No.1154 早稲アカ・四谷大塚予習シリーズ算数上対策ポイント 6年生(第8回)4・5年生(第9回)

<算数 6年上 第8回>

 第8回は『速さ(1)』です。速さと比、旅人算と比、を学習します。速さと比の問題では、以下の内容に注意しましょう。
 (ア)速度が一定の場合、時間比と距離比は正比例(等しい)
 (イ)時間が一定の場合、速度比と距離比は正比例
 (ウ)距離が一定の場合、速度比と時間比は反比例(逆比)

 メルマガでは、分数は、(分子/分母)の形で表します。また、速度計算では、混乱を避ける意味で、部分的に単位をつけて式を表していきます。

<今回のポイント>

 速度、時間、距離の3つの要素のうちのどれが一定かを見極めることが重要です。上に述べたように、何が一定かを読み取って、残りの2つの要素の関係(正比例か反比例か)を使って問題を解いていく思考がポイントになります。

【対策ポイント1】
[必修例題1(1)]

 時間比=距離比/速度比 を利用する問題です。
 P地からQ地までの道のりの2/3を時速6kmで進み、残りの道のりを時速8kmで進んで、全体の時間が1時間28分かかるとき、PQ間の道のりを求めます。道のり=速さ×時間ですから、2/3の区間にかかる時間を求めれば、この区間の道のりを求めることができ、これより全体の道のりを求めることができます。そこで、時間比を考えます。2つの区間の時間比は、(2/3÷6):(1/3÷8)=8:3 となりますので、時速6kmの速さで進んだ時間は、(1時間28分)÷(8+3)×8=(88分)÷11×8=64分です。よって、6km×64/60時間=6.4kmとなります。この区間が全体の2/3ですから、PQ間の道のりは、6.4÷2/3=9.6 より、9.6kmです。

[必修例題1(2)]

 道のりが一定である場合の速さと比の問題です。
 一郎君が家から学校へ行きます。同じ時刻に家を出て、分速60mで進むときには学校の始まる時刻に2分遅れ、分速75mで進むときには学校の始まる時刻の4分前に着きます。このとき、家から学校までの道のりを求める問題です。
 家から学校までの道のりが同じですので,速度比と時間比は反比例します(逆比になります)。速度比は、60:75=4:5 ですから、時間比は、1/4:1/5=5:4 となります。ここで、同じ時刻に家を出ますので、学校が始まるまでの時間は一定です。2分遅れるときと4分早く着くときの差である、(2+4=)6分が、それぞれの速度でかかる時間の差になります(5:4の差)。分速60mで進むときにかかる時間は、6÷(5-4)×5=30分と求められます。
 よって、家から学校までの道のりは、60×30=1800 より、1800mです。

【対策ポイント2】
[必修例題4(1)]

 池のまわりを動く旅人算の問題です。
 同じ方向に走るA君がB君を追いこすのは、A君がB君より池1周分多く進んだときです。また、反対方向に走るA君とB君が出会うのは、2人合わせて池1周分進んだときです。ここがポイントです。18分で追いこし、2分で出会いますので、2人の速度の差と、2人の速度の和を比にすると、1/18:1/2=1:9となります。和差算を考えて、速度比は、A君:B君={(9+1)÷2}:{(9-1)÷2}=5:4。出会うまでの時間(2分)が一定ですから、速度比=距離比です。そこで、A君とB君の出会うまでに進んだ距離をそれぞれ、5と4とすると、池の1周の距離は、5+4=9です。A君は5の距離を2分で進みますので、池1周の距離9を進む時間は、2分÷5×9=3.6分 より、3分36秒です。

[必修例題4(2)]

