No.1244 慶應大・東邦大・獨協医科大・東海大・日本大附属系列校から医学部医学科への内部進学率ランキング

 将来、医学部受験をお考えの皆様は、大学受験で医学部医学科を目指すという方法がオーソドックスだと思いますが、中学受験の段階で医学部のある大学付属中学に入学し、医学科へ内部推薦で入学するルートというもあります。しかし、付属校から医学科への内部進学者数や進学率などのデータを一覧にして比較できるデータはあまりありません。

 そこで今回は、医学部医学科内部進学率ランキングを作成し、内部進学もやはり狭き門なのか、あるいはお得と言えるような私立中高一貫校はあるのかを考察してみます。なお、ランキング作成にあたり、内部進学者数、卒業生数データおよび偏差値は『医学部進学大百科2020・2021・2023』(プレジデント社)、各学校のホームページの進学実績ページ、『中学受験案内2023』(晶文社)から引用しています。

 下記表1を見てください。1都3県にある大学附属中高一貫校で2020年から2022年の3年間に医学部医学科に内部進学した生徒が1名以上いた学校を集め、3年間の合計データで進学率を算出しランキングしたものです。中学受験で入学できる学校に絞っていますので、付属大学に医学部があっても慶應義塾志木高校などのように中学が設置されていない学校は含まれておりません。

 まず、トップは進学率約5.4%の東邦大東邦です。同校は医学部が看板学部である東邦大学の付属校であり、創立者兄弟も医学博士です。卒業生数が毎年300人前後で、その中の上位約5%に入れれば東邦大学医学部医学科に進学できるということになります(上位層で医学部を目指さない方もいますので、実際には5%よりも若干緩和されるはずです。これは他校でも同様です)。同校は中学入試では珍しく、12月1日に推薦入試(募集定員40)がありますので、推薦入試・前期入試・後期入試と3回チャンレンジができます。但し、推薦入試の倍率は高く、2022年度入試の実績で男子14.3倍、女子18.1倍となっています。8位の駒場東邦も同じく東邦大の付属校ですが、3年間合わせても東邦大医学部への内部進学は6名にとどまっています。これは、東邦大医学部にこだわらず、国公立大の医学部や他の私大医学部へ進学するケースが多いからでしょう。

 続いて、慶應3校が続きます。
 2位 慶應義塾湘南藤沢3.0%、3位 慶應義塾2.9%、4位 慶應義塾女子2.4%です。大学付属各校からの医学部への内部進学枠は付属校全体で枠数が決まっていることが多いですが、慶応大医学部に関しては各付属校それぞれに対して医学部進学枠が割当られています。確かにデータを見ると、慶應義塾湘南藤沢から7名、慶應義塾から22名、慶應義塾女子から5名と毎年同じ人数が医学部医学科へ内部進学しています。ちなみにランキング表には反映されておりませんが、慶應義塾志木高からは、2020年度7名、2021年度7名、2022年度5名が医学科に内部進学しています。

 ランキング5位は獨協です。
  5位の獨協と9位の獨協埼玉は、このランキングで最も注目の学校です。この2校は獨協医科大学(栃木県)の系列校ですが、2022年度入試より10名の系列校推薦枠が新設されました。各校10名ではなく獨協と獨協埼玉合わせて10名です。選抜には、英語・数学・小論文・面接のテストがあります。獨協2校に新しい推薦枠が適用された2022年度のみをランキングし直したのものが下記表2です。驚くことに獨協は慶應義塾を抜いて2位に躍り出ます。獨協埼玉は8位とワンランクアップです。獨協中学の偏差値(四谷大塚)は44。医学科内部進学率ランキング2位だと考えるとてもお得に感じます。しかも、獨協は高校受験がなく高校から生徒数が増えることがありません。卒業生は毎年約190名ほどですので、医学科を目指すお子さんにとっては見逃せない学校です。

 次に東海大付属各校を見てみましょう。
 表1を見ると東海大付属グループの中で、内部進学率が1%を超えているのが、同率6位の東海大付属高輪台東海大付属相模です。四谷大塚の偏差値を見ると、それぞれ男女共に37と40と入学難易度は高いわけではありません。しかし、この2校は高校募集があり、東海大高輪台は中学募集が80名なのに高校では約440名が入学してきます。東海大相模も中学の募集が120名なのに対して約320名が入学してきます。母集団が大きくなってしまうので内部進学率は低くなってしまうのですが、入学後に努力し続け上位をキープし大学受験に備えておけば、結果として医学部医学科への推薦を得られる可能性はあります。9位の東海大浦安も内部進学率0.4%と低いですが、上記2校と同じくチャンスはあります。

 最後に日本大学付属の各校です。
 11位から14位まではすべて日大付属が並びます(表1)。日大の場合、高1の4月、高2の4月、高3の4月と9月の計4回行われる『基礎学力到達度テスト』で進学する学部が決まるシステムで、付属校全体の中で医学部医学科に内部進学できるのは15人程です。日大は付属校の数が多いため、どうしても内部進学率が低くなってしまいますが、選択肢として医学部への推薦があるというのは医学部がある大学付属のメリットと言えます。

 ここまで医学部医学科への内部進学を分析してきました。結果として、進学率は東邦大東邦が1位となりました。中学受験生が見逃せない中学としては、獨協医科大学への系列校推薦枠が新設され、高校募集が無い獨協中学という結論に至りました。

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