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第6回は『速さ(1)』です。復習テーマは、平均の速さ、グラフ、旅人算、比、坂道の問題などです。新出テーマは、等間隔で動く電車と自動車等との出会い・追いこしの問題、往復する旅人算です。なお、分数は、分子/分母の形で表します。
入試問題でも重要な項目です。復習テーマもなかなか手強いですが、基礎となる速さの知識を確実に身につけ、新出テーマに挑戦してみましょう。
電車と自動車等の出会い・追いこしの問題です。
(1) A駅からB駅に向かうバスが10分おきに発車していて、B駅からA駅に向かっている自転車が、バスと6分おきにすれちがいます。「10分おきに発車」とは、バスの速さ10分で進む距離の間隔で動いているということです。予習シリーズの解き方にある線分図を参照してください。自転車が前のバスとすれ違った時からの、バスと自転車の出会いの問題です。バスが10分で進む距離のうち、6分進んだ地点で、同じ6分で進んできた自転車と出会います。バスが(10-6=)4分で進む距離を、自転車は6分かかるということになります。ここがポイントです。距離が一定ですから、1/4:1/6=3:2 より、バスと自転車の速度の比は、3:2です。
(2) C駅からD駅に向かうバスが9分おきに発車していて、同じくC駅からD駅に向かっている自転車が、バスに15分おきに追いこされます。予習シリーズの解き方にある線分図を参照してください。自転車が前のバスに追いこされた時からの、バスが自転車を追いこす問題です。前のバスに追いこされた地点まで、次のバスは9分で進むので、その後、(15-9=)6分で、自転車に追いつきます。つまり、自転車が15分かかる距離をバスは6分で進みます。ここがポイントです。距離が一定ですから、1/6:1/15=5:2 より、バスと自転車の速度の比は、5:2です。
なお、予習シリーズの解き方にある(補足)は、ダイヤグラムでよく利用する内容です。グラフの三角形を利用して、たて(距離)が等しい場合に、横(時間)の関係から、逆比で速度比を考える使い方です。
往復する問題を、考えてみましょう。予習シリーズの66ページ、発展学習で、青の枠内の内容は大切なものです。
兄の速さを5として、21秒で、PQ間を進みますので、PQの距離は5×21=105と考えられます。
(1) 兄が出発地点のPに戻るのは、21×2=42秒ごとです。また、弟の速さは2としますから、弟は105×2÷2=105秒ごとに出発地点のQに戻ります。同時に出発地点に戻ることが、質問ですので、42と105の最小公倍数=210 より、2人が歩くのをやめたのは、出発してから210秒後です。
[別解] 同時に出発地点に戻るのですから、時間が一定です。よって、速度比=距離比より、5:2つまり、兄は5往復、弟は2往復したときです。兄は1往復42秒ですから、42×5=210 より、210秒後です。
(2) 同じ地点を通過するのは、出会いの場合と、追いこしの場合です。それぞれを別々に考えます。出会いの場合 1回目は、105÷(5+2)=15秒後。その後、2人合わせてPQ間を1往復して出会いますので、105×2÷(5+2)=30秒ごとです。出発後の時間を210秒まで書き出しますと、15、45、75、105、135、165、195の7回です。追いこしの場合、1回目は、105÷(5-2)=35秒後。その後、兄が弟よりPQ間の1往復分多く進むごとに追いこしますので、105×2÷(5-2)=70秒ごとです。同様に、書き出しますと、35、105、175の3回です。ただし、105が重なっていることに注意してください。よって、合計、7+3-1=9 より、2人が同じ地点を同時に通過したのは、9回です。
このように、繰り返しを考える問題では、重なりが「罠」になっている問題がありますので、書き出して考えたり、予習シリーズの(補足)にあるように、ダイヤグラムをかくことがよいかもしれません。
第6回は『濃さ』です。食塩水(水に食塩を加えたもの)の重さを「もとにする量」とし、その中にとけている食塩の重さを「比べる量」とする、割合の問題です。「もとにする量」である食塩水の重さは、食塩の重さと水の重さの合計であることに注意しましょう。予習シリーズ60ページの説明をよく読み、理解しましょう。
また、濃さの単位は%ですが、計算上は、小数か分数を使用することにも注意が必要です(分数で計算するとスピードアップになります)。なお、分数は、分子/分母の形で表します。
食塩水の問題では、食塩水,食塩、濃度の3要素のうち,何が変化しているのか、変化していないのかを見極めることが重要です。また、食塩水の混合は、平均の問題ですので、平均問題で学習した面積図が使えるように心がけましょう。加えて、濃度を分数で計算することにより、スピードアップを図りましょう。