 平行になっている線路と道路を、電車と自動車が動く場合の旅人算です。等しい距離での、時間比から速度比を求めます。
 「15分間かくで運転されている電車」とは、電車の速度で15分間に進む距離の分だけ離れて、電車と電車が動いていることを意味しています。「電車と自動車が10分ごとにすれちがう」ということは、前の電車が走っている位置にいる自動車と次の電車が、向かい合って進むときに10分ですれちがうということです。このことは、電車が(15-10=)5分で進む距離を、自動車が10分で進むということになります。予習シリーズ105ページの解き方にある図を参考にしてください。青の矢印でかかれた電車が(15-10=)5分で進む長さと、黒の矢印でかかれた自動車が10分で進む長さが同じになります。矢印の向きが逆でも、長さとしては同じになることに気をつけてください。速度比は、同じ距離を進むのにかかる時間比の逆比ですから、電車と自動車の速度比は、1/5:1/10=2:1です。

<算数 5年上 第9回>

 第9回は『円の回転・転がり移動』です。円やおうぎ形の回転移動・転がり移動を学習します。この問題は、円に関する問題となります。計算上、中心角を表す部分で分数を用いますが、ここでは、分子/分母の形で表します。第8回と同様、自分で図をかいて確かめながら進めましょう。また、弧の長さやおうぎ形の面積を求める計算がほとんどですので、円周率3.14を含む計算は、まとめて計算することを心がけましょう。

<今回のポイント>

 少々難しい内容です。自身で図をかくことで、図形の動きがわかります。このことが類似問題に有効になります。特に、カドをもつ図形のまわりの転がり移動をしっかり身につけましょう。

【対策ポイント1】

 円やおうぎ形の回転移動について学習します。回転移動とは、図形をある点を中心に回転させることをいいます。

[例題1]

 半円を1つの点を中心に回転させる問題です。
 図形全体の面積から、色のついていない部分の面積を引いて求めます。全体の面積を求めることができるように図形を分割すると、直径ABを半径として、中心角が30度のおうぎ形と、同じ直径ABの半円の合計になります。そして、色のついていない部分は、直径ABの半円です。予習シリーズ96ページの解き方にある図を参照してください。直径ABの半円は、引き算によりなくなりますので、結果として、色のついた部分の面積は、半径(AB)が6cm、中心角が30度のおうぎ形の面積と等しくなります。6×6×3.14×30/360=3×3.14=9.42 より、色のついた部分の面積は9.42平方cmです。

【対策ポイント2】

 円の転がり移動について、学習します。予習シリーズ97~98ページの説明をよく理解してください。直線が折れる場合の円の動きが重要になります。

[例題2]

 円が多角形のまわりを転がる問題です。
 作図するときのポイントとして、各辺の頂点から各辺に垂直の線をひいておくことをお勧めします。たて4cm、横6cmの長方形の辺上を半径1cmの円が、長方形の外側を転がります。予習シリーズ98ページの解き方にある図を参照してください。
(1) 長方形の外側を辺にそって、円Oが転がる場合の、円の中心の動いた長さを求める問題です。
(a) 長方形の辺上を転がる場合は、円Oの中心は、半径の長さの分だけ辺からはなれたころを平行に動きますので、直線となります。直線部分は長方形のまわりの長さと等しく、(4+6)×2=20
(b) カドのところでは、円Oの中心がカドを中心に円の半径の長さを半径として、弧をえがきます。弧の中心角は、常に360度-(カドの角の大きさ+90度×2)で求まります。カドの部分の線の長さは4つ合わせると半径1cmの円周になりますので、1×2×3.14=6.28、よって、円Oの中心が動いたあとの線の長さは、(a)と(b)を合計して、20+6.28=26.28より、26.28cmです。
(2)円Oが動いたあとの図形の面積を求めます。図をかいてみるとわかりますが、円Oが動いたあとの図形は、
(c) 長方形の辺にそった部分はそれぞれの辺の長さと直径の長さをもつ長方形が4つあります。面積の合計は、長方形のまわりの長さに直径をかけて、20×2=40より、40平方cmです。
(d) カドの部分は、円の直径を半径として、中心角が90度の四分円が4つでできています。四分円4つは円1つですから、2×2×3.14=12.56となります。
 したがって、円Oが動いたあとの図形の面積は、(c)と(d)を合計して、40+12.56=52.56 より、52.56平方cmです。
 なお別解ですが、平面図形の「外側」を円が動いたあとの図形の面積は、[円の中心が動いた長さ×直径]で求められます。(1)の結果を利用して、26.28×2=52.56平方cmとして求めることができるのです。ただし、円が平面図形の「内側」を動くときには、この別解を使うことができませんので、注意してください。この内容については、シリーズ102~103ページにある「センターラインの公式」をよく読んで理解しましょう。

