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第11回は『立体図形(1)』です。復習テーマは、立方体・直方体の1回切断です。新出テーマは、展開図が正方形になる三角すい、切られる小立体の個数、円柱・角柱の斜め切断、複数回の切断などです。
ここでは、分数は、分子/分母の形で表します。
今回の立体図形の問題は、難問が多いのですが、予習シリーズの図解をしっかり理解して進めていくことで、徐々に解けるようにしましょう。また、できれば自分で図をかけるようにすることで、理解は深まっていきます。ぜひ、実践してください。
切断面を考えるときの作図ポイントは3つです。切断面の回りの直線(切断線と名付けます)について、
(1) 同じ面にある2点は、切断線として直線で結べる。
(2) 平行な面には、平行な切断線が引ける。
(3) 立体の辺を延長させて(面をひろげる)、切断線をのばし、辺との交点を考える。
という3つのポイントがあります。
特殊な切断での、切断面の面積を求めます。
立方体を切断して、その立体が三角すいになる場合の問題です。
切断された三角すいは、底面が直角二等辺三角形で、高さが底面の等辺の2倍の長さになっています。
この立体を展開図にすると、予習シリーズの113ページ、例題の上の説明や、解き方にあるように、正方形になります。このことがポイントです。その上で、切断面(切り口)の面積を求めます。切断面は、展開図である正方形の中央にある三角形PQRですので、正方形の面積から、三角形PQR以外のまわりの3つの三角形の面積を引いて求めます。
ここで、裏ワザを紹介します。この切断面の面積は、割合計算により、正方形の面積(三角すいの表面積)の3/8となります。正方形の1辺は4cmですから、4×4×3/8=6 より、切断面の面積は、6平方cmです。
円柱・三角柱の斜め切断による体積を求める問題を学習します。予習シリーズ115ページの例題前の説明をマスターしましょう。
(1) 円柱を斜めに切断してできた立体の体積を求めます。底面の円の半径は5cmですから、円の面積を求めると、5×5×3.14=25×3.14です。高さですが、例題前の説明にあるように、平均を利用します。 (4+8)÷2=6を使います。よって、25×3.14×6=150×3.14=471 より、体積は、471立方cmです。
(2) 三角柱を斜めに切断してできた立体の体積を求めます。底面の三角形の面積は30平方cmです。そして、高さは、3本の高さの平均を利用します。(8+5+11)÷3=8を使います。よって、30×8=240 より、体積は、240立方cmです。
第11回は『場合の数-ならべ方-』です。ここでは、和の法則と積の法則の違いを学習します。また、並べ方(順列とも言います)の基本も学習します。
和の法則と積の法則を使い分けられるように、問題文の読み取りに注意して練習を重ねましょう。また、道順の問題、ぬり分け問題は、この回で必ずマスターしましょう。
和の法則について学習します。
さいころの出た目の和の問題です。(区別のつく)大小2個のさいころを同時に1回ふって、出た目の合計が4以下になる目の出方が何通りあるかを考えます。
目の合計が4以下になるのは、4、3、2の場合です。目の出方を(大,小)の形で表しますと、
ア) 4の場合 (1,3)、(2,2)、(3,1) の3通り
イ) 3の場合 (1,2)、(2,1) の2通り
ウ) 2の場合 (1,1) の1通り
よって、3+2+1=6 より、出た目の合計が4以下になるのは、6通りです。
このように、複数のことがら(和が4、3、2になる場合)が同時にはおこらないとき、それぞれの場合に分けて(「場合分け」をする)、それぞれの場合の数を考え、結果をたし算することを、和の法則といいます。
なお、例題2の道順の問題も、和の法則と考えられます。
ごばんの目の形をした道を進む道順の問題です。
