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第12回は『平面図形(2)』です。図形の折り返し、相似な図形、点の移動を学習します。
難易度の高い図形問題では、補助線や補助点(必修例題5の点S)を自分で作ることになります。しっかり身に付けましょう。また、必修例題2のように、相似な図形が何組かある中から、必要な相似を見つけ出すことも重要です。
折り返した図形について考えます。
図形をある線で折り返すと、合同な図形ができます。等しい長さの辺、等しい大きさの角が移動することになります。このことを使って、問題を解いていきます。
[必修例題1(1)]
円に関連した問題では,新たに半径の線を利用することが多いです。解き進めないときは、新しい半径をかいてみましょう。
円の中心Oと弧の上にある点Dを結びます。この線は半径ですから、もともとの半径OA、これを折り返したDA、および新たにかいた線ODは、すべて半径で等しい長さです。
よって、三角形OADは正三角形となり、角OAD=60度です。この角を2等分した角OAC=30度となりますので、三角形OACにおいて、角OCDは、180-30-108=42度です。
結果として、角OCD=42×2=84度ですから、イ=180-84=96度です。
相似な図形について考えます。
[必修例題2]
長方形を中心の図形で、相似な三角形を利用して、長さや面積を求める問題です。
長方形ABCDで、FB:BE:EC=1:1:2です。
(1) 求められている比を含む直線AD上で、部分的にわかる比を集め、比を統一して求めます。
三角形FBHと三角形DAHは相似です。そこで、FH:HD=FB:AD=1:(1+2)=1:3となります。
また、三角形FEGと三角形DAGは相似です。そこで、FG:GD=FE:DA=(1+1):(1+2)=2:3となります。
同じ線FDの中の比を考えますので、FH:HDとFG:GDの2つの比を、合計が等しいことに着目して比を統一します。
FH:HD=1:3=5:15、FG:GD=2:3=8:12となります。
よって、FH:HG:GD=5:(8-5):12=5:3:12です。
(2) 求める面積を含む面積のわかる図形から、比例配分して求めます。
三角形DGAと三角形GDEは合わせて三角形AEDで、三角形AEDの面積は、12×8÷2=48平方cmです。そして、三角形DAGと三角形FEGの相似より、AG:GE=3:2より、三角形DGAと三角形GDEの面積比になります。
よって、48÷(3+2)×2=19.2 より、三角形GDEの面積は、19.2平方cmです。
(3) 三角形DAHと三角形FBHの相似より、AH:HB=3:1。また、AG:GE=3:2。
三角形ABEの面積は、4×8÷2=16平方cmで、この三角形において、16×{1-3/(3+1)×3/(3+2)}=16×11/20=8.8より、四角形GHBEの面積は、8.8平方cmです。
点の移動について考えます。
[必修例題5]
長方形の辺上、および辺と平行な直線上を、点が移動する問題です。
予習シリーズ156ページの解き方の図を参考してください。また、分数は、分子/分母の形で、帯分数は、(整数と分子/分母)の形で表します。
(1) 3点P、Q、Rが各頂点を出発して5秒後の点は、AP=1×5=5cm、FQ=2×5=10cm、BR=3×5=15cmのところにあります。
ここで、AP=5cmの点から辺BCに垂線を下したときに、辺EF、辺BCと交わる点をそれぞれG、Hとします。ここまでが準備です。
PRとEFの交わった点をSとするときのSQの長さを求める問題です。
3点P、H、Rを結んでできる三角形PHRにおいて、この三角形PHRとその中にできる三角形PGSは相似です。GS:HR=PH:PGで、PH:PG=(4+12):4=4:1ですから、HR=15-5=10cmより、GS=10÷4×1=2.5cmとなります。そこで、ES=5+2.5=7.5cmと求まります。
よって、SQ=EF-(ES+FQ)=30-(7.5+10)=12.5cmです。
(2) この点Sと点Qが出会ったときに、3点P、Q、Rは一直線上に並びます。
