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第7回は、『数と規則性(2)』です。約数・倍数、割り算とあまり、素因数分解について学習します。
複雑に感じますが、数の仕組みを理解し、また、素因数分解を利用することで解ける問題が多いです。
約数の個数について学習します。
素因数分解を利用して考えます。
(1) 約数の個数が3個の整数は、素因数分解したときに、aを素数として、(a×a)の形になります。素数の小さい方から5番目の11をaにあてはめて、11×11=121 より、5番目の数は、121です。
(2) 約数の個数が4個の整数は、素因数分解したときに、a、b、cを素数として、(a×b)の形、または、(c×c×c)の形になります。
a×b→2×3=6、2×5=10、2×7=14、3×5=15、3×7=21、… c×c×c→2×2×2=8、3×3×3=27、…
となりますので、小さい方から順に並べると、6、8、10、14、15、21、…
よって、21は6番目の数です。
割り算とあまりについて学習します。
問題文を整頓して進めます。
(2) 3けたの整数を□とします。
□+5=3の倍数…式A、□+3=5の倍数…式B
式Aの両辺(等号の左右)に3を加えると、□+5+3=3の倍数となり、式Bの両辺に5を加えると、□+3+5=5の倍数となります。結果として、□+8は、3と5の公倍数です。つまり、3と5の最小公倍数の倍数です。□+8=15×〇となりますので、3けたの最小である100の近くをさがします。100÷15=6あまり10 より、15×7=105ですので、105+15-8=112 より、この整数は112です。
(3) 2けたの整数を□とします。□÷12=AあまりAとなり、この式は変形すると、□=12×A+A=13×Aとなります。100÷13=7あまり9 より、□=13×7=91ですので、この整数は91です。
(2) 61、97、151をある整数□で割ったときのあまりを〇として、整頓します。それぞれの商をA、B、Cとすると、61=A×□+〇、97=B×□+〇、151=C×□+〇となります。ここで、2数の差を考えることがポイントになります。
97-61=(B×□+〇)-(A×□+〇)=(B-A)×□=36
151-97=(C×□+〇)-(B×□+〇)=(C-B)×□=54となり、ここから、□は36と54の公約数です。よって、36と54の最大公約数である18が、求める数です。
(3) 99÷a=bあまりb より、99=a×b+b=(a+1)×bとなります。なお、a>bに注意しましょう。99を2数の積に表すと、1×99、3×33、9×11ですから、(a、b)の形で整理すると、(98、1)、(32、3)、(10、9)となりますので、はじめの組をのぞいて、(32、3)と(10、9)が求める組み合わせです。
素因数分解を応用した問題を学習します。
(1) 156を素因数分解すると、156=2×2×3×13ですので、156で割り切れる整数には、これらの数がふくまれます。よって、最大の素数13をふくむ整数は、A=1×2×……×12×13ですので、Nは13です。
裏返すカードに書かれた数はどのような数かを考えます。
左から2枚ごとに裏返したカードに書かれている数は、2の倍数です。その後、3枚ごとに裏返したカードに書かれている数は、3の倍数ですが、例えば、カード6のように、2と3の公倍数は、2回裏返っています。例えば、カード12は、2枚ごと、3枚ごと、4枚ごと、6枚ごと、12枚ごと、と5回裏返っています。このことから、カードに書かれている数の(約数の個数-1)回、裏返ることになります。
(1) 3回裏返されたカードは、3+1=4 より、約数の個数が4個の数のカードです。必修例題1の(2)の問題と同様に考えて、
(a×b)の形→ 2×3、2×5、2×7、2×11、2×13、2×17、2×19、2×23、3×5、3×7、3×11、3×13、5×7の13個、(c×c×c)の形→ 2×2×2、3×3×3の2個、以上の15枚です。