P地点からQ地点まで最短距離(遠回りしない最も短い道のり)で行く道順が何通りあるかを考えます。最短距離ですので、この問題では、右方向か上方向に進むことで、左方向や下方向に進むことはできません。
基本は、ある道のカドまで行くには、どのカドを通って行けるかを考えることです。予習シリーズ116ページの解き方にある図を参照して下さい。
P→A(カドPからカドAに行くことを表します)は1通りの行き方しかありません。そこで、カドAに1とかいておきます。A→Bも1通りですので、カドBにも1とかきます。同様に、P→C→D→Eもそれぞれ1通りなので、カドC、カドD、カドEにそれぞれ1とかきます。
次に、カドFには、A→F、C→Fの2通りあります。そこで、カドFに2とかきます。このように、それぞれのカドに、前(横とたて)のカドにかかれた数を合計した数をかいていきます。この後も、カドごとに合計の数をかき込んでいきます。
結果として、ゴールのカドQは、左どなりのカドの6と、下のカドの4を合計して6+4=10となりますので、P地点からQ地点までの行き方は10通りです。
カドにかく数はそのカドに着くのに何通りあるかの数、という基本的な考え方をしっかり覚えておいてください。ただカドにかかれた数を足す、とだけ覚えてしまうと、応用問題に対応できなくなりますので、注意しましょう。
積の法則について学習します。
A地点、B地点、C地点を結ぶ道において、行き方が何通りあるかを考える問題です。
(1) A地点からB地点を通ってC地点まで行く道順が何通りあるかを考えます。A地点からB地点まで3本の道がありますので、A→B(AからBへ行く)の行き方は3通りあります。
また、B地点からC地点まで4本の道がありますので、B→Cは4通りあります。どの道を通ってもよいので、A→Bの3通りそれぞれに、B→Cの4通りがありますので、3×4=12より、A地点からC地点まで行く道順は、全部で12通りになります。
(2) A地点とC地点の間を往復するとき、行きに通った道は帰りには通れないとする条件で道順が何通りあるかを考えます。行きは、(1)の結果である12通りです。帰りには、C→Bは、4本の道のうちの1本は行きに通っていますので、残り3本ですから、3通りあります。同様に、B→Aも3本の道のうちの1本は行きに通っていますので、残り2本ですから、2通りとなります。よって、帰りは、3×2=6より、6通りです。
往復では、行きの12通りのそれぞれに帰りの6通りがありますので、12×6=72より、往復の道順は72通りです。
このように、複数のことがらが、「続けて起こる場合」や、「同時に起こる場合」の計算は、それぞれの場合の数をかけ算します。これを、積の法則といいます。
ならべ方(順列)について学習します。
何人かの人やいくつかの物を並べる問題です。並べ方の問題、または、順列の問題といわれるものです。
父をA、母をB、兄をC、妹をDとします。
(1) 左から1番目には、A、B、C、Dの誰が並んでもよいので4通りあります。2番目には、1番目に並んだ人を除く3人のうちの誰が並んでもよいので3通りです。3番目には、1番目、2番目に並んだ人を除く2人のうちのどちらでもよいので2通りとなります。4番目には、残りの1人がくる1通りです。
「続けて」並んでいきますので、積の法則を使って、4×3×2×1=24より、4人の並び方は24通りあります。
(2) 両はしのA、Bの並び方は、A○○Bとするか、B○○Aとするかの2通りです。中のC、Dのならび方は、□CD□とするか、□DC□とするかの2通りです。2つのことがらが「同時」に起こりますので、積の法則を使って、2×2=4より、4人の並び方は、4通りです。
数字を並べる問題です。
0、1、2、3の数字が書いてある4枚のカードのうちの3枚を並べる問題です。0が含まれるタイプの問題は慎重に取り組む必要がありますので、気をつけてください。
(1) 百の位には、0以外のカードならどれでもよいので、3通りの置き方ができます。十の位には、百の位に置いたカード以外の3枚のどれでもよいので、3通りあります。一の位には、百の位、十の位に置いたカード以外の2枚のどれでもよいので、2通りとなります。
