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第23回のテーマは「場合の数 法則と調査」です。今回のポイントは「場合の数の計算の考え方・樹形図の調べ方を身につけ、使いこなせるようにする」です。入試頻出の単元でありながら、多くのお子様がつまずきやすい場合の数を学習する回です。樹形図を使った解き方だけでなく、場合の数を計算で考える方法も学習します。
「学び1」では「並べ方」の樹形図での求め方と計算での求め方について、「学び2」では組み合わせの計算について、「学び3」は和の法則での道順の求め方について、「学び4」では積和分解、つまり不定方程式について学習します。
「学び1」は並べ方(順列)のおさらいです。110ページ「感じよう」にある通り、樹形図で考える方法、計算で考える方法のどちらでも考えることができます。重要なのは、問題によって使い分けできるようにすることです。ただ並べるだけならば計算のほうが速いですが、難関校で出題されるような複雑な場合の数では樹形図で調べることも多いです。どちらも使えるようにしておきましょう。111ページ・112ページ・113ページ「やってみよう!」では、それぞれ考え方が異なります。計算だけでできるのか、ほかの条件が必要なのかを考えて問題を解くようにしましょう。
「学び2」では、選び方(組み合わせ)の計算について学習します。特に114ページ「やってみよう!」の「考え方2」の計算方法で解けるようにすることが重要です。順列と組み合わせの違いは並び順を考えるか、そうでないかです。まず5人のうちの2人を並べたあと、(5×4)、並べた2人の順列分で割る必要があります(2×1)。2人を並べた分だけ組み合わせの重複が生じるからです。この点の理解を踏まえて練習するようにしましょう。124ページ「なぜ『順列』?」でも紹介されています。
「学び3」の道順の問題では、116ページ上部で紹介されているように和の法則で交差点ごとにたどり着く「場合の数」をかきこみ、どんどん足していく解き方が一般的です。この方法は必ず全員身につけられるように練習しておきましょう。また、計算で求める方法もあります。たとえば118ページ「やってみよう!」でAからBまで行く最短の道順の総数を考える時、どう通っても右(以下→)に4回、上(以下↑)に3回通ることになります。言いかえると、全7回のうち、どこか3回は↑を選ぶことになるわけですから、7回から3回を選ぶ組み合わせの計算で求められます。難関校ではよく使う考え方になりますので、必要に応じてこちらでもできるようにしておくとよいでしょう。
「学び4」はお子様が非常に苦戦しやすい問題ですが、ここで学習する解法を身につけられれば、難問への対応力が大きくアップします。119ページ「やってみよう!」にある通り、まずはつるかめ算と区別をつけられる必要があります。つるかめ算は大体の場合において、2種類の合計とそれぞれの単位量、例えば足の本数やそれぞれの値段が分かっています。一方、120ページ「やってみよう!」途中のxとyを使った計算式のように1種類の合計しかわかっていない場合は必ず不定方程式になります。文字の個数と式の数が同じ場合しか、答えは1組に決まらないからです。不定方程式の問題では中学受験の場合、それ以外の情報が与えられて答えが1つに決まる場合が大半です。もちろんここまで細かく覚える必要はないのですが、目安として文字の数と式の数に注目するとよいでしょう。120ページの表を使って解く方法の流れが重要です。必ず何度も練習しておきましょう。
演習としては、122ページ~123ページ問1~問6の基本問題はもとより、125ページ問1のカードを並べる問題、126ページ問2の色のぬり分け問題、問4の点を選んで正方形を作る問題、127ページ問5の直線を交差させる問題、問7のさいころの問題、129ページ問11の図形の個数を数える問題、問12の円周上の点を選ぶ問題、130ページ問14のフィボナッチ数列の問題、131ページ問16のゲーム問題を優先的に解くとよいでしょう。特にフィボナッチ数列の問題は最近の難関校入試でその応用型が出題される重要問題です。
難関校を目指されるお子様は、124ページ「なぜ『組み合わせ』×『組み合わせ』?」、125ページ~133ページの上記で紹介していない問題、136ページ探求の問題を解くとよいでしょう。難関校では場合の数は非常によく出題、かつ問題のバリエーションも多いです。対応力をつけるため、様々な問題に触れて解き方のポイントを身につけておきましょう。
第23回のテーマは「通分を含む分数の足し算とわり算・小数と分数の変換」です。今回のポイントは「通分の完全習得を目指す」です。前回から引き続き、分数の計算についての学習ですが、特に今回の通分は、分数計算の上で多くのお子様がつまずきやすいポイントになります。まずはゆっくり正確に、手順を確認しながら計算できるように練習をしていきましょう。スピードは慣れとともについてきます。また、前回同様に通分のもととなるのは倍数の考え方です。あやふやな場合は戻って復習しておきましょう。
「学び1」では通分の仕組みについて、「学び2」では通分を含む足し算と引き算について、「学び3」は小数と分数の変換について学習します。
「学び1」からいきなり通分の仕組みについて説明が入ります。ここで重要なことは、分数の大小を比べるときは必ず分母と分子に同じ数をかけて、比べる対象となる分数どうしの「分母の数」をそろえる流れを徹底することです。分数計算だけでなく、後の回で出てくる既約分数(約分できない分数のことをいいます)を求める問題や、無理やり分母をそろえる問題のときに、この考え方が非常に重要になります。
「学び2」は前回学習した足し算・引き算の手順の中で、分母がそろっていないときは通分することを学びます。慣れないうちは、98ページ「何だか正しいような気がしてきた……」を見てください。ここで紹介されている誤答パターンは意外に多くのお子様がやってしまいがちな間違いです。お子様の理解の状況に応じて、91ページ「やってみよう!」の図のように仕組みから理解させるか、計算手順として割り切らせるか、どちらにせよ計算自体はできるように練習を重ねましょう。また、最後の約分チェックも忘れがちです。せっかく分数計算ができても、約分をし忘れてしまうとテストでは得点になりません。徹底的に注意しましょう。
「学び3」では、分数・小数の変換の仕方について学びます。特に「分母が10シリーズ」「分母が8シリーズ」「分母が4シリーズ」の分数と小数の変換は、難関校や今後の計算問題で頻出です。計算間違いを防ぐコツは計算をするのではなく、小数を見たらすぐに分数が思い浮かぶように、変換方法を頭の中に刷り込んでしまうことです。よく出る分数の変換は今回を機会に早めに覚えておきましょう。計算の速度と正確さが大きくアップします。
演習では、96・97ページの基本問題はもちろんのこと、99ページ問1の計算問題、100ページ問2の分数の文章題を徹底すると良いでしょう。
97ページの問5ですが、分数のかけ算・わり算をまだ習っていないので、「学び1」のようにひとつひとつ丁寧に確認して、分数だけの式に直す工夫が必要です。問6では、数の大小比較は小数で行うとわかりやすいです。あくまで、大きさを比べるだけですので、割り切れなくても良い点に注意しましょう。
余裕があるお子様は、100ページ問・問4の無理やり分母をそろえる問題、101ページ問7の分数の規則性、102ページの問9の循環小数に関する問題、103ページ問10の分数に小数が入る時の計算練習に取り組むとよいでしょう。特に循環小数は規則性の問題としても重要です。
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