(2) 表面が上になっているのは、裏返る回数が偶数回=(約数の個数-1)回ですので、約数の個数が奇数個の数、つまりの平方数のカードです。1×1=1、2×2=4、3×3=9、4×4=16、5×5=25、6×6=36、7×7=49がありますので、表面が上になっているカードは、7枚です。
第8回は『多角形の回転・転がり移動』です。図形の回転移動・転がり移動を学習します。この問題は、円に関する問題となります。計算上、中心角を表す部分で分数を用いますが、ここでは、分子/分母の形で表します。自分で図をかいて確かめながら進めましょう。また、弧の長さやおうぎ形の面積を求める計算がほとんどですので、円周率3.14を含む計算は、まとめて計算することを心がけましょう。
少々難しい内容です。繰り返し述べますが、自身で図をかくことで、図形の動きがわかります。このことが類似問題に有効になります。
多角形の回転移動について学習します。回転移動とは、図形をある点を中心に回転させることをいいます。この移動では、回転の中心の点から図形の各頂点までのそれぞれの直線は、同じ角度だけ回転します。よって、各頂点の動いたあとの線は、中心からの長さを半径とし、中心角が等しいおうぎ形の弧をえがきます。予習シリーズ84ページの説明をよく読んでください。
[例題2]
三角形を1つの点を中心に回転させた問題です。
直角三角形ABCを、頂点Cを中心にして矢印の方向に90度回転させます。予習シリーズ86ページの問題の図を参照してください。また、(3)は、解き方にある図を参照してください。
(1) 頂点Aが動いた線は、頂点Aと回転の中心Cを結んだ辺ACの長さ10cmを半径とし、回転の角度(=中心角)が90度のおうぎ形の弧の長さになります。10×2×3.14×90/360=5×3.14=15.7より、頂点Aが動いたあとの線の長さは、15.7cmです。
(2) 辺ACが動いた後の図形は、辺ACの長さ10cmを半径とした、中心角90度のおうぎ形になりますので、おうぎ形の面積を求めることになります。10×10×3.14×90/360=25×3.14=78.5より、辺ACが動いたあとの図形の面積は、78.5平方cmです。
(3) 回転移動により、直角三角形ABCが動いたあとの図形で、頂点Aが動いたあとの点をA’、頂点Bが動いたあとの点をB’とします。辺ABが動いたあとの図形は、辺ABと辺A’B’、弧AA’と弧BB’に囲まれた部分の図形になります。予習シリーズ86ページの解き方にある図を参照してください。
この図形は、(ア)三角形ABCとACを半径とする四分円を合わせた図形の面積から、(イ)三角形A’B’CとBCを半径とする四分円を合わせた図形の面積をひいて求めることができます。(ア)-(イ)ですが、三角形ABCと三角形A’B’Cはもともと同じ図形ですから、ひき算するとなくなります。
よって、ACを半径とする四分円の面積から、BCを半径とする四分円の面積をひくことで求められますので、10×10×3.14×1/4-8×8×3.14×1/4=(25-16)×3.14=28.26より、辺ABが動いたあとの図形の面積は、28.26平方cmです。
三角形を1つの頂点を中心に1回転させた問題です。
(1) 回転の中心Bと動いた点Cを結ぶ5cmを半径とする円周を求めることになります。5×2×3.14=31.4より、頂点Cが動いたあとの線の長さは31.4cmです。
(2) この問題では、回転の中心Bから、一番遠い点の動いた図形と、一番近い点の動いた図形が重要になります。
点Bから一番遠い点はCで、(1)で考えたように半径5cmの円をえがきます。また、点Bから一番近い点は、Bから辺ACにひいた垂直の線が交わる点で、点Dとします(予習シリーズ88ページにある解き方の図参照)。そした、BDの長さ2cmを半径とする円をえがきます。
よって、辺ACが通ったあとの図形は、点Bを中心とする、半径5cmの円と半径2cmの円の間の部分となり、2つの円の面積の差を求めることになります。5×5×3.14-2×2×3.14=(25-4)×3.14=21×3.14=65.94より、直線ACが通ったあとの図形の面積は、65.94平方cmです。
