No.1173 早稲アカ・四谷大塚予習シリーズ算数上対策ポイント 6年生(第13回)4・5年生(第14回)

<算数 6年上 第13回>

 第13回は『変化とグラフ』です。仕事に関する問題、水深の変化とグラフの問題、容器を傾ける問題を学習します。

<今回のポイント>

 仕事に関する問題での比の使い方、ニュートン算での整とん式をしっかり身に付けましょう。また、水そうの問題では、グラフの数値の意味する事柄を読み取ることが重要になります。

【対策ポイント1】

 仕事算、およびニュートン算を学習します。

[必修例題1(1)]

 仕事算を解く手順としては、時間単位1あたりの仕事量を求め、この値を使用して全体の仕事量を考えて、解いていきます。なお、分数は、分子/分母の形で表すこととします。水そうに3つの給水管A、B、Cがついています。水そうを満水にするのに、A管だけでは24分、B管だけでは36分、C管だけでは48分かかります。このことから、3つの給水管からそれぞれ1分あたりに入る水の量を比にすると、A:B:C=1/24:1/36:1/48=6:4:3です。よって、満水の水量は、A管で考えて(どの管でもかまいません)、6×24=144と表されます。A、Bの管からは12分間入れたので、(6+4)×12=120の量の水が入りました。残りの(144-120=)24をC管で入れたので、C管は、24÷3=8分使いました。よって、C管が停止していた時間は、12-8=4 より、4分間です。

[必修例題1(2)]

 仕事算の中でも、ニュートン算といわれる問題です。
 ニュートン算とは、増加する量と減少する量が同時に発生する問題をいいます。ニュートン算の問題のほとんどは、減少量が増加量より大きい場合ですので、仕組みとして、「(減少量-増加量)×時間=満水量(=はじめの量)」を整とん公式として進めます。なお、ここでの減少量と増加量は、時間単位1あたりの量を表しています。また、以前にも使いましたマルイチ計算で説明します。そして、メルマガでは、○のなかに数をいれた表示が文字化けするため使えませんので、(マル1)のように表します。流入している量の毎分6Lが増加量、ポンプ1台で1分間にくみ出す量(マル1)Lが減少量です。ポンプ2台のとき、満水量={(マル2)-6}×50で、ポンプ3台のとき、満水量={(マル3)-6}×30と整とんできます。これらの2式は同じ満水量を表していますので等しく、また分配法則を使って、かっこをはずすと、(マル100)-300=(マル90)-180 となります。そしてここから、(マル(100-90))=300-180 となり,(マル10)=120 より、(マル1)=12 です。つまり、質問の1つ目である、ポンプ1台1分でくみ出す水量は、12Lです。ポンプ8台を使うときの時間ですが、まず満水量を求めます。ポンプ2台の場合から、満水量=(12×2-6)×50=900Lです。そこで、時間を□分として、(12×8-6)×□=900 となり、90×□=900ですから、□=900÷90=10 より、質問の2つ目である、水そうを空にする時間は10分です。

【対策ポイント2】

 水深の変化とグラフの問題を学習します。

[必修例題3]

 水そうに水を入れたときの時間と水の深さをグラフにした問題を考えます。予習シリーズ168ページの解き方にある図を参照してください。
(1) 水量(体積)の求め方は2通り考えることができます。1つは、容器の形から、「底面積(=たて×横)×深さ」で求められます。もう1つは、水の入れ方から、「毎分○立方cm×時間(分)」で求められます。この2つの求め方をつなげることで、解いてみましょう。容器の形が判断できる、9分後を考えます。9分後に、水は、たて10cm、横(20+10=)30cm、深さはグラフより仕切り板の高さの15cmまで入っていますので、水量は、(10×30×15=)4500です。入れる水量を、毎分□立方cmとすると、□×9=4500 という等式ができます。逆算して、□=4500÷9=500 より、毎分500立方cmですので、給水管Aからは、毎分0.5Lの水が入ります。
(2) グラフのaは、仕切り板の左側に仕切り板の高さまで水が入った時間を表しています。  仕切り板の左右は、たてと高さは同じで、横の長さが、左:右=20cm:10cm=2:1になっています。そこで、水の入る時間も2:1で、合計9分です。よって、9÷(2+1)×2=6 より、aは6(分)です。グラフのbは、水そうの高さを表しています。グラフより、仕切り板の高さ15cmまで水がいっぱいになるのが9分で、水そういっぱいに水が入るのは12分後です。一定の割合で水を入れていることから、高さの比と時間の比は等しくなります。
時間比 9:12=3:4 より、高さ比 15:b=3:4となります。よって、15×4÷3=20 より、b=20(cm) です。
(3) 排水口Bから流れ出る水は、仕切り板より上の部分と、仕切り板の右側の部分の水で
。そしてこの部分は、グラフより、12-a=12-6=6分で入った水量です。毎分500立方cmで6分入れた水量を、毎分0.2L=毎分200立方cmで水をぬきますので、500×6÷200=15 より、排水口Bから水が出なくなるまで15分かかります。

