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第13回は『整数の分解と構成』です。素因数分解を利用した色々な問題を学習します。約数のことを因数ともいい、素数の因数ということから、素因数となります。素因数分解とは、ある整数を素因数の積の形に分解して表すことです。予習シリーズ138ページの説明をよく読み理解した上で問題を進めて行きましょう。
数に関する問題は、素因数分解を利用することにより、いろいろな問題を解くことができます。素因数分解の利用を、きちんと身に付けましょう。
素因数分解と約数の個数について、学習します。
ある整数を素因数分解する方法を練習する問題です。予習シリーズ138ページの解き方にある方法(すだれ算ともいいます)のように、基本的には、素数(2、3、5、7、…)の小さいものから、われる素数で順にわっていきます。この意味で、30くらいまでの素数は覚えておきましょう。結果は、例題1の解き方を参照してください。
素因数分解を利用した約数の個数の求め方を学習します。この求め方は今後の数に関する問題で多く使うことになる大事な解法です。ただ式の立て方を覚えるだけでなく、「なぜその式になるのか」の理由までしっかり理解しておきましょう。予習シリーズ139ページの例題2の前の説明をよく理解してください。
例えば、整数の12は、12=2×2×3ですが、この12の約数(1、2、3、4、6、12)を、素数の組み合わせで考えてみます。約数の1は、素数2や3を使わない数、約数の2は、素数2を1個使った数、約数の3は、素数3を1個使った数、約数の4は4=2×2より、素数2を2個使った数、約数の6は6=2×3より、素数2と3を1個ずつ使った数、約数の12は12=2×2×3より、素数2を2個と素数3を1個使った数、です。
つまり、12の約数はすべて、素数2を0個、1個、2個と使う(2+1=)3通りの使い方と、素数3を0個、1個と使う(1+1=)2通りの使い方の組み合わせでできています。よって、12の約数の個数は、3×2=6より、6個あります。
このように、ある整数を素因数分解したときに、その中にある素数の個数の組み合わせで、その整数の約数の個数は求められます。ここで、(使わない)0個も1通りと数えることに注意してください。
(1) 16=2×2×2×2ですから、素数2の使い方は、0個から4個まで4+1=5通りありますので、約数の個数は、5個です。
(2) 126=2×3×3×7ですから、素数2の使い方は、1+1=2通り、素数3の使い方は2+1=3通り、素数7の使い方は1+1=2通り、組み合わせて2×3×2=12より、126の素数の約数は12個です。
整数300の約数のうちに、5の倍数が何個あるかを考えます。300を素因数分解すると、300=2×2×3×5×5 となります。5の倍数は素数5が使われますので、これらの素数の組み合わせの中で、5の入る組み合わせを考えればよいことになります。
素数5は1個か2個を使う2通り。これに、素数2を0個か1個か2個を使う3通り、素数3を0個か1個使う2通りの組み合わせを考えます。よって、2×3×2=12 より、5の倍数は12個あります。
約数の個数によって、もとの整数がどのような整数かを考える問題を学習します。
(1) 約数の個数が3個である整数は、3=2+1 より、素数をAとして、A×Aと素因数分解できる整数です。なお、このように同じ素数を2個かけた整数を、平方数といいます。素数の小さい数から順に(2,3,5,…)、平方数を作ります。2×2=4、3×3=9、5×5=25 より、約数の個数が3個の整数は、4、9、25です。
(2) 約数の個数が4個である整数は、4=3+1、または、4=2×2=(1+1)×(1+1)です。ここがポイントで、2通り考えられます。
◎ 4=3+1 の場合 素数をAとして、A×A×Aと素因数分解できる整数(立方数といいます)です。30以下には、2×2×2=8、3×3×3=27 、の2個があります。
◎ 4=(1+1)×(1+1)の場合 素数をAとBとして、A×Bと素因数分解できる整数です。 30以下には、2×3=6、2×5=10、2×7=14、2×11=22、2×13=26、の5個があり、また、3×5=15、3×7=21、の2個があります。
よって、合計して、2+5+2=9 より、約数が4個の整数は、9個あります。
約数の個数による分類を整頓しておきます。
約数が1個 整数の「1」のみ
約数が2個 「素数」である整数
約数が3個 「1種類の素数の平方数」…例題4の(1)
約数が4個 「2種類の素数の積」「1種類の素数の立方数」
