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第4回は『平面図形と比(2)』です。はじめに、合同と相似から学習します。2つの図形において、形も大きさも等しい図形を合同といいます。また、形は同じですが、大きさが異なる図形を相似といいます。どのような場合に、合同や相似となるのかという条件があり、これらの条件を、それぞれ合同条件、相似条件といいます。予習シリーズ37ページにある条件をおぼえておきましょう。
相似の問題では、必修問題6、7のように、何組かの相似関係にある図形が組み合わさるケースがとても多くあります。まずは平行線をヒントに、相似の関係を見つけられるようにしましょう。また図を自分でかくことで,理解が深まります。
合同な図形の発見と、その利用を学習します。
合同条件の利用と、合同な図形における角度を求める問題です。
(1) 三角形ABDと合同な三角形を見つける問題です。合同条件に合わせて、どの部分が 等しいかを考えます。三角形ABCは正三角形ですから、AB=BC、角ABD=角BCE=60°です。また、問題文よりBD=CEです。これらは、合同条件のうちの、2辺とその間の角がそれぞれ等しい、という条件にあてはまります。よって、三角形ABDと合同な三角形は三角形BCEです。
(2) 合同な三角形では、対応する(重なる)辺の長さや対応する角の大きさは等しいですから、三角形ABDと三角形BCEにおいて、角BAD=角CBE=24°です。また、角ABE=60-24=36°です。三角形の外角の定理により、xは、角ABEと角BADの和ですので、36+24=60より、x=60°です。
縮尺の問題です。縮尺は地図などに使われます。実際の長さを地図などに表したものを縮図といいますが、この場合の小さくする割合を縮尺といいます。縮尺は、通常、分数を使用しますが、この分数の分子の数が地図上の長さ、分母の数が実際の長さを表して、地図上の長さを1として表示したものです。なお、メルマガでは、分数は分子/分母の形で表します。
(1) □/10km=1/50000です。10kmをcm単位に直しますと、10km=1000000cmですので、□=1000000÷50000=100÷5=20より、地図上の長さは、20cmです。
(2) 縮尺は、長さの割合です。よって、面積を考える場合は、長さにもどって考えるとわかりやすいです。2平方cmを、たて1cm、横2cmの長方形として考えます。縮尺5千分の1ですから、地図上の1cmや2cmは、実際の長さでは、1×5000=5000cm=50m、2×5000=10000cm=100mです。よって、面積は50×100=5000平方mとなります。1a=100平方mですから、5000m=50aですので、地図上の2平方cmは、実際の面積は、50aです。
このaやhaのような面積の単位の関係で間違わないように注意しましょう。
予習シリーズの解説では、長さが5000倍であれば面積は5000×5000倍になること から式を立てていますが、上記のように、地図上の面積から、自分で、地図上のたて×横を考え、このたて、横を実際の長さに直して、実際の面積計算をしても正解が求められます。また、縮尺の計算は予習シリーズにあるように分数式で進めると、0を消す作業が進めやすく、間違いが起こりにくくなります。
相似な図形について学習します。中学受験の図形の中でも入試頻出度がとても高い単元です、基本からしっかり理解を積み重ねられるように気をつけていきましょう。
相似な図形において、対応する(重なる)辺の長さの比を相似比といいます。また、相似な図形の面積比は、相似比の数を2回ずつかけた数の比になります。予習シリーズ38ページの説明を参照してください。なお、相似な三角形は、平行線を利用して作られることがとても多くあります。代表的なものとして、ピラミッド型の相似、クロス型の相似があります。こちらも、予習シリーズ39ページの説明を参照してください。
相似な三角形の辺の長さを求める問題です。
(1) ピラミッド型の相似の問題です。ABとCDの平行より、三角形OABと三角形OCDは相似な三角形です。相似比は、AB:CD=6:9=2:3です。OB:ODも2:3で、OD=7.5cmですから、OB=7.5÷3×2=5より、x=5cmです。
(2) クロス型の相似の問題です。ABとCDが平行ですから、三角形OABと三角形OCDは相似な三角形で、相似比は、AB:CD=6:10=3:5です。OB:ODも3:5で、OB+OD=3+5=8が12cmですから、OD=12÷(3+5)×5=7.5より、x=7.5cmです。
相似な三角形の面積比の問題です。
(1) BCとDEの平行より、三角形ADEと三角形ABCは相似な三角形です。相似比は、AE:AC=6:(6+4)=3:5です。ここでDE:BC=6:4と間違わないように気をつけてください。よって、対応する辺である、DE:BCも同じ相似比になりますので、3:5です。
(2) 三角形ADEと三角形ABCの面積比は、相似比を2回ずつかけた、(3×3):(5×5)=9:25です。四角形DBCE=三角形ABC-三角形ADEですので、四角形DBCEの面積は、25-9=16になります。したがって、三角形ADEと四角形DBCEの面積比は、9:16です。
何組かの相似な三角形が入った図形の問題です。
DEとBCの平行より、三角形ADEと三角形ABCは相似な三角形です。また、ABとEFの平行より、三角形ABCと三角形EFCも相似な三角形です。三角形ABCを基準として、三角形ADEと三角形EFCも相似な三角形となります。