公式を自在に使えるようにしましょう。
基本のトレーニングです。「食塩水の重さ×食塩水の濃さ=食塩の重さ」を基本に整頓します。
(1) 食塩水の重さ(=水の重さ+食塩の重さ)に注意します。濃さを小数で□として整頓する と、(100+25)×□=25となります。□=25÷125=0.2と計算できますが、濃さの単位は%ですから、計算結果の0.2を100倍して%の単位にします。よって、食塩水の濃さは20%です。
(2) 濃さは8%ですから、計算上8/100として、300×8/100=24より、とけている食塩の重さは、24gです。
(3) 繰り返しますが、食塩水は水の重さと食塩の重さの合計ですから、水の重さを□gとして整頓すると、(□+30)×12/100=30となります。□+30=30÷12/100=250で、□=250-30=220より、水の重さは、220gです。食塩水の重さを計算して答えとしないよう、注意しましょう。
食塩の重さは変わらなくても、水の重さが変わると、濃度は変化することに注意しましょう。
食塩水に水を加える混合問題です。「水を加えても、食塩の重さは変わらない」ことに注目します。
(1) 初めの食塩水に含まれる食塩の重さは、200×18/100=36gです。水を40g加えるので、食塩水の重さは、200+40=240gになりました。よって、36÷240=0.15より、濃さは15%です。
(2) 初めの食塩水に含まれる食塩の重さは、250×8/100=20gです。加える水の重さを□gとして、整頓すると、(250+□)×5/100=20となります。よって、250+□=20÷5/100=400で、□=400-250=150より、加えた水の重さは150gとなります。
(3) 水を蒸発させる問題です。水を蒸発させても食塩の重さは変わらないことがポイントです。初めの食塩水に含まれる食塩の重さは、400×3/100=12gです。蒸発させる水の重さを□gとすると、食塩水は、(400-□)gになりますので、(400-□)×5/100=12と整頓できます。よって、400-□=12÷5/100=240より、□=400-240=160ですから、蒸発させる水の量は、160gです。
食塩水に食塩を加える混合問題です。「食塩を加えると、食塩水の重さも増える」ことに注意します。
(1) 初めの食塩水に含まれる食塩の重さは、300×4/100=12gです。食塩を20g加えた後の濃さを小数で□として、整頓すると、(300+20)×□=12+20となります。□=32÷320=0.1より、濃さは10%です。
(2) 初めの食塩水に含まれる食塩の重さは、150×12/100=18gです。加えた食塩の重さを□gとして整頓すると、(150+□)×20/100=18+□となりますが、これでは、□を求めることができません。そこで、「変化していない水の重さに注目」します。食塩水全体の12%が食塩の重さでしたから、100%-12%=88%が水の重さということになります。150×88/100=132gである水の重さは、食塩を加えた後の食塩水(濃さが20%)では、100%-20%=80%になります。加える食塩の重さを□gとして、水の重さについて整頓すると、(150+□)×80/100=132より、150+□=132÷8/100=165で、□=165-150=15となります。よって、加えた食塩の重さは15gとわかります。このように、食塩水の問題では「変化していない量」に注目することに気をつけましょう。
濃さの異なる食塩水を混ぜてできる食塩水について学習します。
食塩水どうしを混合させる問題です。
(1) それぞれの食塩の重さを求めて、食塩水の重さの合計、食塩の重さの合計から濃さを求めます。200×4/100=8、300×9/100=27 より、食塩の重さの合計は、8+27=35gです。濃さを小数で□として整頓すると、(200+300)×□=35となります。□=35÷500=
0.07より、2つの食塩水を混ぜてできた食塩水の濃さは、7%です。
(2) 食塩水200gの濃さを小数で□とすると、食塩の重さは200×□となります。もう一方の食塩水100gでは、食塩の重さは、100×5/100=5です。整頓すると、(200+100)×7/100=200×□+5となります。300×7/100=21より、21=200×□+5です。よって、□=(21-5)÷200=0.08より、200gの食塩水の濃さは、8%でした。
前問と同様、食塩水の混合問題ですが、片方の食塩水の重さがわかりません。平均問題と同様に、面積図を利用して解きます。「食塩水の重さ×濃さ=食塩」を「横×たて=面積」として、面積図をかいて解きます。予習シリーズ65ページ、66ページの解き方にある面積図を参照してください。なお、面積図では、%単位の数量で解き進めてもよいことを覚えておきましょう。
