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第6回は『立体図形(1)』です。回転体の体積・表面積、展開図の利用、投影図の問題、立体の切断を学習します。
今回の学習する立体図形は、解法のための作業が大切です。それぞれの作業ポイントをしっかり身につけましょう。
平面図形を、1つの辺を回転の軸にして回転させて作った立体(回転体といいます)の問題です。どのような立体になるかを調べるには、回転の軸を線対称の軸として、線対称図形をかき、対応する点どうしを、丸みをつけて結びます(予習シリーズ64ページの解き方にある図)。
(1) 立体を上部の円柱部分と、下部の円すい台(円すいを、底面に平行な面で切断した下部の立体)部分に分けて考えます。円柱は、底面の半径3cm、高さ4cmです。その体積は、3×3×3.14×4=36×3.14。円すい台は、底面の半径6cm、高さ8cmの円すいの体積から、底面の半径3cm、高さ4cmの円すいの体積をひいて求めます。その体積は、6×6×3.14×8÷3-3×3×3.14×4÷3=(6×6×8-3×3×4)×3.14÷3=84×3.14。よって、36×3.14+84×3.14=(36+84)×3.14=376.8より、円柱と円すい台の合計であるこの回転体の体積は、376.8立方cmとなります。3.14を用いる式がいくつか出てきたときは、3.14計算を最後にまとめてするようにしましょう。
(2) 表面積は、底面積2つと側面積2つの合計です。まず、円すいの側面積は、母線×底面半径×円周率 で求められることを確認しておきましょう。円柱と円すいの底面積の和は、3×3×3.14+6×6×3.14=(9+36)×3.14=45×3.14。円柱と円すい台の側面積の和は、3×2×3.14×4+10×6×3.14-5×3×3.14=(24+60-15)×3.14=69×3.14。よって、(45+69)×3.14=114×3.14=357.96より、表面積は、357.96平方cmです。
立体の表面に糸をピンと張る問題です。この問題では、糸が通過する表面の展開図をかいて考えます。また、「ピンと張る」ということは、最短になるということで、展開図において直線になります。予習シリーズ65ページの解き方の図を参照して下さい。展開図の中にある、三角形ADFと三角形ACEが相似であることを利用して、CEの長さを求めます。CE:DF=AE:AFです。つまりCE:12=(6+4):(6+4+6)ですから、比例式の性質を使って、12×10÷16=7.5より、Cの高さ(=CEの長さ)は、7.5cmとわかります。
立方体の切断の問題です。切断の基本は2つです。切断面の回りの直線(切断線と名付けます)について、
(ア)同じ表面にある2点は、切断線として直線で結べる。
(イ)平行な表面には、平行な切断線が引ける。
という2つのポイントがあります。
(1) 点AとCは面ABCD上にあるので切断線で結べます。点CとQも同様です(面BCGF)。点QとAも同様です(面ABFE)。よって、切断面は、3つの点A、C、Qを順に結んだ(二等辺)三角形ACQとなります。
(2) 点AとDは同じ面というより、辺ですから当然、切断線で結べます。点DとRは、面DCGH上の2点ですから、切断線で結べます。この面DCGHと平行な面ABFE上に点Aからひける切断線は、直線DRと平行になりますので、CR=BQより、切断線AQとなります。また、点RとQは、面BCGD上の切断線になり、切断線ADと平行です。よって、切断面は四角形ADRQで、長方形です。
(3) 点CとFは、面BCGF上の切断線です。点FとPも、面ABFE上の切断線です。そして、面BCGFと平行な面ADHE上に、切断線CFと平行な直線が点Aからひけることになります。この直線は、辺AD上を通ります(辺ACとの交点をSとします)が、面ADHE上の三角形ASPは、面BCGF上の三角形BCFと相似になります。結果として、切断面ASCFは(等脚)台形となります。
第6回は『濃さ』です。食塩水(水に食塩を加えたもの)の重さをもとにする量として、その中にとけている食塩の重さを比べる量とする、割合の問題です。もとにする量となる食塩水の重さは、食塩の重さと水の重さの合計であることに注意しましょう。予習シリーズ60ページの説明をよく読み、理解しましょう。また、濃さの単位は%ですが、計算上は、小数か分数を使用することにも注意が必要です(分数で計算するとスピードアップになります)。※分数は、分子/分母の形で表します。
食塩水の問題では、食塩水,食塩、濃度の3要素のうち,何が変化しているのか、変化していないのかを見極めることが重要です。また、食塩水の混合は、平均の問題ですので、平均問題で学習した面積図が使えるように心がけましょう。加えて、濃度を分数で計算することにより、スピードアップを図りましょう。
