木の間に、べつの木を植える問題です。予習シリーズ48ページの解き方にある図を参照してください。
(1) つながった長さである畑のまわりに杉の木を植えますから、木の本数=間の数です。まわりの長さが240mで、木の本数の16(本)は、間の数でもあります。
よって、240÷16=15より、杉の木の間かくは、15mです。
(2) 2本の杉の間にツツジの木を等しい間かくで4本植えますが、両端には杉の木があります。木の本数+1=間の数より、間の数は4+1=5か所になります。
よって、杉の木と木の間15mを5つに等分します。
15÷5=3より、ツツジの木は3mの間かくで植えます。
植木算は、問題としては、きょりを答えるタイプのものが多いのですが、考え方の基本は、物と物(木が多く使われます)の間の数を、物の数との関係から考える問題にあります。予習シリーズ45ページの初めにあるクイズのように、物と物との間の数を、きちんと考えることが大切です。
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