点Sの速さを考えます。(1)より、点Sは、5秒後にEから7.5cmのところにありましたから、7.5÷5=1.5より、速さは毎秒1.5cmとなります。
よって、30÷(1.5+2)=60/7=(8と4/7) より、3点P、Q、Rが一直線上に並ぶのは、(8と4/7)秒後です。
第13回は『場合の数(4)』です。今回は、「組み合わせ」を学習します。組み合わせとは、選ぶ順番は考えずに、組のメンバーを選ぶ場合の数をいいます。
例えば、A、B、C、D、Eの5人の中から2人の組を考えます。並べ方では、順番を考えて、ABとBAは別々に2通りと数えますが、顔ぶれは同じなので、AとBの組み合わせ(選び方)では1通りと数えます。
場合の数は、中学入試に出題される問題では難問が多い内容です。公式的な部分もありますが、どんな条件があるのかを、きちんと読み取ることが重要です。
[必修例題1]
組み合わせの問題です。
赤玉が2個、白玉が2個、青玉が1個の合計5個の玉の中から3個の玉の組み合わせを考えます。
同じ色の玉がある場合には注意が必要で、樹形図を利用します。予習シリーズ119ページの解き方にある樹形図を参照して下さい。
赤玉の選び方に注目して、赤玉を2個選ぶ場合、1個選ぶ場合、選ばない場合、と3つの場合に分けて考えます。
赤玉を2個選ぶ場合は、赤-赤-白、赤-赤-青、の2通りとなります。次に、赤玉を1個選ぶ場合は、赤-白-白、赤-白-青、の2通りとなります。赤玉を選ばない場合は、白-白-青、の1通りとなります。
よって、それぞれの場合の数を合計して(和の法則)、2+2+1=5の5通りが答えです。
[必修例題2]
前問と同様に組み合わせの問題ですが、計算で求めます。
5人の中から日直の2人を選びます。選ぶ2人を、並び方の規則(積の法則)で計算すると、5×4=20通りになります。ですが、冒頭で説明しましたように、AとB、BとAのように、顔ぶれとしては同じものが含まれます。つまり、並び方の20通りの中には、選び方としては、2通りずつ同じものが入ります。そこで、20÷2=10より、2人の日直の選び方は10通りとなります。
この問題のように、選び方(組み合わせ)の計算では公式を作ることができます。全体数N個の中から、A個を選ぶ場合の選び方の計算(簡単に、NのAの組み合わせといいます)は、[NのA]の並び方の計算結果を、[AのA]の並び方の計算結果で割り算します。例えば、
5の2の組み合わせは、(5×4)÷(2×1)、
5の3の組み合わせは、(5×4×3)÷(3×2×1)、
6の2の組み合わせは、(6×5)÷(2×1)、
6の3の組み合わせは、(6×5×4)÷(3×2×1) となります。
なお、これらの計算は、分数を利用すると、約分ができて計算が素早く正確にできます。
[必修例題3]
上の公式を利用して計算します。なお、分数は、分子/分母の形で表します。
(1) 男子4人の中から3人を選ぶ問題です。
4の3の組み合わせ計算で、(4×3×2)÷(3×2×1)=(4×3×2)/(3×2×1)=4より、4通りです。
ここで、4人から3人を選ぶということは、1人が残るということですから、この残りの1人の選び方を考えてもよいのです。よって、4通りです。
つまり、4の3の組み合わせ計算は、4の(4-3=)1の組み合わせ計算と同じ結果が得られます。このことは、よく使われる考え方です。
たとえば、12色の色鉛筆の中から10色の色鉛筆を選びなさい、といった問題もありますが、これは、12の(12-10=)2の組み合わせ計算の問題になります。より小さな数の組み合せの問題として解く方が、間違いが起こる可能性を減らすことができます。
(2) 男子4人の中から2人を選び、女子3人の中から1人を選ぶ問題です。
これは、男子は4の2の組み合わせ計算、女子は3の1の組み合わせ計算で、この2つの計算結果を積の法則で計算します。男子は、(4×3)/(2×1)=6通り。女子は3通りです。男子の2人を選び、続けて女子の1人を選びますので、積の法則により、6×3=18の18通りです。
[必修例題4]
3個の点を選んで結び、三角形を作る問題です。
直線アの上の3個の点と、直線イの上の2個の点の、合わせて5個の点のうち、3個を選びます。5の3の組み合わせ計算ですが、前述した通り、5の(5-3=)2の組み合わせ計算と同じですから、(5×4)/(2×1)=10となります。
