No.1097 早稲アカ・四谷大塚予習シリーズ算数下対策ポイント 4・5年生(第11回)

<算数 5年下 第11回>

 第11回は『速さと比(3)』です。円周上の旅人算、および時計に関する問題を学習します。なお、メルマガでは、分数は、分子/分母の形、帯分数は、(整数と分子/分母)の形で表すこととします。

<今回のポイント>

 必修例題3のような複雑に思える問題は、問題文の条件を図にかいて、区間にかかる時間を整頓して進めます。また、時計算は、必修例題4をしっかり理解しておきましょう。

【対策ポイント1】

 2人が、円周上を同じ地点から出発して円周上を回るとき、反対方向に進む場合は、出会うまでに動く道のりの[和]は円周の長さ1つ分になります。また、同じ方向に進む場合は、速度の速い人が、速度の遅い人に追いつくまでに動く道のりの[差]は円周の長さ1つ分になります。このことは、5年上第19回で学習しました。この内容に比を交えて問題を解いていきます。

[必修例題1]

 兄弟が池のまわりを回る問題です。
 1周するのに、兄は20分かかり、弟は30分かかります。1周の道のりは、等しいのですから、速度比と時間比は逆比の関係にあります。兄と弟の速度比は、1/20:1/30=3:2です。兄の速度を3として20分で進む道のりは、3×20=60ですから、この池のまわりの道のりは60となります。

(1) 旅人算を考えます。60の道のりを、兄の速度を3、弟の速度を2として、同時に出発して反対方向に進みますから、60÷(3+2)=12より、2人がはじめて出会うのは、12分後です。
(2) 速度を2とする弟は、5分で、2×5=10の道のりを先へ進んでいます。このへだたり(2人の間の長さ)を兄が弟を追いかけます。10÷(3-2)=10より、兄が弟に追いつくのは、兄が出発してから10分後です。

 速度や道のりを、比の値で表して解き進めると断然解きやすくなりますので、この方法に慣れていきましょう。

[必修例題2]

 必修例題1の逆問題です。池のまわりをA君とB君が反対方向に走ると6分ごとに出会い、同じ方向に走ると24分ごとにA君がB君を追いこします。

(1) 出会うまでに走る道のりの和と追いつくまでに走る道のりの差は、どちらも池のまわり1周分で等しいです。よって、A君とB君の、(速度の和)と(速度の差)の比は、出会いにかかる時間と、追いこしにかかる時間の比の逆比になります。1/6:1/24=4:1が、速度の和と速度の差の比になります。この数を和差算で、A君の速度は(4+1)÷2=2.5、B君の速度は(4-1)÷2=1.5と考えられますので、2.5:1.5=5:3より、A君とB君の速度の比は、5:3です。
和差算を使った解き方が曖昧な場合は、線分図をかいて内容を整頓しましょう。
(2) A君の速度を5、B君の速度を3として、出会うまでに走る道のりである、(5+3)×6分=48を、池1周の道のりとします。よって、48÷5=9.6より、A君がこの池のまわりを1周するのにかかる時間は、9.6分です。
(3) A君は、9.6分ごとにスタート地点にもどります。また、B君は、48÷3=16より、16分ごとにスタート地点にもどります。よって、同時にスタート地点にもどるのは、9.6と16の最小公倍数である、48分後です。また、このとき、A君は、48÷9.6=5より、この池を5周しています。

[必修例題3]

 池のまわりの別々の地点から、兄と妹が反対方向に池をまわる問題です。予習シリーズ108ページの解き方にある図を参照してください。

(1) AB間で、2人がはじめて出会った地点をDとすると、兄はDB間を8分で進み、妹は同じDB間を12分で進んでいます。同じ道のり(DB)を進むときの時間比は、8:12=2:3です。兄はAB間を、12+8=20分で進みますので、20÷2×3=30より、妹は、出発してからA地点を通過するのは、30分後です。
(2) (反時計回りに進む)兄は、A→B→Cを60分で進みます。A→Bには20分かかっていますので、B→Cには60-20=40分かかっています。また、この60分の時間で、(時計回りに進む)妹は、B→A→Cを進みますが、そのうち、B→Aを30分で進みますので、A→Cには、60-30=30分かかっています。妹が30分かかる道のり(AC)を、兄は、30÷3×2=20分で進みます。よって、60+20=80より、兄はこの池のまわりを1周するのに、80分かかります。また、兄が80分かかる道のり(池のまわり1周)を、80÷2×3=120より、妹は、120分かかります。

 このように段階を踏んで解く問題は、慣れるまでは急いで解こうとせずに、上記のようにひとつひとつの内容を書き出して整頓するようにしましょう。

【対策ポイント2】

 時計に関する問題を学習します。時計の短針と長針の作る角の大きさと、時刻の関係を時計算といいます。基本的には、円周上の旅人算で、同方向に動く場合の問題と同じ考え方で解き進めます。
 基本知識の確認をしておきましょう。時計の文字盤(12から1、2、3、…と続き、12にもどる)の1めもりは、360÷12=30度です。また、短針は、この(1めもり)30度を1時間=60分で動きますから、短針の動く速さは30÷60=0.5より、分速0.5度です。そして、長針は、1周360度を1時間=60分で動きますから、長針の動く速さは360÷60=6より、分速6度です。なお、時計算では、12のめもりからの時計回りの角度を道のりとして考えます。