約数が5個以上の奇数個 「平方数」
最大公約数や最小公倍数のもとの整数について、素因数分解を利用して考える問題を学習します。
最大公約数、最小公倍数が与えられたときの、もとの整数を求める問題です。予習シリーズ142ページの解き方で解説されている解法(連除法)を参照して下さい。
(1) 最大公約数が9 ですので、整数A=9×〇、整数63=9×7 となり、最小公倍数630 より、9×〇×7=630 となります。よって、〇=630÷9÷7=10 ですから、整数Aは、9×10=90です。
(2) 最大公約数が6 ですので、整数A=6×a、整数B=6×b です。また、最小公倍数144より、144=6×24=6×a×b となり、a×b=24とわかります。(a、b)の組は、(1、24)、(2、12)、(3、8)、(4、6)となりますが、aとbは「互いに素」でなければいけませんので、(1、24)、(3、8)の2通りです。また、A<Bより、AとBの組として、(6×1、6×24)、(6×3、6×8)ができます。よって、AとBの組は、(6、144)と(18、48)です。
最終段階で「互いに素」であることの確認を忘れてしまうケースが多く見られますので、注意してください。
既約分数(これ以上約分できない分数)の個数を考える問題を学習します。
1より小さい、分母が96の分数(分子は1から95まで)の中で、既約分数は何個あるかを問う問題です。分母の96を素因数分解すると、96=2×2×2×2×2×3ですので、分子が2や3の倍数は約分できてしまいます。よって、分子の1から95までのうち、2や3の倍数以外が何個あるかを考えます。周期を考えます。2と3の最小公倍数である6までの{1,2,3,4,5,6}の数の中で、2と3の倍数以外を求めると、{1,5}の2個で、この後も6個ずつの整数の中の2と3の倍数以外は、{7,11}、{13,17}、…となりますが、これらの数は、6でわったときのあまりが1か5となる整数です。結果として、1から96(計算上、96までにすると計算がしやすくなります)までを6個ずつの組とし、各組の中の2個ずつが条件にあう整数です。96÷6×2=32 より、既約分数は、32個です。
この解法以外もありますので、予習シリーズの解き方を参照してください。
わり切れる回数を考える問題を学習します。素因数分解を利用して解く問題です。
A=1×2×3×4×…×29×30 とするAを考えます。
(1) Aを2でわり続けるとき、何回目で、はじめて商が整数でなくなるかを考えます。Aを素因数分解したときに、素数2が何個入っているかがわり切れる回数になります。素数2のふくまれる整数は、2の倍数ですから、30÷2=15 より、15回わり切れます。ですが、例えば、4には素数が2個入っていますので、もう1回われます。つまり、4の倍数は、30÷4=7あまり2 より、あと7回わりきれます。このことから、8の倍数、16の倍数、も考えなければなりません。まとめて、もう一度計算すると、
30÷2=15 より、15回われる
30÷(2×2)=7あまり2 より、あと7回われる
30÷(2×2×2)=3あまり6 より、あと3回われる
30÷(2×2×2×2)=1あまり14 より、あと1回われる
よって、15+7+3+1=26回われますので、はじめて商が整数でなくなるのは、27回目です。
(2) Aは一の位から0が何個連続してならぶかを考えます。一の位が0になるのは、例えば、2×5、4×15、8×25、など、偶数×5の倍数ですが、偶数は数多くありますので、5の倍数に着目して考えます。また、8×25=200のように、素数5が2つある25では、0が2個ならびます。よって、Aを素因数分解したときに、素数5が何個入っているかが0の個数になりますので、(1)と同様に、
30÷5=6 より、素数5が6個
30÷(5×5)=1あまり5 より、素数が1個増える
よって、6+1=7 より、一の位から0が連続して、7個ならびます。
第13回は『速さの表し方』です。速さの問題は、中学入試算数の最重要単元の1つです。まずは、基本をしっかりと身につけてください。速さとは、一定の時間で進む道のりを表したものです。一定の時間が1秒の場合を秒速、1分の場合を分速、1時間の場合を時速といいます。また、道のりには、mやkmが使われます。このように、速さの単位は、時間の単位と長さの単位を合わせて使いますので、単位換算(単位を変える)の場合に注意が必要です。なお、メルマガでは分数を使う場合、分数は、分子/分母の形で表示することにします。