(1) 四角形DBFEは平行四辺形になりますので、DB=EFです。よって、相似な三角形ADEとEFCの相似比は、AD:EF(=DB)=6:3=2:1です。したがって、対応する辺である、AEとECも相似比は等しく、AE:EC=2:1です。
(2) 三角形ABCと三角形ADEと三角形EFCは相似な三角形で、相似比は、AB:AD:EF=(6+3):6:3=3:2:1です。ですから、面積比は、(3×3):(2×2):(1×1)=9:4:1となります。四角形DBFEの面積は、9-(4+1)=4ですから、面積は三角形ABC=9、四角形DBFE=4です。よって、4÷9=4/9です。
前問と同様、何組かの相似な三角形が入った問題です。正方形は、対辺が平行になっていますので、相似な三角形が何組かできます。どの相似な三角形を利用するかが重要となります。
(1) 辺CFを使っている三角形は、三角形FCEですので、この三角形FCEと相似な関係の三角形を見つけますと、ADとBFの平行により、三角形ADEが相似の関係にあります。よって、EC:ED=2:4=1:2が相似比です。AD=6cmが比の2にあたりますので、6÷2×1=3より、CFの長さは3cmです。
(2) (1)より、AE:EF=2:1です。また、ABとDEの平行より、三角形ABGと三角形EDGは相似な三角形で、相似比は、AB:DE=6:4=3:2ですから、AG:GEも3:2です。このことから、AG=3、GE=2とすると、AE=3+2=5となり、AE:EF=2:1より、EF=5÷2×1=2.5となります。よって、AG:GE:EF=3:2:2.5=6:4:5です。
第4回は『立方体と直方体の体積』です。立方体・直方体の形やそれぞれの面の形は、予習シリーズ4年上の第19回で学習しました。この学習内容をもとに、今回は、立方体・直方体の体積や表面積を学習します。
体積、表面積の公式を使えるようにすることは当然ですが、例題3、4のような複合立体についての問題が解けるよう、立体を分割することも含めて学習しましょう。
立方体や直方体の体積について学習します。予習シリーズ36ページの説明および公式をよく読み、覚えましょう。公式に使われる1辺やたて・横・高さはすべて、長さを表しています。また、37ページのわくで囲われた内容も覚えておきましょう。
体積を求める公式の練習です。
(1) 立方体の体積を求めます。[立方体体積=1辺×1辺×1辺]です。1辺の長さ=5cmですから、5×5×5=125 より、体積は125立方cmです。
(2) 直方体の体積を求めます。[直方体体積=たて×横×高さ]です。4×3×6=72 より、体積は72立方cmです。
表面積について学習します。予習シリーズ38ページの説明および公式をよく読み、覚えましょう。特に、表面積の公式で、立方体での6倍(×6)、直方体での2倍(×2)の意味を理解しましょう。
表面積を求める練習です。
(1) 立方体の表面積を求めます。[立方体表面積=1辺×1辺×6]です。1辺の長さが5cmの立方体ですから、5×5×6=150 より、表面積は150平方cmです。
(2) 直方体の表面積を求めます。[直方体表面積=(たて×横+横×高さ+高さ×たて)×2]です。たて、横、高さはそれぞれ、4cm、3cm、6cmですから、(4×3+3×6+6×4)×2=108 より、表面積は、108平方cmです。
複合立体の体積、表面積を学習します。複合立体とは、立方体や直方体を組み合わせた立体です。体積問題では、平面図形の面積のときと同様に、分割したり、全体から切り取ったりして求めます。また、表面積の問題では、工夫が必要になります。
直方体から立方体を切り取った立体の体積や表面積を求める問題です。
(1) 体積は、直方体の体積から立方体の体積をひいて求めます。直方体の体積は、10×12×8=960立方cmです。また、立方体の体積は、4×4×4=64立方cmです。よって、960-64=896 より、この立体の体積は、896立方cmです。
(2) 表面積を求めます。複雑に見える立体の場合、前後、上下、左右の6方向から見える面を考えると,考えやすくなります。予習シリーズ40ページの解き方にある図を参照してください。前から見ると、へこんでいる部分を合わせて、高さ8cm、横12cmの長方形になり、後ろから見た形と同じです。上から見ると,同じくへこんでいる部分を合わせて、たて10cm,横12cmの長方形になり,下から見た形と同じです。右から見ると、同じくへこんでいる部分を合わせて、高さ8cm、たて10cmの長方形になり、左から見た形と同じです。まとめると、立方体を切り取る前の、もとの直方体の表面積と同じになります。よって、(10×12+12×8+8×10)×2=592より,この立体の表面積は348平方cmです。
複合立体の体積についての問題です。予習シリーズ41ページの解き方にある図を参照してください。
この問題は、底面積(たて×横)×高さ=体積 の式を利用して解いてみましょう。この立体を、たて方向に2つの直方体に分けて(左右に分けて)進めます。左の直方体の底面積は、たて10cm、横6cmですから、10×6=60平方cmです。右の直方体の底面積は、たて4cm、横8cmですから、4×8=32平方cmです。高さは、左右のどちらの直方体も□cmですから、体積計算は、(60+32)×□=736 となります。この式を逆算して、736÷(60+32)=8 より、この立体の高さ□は、8cmです。
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