No.1413 早稲アカ・四谷大塚予習シリーズ算数下対策ポイント 5・4年生(第16回)

<算数 5年下 第16回>

 第16回は『濃さと比』です。食塩水の濃さに関する問題を発展的に学習します。以前に学習しました「速さと比」、「水量変化と比」と同様の考え方を利用します。A×B=Cの関係において、「Aが一定ならば、BとCは比例」、Bが一定ならば、「AとCは比例」、「Cが一定ならば、AとBは反比例」します。このことを、「食塩水の重さ×濃さ=食塩の重さ」において、利用して学習していきます。 なお、分数は、「分子/分母」の形で表します。

<今回のポイント>

 上に述べた、3要素(食塩水の重さ)、(濃さ)、(食塩の重さ)のうちのどれが変わらないかを問題文から読み取り、残りの2要素の関係が、比例か反比例かを判断することが大切になります。例題5および例題6の解法はレベルアップに大切ですので、しっかり理解しましょう。

【対策ポイント1】

 濃さと比例・反比例について学習します。予習シリーズ5年上の第6回で学習した解き方で解ける問題もありますが、比例・反比例の利用を中心に学習します。

[例題1]

(1) 食塩の重さは変わりませんので、食塩水の重さと、濃さは反比例、つまり逆比の関係になります。食塩水130gが、水を加えることにより、130+260=390gになりました。食塩水の重さの比 130:390=1:3 より、濃さの比は、1/1:1/3=3:1となります。よって、12÷3×1=4 より、4%の食塩水になります。
(2) 前問と同じく、食塩の重さは変わりません。濃さの比が8:6=4:3 ですので、食塩水の重さは、1/4:1/3=3:4 となります。この差が、加えた水の100gです。100÷(4-3)×3=300 より、はじめ、8%の食塩水は300gありました。

[例題2]

 食塩水の一部を捨てて、同じ量の水を加えたときにできる食塩水の濃さを求める問題です。食塩水の重さは変わりませんので、濃さと食塩の重さは比例します。濃さの比は、8:5ですので、食塩の重さの比も、8:5になります。つまり、はじめにあった食塩の重さのうち、8-5=3の割合の食塩を捨てたことになります。捨てた食塩水は同じ8%ですから、重さも8のうちの3を捨てたことになります。よって、480gの3/8を求め、480×3/8=180 より、食塩水は180g捨てました。

[例題3]

 比の積と商を利用した問題です。
(1) 食塩水の重さ×濃さ=食塩の重さですから、(300×1):(200×2)=3:4 より、AとBの食塩の重さの比は、3:4です。
(2) 食塩の重さの和が56gですから、(1)の結果、56÷(3+4)×3=24 より、Aの食塩水にとけている食塩の重さは24gです。よって、24÷300×100=8 より、Aの食塩水の濃さは8%です。

【対策ポイント2】

 比を利用した、食塩水の混合濃度について学習します。

[例題4]

 2つの食塩水を混ぜてできる食塩水の濃度を考える問題です。
(1) 基本の考えで進めます。2つの食塩水の重さの合計は、150+200=350g、食塩の重さの合計は、150×10/100+200×3/100=15+6=21g、よって、21÷350×100=6 より、6%の食塩水になります。
(2) 基本の考えに比の積と商の考えを加えて進めます。2つの食塩水の重さの合計は、比を利用して3+2=5、食塩の重さの合計は、3×6/100+2×16/100=18/100+32/100=50/100、よって、50/100÷5×100=10 より、10%の食塩水になります。なお、濃さの数値は、最終的に100倍して%に直すので、計算上、%単位の数値で進 めても同じ結果を得ることができます。3×6+2×16=50となり、50÷5=10より、10%です。
(3) 逆算の問題です。2つの食塩水の重さの合計は、比を利用して1+3=4、混ぜた食塩水の濃さが8%ですから、食塩の重さの合計は、4×8/100=32/100、Aの食塩の重さが、1×14/100=14/100ですので、Bの食塩の重さは、32/100-14/100=18/100、よって、18/100÷3×100=6 より、Bの食塩水の濃さ6%です。(2)で説明しましたように、%単位の数値で進めることができます。確かめてみてください。

【対策ポイント3】

 濃さの変化から、混ぜた食塩水の割合を考えます。

[例題5]

 面積図を利用した問題です。5%の食塩水と13%の食塩水を混ぜて8%の食塩水ができました。このときの、混ぜた食塩水の重さの比を求めます。予習シリーズ173ページの例題の解き方にある面積図を参照してください。
 面積図のアとイの面積は等しいので、たて×横=面積の関係から、〇×(8-5)=□×(13-8) です。積一定ですので、逆比となります。つまり、〇:□=1/(8-5):1/(13-8)=5:3、よって、5%と13%の食塩水の重さの比は、5:3です。
 この解き方を公式化してみましょう。
[設定] 2つの食塩水を、a%の食塩水Ag、b%の食塩水Bgとして、混ぜた食塩水の濃さをc%とします。ここで、濃さはa>bとします。また、混ぜた食塩水の濃さc%は、このaとbの濃さの間の濃さになります。
[結果] このとき、もとの濃さと混ぜた食塩水の濃さの差、(a-c)と(c-b)の比は、食塩水の重さ、AとBの比の逆比になります。(a-c):(c-b)=1/A:1/B または、1/(a-c):1/(c-b)=A:B という関係になります。
 予習シリーズ174ページの枠内の説明をよく読み、理解しましょう。「てんびん図」といわれるもので、理科において学習しているかもしれません。