(1) 66ページの最初の面積図において、ア=イですので、300×(11-5)=□×(20-11) より、□=300×6÷9=200です。よって、20%の食塩水を200g混ぜればよいことになります。
(2) 66ページの2つ目の面積図において、同じくア=イですが、このままでは□は求められません。そこで、ウの部分を両方に加えて考えます。ア+ウ=イ+ウとして、□×(15-6)=900×(10-6) より、□=900×4÷9=400です。よって、15%の食塩水を400g混ぜればよいことになります。
食塩水の問題は、多くの中学校の入試問題に出題されています。基本の考えをしっかりと身に付けましょう。
第6回は『小数と単位』です。まずは、予習シリーズ52ページにある小数の仕組みを理解して覚えましょう。また後半の「単位」の問題は5年、6年になっても苦手とされる生徒が多い単元ですので、基本からしっかり固めておきましょう。なおここでは、分数は、分子/分母の形を使って表すことにします。例えば、10分の1は、1/10と表します。
今回の重要ポイントは「単位計算」です。今回は3種類の単位を学習しますが、今後、その他の単位も出てきますので、ここで小数のたし算・ひき算を使う単位の計算方法をしっかり学んでおきましょう。
小数のしくみの問題です。
(1) 1が3個で3、 0.1が7個で0.7、 0.001が5個で0.005となります。これらの数を集める、つまり和を求めると、3.705です。
(2) 0.01が10個あつまると、0.1となりますので,24個のうちの20個で、0.2です。残りの4個は、0.01が4個ですから0.04です。合わせて0.24です。
(3) 1/1000は0.001ですから、0.001を683個集めることになります。小さい位から、0.001を3個,0.01を8個、0.1を6個集めることになります。合わせて0.683です。
小数のたし算・ひき算の問題です。ここでは、注意点を説明することにします。小数のたし算・ひき算は、筆算において小数点を上下でそろえることが重要です。たし算では、計算結果で末尾(答えの右はし)に0(ゼロ)がある時は消すことを注意しましょう。ひき算では、ひく数(筆算で下の段におく数)のけたが、ひかれる数(筆算で上の段におく数)のけたより多いときは、ひかれる数の右に0をつけて、けたの数をそろえることがポイントです。予習シリーズ55ページの解き方にある筆算を参照してください。
長さ・重さ・かさの単位について学習します。単位は今後の算数の学習、テストの計算問題など様々な場面に出てきます。確実に習得できるまで、反復トレーニングをしましょう。予習シリーズ55ページにある、単位についての説明を参照してください。特に、キロ(kの文字を使います)は、kのない単位の1000倍の大きさを表し、ミリ(mの文字)は、mのない単位の1/1000(=0.001)の大きさを表すことを覚えておきましょう。つまり、1m(メートル)の1000倍の大きさである1000mは1km、1mの1/1000の大きさは1mm(ミリメートル)となります。キロ,ミリの他、長さの単位では、1/100(=0.01)の大きさを表すセンチ(cの文字)、かさの単位では、1/10(=0.1)の大きさを表すデシ(dの文字)も使われます。これらも合わせて使えるようにトレーニングしましょう。
長さ・重さ・かさの単位を学習します。予習シリーズ56ページの例題3の前にある,単位のなおし方をよく読んで理解しましょう。ここでは、小数点の移動によって単位をなおすことを説明しています。
(1) 1m=100cmですから、m→cmにかえるには、小数点を2つ右にうつします。よって,5.8m=580cmです。
(2) 1000g=1kgですから、g→kgにかえるには,小数点を3つ左にうつします。よって,2700g=2.7kgです。
(3) 1L=1000mLですから、L→mLにかえるには、小数点を3つ右にうつします。よって,0.65L=650mLです。
単位のついた数量のたし算・ひき算です。それぞれの数量を、求める単位にそろえて、たし算・ひき算をします。
(1) 2800m+0.76km=□m、0.76km=760m より、2800+760=3560、よって,□=3560です。
(2) 2.25L-1500mL=□dL、1L=10dL より、2.25L=22.5dLです。また、1500mL=15dLです。よって、22.5-15=7.5 より、□=7.5です。
小数のたし算・ひき算は思いのほか、ミスする生徒が多いようです。筆算をていねいにするよう、心がけましょう。また、繰り返しになりますが、単位計算はこの回にできるだけ習得しましょう。
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