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第36回のテーマは「流水算・通過算・時計算と比の利用」です。今回のポイントは、「問題に応じた図の使い方の確認・マスター」です。今回は速さに関係した3つの単元を学習します。流水算では速さの関係を表した線分図を、通過算ではトンネルや鉄橋を通過する電車の図を、時計算では時計の図をかいて考えることを徹底しましょう。また、それぞれの問題を解くときに「なぜその解き方が出来るか?」という根拠を持って説明が出来るように練習しましょう。
「考えよう1」「考えよう2」で流水算を、「考えよう3」で通過算を、そして「考えよう4」「考えよう5」で時計算を学びます。
「考えよう1」「考えよう2」の流水算では、静水時の速さ、上りの速さ、下りの速さ、流れの速さの4つの速さを扱います。まずはこの4つの関係をしっかり理解することが基本です。
「考えよう2」にある線分図を覚えて、流水算の問題を解く時にはいつでもすぐかけるようにしましょう。そのあとの立式がスムーズにできるようになります。
「考えよう3」では通過算の基本の確認をします。特に(2)・(3)を正解できるようにすることが重要です。基本問題ですが、必ず図をかいて列車が鉄橋を渡る様子を把握できるように練習しましょう。長さのある列車の動きがつかみづらいですが、列車の最前部の点を基準に考えると、列車が移動した距離がわかりやすくなります。また、両方の電車が動いているときは、片方を止めて速さの和や差を利用して止まっている電車の横を通過すると考えられるようにしましょう。
「考えよう4」「考えよう5」の時計算は、一言で表すと道のりの代わりに角度を用いた針どうしの旅人算です。速さが角度になる点で解きづらさを感じることがあるかもしれませんが、単位時間に一定の角度を進むという点では、今までに学習した旅人算と変わりはありません。問題演習を通じて慣れていきましょう。
長針と短針が1分間に5.5度ずつ差が縮んだり広がったりすると考えますが、この5.5度をただ暗記するのではなく、長針が1分間に6度進み、短針は0.5度進むので、その差になる、つまり追いかけの旅人算と同じことだということを理解できるようにしましょう。問題によっては、6度と0.5度の和、つまり出会いの旅人算と同じ形である6.5度を使うケースも出てきます。理由も含めて暗記をするようにしましょう。
(2)では、1分間に5.5度ずつ差が縮まることを使えば、最後の問題をすぐに答えられますが、上記のような長針と短針の速さの差を理解するうえでは、2番、3番の問題も大切ですので、抜かさず全問を解くようにしましょう。
「考えよう5」は時計算の中でもテスト頻出のパターンです。(2)(3)では、実際に時計の絵を描いて針が重なる前なのか後なのか確認すると安全です。
さらに、「深めよう1」では流水算の比の利用問題を、「深めよう2」では通過算の比の利用問題を学びます。
「深めよう1」では、速さと比で学習した時と同様に、同じ道のりを進む場合に、速さと時間が逆比の関係になることを利用して、上りの速さと下りの速さの比を線分図で表すまでの流れをスムーズに出来るようにしましょう。具体的な数値が与えられている流れの速さが線分図のどの部分の長さになるかが一気につかめます。このような難度が上がった問題でも、線分図を使えば攻略できます。徹底して図のかき方を覚えて下さい。
「深めよう2」はテストで頻出のパターンです。ここでも列車が鉄橋を渡る場合とトンネルを通過する場合の両方を図にして、列車が鉄橋を渡り始めた地点とトンネルに入り始めた地点をそろえて、図をたてに並べてかく、という流れを徹底的に練習しましょう。そうすることで、時間の差と道のりの差がはっきりとわかります。図をかく際には、列車や鉄橋、トンネルは細かくかく必要はありません。長さの関係がわかればよいです。とにかく自分で図をかくことを実践してください。
演習では、311ページ~312ページの問1~問7はもちろん、問8のグラフを利用した流水算と旅人算の複合問題、313ページ問10・11の行きと帰りで静水時の速さや流れの速さが変わる問題、314ページ問14の速さが変わる通過算、問17の人と電車がすれ違う問題、問19・20の目盛りをはさんで対称になる時計算の問題を学習状況に応じて演習しましょう。
特に、速さの特殊算は上位校で流水算や時計算が大問として出題された場合、難度が跳ね上がるケースが多いです。志望校によって到達目標レベルの差が大きい分野なので、過去問で必要なレベルを確認しておくとよいでしょう。
また、基礎クラスのお子様は、まずは今回の「考えよう」「深めよう」の問題を自分で図がかけるようになるまで何度も練習しましょう。ここをおろそかにすると、問題を見て式を立てる段階で迷いが生じて時間がかかってしまいます。
第36回のテーマは「割合 割合の三用法」です。今回のポイントは、「割合の三用法をスムーズに使いこなせるようにする」です。前回に引き続き、割合の計算の演習です。線分図を使って問題が解けるよう、図の意味を理解した上で公式を覚えるように練習していきましょう。
「学び1」では割合の三用法について、「学び2」では「~増し・~減」について、そして、「学び3」では「もとにする量」が変わる問題について学習します。
「学び1」では、前回学習した、「割合」「もとにする量」「比べる量」が、線分図にするとどの部分にあたるのかを瞬時に判断できるように解答の図なども活用しつつ、覚えるように練習をしましょう。
「学び2」では、「~増し・~減」と言われたときには「もとにする量」に対して増減したことを理解しましょう。353ページの「やってみよう!」では、昨年度を「もとにする量」として、線分図を少し伸ばし、下に0.05、上全体に294人と書き込むと昨年度×1.05=294という式が立てられ、昨年度は280人と計算ができます。特にのちに出てくる売買損益の計算で非常によく使います。ここで練習しておきましょう。
「学び3」は非常に重要です。割合の問題で、問題文の主語が変わるときには「もとにする量」が変化するかどうかを確認するくせを必ずつけましょう。文章に下線を引くなどするとよいです。具体的な数と割合同士が混ざるのを防ぐため、「もとにする量」が変わるときには、355ページの線分図のように必ず記号を変えるようにしましょう。計算間違いがグッと減ります。
演習では、357ページ~359ページ問1~問6の基本問題はもちろん、361ページ問1の三用法の練習問題、362ページ問2・問3の「もとにする量」が変わる問題、363ページ問7の円グラフの問題を徹底的に練習しましょう。
余裕があるお子様は、363ページ問5の「もとにする数」を自分で置くタイプの問題、364ページ問8の2種類のものを表す問題、問9の条件が複雑な割合の問題に取り組んでおきましょう。入試や塾内テストで非常に出やすい問題です。
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