【対策ポイント3】

 容器を傾ける問題を学習します。

[必修例題6]

 ある深さまで水を入れた直方体の容器を、底面の長方形の1つのカドを固定して傾けます。予習シリーズ171ページの問題の図や、解き方の図を参照してください。
(1) 水の形を固定して(例えば凍らせて)底面を床につけると、直方体を切断した問題の図と同じになりますので、この状態で考えます。直方体の切断で学習したように、底面の長方形で、対角の位置につながる(高さである)辺の長さの和が等しくなります。この問題では、AE+CG=DH+BFです。与えられた長さを使って、12+4=6+BFですから、12+4-6=10 より、BFの長さは、10cmです。
(2) 体積=底面積×深さですが、切断での深さは、4つの深さの平均を利用します。(12+4+6+10)÷4ですが、向かい合う2つの深さの平均としても、同じ結果になります。(12+4)÷2=8を、深さとします。よって、12×10×8=960 より、水の体積は、960立方cmです。

<算数 5年上 第14回>

 第14回は『水量の変化』です。4年下第17回で学習した内容の復習とその発展です。容器に入っている水について、水量と水の深さ、水量の変化とグラフ、水深の変化とグラフを学習します。直方体の容器に入っている水の体積は、直方体の底面積に(高さとなる)水の深さをかけて求められます。よって、水の体積=底面積×深さ、を基本に問題を解きます。また、容積とは、容器の体積をいい、容器いっぱいに入った水の体積のことです。

<今回のポイント>

 水そうの形とグラフの関係をしっかり理解しましょう。同じ水の体積を、水そうの形を使って表した式とグラフから水の入れ方を使って表した式をつないで考えと解きやすくなります。また、例題4、5もしっかり解けるように学習してください。

【対策ポイント1】

 底面積の変化と水の深さについて学習します。

[例題1]

 グラフの読み取りと容器の形との関係を考える問題です。
(1) グラフから、7分で35cmの深さまで水が入ることが読み取れます。また、この35cmの長さは、容器の形が変わるところまでの長さであることがわかります。この深さまでの容積は、16×15×35で、水の入れ方を毎分□立方cmとすると、□×7=16×15×35 となりますので、□=16×15×35÷7=1200 より、毎分1200立方cm、つまり、毎分1.2Lの割合で水を入れました。
(2) 容器の上の部分にみずがいっぱいに入るのは、グラフより、21-7=14分です。容器の形は、たて=16cm、横=xcm、(グラフより)高さ=56-35=21cmです。(1)より、この部分について、容器の形=水の入れ方を式にすると、16×x×21=1200×14 となります。よって、x=1200×14÷(16×21) より、x=50 です。なお、予習シリーズ151ページ最後の枠に囲まれた部分は、計算についての説明で、重要です。計算は、迅速性と正確性が大切ですので、実践してください。

【対策ポイント2】

 水量変化のつるかめ算を学習します。

[例題3]

 グラフのたて軸は水の深さを表していますので、横軸の時間と深さについて整頓します。下の円柱では、2分で8cmの深さになっていますので、8÷2=4 より、毎分4cmずつ水が入ります。上の円柱では、10分から16分で、深さが25cmから31cmになっていますので、(31-25)÷(16-10)=1 より、毎分1cmずつ水が入ります。31cmの深さまでを整頓すると、4cm/分×A分=Pcm、1cm/分×B分=Qcm の式ができ、A+B=16分で、P+Q=31cm となりますので、この形はつるかめ算です。毎分1cmずつ水が入るとすると、1cm×16分=16cmとなりますが、実際は31cmですので、毎分4cmに変えると、(31-16)÷(4-1)=5 より、5分変えればちょうどになります。よって、4cm/分×5分=20cm より、xは20cmです。

【対策ポイント3】

 仕切りのある容器での、水量変化を学習します。

[例題4]

 5L=5000立方cmより、毎分5000立方cmの割合で水を入れます。
(1) Aの部分に仕切りの高さまで水を入れると、水の体積は、(50×40×x)立方cmで、水の入れ方から水の体積は、(5000×12)立方cmです。よって、50×40×x=5000×12 より、x=5000×12÷(50×40)=30 より、仕切り板の高さxは30cmです。
(2) Bの部分に仕切りの高さまで水を入れると、水の体積は、(50×y×30)立方cmで、水の入れ方から水の体積は、{5000×(30-12)}立方cmです。よって、50×y×30=5000×18 より、y=5000×18÷(50×30)=60 より、yの長さは60cmです。
(3) 容器の仕切り板より上の部分の体積は、50×(40+60)×(50-30)=(50×100×20)立方cmで、グラフから、(z-30)分かかることが読み取れます。よって、50×100×20=5000×(z-30) より、z-30=50×100×20÷5000=20、z=20+30=50 より、zは50(分)です。
 水量変化とグラフの問題では、ここで使ったように、容器の形から考えられる水の体積)と、水の入れ方から考えられる水の体積を等式でつなぐことで、求める量を解く方法がおすすめです。ぜひ、挑戦してみてください。また、前に述べましたように、これらの計算は分数を使うと効率よく解けます。