[必修例題4]

 4時と5時の間で考える時計算です。

(1) 4時40分のときの両針(長針と短針)の作る角を考えます。4時ちょうど(正時といいます)のとき、短針は、長針より30×4=120度先にあります。40分で、長針は、6×40=240より、12のめもりから240度進みます。また、同じ40分で、短針は、0.5×40=20より、4のめもりから20度進みますが、12のめもりからの角度は、120+20=140度です。よって、12のめもりからの角度の差が、両針の作る角になりますので、240-140=100度です。
(2) 両針が重なる時刻を求めます。重なるということは、長針が短針に追いつくということです。4時ちょうどのとき、短針は長針より120度先にあり、この差を長針が追いかける旅人算です。120÷(6-0.5)=(21と9/11)より、重なる時刻は、4時から(21と9/11)分たった時刻である、4時(21と9/11)分です。
(3) 両針の作る角が2度目に直角になる時刻を求めます。1度目に直角になるのは、短針が長針より先にある場合ですが、2度目に直角になるのは、長針が短針より90度先にある場合です。ということは、120度先にあった短針を追いこして、90度先に進むということになります。つまり、長針が短針より、120+90=210度多く進む時刻です。よって、210÷(6-0.5)=(38と2/11)より、時刻は、4時(38と2/11)分です。
 
 時計算では長針、短針の動きをより正確にイメージできるように、慣れるまでは予習シリーズ107ページの解き方にあるような図を自分でかく練習を重ねるとよいでしょう。

<算数 4年下 第11回>

 第11回は『角柱と円柱』です。底面の形が円や三角形、四角形、などで、太さの変わらない柱のような立体である円柱、三角柱、四角柱などの立体について、学習します。用語、公式をきちんと覚え、使えるようにしましょう。

<今回のポイント>

 公式の使用が中心ですので、きちんと覚えて、あとはトレーニングです。加えて、3.14の計算も工夫が必要です。また、展開図から立体を考えることにもなれていきましょう。

【対策ポイント1】

 角柱・円柱の性質を学習します。予習シリーズ100ページの説明をよく読みましょう。

[例題1]

 角柱の面、辺、頂点の数を考えます。底面の図形をN角形としたN角柱を考えて、まとめておきます。面の数は、上底面と下底面および、側面がN面ありますので、面の数は、(N+2)面です。辺の数は、底面のN角形の辺の数はN本で、これが上底面、下底面2つにあり、また、この上下2つのN角形の角を結ぶ直線(高さにあたります)がN本ありますので、合計して、辺の数は、(N×3)本です。頂点の数は、上底面、下底面のN角形にN個ずつありますので、合計して、頂点の数は、(N×2)個です。

(1) 上にまとめたように、五(5)角柱では、面の数は、5+2=7つ、辺の数は、5×3=15本、頂点の数は、5×2=10個です。
(2) 24÷3=8 より、八角柱です。

【対策ポイント2】

 角柱・円柱の体積と表面積について、学習します。予習シリーズ101ページから103ページまでの内容をきちんと読み、用語もふくめて公式を覚えましょう。

[例題2]

 角柱の体積と表面積を求める問題です。

(1) 底面が台形(四角形)である、四角柱の体積を求めます。公式 [体積=底面積×高さ]  底面である台形の面積は、(4+7)×4÷2=22平方cm、よって、高さの6cmをかけて、22×6=132 より、体積は、132立方cmです。
(2) 同じ四角柱の表面積を求めます。
公式 [表面積=底面積×2+側面積]
[側面積=底面のまわりの長さ×高さ]
底面積×2=22×2=44平方cm
側面積=(4+4+5+7)×6=120平方cm
よって、44+120=164 より、表面積は、164平方cmです。

[例題3]

 円柱の体積と表面積を求める問題です。公式は、角柱の場合とまったく同じです。

(1) 体積を求めます。底面は半径4cmの円ですから、面積は、4×4×3.14=16×3.14平方cm、よって、高さの5cmをかけて、16×3.14×5=80×3.14=251.2 より、体積は、251.2立方cmです。
(2) 表面積を求めます。
底面積×2=16×3.14×2=32×3.14平方cm
側面積=円周×5=4×2×3.14×5=40×3.14平方cm
よって、(32+40)×3.14=72×3.14=226.08 より、表面積は、226.08平方cmです。

 この問題での計算に注意してください。円に関係する数量、つまり円周率3.14のかけ算が入る計算では、3.14の計算はまとめて最後に計算するよう、心がけましょう。計算ミスをふせぐことができます。

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