公式を自在に使えるようにしましょう。
基本のトレーニングです。「食塩水の重さ×食塩水の濃さ=食塩の重さ」を基本に整頓します。
(1) 食塩水の重さ(=水の重さ+食塩の重さ)に注意します。濃さを小数で□として整頓すると、(100+25)×□=25となります。□=25÷125=0.2と計算できますが、濃さの単位は%ですから、計算結果の0.2を100倍して%の単位にします。よって、食塩水の濃さは20%です。
(2) 濃さは8%ですから、計算上8/100として、300×8/100=24より、とけている食塩の重さは、24gです。
(3) 繰り返しますが、食塩水は水の重さと食塩の重さの合計ですから、水の重さを□gとして整頓すると、(□+30)×12/100=30となります。□+30=30÷12/100=250で、□=250-30=220より、水の重さは、220gです。 食塩水の重さを計算して答えとしないよう、注意しましょう。
食塩の重さは変わらなくても、水の重さが変わると、濃度は変化することに注意しましょう。
食塩水に水を加える混合問題です。「水を加えても、食塩の重さは変わらない」ことに注目します。
(1) 初めの食塩水に含まれる食塩の重さは、200×18/100=36gです。水を40g加えるので、食塩水の重さは、200+40=240gになりました。よって、36÷240=0.15より、濃さは15%です。
(2) 初めの食塩水に含まれる食塩の重さは、250×8/100=20gです。加える水の重さを□gとして、整頓すると、(250+□)×5/100=20となります。よって、250+□=20÷5/100=400で、□=400-250=150より、加えた水の重さは150gとなります。
(3) 水を蒸発させる問題です。水を蒸発させても食塩の重さは変わらないことに注目します。初めの食塩水に含まれる食塩の重さは、400×3/100=12gです。蒸発させる水の重さを□gとすると、食塩水は、(400-□)gになりますので、(400-□)×5/100=12と整頓できます。よって、400-□=12÷5/100=240より、□=400-240=160ですから、蒸発させる水の量は、160gです。
食塩水に食塩を加える混合問題です。「食塩を加えると、食塩水の重さも増える」ことに注意します。
(1) 初めの食塩水に含まれる食塩の重さは、300×4/100=12gです。食塩を20g加えた後の濃さを小数で□として、整頓すると、(300+20)×□=12+20となります。□=32÷320=0.1より、濃さは10%です。
(2) 初めの食塩水に含まれる食塩の重さは、150×12/100=18gです。加えた食塩の重さを□gとして整頓すると、(150+□)×20/100=18+□となりますが、これでは、□を求めることができません。そこで、「変化していない水の重さに注目」します。食塩水全体の12%が食塩の重さでしたから、100%-12%=88%が水の重さということになります。150×88/100=132gである水の重さは、食塩を加えた後の食塩水(濃さが20%)では、100%-20%=80%になります。加える食塩の重さを□gとして、水の重さについて整頓すると、(150+□)×80/100=132より、150+□=132÷8/100=165で、□=165-150=15となります。よって、加えた食塩の重さは15gとわかります。
このように、食塩水の問題では「変化していない量」に注目することに気をつけましょう。
濃さの異なる食塩水を混ぜてできる食塩水について学習します。
食塩水どうしを混合させる問題です。
(1) それぞれの食塩の重さを求めて、食塩水の重さの合計、食塩の重さの合計から濃さを求めます。200×4/100=8、300×9/100=27 より、食塩の重さの合計は、8+27=35gです。濃さを小数で□として整頓すると、(200+300)×□=35となります。□=35÷500=0.07より、2つの食塩水を混ぜてできた食塩水の濃さは、7%です。
(2) 食塩水200gの濃さを小数で□とすると、食塩の重さは200×□となります。もう一方の食塩水100gでは、食塩の重さは、100×5/100=5です。整頓すると、(200+100)×7/100=200×□+5となります。300×7/100=21より、21=200×□+5です。よって、□=(21-5)÷200=0.08より、200gの食塩水の濃さは、8%でした。
前問と同様、食塩水の混合問題ですが、片方の食塩水の重さがわかりません。平均問題と同様に、面積図を利用して解きます。「食塩水の重さ×濃さ=食塩」を「横×たて=面積」として、面積図をかいて解きます。予習シリーズ65ページ、66ページの解き方にある面積図を参照してください。 なお、面積図では、%単位の数量で解き進めてもよいことを覚えておきましょう。
