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第7回は『旅人算と比』です。この回では、比を利用して旅人算を考えます。基本は前回と同様に、速さの3要素(速度・時間・距離)のうちの何が等しい(一定)かを読みとります。なお、分数は、分子/分母の形で表します。
旅人算は、基本的に登場人物が同時に動いているときの問題です。よって、同時に出発するかたちの問題が多く、この場合は、出会う(または追いつく)までの時間が等しいことがポイントになります。
時間一定の場合、速度比と距離比は比例します(等しくなります)。
(1) 兄と弟の速さの比は5:4です。180mはなれたAB間を、兄はA地点から、弟はB地点から、同時に向かい合って歩き出します。出会うまでに歩いた時間は同じですから、速度比の5:4は、距離比でも5:4です。よって、180÷(5+4)×5=100 より、兄はA地点から100m歩いたところで弟と出会います。
(2) 姉と妹の速さの比は5:3です。60mはなれたP地点、Q地点を、姉はP地点から、妹はQ地点から、同時に同じ方向に歩き出します。姉が妹に追いつくまでに歩いた時間は2人とも同じですから、速度比の5:3は、距離比も5:3です。よって、60÷(5-3)×3=90 より、妹はQ地点から90m歩いたところで姉に追いつかれました。
兄と弟が、それぞれ一定の速さ走ります。2地点ABを走るのに、兄は10分、弟は15分かかります。
(1) 距離が等しいとき、時間比と速度比は反比例します(逆比になります)。兄と弟の時間の比は、10:15=2:3ですから、1/2:1/3=3:2 より、兄と弟の速さの比は3:2です。
(2) AB間の道のりを作ります。兄の速さ=3として、10分で進む道のりは、3×10=30 とします。ここがポイントです。2人が向かい合って走りますので、旅人算の出会いの場合です。30÷(3+2)=6 より、2人が出会うのは、出発してから6分後です。
(3) (2)と同様にAB間の道のりは30で、兄はA地点から、弟はB地点から同じ方向に走りますので、旅人算の追いかけの場合です。30÷(3-2)=30 より、兄が弟に追いつくのは、出発してから30分後です。
兄はA地点からB地点に向かって、弟はB地点からA地点に向かって、それぞれ一定の速さで同時に歩き出します。兄は、出発してから12分後に弟とすれちがい、その9分後にB地点に着きます。
(1) 2人が出会った地点をC地点とします。兄は弟と出会った後,BまでのCB間を9分で進み、弟は兄と出会うまでの、同じCB間を12分で進んでいます。距離が等しい(一定)とき、速度比と時間比は逆比の関係になりますので、1/9:1/12=4:3より、兄と弟の速度比は、4:3です。
(2) 兄は、AB間を12+9=21分で進みます。(1)と同様に、AB間の距離は一定ですから、速度比と時間比は逆比の関係になりますので、AB間を進む、兄と弟の時間比は、1/4:1/3=3:4です。よって、21分÷3×4=28より、弟がA地に着くのは、28分後です。
[別解]
兄の、A→CとC→Bを進む時間比である、AC:CB=12分:9分=4:3より、距離比も、AC:CB=4:3です。この距離の関係から、弟は、CB=3の距離を12分で進みますから、AB=4+3=7の距離を進むには、12÷3×7=28より、28分と求められます。
兄が弟を追いかける問題です。予習シリーズ76ページの解き方にある線分図を参照してください。追いつき、追いつかれるまでに、2人の進んだ距離は等しいことがポイントになります。距離が一定(等しい)のとき、速度比と時間比は逆比の関係になります。兄が走って追いかける場合、追いつくまでにかかった時間は6分で、弟が追いつかれるまでにかかった時間は(6+9=)15分です。よって、1/6:1/15=5:2より、兄と弟の速さの比は、5:2です。
2地点を往復するときの折り返しの問題を学習します。
兄はA地点を弟はB地点を向かい合って同時に出発して往復する問題です。兄と弟の速さの比は5:4です。予習シリーズ77ページの解き方にある線分図を参照してください。1回目に出会う地点をC、2回目に出会う地点をDとします。線分図に注目してください。スタートしてから1回目にC地点で出会うまでに2人合わせてAB間を1つ分進み、1回目の出会いから2回にD地点で出会うまでに2人合わせてAB間を2つ分進んでいることを読み取りましょう。2人それぞれが、進む距離も、時間も、(1回目の出会い~2回目の出会い)は(スタート~1回目の出会い)の2倍になっています。出会うまでの時間は等しいですから、速度比=距離比(5:4)になります。スタートしてから1回目に出会うまでに、兄の進んだ距離を5、弟の進んだ距離を4として条件を進めます。AB間の距離は、5+4=9です。また、弟は、兄と2回目に出会うまでに4×3=12の距離を進みます。つまり、BA+AD=12で、BA=9より、AD=12-9=3となります。ADの実際の距離は60mですから、60÷3×9=180 より、A地点とB地点は180mはなれています。
2人が往復して複数回出会う問題では、線分図で内容を整頓することが重要です。
速さのグラフと比の数値の関係を学習します。
ダイヤグラムの問題です。予習シリーズ78ページの解き方にあるグラフを参照してください。
(1) AB間を、花子さんは90分、姉は、(70-10=)60分で進みます。AB間の距離は等しいですから、時間比と速度比は逆比になります。よって、時間比は、花子:姉=90:60=3:2ですので、1/3:1/2=2:3より、花子さんと姉の速さの比は、2:3です。
(2) 2人の速度はそれぞれ一定ですから、距離が等しいならば、時間比はいつも3:2です。グラフより、花子さんがx分で進んだ距離を、姉は(70-x)分で進みます。この時間の比が3:2です。つまり、70分を3:2に分ける点がxです。70÷(3+2)×3=42 より、グラフのxは、42です。
