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第17回は『速さ(2)』です。特殊な速さの問題を学習します。流水算や通過算については、復習となります。その他、歩数と歩幅の問題、エスカレーターや動く歩道といった問題を学習します。なお、分数は、分子/分母の形で、帯分数は、(整数と分子/分母)の形で表します。
歩幅と歩数の問題やエスカレーターの問題といった、特殊な問題を扱いますが、速度問題の仕組みは基本的に変わりません。速度と比の関係を確認しながら、学習していきましょう。
歩幅と歩数の問題です。
用語の確認ですが、「歩幅」とは1歩分の長さを表し、「歩数」とは歩いた数を表します。そして、歩幅×歩数=距離となります。
兄が4歩で歩く距離を、弟は5歩で歩きます。また、兄が4歩を歩く間に、弟は3歩を歩きます。
(1) 兄と弟の歩く速さの比を求める問題です。
兄が4歩で歩く距離を1とすると、兄の1歩の長さは1/4です。そして、同じ距離を弟は5歩で歩きますから、弟の1歩の長さは1/5となります。
よって、歩幅の比は,兄:弟=1/4:1/5=5:4 となります。
また、同じ時間に兄は4歩、弟は3歩を歩きますので、距離としては、兄は(5×4=)20、弟は(4×3=)12となります。歩幅×歩数=距離です。
「同じ時間」のとき,(進む)距離の比=速さの比ですから、20:12=5:3 より、
兄と弟の歩く速さの比は、5:3 です。
(2) 兄が出発してから弟に追いつくまでの時間で、兄:弟の距離比は5:3で、差の2の距離を弟は60歩で歩きます。予習シリーズ216ページの解き方にある線分図を参照してください。
60÷(5-3)×5=150 より、弟は出発してから150歩進んだ地点で兄に追いつかれます。歩幅×歩数=距離により、この距離は、4×150=600 です。
よって、兄の歩幅は5ですから、600÷5=120 より、兄は120歩を歩いて弟に追いつきます。
流水算の問題です。
(1) 2地点間の距離は同じですから、時間比と速度比は逆比の関係になります。行きにかかる時間において、いつものかかる時間とある日のかかる時間の比は、3時間:2.5時間(2時間30分)=6:5 です。
これより、速度比は、1/6:1/5=5:6で、この差は、川の流れの速さが毎時1km速くなったためです。よって、1÷(6-5)×5=5 より、いつもの行き(下り)の速さは毎時5kmとわかります。
5×3=15 より、2地点間の距離は15kmです。また、この距離から、いつもの帰り(上り)の速さは15÷5=3 より、毎時3kmで、ある日の帰りの速さは、(3-1=)毎時2kmです。
よって、15÷2=7.5 より、ある日の帰りにかかる時間は、7時間30分です。
(2) AB間の距離は48kmで、AからBへの上りの速さは時速12kmですから、48÷12=4 より、4時間かかります。また、往復7時間ですので、下りは(7-4=)3時間かかります。そして、モーターボートの速さを遅くした日に、上りにかかった時間は、4×4/3=16/3 より、16/3時間かかっています。
これらの時間の比から、逆比により速さの比が求められます。
いつもの上り:いつもの下り:ある日の上り=1/4:1/3:3/16=12:16:9 です。
ここで、いつもの上り下りの速さより、川の流れの速さは、(16-12)÷2=2で、ある日もかわりません。ですから、ある日の下りの速さは、9+2+2=13 となります。
いつもの上りの速さは、時速12kmで、これは比でも12ですから、12÷12×13=13 より、ある日の下りの速さは、時速13kmです。
エスカレーターの問題です。
エスカレーターの問題でのポイントは、段数が距離を表していることにあります。
エスカレーターの速さを(エ)、歩く速さを(歩)と表します。
(1) 上の階までの距離(段数)は一定ですから、時間の比と速さの比は逆比の関係になります。
速さの比は、(エ):(エ)+(歩)=1/30:1/18=3:5 です。
これより、(エ):(歩)=3:(5-3)=3:2
(歩)の速さ2が毎秒1段ですから、(エ)の速さ3は、(1÷2×3=)毎秒3/2段です。
よって、30秒では、3/2×30=45 より、エスカレーターは45段です。
(2) (歩)が毎秒2段になりますので、(エ)+(歩)=3/2+2=7/2 より、毎秒7/2段の速さで上ります。
よって、45÷7/2=(12と6/7) より、上の階に着くのは、(12と6/7)秒です。
第18回は『旅人算とグラフ(1)』です。旅人算は、2人以上の旅人(登場人物)が出会ったり、追いついたりするときの、速さ、時間、距離を考える問題です。ダイヤグラム(たて軸に距離を表し、横軸に時間を表したグラフ)も使用して考えます。
旅人算の基本は、2人が出会う(近づく)問題であっても、反対方向に離れていく(遠ざかる)問題であっても、距離の和を考える問題では、2人の速度の和を考えます。また、距離の差を考える問題では、追いつく(近づく)問題であっても、同じ方向に離れていく(遠ざかる)問題であっても、2人の速度の差を考えます。予習シリーズ165ページから166ページにある、速さと時間、距離の関係式をよく読んで、それぞれの式の内容を理解してから問題演習に進みましょう。