(1) 66ページの最初の面積図において、ア=イですので、 300×(11-5)=□×(20-11) より、□=300×6÷9=200です。よって、20%の食塩水を200g混ぜればよいことになります。
(2) 66ページの2つ目の面積図において、同じくア=イですが、このままでは□は求められません。そこで、ウの部分を両方に加えて考えます。ア+ウ=イ+ウとして、□×(15-6)=900×(10-6) より、□=900×4÷9=400です。よって、15%の食塩水を400g混ぜればよいことになります。
食塩水の問題は、多くの中学校の入試問題に出題されています。基本の考えをしっかりと身に付けましょう。
第6回は『小数と単位』です。まずは、予習シリーズ52ページにある小数の仕組みを理解して覚えましょう。また後半の「単位」の問題は5年、6年になっても苦手とされる生徒が多い単元ですので、基本からしっかり固めておきましょう。※分数は、分子/分母の形で表します。
今回の重要ポイントは「単位計算」です。今回は3種類の単位を学習しますが、今後もその他の単位も出てきますので、ここで小数のたし算・ひき算を使う単位の計算方法をしっかり学んでおきましょう。
小数のしくみの問題です。
(1) 1が3個で3、 0.1が7個で0.7、 0.001が5個で0.005となります。これらの数を集める、つまり和を求めると、3.705です。
(2) 0.01が10個あつまると、0.1となりますので,24個のうちの20個で、0.2です。残りの4個は、0.01が4個ですから0.04です。合わせて0.24です。
(3) 1/1000は0.001ですから、0.001を683個集めることになります。小さい位から、0.001を3個,0.01を8個、0.1を6個集めることになります。合わせて0.683です。
小数のたし算・ひき算の問題です。ここでは、注意点を説明することにします。小数のたし算・ひき算は、筆算において小数点を上下でそろえることが重要です。たし算では、計算結果で末尾(答えの右はし)に0(ゼロ)がある時は消すことを注意しましょう。ひき算では、ひく数(筆算で下の段におく数)のけたが、ひかれる数(筆算で上の段におく数)のけたより多いときは、ひかれる数の右に0をつけて、けたの数をそろえることがポイントです。予習シリーズ55ページの解き方にある筆算を参照してください。
長さ・重さ・かさの単位について学習します。単位は今後の算数の学習、テストの計算問題など様々な場面に出てきます。確実に習得できるまで、反復練習をしましょう。予習シリーズ55ページにある、単位についての説明を参照してください。特に、キロ(kの文字を使います)は、kのない単位の1000倍の大きさを表し、ミリ(mの文字)は、mのない単位の1/1000(=0.001)の大きさを表すことを覚えておきましょう。つまり、1m(メートル)の1000倍の大きさである1000mは1km、1mの1/1000の大きさは1mm(ミリメートル)となります。キロ,ミリの他、長さの単位では、1/100(=0.01)の大きさを表すセンチ(cの文字)、かさの単位では、1/10(=0.1)の大きさを表すデシ(dの文字)も使われます。これらも合わせて使えるようにトレーニングしましょう。
長さ・重さ・かさの単位を学習します。予習シリーズ56ページの例題3の前にある,単位のなおし方をよく読んで理解しましょう。ここでは、小数点の移動によって単位をなおすことを説明しています。
(1) 1m=100cmですから、m→cmにかえるには、小数点を2つ右にうつします。よって,5.8m=580cmです。
(2) 1000g=1kgですから、g→kgにかえるには,小数点を3つ左にうつします。よって,2700g=2.7kgです。
(3) 1L=1000mLですから、L→mLにかえるには、小数点を3つ右にうつします。よって,0.65L=650mLです。
単位のついた数量のたし算・ひき算です。それぞれの数量を、求める単位にそろえて、たし算・ひき算をします。
(1) 2800m+0.76km=□m、0.76km=760m より、2800+760=3560、よって,□=3560です。
(2) 2.25L-1500mL=□dL、1L=10dL より、2.25L=22.5dLです。また、1500mL=15dLです。よって、22.5-15=7.5 より、□=7.5です。
小数のたし算・ひき算は思いのほか、ミスする生徒が多いようです。筆算をていねいにするよう、心がけましょう。また、繰り返しになりますが、単位計算はこの回にできるだけ習得しましょう。
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