[例題3]

 円が四分円のまわりを回転する問題です。弧にそって動く部分に注意しましょう。
 半径2cmの円が、半径6cmの四分円のまわりにそって転がりながら1周します。予習シリーズ99ページの解き方にある図を参照してください。例題2と同様、作図する場合、各辺の頂点から各辺に垂直の線をひいておくとよいです。
(1) 転がる円の中心が動いた長さを求めます。
(a) 四分円の半径である直線にそった部分は、例題2と同様、半径の長さだけ、直線に動きます。その長さは、6×2=12
(b) カドの部分も例題2と同様、半径2cmの、中心角90度の弧をえがきます。3か所あります。その長さは、2×2×3.14÷4×3=3×3.14=9.42
(c) 四分円の弧にそった部分は、四分円の中心から、6+2=8cmの半径で、中心角90度の弧をえがきます。その長さは、8×2×3.14÷4=4×3.14=12.56
よって、12+9.42+12.56=33.98 より、円の中心Oが動いたあとの線の長さは、33.98cmです。
(2) 円Oが動いたあとの図形の面積を求めます。
(d) 直線にそった部分は、例題2と同様、長方形で2か所あります。面積は、6×2×4=48
(e) カドの部分は、四分円3か所で、面積は、4×4×3.14÷4×3=12×3.14=37.68
(f) 弧の部分は、半径(6+4=)10cmの四分円の面積から、半径6cmの四分円の面積をひいた面積です。(10×10-6×6)×3.14÷4=16×3.14=50.24
よって、48+37.68+50.24=135.92 より、円Oが動いたあとの図形の面積は、135.92平方cmです。
 別解として、例題2と同様、[円の中心が動いた長さ×直径]で求めると、33.98×4=135.92平方cmです。

【対策ポイント3】

 円の転がり移動の場合、カドにすき間ができる問題を学習します。

[例題4]

 半径2cmの円が、折れ線にそって転がります。カドの部分に注意して、作図してみましょう。ここでも、カドのところで、辺に垂直な線をひいておくとよいです。予習シリーズ100ページの解き方にある図を参照してください。
(1) 直線に動く部分は、2+2+4=8 です。外側に動くカドのところは、半径2cmの四分円の弧となりますので、2×2×3.14÷4=3.14 です。よって、8+3.14=11.14 より、円の中心Oが動いたあとの線の長さは、11.14cmです。
(2) 予習シリーズ100ページ解き方の図を参照して進めます。
(a) アの位置にある半円と、イの位置にある半円を合わせた、半径2cmの円が1つ。2×2×3.14=12.56
(b) 1つ目のカドのところで、右下にできているすき間に注意しましょう。1辺4cmの正方形からこのすき間をひいて面積を求めます。このすき間の面積は、正方形と円の面積の差の1/4です。(4×4-2×2×3.14)÷4=0.86 より、4×4-0.86=15.14
(c) 2つ目のカドにできる四分円4×4×3.14÷4=12.56
(d) 折れ線上の正方形4×4=16
 以上を、合計して、12.56+15.14+12.56+16=56.26 より、円が動いたあとの図形の面積は、56.26平方cmです。