距離の和を考える問題です。
(1) 分速85mで歩く人と、分速65mで歩く人が向かい合って進みます。同時に出発して18分進んだときに出会いますから、2人がそれぞれ、18分歩いた距離の和が、AB間の距離です。
2人合わせて1分間に85+65=150m進みますから、18分では150×18=2700より、2700m=2.7km進んで出会いますので、AB間は2.7kmです。
ここでは、速度の和×時間=近づいた距離(距離の和)という関係になっています。
(2) 姉が駅から、妹が家から、同時に向かい合って歩き始めます。家から駅までの距離である1200mは、姉と妹が歩いた距離の和です。
(1)と同様に、姉と妹の速度の和である、80+70=150に時間□分をかけると、家から駅までの距離になりますから、150×□=1200となります。
よって、□=1200÷150=8より、8分後に出会います。
距離の差を考える問題です。
(1) 次郎君が出発するときに、太郎君は、10分間進んでいますので、65×10=650m離れた先にいます。これは、次郎君が出発するとき の、太郎君と次郎君の距離の差です。
1分後には、2人の速度の差である、90-65=25m近づきます。650m近づくと追いつくことになりますから、650÷25=26より、26分後に追いつくことになります。
ここでは、速度の差×時間=離れている距離(距離の差) という関係から、距離の差÷速度の差=時間を考えています。
(2) お母さんが出発するときにゆみさんは540m先にいて、お母さんは3分でゆみさんに追いつきました。
ゆみさんの速度を分速□mとすると、お母さんの速度である分速240mとの差より、1分間に(240-□)mずつ近づくことになります。
3分後に追いついたということは、(240-□)×3=540と整頓できます。
よって、540÷3=180が、速度の差である、240-□ですから、240-180=60より、ゆみさんの速度は、分速60mです。
前問と同様,距離の差を考える問題です。
(1) 妹が家を出発してから8分後に、姉が妹を追いかけます。
姉が妹を追いかけて7分たった時、妹は毎分60mの速度で、8+7=15分進みましたから、家から60×15=900m離れた地点にいます。
また、この時(出発して7分後)に姉は、妹より305m手前にいますから、家から(900-305=)595m離れた地点にいます。
よって、姉は7分で595m進みましたので、595÷7=85より、姉の走る速さは、毎分85mです。
(2) 姉が家を出発して7分後の距離の差である305m近づくと追いつきます。
2人の速度の差は、85-60=分速15mですから、305÷15=12.2より、姉は家を出発してから7+12.2=19.2分後に追いつきます。
0.2分=12秒ですから、19分12秒後に妹に追いつくことになります。
速さの問題で時間を求める際には、0.2分=60×0.2=12秒のような時間の単位換算を求められるケースが多いので注意しましょう。
旅人算を表すダイヤグラムについて学習します。
右上がりのグラフと右下がりのグラフが同時に示されている場合は、出会いの問題です。この場合は、横軸の右方向にある(あとに出発した人の)出発時刻を元にしてグラフの間の距離(グラフのたての長さ)を考えます。
右上がりどうし右下がりどうしのグラフが同時に示されている場合は、追いつきの問題です。この場合も同様に、横軸の右方向にある出発時刻を元にしてグラフの間の距離を考えます。予習シリーズ168ページ、類題3下の説明および図を参照して下さい。
旅人算とダイヤグラムの問題です。
A君の動きを表す直角三角形では、距離(たての長さ)は1500m、時間(横の長さ)は(20-5=)15分ですから、1500÷15=100より、A君の速度は、分速100mとわかります。
B君の動きを表す直角三角形では、距離(たての長さ)は1500m、時間(横の長さ)は25分ですから、1500÷25=60より、B君の速度は、分速60mとわかります。
B君が出発して5分後のA君とB君の間は、1500-60×5=1200m離れています。よって、1200÷(100+60)=7.5より、7.5分後にすれちがいますから、B君が出発して5+7.5=12.5分、つまり12分30秒後に2人はすれちがいます。
B君が出発してからの時間ですから、A君が出発する前の5分を加えることを忘れないようにしましょう。
折り返しの旅人算です。
太郎君と次郎君が、A地点を同時に出発して、AB間を往復します。太郎君の方が次郎君より速いので、2人が出会うのは、太郎君がB地点を折り返したあとです。
距離について考えるとき、2人が出会うまでに進んだ距離の和がAB間の往復の距離となります。また、距離の和を考えますから、速度も和を使うことになります。
速度の和は、80+60=140で、24分たつと、140×24=3360より、AB間の往復の距離は、3360mです。