【対策ポイント4】

 容器をかたむける問題を学習します。

[例題5]

 予習シリーズ156ページの解き方にある図を参照してください。どの場合も、容器の奥行き(AB)はかわりませんので、正面の水の部分 (解き方の図のかげをつけた部分) の面積を考えることで問題を解くことができます。
(1) (図2)は台形です。この面積が、(図1)の長方形の面積と同じであることがポイントです。(図1)の面積=9×10=90平方cm。(x+2)×10÷2=90 より、x=90×2÷10-12=6 ですので、xは6cmです。
(2) (図2)と(図3)をくらべると、台形の上底が6cmから2cmに減っています。つまり、面積が、(6-2)×10÷2=20平方cm少なくなっています。この面積に奥行きABをかけた体積が、こぼれた水の140立方cmです。よって、AB=140÷20=7 より、辺ABの長さは7cmです。
(3) 294÷7=42 より、はじめの長方形の面積より42平方cm少なくなって、(90-42=)48平方cmが、(図4)の三角形の面積です。よって、y=48÷12=4 より、yの長さは4cmです。

<算数 4年上 第14回>

 第14回は『等差数列』です。等差数列とは、ある数に、一定の数を次々に加えたり、一定の数を次々に引いたりして、作られる数の列をいいます。たとえば、5に3を次々に加えてできる、5、8、11、14、…、のような数列が等差数列です。

<今回のポイント>

 基本的に、公式およびその逆算が使えるよう、しっかりトレーニングしましょう。等差数列は、その他の数列の問題や、規則性の問題でもよく使われますので、きちんと使えるようにしておきましょう。

【対策ポイント1】

 等差数列の□番目の数を求める、また、ある数は何番目になっているかを求める問題を考えます。予習シリーズ130ページにある、説明をしっかり理解し、公式を使えるようにしましょう。

[例題1]

 等差数列の□番目の数を求める、基本の問題です。
 4、7、10、13、16、19、…、の数列は、はじめの数が4で、次々に公差の3を加えてできた数列です。1番目の数から20番目の数までに、間は 20-1=19か所ありますので、3を19回たすことになります。よって公式の通り、4+3×19=61 より、20番目の数は、61です。

[例題2]

 例題1の逆問題で、ある数○は、等差数列の何番目にあるかを求める問題です。
 5、11、17、23、29、35、…、の数列は、はじめの数が5で,公差は6です。□番目の数である125は、公式より 5+6×(□-1)=125と表されます。この式を逆算して求めます。□-1=(125-5)÷6=20 □=20+1=21 より、125は21番目です。

【対策ポイント2】

 等差数列の和を計算することを考えます。予習シリーズ132ページにある、説明をきちんと理解し、公式を使えるようにしましょう。

[例題3]

 等差数列の和を考える問題です。等差数列のはじめの数から□番目の数までの和を考えます。
 6、10、14、18、22、…、の数列は、はじめの数が6で、公差4の等差数列で、数が25個ならんでいます。これらの数をすべて加えた和を求めます。まず、25番目の数がいくつかを求めます。□番目の数を求める公式により、25番目の数は、6+4×(25-1)=102 です。次に、等差数列の和を求める公式により、(6+102)×25=1350 となりますので、これらの数の和は、1350です。

【対策ポイント3】

 奇数の数列について学習します。予習シリーズ133ページにある、偶数・奇数の仕組みをきちんと読み、奇数の数列について理解して、公式を使えるようにしましょう。134ページにある枠にかこまれた、「奇数の和の公式が成り立つ理由」も理解しましょう。

[例題4]

 等差数列のうち、奇数の数列を考え問題です。1から順に奇数をたしていきます。
(1) 13個の奇数をたした和を求めます。公式「□番目までの奇数の和=□×□」より、13×13=169です。
(2) 逆問題です。和が400のときの、最後にたした数を求めます。最後の数を□番目とすると、□×□=400 となりますが、□を求める計算はありませんので、あてはめてさがします。20×20=400ですので、20番目の数までたしました。この20番目の数は、公式「□番目の奇数=2×□-1」より、2×20-1= 39です。よって、最後にたした数は,39です。

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