ただし、直線アの上の3個の点を使っても三角形はできないことに注意してください。よって、1通り少なくなりますので、10-1=9より、三角形は9個できます。
[必修例題5]
0、1、2、3、4、5の6枚のカードから3枚を選んで、3けたの9の倍数が何通りできるかを考える問題です。
まず、「9の倍数となる数は、各位の数字の和が9の倍数になっている」ことを確認してください。予習シリーズ122ページにある、各倍数の見分け方を覚えましょう。
そこで、6枚のカードの中から3枚を選んで、その3枚の数字の和が9となる組み合わせを作ります。なお、3枚のカードの合計は、最大でも3+4+5=12ですから、9の倍数は9のみをかんがえればよいことになります。
3つの数の和が9となる数の組み合わせは以下の3つとなります。
(0、4、5)、(1、3、5)、(2、3、4)
次に、(0、4、5)の組み合わせを(ア)、(1、3、5)の組み合わせを(イ)、(2、3、4)の組み合わせを(ウ)として、それぞれの並べ方を考えます。
(ア)百の位は、0を除く4か5の2通り、十の位は、百の位に置いたカード以外の2通り、一の位には残りの1通りが置けますので、2×2×1=4通り作ることができます。
(イ)、(ウ)は、どちらも条件はありませんので、百の位、十の位、一の位の順に並べ方を考えると、3×2×1=6通りずつできます。場合に分けましたので、和の法則を使って、4+6+6=16より、9の倍数は全部で16通りできます。
[必修例題6]
試合数の問題です。
試合の仕方は、(1)のリーグ戦(総当たり戦)と、(2)のトーナメント戦(勝ち抜き戦)があります。名前を覚えるとともにしっかり区別して下さい。
(1) リーグ戦は、それぞれのチームが他のチームと総当たりで対戦する試合方法です。6チームのうち、2チームずつが対戦しますから、6の2の組み合わせ計算ということになります。よって、(6×5)/(2×1)=15より、15試合となります。
(2) トーナメント戦は、最後に1チームが優勝しますが、このことは、残りの5チームはいずれかの試合で負けるということです。1試合で1チームが負けますので、5チームが負けるということは、5試合ある、ということです。つまり、トーナメント戦では全チーム数から優勝する1チームを除いた数が、試合数となるわけです。答えは5試合です。
第13回は『周期を考える問題』です。この問題は一般に,周期算といいます。
数や文字がくり返しかかれている列において、あるいは同じ模様(もよう)の図形において、くり返しのパターンを{周期}といいます。この周期に注目して、特定の数や文字や図形が、列の中に何個あるかを考えたり、□番目にくるものは何かを考える問題です。
周期算では、割り算のあまりがポイントとなります。あまりが何を表しているのかをきちんと考えましょう。また、曜日問題は、日数計算にミスが多いようですので、注意して下さい。加えて、過去にもどる問題もしっかりできるようにしましょう。
[例題1]
白い丸と黒い丸を合わせて75個並べた列について考える問題です。
まず、周期を考えます。はじめから3番目にくる白丸に注目して、{黒、黒、白、黒}の4個を1つの組(=周期)とします。
(1) 75÷4=18あまり3より、18組と3個となります。
よって、あまりの3より、周期の3個目が最後ですので、最後に並べた記号は、白です。
(2) 黒は1組の中に3個あります。18組それぞれに3個ずつと、あまりの3個のうちに黒が2個ありますので、3×18+2=56より、黒は56個です。
[例題2]
1、2、3の3種類の数を、あるきまりで並べた数列についての周期算の問題です。
周期は、{1,2,3,2,1}の5個1組です。
(1) 34÷5=6あまり4より、6組と4個ですから、
はじめからかぞえて34番目は、あまりの4より、周期の4個目にくる2です。
(2) 1組{1,2,3,2,1}の和は、1+2+3+2+1=9です。あまりの4個の和は、1組5個のうち最後の1が1個足りないのですから、9-1=8となります。
よって、9×6組+8=62より、34番目の数までの和は62です。