速さの問題は、これからも、多くの種類の問題を学習することになりますので、基本である今回の内容をしっかり身に付けましょう。そして、単位に注意することが重要です。
速さの基本計算を学習します。
[速さ=進んだ道のり÷かかった時間] の公式を覚えて使います。
(1) 3時間で、726km進みますので、726÷3=242 より、1時間に242km進むことになります。これより、時速242kmです。
(2) 分速□mを求めます。道のりの単位はそのままの5200m、時間の単位は分ですから、1時間20分を分の単位に直して80分にします。5200÷80=65 より、分速65mです。
(3) (2)と同じく分速□mを求めますので、40秒を分単位にします。40秒=40/60分です。 40/60=2/3に約分した分数で計算します。90÷2/3=90×3/2=135 より、分速135mです。
分の単位で表された数を、時間の単位に直す場合が多くあります。上で使いましたように、○分=○/60時間、同様に、△秒=△/60分となることを覚えましょう。
単位換算の問題です。
(1) 秒速4mは、1秒間に4m進む速さで、分速□mは、1分間に□m進む速さです。1分=60秒ですから、4mを60回くり返して、1分間に進む道のりになります。4×60=240 より、分速240mです。
(2) 時速3kmは、1時間に3km進む速さで、分速□mは、1分間に□m進む速さです。1時間=60分、3km=3000mですから、3000÷60=50 より、1分間で50m進むことになります。つまり、分速50mです。
(3) 秒速5mは、1秒間に5m進む速さで、時速□kmは、1時間に□km進む速さです。1時間=60分=3600秒、1km=1000mですから、5mを3600回くり返した道のりを、m(メートル)単位からkm(キロメートル)単位に直します。5×3600÷1000=18 より、1時間で18km進むことになりますので、時速18kmです。
(4) 時速72kmは、1時間に72km進む速さで、秒速□mは、1秒間に□m進む速さです。1時間=3600秒、72km=72000mですから、72000÷3600=20 より、1秒間で20m進むことになります。つまり、秒速20mです。
速さの3公式を覚え、使えるようにしましょう。
速さと時間から道のりを求める問題です。[(進んだ)道のり=速さ×(かかった)時間] の公式を覚えて使います。
(1) 分速60mで16分進みますから、60×16=960より、進んだ道のりは、960mです。
(2) 時速72kmの速さで、45分進みます。45分は、45/60=3/4時間ですから、72×3/4=54より、進んだ道のりは、54kmです。
道のりと速さから時間を求める問題です。[かかった時間=進んだ道のり÷速さ] の公式を覚えて使います。
(1) 1200mの道のりを分速75mの速さで進みますから、1200÷75=16より、かかった時間は、16分です。
(2) 24kmの道のりを時速40kmの速さで進みます。24÷40=24/40=3/5より、かかった時間は3/5時間ですが、分の単位に直します。
1時間=60分より、3/5時間=60分×3/5=36、よって、36分かかります。
なお、速さの3公式を覚えることについて、公式3つをそれぞれ覚えることで混乱してしまうようでしたら、かけ算の形である、[速さ×時間=進んだ道のり]を覚えて、この形に整頓したうえで、逆算する解き方もお勧めです。例えば、例題4の(1)では、□分として、75×□=1200から、□=1200÷75=16と求めます。
速さの文章題を解いてみましょう。
速さの文章問題です。予習シリーズ125ページの線分図を参照してください。また、自分でもこのように内容を整頓することを心がけましょう。
家と駅は1.4kmはなれていて、みどりさんは時速4kmの速さで進みます。わすれ物をしなければ、1.4÷4=14/40=7/20=21/60より、21/60時間=21分で駅に着くはずです。実際は、8時に家を出て、8時40分に駅に着きましたので、40分かかっていますが、このうち、1分はわすれ物をさがしている時間ですので、歩いていた時間は39分です。39-21=18分は、家からわすれ物に気づいた地点までの往復の時間ということになります。この時間(18分=18/60時間=3/10時間)で歩いた道のりは、4×3/10=1.2より、1.2km=1200mです。よって、往復1200mですから、1200÷2=600より、わすれ物に気づいた地点は、家から600mはなれています。
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