多角形の転がり移動について、学習します。多角形が直線上を転がる場合、直線上に、転がる多角形の頂点の記号をかいておくことをお勧めします。このことで、どの点を中心に回転するかがわかりやすくなります。ここでも、自分で図をかくことが大切です。
直線上を長方形が転がる問題です。長方形ABCDを、直線上を直線にそってすべらないように転がします。予習シリーズ89ページの解き方にある図を参照してください。この図を自分でもかいてみましょう。直線ℓ上に、B、Cに続く、長方形の各頂点の記号D、A、Bを記入することをお勧めします。
(1) 頂点Bの動きを確認します。
(a) はじめに、点Cを中心に、長さ8cmのBCを半径として、90度回転します。
(b) 次に、点Dを中心に、長さ10cmのBDを半径として、90度回転します。
(c) 次に、点Aを中心に、長さ6cmのBAを半径として、90度回転します。
以上のそれぞれの回転によってできる弧をかきます。解答の図を参照してください。また、これらの弧の長さの合計を求めます。
弧(a)+弧(b)+弧(c)=(8×2×3.14×1/4)+(10×2×3.14×1/4)+(6×2×3.14×1/4)=(8+10+6)×2×3.14×1/4=12×3.14=37.68 より、頂点Bの通ったあとの図形の線の長さは、18.84cmです。
(2) (1)で、頂点Bが通ったあとの図形の、3つの四分円(a)、(b)、(c)の面積が求める面積に入りますが、そのほかに、(a)と(b)の間にある直角三角形BCDの面積、(b)と(c)の間にある直角三角形DABの面積も、すべて直線との間の面積として、計算に入ることを忘れないようにしましょう。予習シリーズ89ページの解き方にある図を参照して下さい。
よって、面積(a)+面積(b)+面積(c)+直角三角形2つ の面積を求めます。
(8×8×3.14×1/4)+(10×10×3.14×1/4)+(6×6×3.14×1/4)+(6×8÷2×2)=(64+100+36)×1/4×3.14+48=50×3.14+48=205 より、頂点Bが動いたあとの線と直線で囲まれた図形の面積は、205平方cmです。
第8回は『三角形の角』です。三角形となっていますが、図形の角についての基礎となります。予習シリーズにあるそれぞれの説明をよく読んでください。使われる用語をしっかり身につけましょう。
今後の角についての問題の基礎となりますので、用語とともに、きちんと使えるよう、しっかり学習しましょう。
三角形の内角、外角についての性質を学習します。予習シリーズ72ページから73ページ[例題1]の前までの説明をよく読んでください。
三角形の内角の和は180度であることを利用します。ア+54+45=180 より、ア=180-(54+45)=81、よって、アは81度です。
三角形の外角について学習します。「外角の定理」により、ア=41+78=119
よって、アは119度です。
特殊な三角形である、二等辺三角形や正三角形の角について学習します。予習シリーズ74ページから75ページ[例題3]の前までの説明をよく読んでください。
二等辺三角形の角の性質を学習します。二等辺三角形では、「等しい辺の足もとの角(底角=ていかく)の大きさは等しい」
(1) ア+36+36=180 となりますので、ア=180-36×2=108 より、アは108度です。
(2) 42+イ+イ=180 となります。42+イ×2=180 より、イ=(180-42)÷2=69
よって、イは、69度です。
直角三角形、直角二等辺三角形について学習します。予習シリーズ76ページの説明をよく読んでください。
直角三角形、直角二等辺三角形の代表である三角定規を考えます。問題の(図1)の三角形のうち、左側の三角定規をA、右側の三角定規をBとします。2つの三角定規A、Bが重なっている、小さい三角形を考えます(予習シリーズ解き方にあるかげをつけた三角形)。この小さい三角形で、左の角は、Aの角の1つで30度、右の角は、Bの角の1つで45度です。
三角形の内角の和は180度ですから、ア+30+45=180 より、ア=180-(30+45)=105
よって、アは105度です。
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