最後の1個である1に注目して、9×(6+1)組-1=62とする計算もあります。
(3) 和の300を1組の和である9でわります。300÷9=33組あまり3となります。
ここで、あまりの3は、和としての3であることに注意しましょう。
周期のはじめの数からたし算をして、1+2=3より、周期の1番目と2番目の2個あまるという意味です。
よって、5個×33+2個=167個より、最後に加えたのは、167番目の数です。
[例題3]
図形の周期算の問題です。
正六角形と正方形が順にくり返されている図形です。ですが,正方形の右はしのたて棒とその右にある正六角形の左はしのたて棒が重なっていますので、この棒をどう考えるかがポイントになります。
正方形の右はしの棒を本数に入れずに、8本でできている図形を1組としてくり返しとします。
150÷8=18あまり6 より、18組と6本です。
正六角形は各組に1個でき、あまりの6本で正六角形が1個できます。
よって,1×18+1=19 より、正六角形は19個できます。
曜日の周期について、学習します。
基礎知識として、それぞれの月が何日間あるかを覚えておく必要があります。
1月は31日、2月は28日(4年に1度のうるう年では29日)、3月は31日、4月は30日、5月は31日、6月は30日、7月は31日、8月は31日、9月は30日、10月は31日、11月は30日、12月は31日です。
[例題4]
日付と曜日の問題です。
解くための手順としては、まず日数計算、次に曜日計算となります。
日数計算とは、○月○日から×月×日までの日数を計算することです。月の途中から数える場合に注意が必要です(解き方の中で説明します)。
また、曜日計算は周期算の考えで、7日ごとに分けた(7で割る)ときのあまりが重要になります。
(1) 6月23日から8月12日までの日数を数えます。
6月中の日数(23日から30日まで)は、30-23+1=8日間です。この場合、(30-23)にして計算すると、23日が入らなくなりますので、(+1)が必要です。この部分を注意してください。
7月はすべての日数を数えて31日間、
8月は(1日から12日まで)12日間です。
よって、日数は合計して、8+31+12=51日間となります。
次に曜日計算ですが、この51日を、1週間の7日ずつに分けますので、
51÷7=7週あまり2日となります。このあまりの2日は、数え始めた6月23日の火曜日から曜日がくり返していますので、あまりの1日目も火曜日で、2日目は水曜日です。
よって、8月12日は、水曜日です。
(2) 5月10日から6月23日までの日数を数えます。5月中の日数(10日から31日まで)は、31-10+1=22日間です。6月は(1日から23日まで)23日間ですから、日数は合計して、22+23=45日間です。
45÷7=6週あまり3日となりますが、ここでは、前にもどっていくことを考えますので、(6月23日の)火曜日から{火、月、日、土、金、木、水}という周期です。よって、あまりの3日は、火、月、日となりますので、5月10日は、日曜日です。
数の操作と周期を考えます。
[例題5]
同じ数を何回かかけ合わせた積の一の位を考える問題です。
3*35は,3を35回かけることを表しています。この積の一の位はいくつかを求めます。実際に3を35回かける計算をすることは大変です。そこで、回数の少ない順に計算していき、結果を調べます。
ここが、ポイントですが、3を1回かけるところから始めますが、1回かけるとは、何にかけるのでしょう。……それは、1にかけるのです。この1回目を忘れることによるミスが多いようです。注意して下さい。また、積は一の位の数字だけが問題になっていますので、そのことを考えて進めましょう。
3*1=1×3=3、3*2=3×3=9,3*3=9×3=7(27とはしません),3*4=7×3=1,
3*5=1×3=3,3*6=3×3=9,……
規則が見えました。3,9,7,1,3,9,…… と周期{3,9,7,1}より4個1組になっています。
35÷4=8あまり3 より、(あまり)3個目は7です。
よって、35回かけた積の一の位は7ですので、3*35=7です。
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