[例題6]

 食塩水のやりとり問題です。例題の解き方にある、やりとりの図は問題を解くうえで重要で、この図を自分でかけるようにしましょう。
(1) やりとりをしても、AとBにふくまれる食塩の重さの合計は、変わらないことに注目します。はじめの2つの食塩水にふくまれる食塩の重さの合計は、200×6/100+300×16/100=12+48=60g、2回のやりとり後のAにふくまれる食塩の重さは、200×9/100=18g、よって、2回のやりとり後のBにふくまれる食塩の重さは、60-18=42gですので、42÷300×100=14 より、Bの食塩水の濃さは14%です。
(2) (1)より、6%の濃さのAを□gと、16%の濃さのBを300g混ぜて、14%の食塩水ができたことになりますので、1/(14-6):1/(16-14)=1:4 より、AとBの混ぜた食塩水の重さの比は、1:4です。□:300=1:4 ですので、300÷4×1=75 より、AからBに移した食塩水の重さの75gです。

<算数 4年下 第16回>

 第16回は『角すいと円すい』です。合わせて、すい体といいます。予習シリーズ146ページと148ページの図を参照して、これらの立体の形を理解し、その上で公式を覚えましょう。また、特に148・149ページ、円すいについての用語、展開図における中心角と母線についての説明をよく読んで、「円すいの側面の公式」を使えるようにしましょう。なお、分数は、分子/分母の形で表します。

<今回のポイント>

 公式を確実に使えるように。柱体とすい体の体積計算を間違えないように注意深く解いていきましょう。

【対策ポイント1】

 角すいについて学習します。「角すいの体積=底面積×高さ×1/3」

[例題1]

 直方体の頂点を結んでできる角すいの体積を求める問題です。どの面を底面とするか、そしてそのときの高さはどこかを考えます。 
(1) 問題の図において、直方体の底面が四角すいの底面で、(底)面積=6×9=54平方cmです。そして、直方体の高さが四角すいの高さで、6cmです。よって、54×6×1/3=108 より、四角すいの体積は、108立方cmです。
(2) どの面を底面とするかで、体積の求め方が2通り考えられます。
(ア) 後ろの面にある三角形を底面とすると、高さは直方体のたての長さになります。底面積=9×6÷2=27平方cmですから、27×6×1/3=54 より、三角すいの体積は54平方cmです。
(イ) 右側面の三角形を底面とすると、高さは直方体の横の長さになります。底面積=6×6÷2=18平方cmですですから、18×9×1/3=54 より、同じく体積は54平方cmです。
 この問題のように、どの部分を底面・高さにするかを自分で判断する必要があります。ここで、高さは必ず底面に対して垂直であることがポイントになります。

【対策ポイント2】

 円すいについて学習します。「円すいの体積=底面積×高さ×1/3」、「中心角/360=底面半径/母線」、「円すいの側面積=母線×底面半径×円周率」

[例題2]

 円すいの展開図から、母線の長さ、円すいの表面積を求めます。
(1) 「中心角/360=底面半径/母線」を用いて、120/360=5/母線 と整頓します。120/360=1/3 ですから、母線の長さを□とすると、(1/3=)5/15=5/□となりますので、□=15 より、母線の長さは、15cmです。なお、この公式は、変形して、「母線×中心角/360=底面半径」、「底面半径÷中心角/360=母線」なども使えるようにしておきましょう。
(2) 「円すい表面積=底面積+側面積」となります。円すい底面積=円の面積=5×5×3.14=25×3.14、円すい側面積(公式)=15×5×3.14=75×3.14、よって、(25+75)×3.14=100×3.14=314 より、円すいの表面積は、314平方cmです。

【対策ポイント3】

 回転体について学習します。予習シリーズ150ページの説明をよく読んでください。

[例題3]

 三角形や台形を回転させてできる立体の体積を求める問題です。
(1) 半径が2cmの円を底面とし、高さが3cmの円すいになります。よって、(2×2×3.14)×3×1/3=4×3.14=12.56 より、この立体の体積は、12.56立方cmです。
(2) 半径が3cmの円を底面とする、高さ4cmの円柱に、高さ(7-4=)3cmの円すいがのっている立体になります。円柱の体積=3×3×3.14×4=36×3.14、円すいの体積=3×3×3.14×3×1/3=9×3.14、よって、(36+9)×3.14=45×3.14=141.3 より、この立体の体積は、141.3立方cmです。

 以前にも述べましたように、3.14のかけ算は、まとめて計算するよう心がけましょう。計算スピードが早くなり、ミスも少なくなります。また、柱体の体積計算とすい体の体積の体積計算の違い(1/3のかけ算を入れるか入れないか)に注意しましょう。

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