No.1171 次の入試で出る!注目の社会時事予想問題付き(ロシアからの石炭輸入禁止へ、1ドル=126円50銭台まで一時下落、「アジア・太平洋水サミット」開幕)

≪ロシアからの石炭輸入禁止へ、実現時期は未定。(8日)≫

記者会見をする岸田文雄首相(4月8日) 画像引用元:首相官邸HP

 岸田文雄首相は4日8日夕方の記者会見で、ウクライナ侵攻に対する追加経済制裁として、ロシアからの石炭輸入を禁止すると表明しました(実現時期については未定です)。ロシアからの石炭を輸入を段階的に削減し、エネルギー分野でのロシアへの依存を減らす予定です。併せて、電力需給逼迫(ひっぱく)を回避するために、再生可能エネルギーや原子力といった脱炭素効果の高い電源の活用を図る方針を示しました。

【予想問題】
問題1:

2020年の石炭輸入先として上位2か国の組み合わせとして正しいものを答えなさい。

A.①オーストラリア ②ブラジル
B.①サウジアラビア ②アラブ首長国連邦
C.①オーストラリア ②インドネシア
D.①オーストラリア ②中国

解答:

C

画像引用元:経済産業省資源エネルギー庁HP

 2020年の輸入先は、第1位オーストラリア(59.6%) 2位インドネシア(15.9%) 3位ロシア(12.5%)で以下アメリカ、カナダの順になっています(数値は、経済産業省資源エネルギー庁HPに掲載されたものです)。ロシアは第3位です。中国は石炭の産出量は世界一ですが、自国で使用する割合が高いため輸出自体は多くありません。Bはもちろん原油の輸入先で、約9割を中東地域からの輸入に頼っています。

問題2:

2019年の日本のエネルギー自給率(国民生活や経済活動に必要な一次エネルギーのうち、自国内で産出・確保できる比率)として正しい数値はどれですか。

A.約3%
B.約12%
C.約32%
D.約53%

解答:

B

 日本のエネルギー自給率が低い原因は、石油・石炭・天然ガスといった資源に乏しいことにあります。 日本では一次エネルギー(石油、天然ガス、石炭、原子力、太陽光、風力などのエネルギーの元々の形態)の国内供給のうち、化石燃料が約9割を占めていますが、それらのほぼ全てを中東やオーストラリアからの輸入に頼っています。東日本大震災後、一時全ての原子力発電所が停止したこともあり、2014年度には、日本のエネルギー自給率は過去最低の6.3%にまで下がりました。その後、再生可能エネルギーの拡大や原子力発電所の再稼動が一部で進み、2019年度には12.1%になりました。ただし、他の先進諸国に比較すれば極めて低い水準です。

問題3:

次の中で再生可能エネルギーのメリット(長所)として現状間違っているものはどれですか。

A.エネルギー源が枯渇しない。
B.温室効果ガスの圧倒的に排出量が少ない。
C.エネルギーの供給場所を問わず、どこでもすぐに調達できる。
D.発電コストがかなり安い。

解答:

D

 再生可能エネルギーの主なメリットとして以下の2点が挙げられます。
①エネルギー源が永久に枯渇しない(資源がなくならない)。
②火力発電のように温室効果ガスをほとんど排出しない。
 再生可能エネルギーには、太陽光発電、地熱発電、水力発電、風力発電、バイオマス発電などがあります。メリットが大変大きい反面、特に日本では発電コストが高いという現状があります。日本は物価が高く、再生可能エネルギーを利用するのに欠かせない太陽光パネルや風力発電機の価格が日本と同じ物価水準の国と比較しても高くなります。 そのため、再生可能エネルギーを生産するための設備投資に多額の費用が必要となり、発電コストが上がってしまいます。

問題4:

日本では石炭から作ったガスが熱源として利用されていた時代がありました。現在、都市ガスの多くは天然ガスから作られ、石炭が使われることはなくなりましたので、石炭からガスを作っていた工場は使われなくなりました。2018年に築地から移転した市場も、石炭ガス工場の跡地に建てられたものです。その市場がある場所はどこですか。地名を漢字で答えなさい。

解答:

豊洲

豊洲市場(2020年1月撮影) 画像引用元:ウィキペディア

 日本の歴史を振り返ると、石炭と私たちの生活の結びつきは強く、明治時代には船や鉄道、工場の燃料や製鉄の原料として使われていました。また、石炭から作られたガスが街の灯りの原料や調理器具の熱源としても利用されていました。石炭の国内自給率も2000年代以降はほぼすべて輸入に頼っていますが、1950年代頃まではほぼ自給で賄っていました。

≪1ドル=126円50銭台まで一時下落 20年ぶり安値を更新。(15日)≫

 4月15日午前の東京外国為替市場で円安が一段と進み、一時、1ドル=126円50銭台まで下落しました。 同13日に19年11カ月ぶりにつけた安値水準の126円20銭台をさらに下回りました。さらに4月28日には円相場は、1ドル=130円台に突入し、2002年4月以来、20年ぶりの円安水準を更新しました。

【予想問題】
問題1:

一般的に「円安」になると、日本にとって輸入、輸出は有利・不利どちらですか。

A.輸入に有利、輸出に不利。
B.輸入に不利、輸出に有利。
C.輸入に有利、輸出どちらも不利。
D.輸入に有利、輸出どちらも有利。

解答:

B

 具体的な数字を設定して考えてみましょう。例えば、1ドル120円から80円に変化した場合、数値は下がっていますが、これは「円高」の状態です。円の価値が上がり、ドルの価値が下がったことで円高となるのです。この例では、同じ1ドルが120円と交換できたのに、円高になったことで80円にしか交換できなくなります。つまり、ドルの価値が下がったと言えるのです。この円高では、輸出は不利になります。
 例えば日本で120万円の車が1ドル120円なら 現地では10000ドルで売れるものが、円高で1ドル80円になったら 15000円と価格が高くなってしまいます。同じ車の価格が高くなることで売れづらくなり、輸出には不利となります。
 逆に円安ですと外国で日本の製品が安く買えますので、よく売れるようになり輸出には有利になります。輸入はその逆になります。円高ですと輸入品は安くなり、円安ですと輸入品の値段が上がり、原材料など輸入に頼っている日本では物価の上昇にもつながります。

問題2:

今回の急激な「円安」傾向の背景として、日本の貿易収支の悪化、原油価格の高騰などが挙げられますが、最大の要因は、日本と他国との(   )の差が拡大したこととされています。空欄に入る漢字2字の言葉を答えなさい。

解答:

金利

 金利とは、お金の貸し借りがあった際に、借りたお金(元金)の使用料として上乗せして支払うお金の割合のことです。2020年3月にアメリカの中央銀行にあたるFRBが新型コロナウイルスによる経済への影響を軽減するために、金利を引き下げてほぼゼロ金利にしました。しかし最近になって落ち込んでいた景気が急回復した結果、物価や賃金が大幅に上昇しました。そこでアメリカをはじめ諸外国の多くが金利を引き上げて、インフレや景気の大きな変動を抑える方向を選択しました。しかし、日本は超低金利政策を維持する姿勢を貫いており、金利を上げなかったことで日本と他国の間の金利の差が拡大しました。これをアメリカと日本の関係で見てみると、日本で金利が下がると、日本円で銀行にお金を預けていても利益が少ないと考え、アメリカドルにお金が流れます。つまり、円を売ってドルを買う動きが強まることで円の価値が下がり、ドル高円安になるのです。

問題3:

戦後日本の外国為替はしばらく固定相場制でした。1971年までは1ドル何円でしたか。

A.1ドル=360円
B.1ドル=308円
C.1ドル=200円
D.1ドル=100円

解答:

A

対ドル為替レート(1950年以降) 画像引用元:ウィキペディア

 日本で戦後の混乱が収まりを見せないでいた1949年、連合国軍総司令部(GHQ)が打ち出した「物価安定・緊縮財政政策(ドッジ・ライン)」によって、円相場は1ドル=360円に固定されました。貧困の状態にあった日本にとって相場が固定されることによる「円安メリット」が日本の戦後復興を支えた一因ともなりました。
 しかし1971年12月の1ドル=308円時代を経て、1973年には日本も他の主要国と同様に変動相場制に移行しました。その後は日本の経済成長も重なって円高傾向が一気に進んでいきます。ちなみに過去最大の円高は2011年で一時1ドル=75円台を付けました。

≪「アジア・太平洋水サミット」開幕 岸田首相が5年で5千億円支援表明。(23日)≫

アジア太平洋水サミット首脳級会合 画像引用元:首相官邸HP

 岸田文雄首相は4月23日、熊本市で開幕した「第4回アジア・太平洋水サミット」の首脳級会合で、アジア・太平洋での水力発電や下水道といったインフラ整備を進める「熊本水イニシアティブ」を発表し、今後5年間でおよそ5000億円を支援すると表明しました。さらに首相は首脳級会合で「わが国は水分野で培った豊富なノウハウや技術がある。これらの知見をアジア太平洋地域に供与していく」と述べました。

【予想問題】
問題1:

「アジア・太平洋水サミット」は、アジア太平洋地域諸国の首脳・閣僚級や国際機関の代表などが参加し、深刻化する水問題について課題の解決を図るために話し合う国際会議で、今回で4回目の開催となります。その課題の一つに(    )による洪水被害の増大があります。
(   )に入る語句を漢字5文字で答えなさい。

解答:

地球温暖化

 地球の平均気温が上昇すると海や地面から蒸発する水分が増加し、水蒸気の量が増えると大雨の雨量も増加、それが豪雨の発生につながります。このように地球温暖化は水害を引き起こす原因の一つともされています。近年日本でも集中豪雨による洪水被害は増加しています。また、今回の開催都市熊本市は市民の水道水の100%を地下水で賄っている日本一の地下水都市と言われています。

問題2:

洪水ハザードマップに記載する必要のない事項は何か。次の4つの中から選びなさい。

A.浸水の予想される区域
B.建物の倒壊や液状化に注意すべき区域
C. 避難場所や避難経路等の情報
D.想定される浸水の深さ

解答:

B

洪水・内水氾濫ハザードマップ(多摩川洪水版)データ 画像引用元:世田谷区HP

  A、C、Dが洪水の際の備えとして必要な情報であるのに対し、Bは地震ハザードマップに掲載される情報です。

問題3:

熊本市を含め九州地方に政令指定都市はいくつありますか。

A.1
B.2
C.3
D.4

解答:

C

 九州地方の政令指定都市は、指定順に北九州市(1963年)、福岡市(1972年)、熊本市の3つです。一番最近に指定されたのが、2012年4月の熊本市です。政令指定都市とは、「大都市行政の合理的、効率的な運営と市民福祉の増進を図るために、都道府県の事務委譲を含めた一般の市とは異なる特例が定められているところ」(総務省HPによる)で、政府が指定しており現在国内で20都市あります。また国の基準としてかつては「人口100万人が見込める」とされていましたが、現在は「人口70万人程度」に緩和されています。

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