<算数 4年上 第9回>

 第9回は『いろいろな四角形』です。いろいろな四角形の角度・長さ・面積を学習します。予習シリーズ82ページの説明をよく読んでください。各図形どうしの辺や角度の関係も大切な内容ですので、図形の性質を表した流れ、またベン図も理解しておきましょう。

<今回のポイント>

 中心になるのは面積計算ですが、角度の問題も大切です。ていねいに理解して進めましょう。

【対策ポイント1】
[例題1]

 台形、ひし形の角度を求める問題です。
 角度問題は,平行線の性質や特別な三角形の性質を利用します。台形ABCDでは、辺ADと辺BCは平行になっていますので、平行線の性質を利用して、ア+81=180となります。(同側内角の和は180度)よって、180-81=99より、ア=99度です。ひし形は4つの辺の長さがすべて等しいので、辺EFと辺EHは等しく、三角形EFHは二等辺三角形となります。ですから、角EHF=角EFH=37度で,よって、角E=180-37×2=106度とわかります。ひし形は、平行四辺形と同様に、向かい合う角の大きさは等しいですから、角E=角Gです。よって、イ(角G)=106度です。

【対策ポイント2】

 正方形、長方形の面積計算を学習します。
 予習シリーズ84ページ、例題の前にある説明をよく理解しましょう。

[例題2]

(1) 公式「正方形の面積=1辺の長さ×1辺の長さ」5×5=25より,25平方cmです。
(2) 公式「長方形の面積=たての長さ×横の長さ」7×4=28より、28平方cmです。

【対策ポイント3】

 平行四辺形、台形、ひし形の面積の求め方を学習します。これらの図形は、長方形を変化させてできた図形ですので、面積の公式も、長方形の面積の求め方から出発しています。
 予習シリーズ85,86ページの、公式の成り立ちを理解して、必ず使えるようにしましょう。また、底辺と高さの関係は、必ず、直角になっていることに注意してください。

[例題3]

 平行四辺形、台形、ひし形の面積を求める問題です。
ア 「平行四辺形の面積=底辺×高さ」
底辺と高さは、垂直の関係になっていることを注意しましょう。6cmを高さとしないよう注意しましょう。9×5=45より、平行四辺形の面積は、45平方cmです。
イ 「台形の面積=(上底+下底)×高さ÷2」
上底とは上にある底辺、下底とは下にある底辺のことです。(5+13)×6÷2=54より、台形の面積は、54平方cmです。
ウ 「ひし形の面積=対角線×対角線÷2」7×16÷2=56より、ひし形の面積は、56平方cmです。

【対策ポイント4】

 複合図形の問題です。複合図形とは、2つ以上の図形を組み合わせてできている図形で、長さや面積の公式を工夫して考える問題です。

[例題4]

(1) この図形のまわりの長さは,へこみのない長方形のまわりの長さと等しくなります(予習シリーズ解き方を参照して下さい)。したがって、まわりの長さ82cmは、長方形のたて16cm、横xcmより、(16+x)×2=82 と整とんできます。逆算して、16+x=82÷2=41、よって、41-16=25 より、x=25cmです。
(2) この図形の面積を、へこみのない長方形の面積から、へこみの部分の長方形の面積をひいて求めます。16×25-8×12=304平方cmです。また、この図形を直線ABによって、2等分した左側の図形は台形です。台形の面積は、この図形の面積を2等分したものですから、304÷2=152平方cmです。そこで、この台形の面積について、上底=25-12=13cm、下底=ycm、高さ=16cmより、(13+y)×16÷2=152 と整とんできますので、逆算して、13+y=152×2÷16=19、よって、19-13=6 より、y=6cmです。

 問題演習を重ねて、公式を固めるようにしましょう。このとき、途中式を、公式の通りにできるだけ1つの式で書くことで、公式が覚えられます。また、くり返しますが、底辺と高さは、垂直の関係になっていることを忘れないでください。このことは、問題の図にある直角のマークがヒントになる、ともいえます。

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