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　中学受験生を持つ親に向けての書籍は数多く出版されています。

「中学受験は親の受験」、「親が教える中学受験」「中学受験の必勝法」といった内容の本が書店には数多く並んでいて、勉強方法や学校選びに関する様々なアドバイスが書かれています。しかし、それらの多くでは、中学受験の負の部分は語られていません。

　中学受験の負の部分、つまり親が感情的になりすぎてしまい様々な弊害が出てしまうことがあるという部分が本音で語られていないのです。

　もちろん、常に親が冷静でいられるほど中学受験の道は平坦ではありません。しかし、親のメンタルを安定させることは、受験を成功に導くための必須条件なのです。

　そこで、今回は親のメンタルを安定させるために、親に苦言を呈してくれる本、最悪の場合どのような弊害を出てしまうのかを教えてくれる本をご紹介させて頂きます。

◆矢野耕平『令和の中学受験　保護者のための参考書』（講談社＋α新書）

amazon『令和の中学受験　保護者のための参考書』矢野耕平（講談社＋α新書）

　中学受験専門塾のスタジオキャンパス代表の矢野先生の著作です。

　現代の中学受験について、保護者世代の昭和の受験との比較を交えながら、中学受験向きの子、不向きな子といった話題から、志望校の選び方、四大塾についての解説や、親子関係まで、幅広いトピックについて書かれています。

　何といっても、本書のいいところは、本音で書かれていることです。塾の代表という立場では言いづらいことも率直に書かれていて、受験生の親に対して、びしばしと苦言を呈しています。しかし、厳しいことばかりではなく、ではどうすればよいのかというアドバイスもしっかりと提示されていて、皆さんにバランスの取れた良い受験をしてもらいたいという思いがひしひしと伝わってきます。

　本書に書かれている中学受験生の親に求められる『三つの覚悟』や、受験直前期の受験生のマナー『三つの「ない」』などは、ぜひ知っておいて欲しい内容です。

　厳しいことも率直に伝えている本書ですが、中学受験はいいものであるという考えが根底にあり、温かみを感じます。バランスの良い受験生活を送るためのバイブルと言っていいでしょう。

◆おおたとしまさ『ルポ 教育虐待 毒親と追いつめられる子どもたち』（ディスカバー携書）

『ルポ 教育虐待 毒親と追いつめられる子どもたち』おおたとしまさ（ディスカヴァー携書）

　次にご紹介させて頂くのは、麻布中高出身の教育ライターおおたとしまささんが丁寧な取材により教育虐待の現場に迫る本です。

　親のメンタルが乱高下を繰り返していると子供を追い詰めてしまうことがあります。受験を上手くいかせてあげたいという気持ちが強すぎて、我が子を愛する気持ちが強すぎて、冷静さを保つことが難しいのです。

　かく言う私も自分の子供が中学受験をする際には、親が冷静さを保つことの難しさを痛感しました。そして、感情的にならない為の戒めとしてこの一冊に書かれていたことを心に刻んでいました。

　万が一にも教育虐待と呼ばれるような事態に陥らないように、最悪のケースを知っておくことは必ず役立つはずです。

　 「教育虐待」とは「あなたのために」という大義名分のもとに親が子に行う、いきすぎた「しつけ」や「教育」のこと。

　子供の幸せを願っていただけなのに、なぜ教育虐待と言われるほどの壮絶な状態に陥ってしまったのでしょうか。

　このメルマガを読んでいただいている多くの方は、ウチは「教育虐待」なんて事態にはならない、と考えているでしょう。もちろん、教育虐待に陥り、取り返しがつかないような事態になるとわかっていれば誰も子供をそこまで追い詰めるようなことはしないでしょう。
　しかし、おおたさんは言います。親には教育が虐待に変わるその一線が見えていない、と。皆さんには、その一線がはっきりと見えていますでしょうか。

　本書では、社会人になってからうつ病を発症したケースや、頭髪を抜き毛根を食べるようになってしまったケースなど、教育虐待の詳細な事例の紹介や、親が子供をそこまで追い詰めてしまう心理についての考察、そして親にできることとは何かについて書かれています。

　中学受験生を持つ皆さんにぜひ読んでいただきたい一冊です。

 　今回ご紹介させて頂いた2冊で描かれているような学受験の負の部分もしっかり意識していけば、負の部分に足を踏み入れることなく、親子で大変な中にも明るく充実感のある受験にできるでしょう。頑張ってください！応援しています！

　われわれ中学受験鉄人会のプロ家庭教師は、常に100％合格を胸に日々研鑽しております。ぜひ、大切なお子さんの合格の為にプロ家庭教師をご指名ください。