よって、片道は、3360÷2=1680より、AB間の道のりは1680mです。
予習シリーズ169ページの解き方にある図を参照してください。折り返しの旅人算では、この169ページのような図を自分でかけるようにしておくと、6年生になってからの問題を解くスピードに、大きな差を生むことができます。ぜひ図をかく練習をしておきましょう。
第18回は『一方におきかえて解く問題』です。中学受験算数の中でも代表的な問題といわれる、つるかめ算を学習します。
予習シリーズ166ページから167ページにある説明をよく読んでください。つるかめ算のイメージをつかみ、解き方の仕組みを理解しましょう。また、つるかめ算が変化した弁償(べんしょう)算も学習します。
つるかめ算では、1つとりかえるごとに「差」の数ずつ変わっていきますが、弁償算では、1つとりかえるごとに「和」の数ずつ変わっていきます。その違いの理由を理解することが,今回の学習では重要です。
つるかめ算の問題を解く仕組みを考えましょう。
つるかめ算の基本の問題です。
「つる」と「かめ」がいて、頭の数の合計が13で、足の数の合計が44のとき、つるは何羽いるかを考えます。
手順として、問われていないかめが13匹いる(つるは0羽)と考えてスタートします。このとき、足の数の合計は、4×13=52本です。
実際は44本ですから、52-44=8本少なくなければなりません。
そこで、かめ1匹をつる1羽にとりかえると、足の本数が、4-2=2本少なくなりますので、8÷2=4 より、かめ4匹をつる4羽にとりかえることになります。
よって、つるは4羽いました。
一般的な文章題をつるかめ算で解く問題です。
50円切手と80円切手を合わせて15まい買い、1000円さつを1まい出したところ、おつりが70円でした。80円切手を何まい買ったかという問題です。
前問と同様、50円切手を15まい買ったときからスタートします。このときの代金は、50×15=750円ですが、実際の代金は、1000-70=930円でした。
50円切手1まいを80円切手1まいにとりかえると、80-50=30円多くなります。
そこで、930-750=180円多くするには、180÷30=6まいとりかえればよいことがわかります。
よって,80円切手は6まい買いました。
2つの量について、それぞれの1個あたりの量と個数、そして全体の量がわかっている場合に、つるかめ算が使えることになります。問題文を読んで、つるかめ算が使えることの判断ができるだけ早くできるように、練習を重ねましょう。
弁償算といわれる問題を考えます。つるかめ算との違いは何かに注意しましょう。
弁償算の問題です。
200まいのお皿をあらう仕事で、お皿を1まいあらうごとに20円もらえます。ですが、お皿をわってしまうと、20円はもらえずに、お皿代50円を弁償しなければなりません。
(1) (お皿をわらずに200まいあらった場合)
20×200=4000 より、4000円もらえます。
(お皿を1まいわってしまった場合)
あらったお皿99まいの分として、20×199=3980円ですが、わった1まいの弁償として50円少なくなりますので、3980-50=3930 より,3930円もらえます。
(お皿を2まいわってしまった場合)
あらったお皿98まいの分として、20×198=3960円ですが、わった2まいの弁償として(50×2=)100円少なくなりますので、3960-100=3860 より、3860円もらえます。
(2) (1)より、4000円、3930円、3860円、と、お皿を1まいわるごとに、70円ずつ少なくなっていきます。
この70円は、あらったことでもらえる20円がもらえず、弁償のための50円が少なくなりますので、20円と50円の和としての70円少なく なることを表しています。
この考え方で解いてみましょう。
4000-3580=420 より、お皿を1まいもわらなかった場合とくらべて、420円少なくなっています。お皿を1まいわるごとに70円少なくなりますから、420÷70=6 より、お皿を6まいわってしまいました。
前問と同様、弁償算ですが、はじめにある数量(持ち点)がある問題です。
はじめに得点が30点あり、1回勝つごとに5点もらえ、1回負けるごとに1点ひかれるゲームをします。このゲームを20回したときの得点が88点になりました。このときの負けた回数を求めます。
まず、20回すべて勝ったときの点数を求めます。
30+5×20=130点です。
1回負けたとき、5点がもらえず、逆に1点ひかれますから、5+1=6点少なくなります。
実際の点数を考えると、130-88=42点少なくなっていますので、42÷6=7 より、負けた回数は、7回となります。
この問題では、負けた回数を求める問題でしたが、勝った回数を求める問題もありますので、間違えないように問題文をよく読みましょう。
なお、勝った回数を求める場合でも、負けた回数を求めて、20回から引くという流れで解答します。
つるかめ算と、弁償算のちがいをしっかりつかみ、どちらも解けるよう学習してください。
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