(3) 花子さんは、AC間を42分、CB間を(90-42=)48分で進んでいます。花子さんの速度は一定ですから、時間比=距離比です。よって、42:48=7:8より、AC間とCB間の道のりの比は、7:8です。予習シリーズ79ページの枠内の説明をよく読んで理解しましょう。
ダイヤグラムの問題では,この図形的な処理(相似な三角形の利用)がよく使われます。特に中学入試の問題においては、解法までの処理時間が短縮されますので、身に付けておきたいものです。
第7回は『推理して解く問題』です。問題文に与えられた条件から、推理して解く問題です。条件の整理の仕方(道具)には様々なものがありますので、ここでしっかりと学んでください。
「例題4」の対戦表や、「例題5」の順位表は、自分で作れるようにトレーニングしておきましょう。
ふく面算といわれる問題です。アルファベットの文字A、B、C、…が、それぞれ異なった整数を表しています。与えられた条件から、それぞれが、どんな整数を表しているかを推理します。
AからFまでの文字が、1から6までの整数を表しています。まず、「C×C=D」に注目します。2×2=4があてはまります(1×1=1や、3×3=9はできません)。つまり、C=2、D=4が決まりました。次に、Cを使った式である「B×C=E」を考えます。C=2ですので、3×2=6となります。これで、B=3、E=6と決まりました。残っているのは、文字はAとF、整数は1と5です。「A-F=E-C」で、「A-F」ですから、「5-1(=4)」が決まり、等しい式である「E-C」も6-2=4で成り立ちます。よって、A=5、B=3、C=2、D=4、E=6、F=1となります。
このように、決めやすい式(〇×〇=□の形がよく使われます)から考え始め、決まった整数を消していくと、解きやすくなります。
2数ずつの数の大小がわかっている4つの条件から、特定の2数の差を考えます。数の差が与えられた大小関係では、線分図を利用します。予習シリーズ65ページの解き方にある線分図を参考にしてください。
※「○の中に数字」の表記が文字化けしてしまう可能性がありますので、マル1、マル2と表記します。
条件マル1よりA=B+5、マル2よりC=D+6、またはD=C+6、マル3よりD=B+3、マル4よりA=C+□ です。マル1と3より、(線分図で考えて)A=D+(5-3)=D+2、D=B+3となります。条件マル2で、C=D+6の場合、A=D+2より、C=A+(6-2)=A+1となりますが、マル4が成り立たちません。条件マル2で、D=C+6の場合、A=D+2=C+6+2=C+8となり、マル4が成り立ちます。よって、AとCの差は8です。
魔方陣とよばれる数の表の問題です。マスに入る数について、たて、横、ななめのどの列の数の和も等しくなっています。
(1) 1から9までの数の合計は45で、この45を、たてあるいは横に3組に分けますので、45÷3=15より、たて1列の3マスの数の和は、15です。
(2) (1)より、左はしのたて1列において、マス目の左上の数は、15-(1+8)=6となります。また、右上がりのななめの列において、中央のマス目の数は、15-(2+8)=5となります。よって、右下がりのななめの列において、右下のマス目の数は、15-(6+5)=4となります。この後は、同様に、和の15からわかっている2マスの数を引くことで、すべてのマスが決まります。解答は、予習シリーズ66ページを参照してください。ミスが起きないように、問題の図に数字を入れていくとよいでしょう。
サッカーの試合で、対戦相手を考える問題です。予習シリーズ67ページの解き方にある対戦表を参考にしてください。対戦表では、対戦相手との勝ち負け(○×)を同時にうめていくことが基本です。
全試合数は、勝敗表のマス目で、○×でうまる部分の半分の数ですから、10試合です。問題文を整頓しておきます。
(ア) Aは、Cに負け、他のB、D、Eに勝ち、3勝1敗。
(イ) Bは、Dに勝ち、A、Eに負けました。(Cとは不明)
(ウ) 引き分けはなく、勝ち数が同じチームはありません。各チームが4試合しているので、勝ち数は、4勝、3勝、2勝、1勝、0勝のいずれかです。(ここがポイント)
(ア)、(イ)より、A、B、D、Eのチームは、少なくとも1敗はしていますので、4勝したのはCチームとわかります。同様に、A、B、C、Eのチームは、1勝はしていますので、0勝だったのはDチームでした。BはD以外に負けているので、Bは1勝3敗。結果として、残りのEは、2勝2敗。まとめると、Aは3勝1敗。Bは1勝3敗。Cは4勝0敗。Dは0勝4敗。Eは2勝2敗となります。以上のことを、表にまとめたのが、予習シリーズ67ページの解き方にある表2です。結果として、Eが試合に勝った相手は、BとDです。
100m競走の順位を考える問題です。予習シリーズ68ページの解き方にある順位表を参考にしてください。順位表では、条件に合わない部分に×をうめていくことからスタートして、1つだけ空いたところに○、また、○の入った列のたて,横で空いたところは×を入れる、という順番が基本です。
(ア) A君の発言より、表のAの1位、4位に×を入れます。
(イ) B君の発言より、B君は4位にはならず、D君は1位にはなりません(ここがポイント)。よって、表のB君の4位、D君の1位に×を入れます。
(ウ) C君の発言より、表のC君の1位に×を入れます。
以上の結果から、表の1位は、B君だけが空欄ですから、ここに○が入ります。B君の1位が確定しましたので、表のB君の2位、3位に×を入れます。また、B君の発言より、D君は2位と決まります。ここで、A君、C君の2位に×、D君の3位、4位に×を入れます。
この時点で、A君は空いている3位と決まり、C君は残りの4位に決まります。よって、4人の順位は、1位はB君、2位はD君、3位はA君、4位はC君となります。
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