「続けて」置きますので、積の法則で、3×3×2=18より、3枚のカードの並べ方は、18通りの整数ができます。
(2) 偶数にするには、一の位が0か、2でなければなりません。このとき、百の位には0は置けませんので、その関係から、「場合分け」をします。
ア) 一の位に0を置くとき。
百の位は、(1か2か3の)3通り。十の位は、一の位に置いた0と百の位に置いたカード以外の2通り。よって、3×2=6より、6通りの整数ができます。
イ) 一の位に2を置くとき。
百の位は、0と2のカード以外の2通り。十の位は、一の位と百の位に置いたカード以外の2通り。よって、2×2=4より、4通りの整数ができます。
アの場合とイの場合は別々に起こり、「場合分け」をしましたから、和の法則により、6+4=10となり、偶数は、10通りできます。
ぬり分けの問題です。いくつかの部分を色でぬり分けます。このとき、となり合う部分に同じ色を使うことはできません。
{赤、青、黄、緑}のうちの何色かを使って、ア~エの4つの部分をぬり分けます。
(1) 4色全部を使ってぬるとき。
ア、イ、ウ、エの順にぬることにして、アは、4色のうちどの色もぬれるので4通り。イは、アに使った色以外の3通り。ウは、アとイに使った色以外の2通り。エは、残りの1色で1通り。「続けて」ぬりますので、積の法則により、4×3×2×1=24 より、色のぬり方は24通りあります。
(2) 3色を使ってぬるとき。
3色を使いますので、3つの部分にグループ分けをしなければなりません。
(a) アは、ウと同じ色を使うことができますので、(ア=ウ、イ、エ)の3グループでぬり分けることができます。
(b) また、アは、エと同じ色を使うこともできますので、(ア=エ、イ、ウ)の3グループでぬり分けます。
(c) イはエと同じ色を使うことができますので、(ア、イ=エ、ウ)の3グループでぬり分けます。
どの場合も、ぬり方は、1番目の場所は、4色のどれでも使えますので、4通り。2番目の場所は、残りの3色が使えますので、3通り。3番目の場所は、残りの2色が使えますので、2通り。
よって、(a)、(b)、(c)のどの場合も、それぞれ、4×3×2=24通りですので、全体で、24×3=72(本来、場合分けしましたので、和の法則により72を3つたします。)より、色のぬり方は72通りになります。
第11回は『三角形の面積』です。
三角形の面積計算は、基本的には正方形、長方形、平行四辺形の面積の、半分あるいは4等分を考えます。
面積計算の公式を使えるようにすることですが、その要素である底辺と高さは、垂直になっていなければならないことを忘れないでください。ここが重要です。
直角三角形の面積を求める計算を学習します。予習シリーズ100ページの説明を理解しましょう。
直角三角形の面積計算です。解き方の図を参照してください。
(1) 同じ直角三角形を2つ組み合わせて長方形として、その面積を半分(÷2)にします。よって、たて4cm、横7cmの長方形の面積を2で割ります。4×7÷2=14 より、この直角三角形の面積は、14平方cmです。
(2) 同じ直角三角形を2つ組み合わせると正方形になります。その面積を半分にします。6×6÷2=18 より、この直角三角形の面積は、18平方cmです。
(3) 同じ直角三角形を4つ組み合わせると正方形になります。その面積を4等分します。6×6÷4=9より、この直角二等辺三角形の面積は、9平方cmです。
直角三角形ではない(直角のない)、普通の三角形の面積を求める計算を学習します。予習シリーズページ102ページの説明をしっかり理解しましょう。
基本は、1本の対角線で平行四辺形を分けた形が三角形である、と考えることです。平行四辺形の面積=底辺×高さより、「三角形の面積=底辺×高さ÷2」となります。また、平行四辺形の面積の求め方で学習したように、三角形においても底辺と高さは、必ず垂直の関係になっていることを忘れないようにしてください。
一般的な三角形の面積を求める問題です。
(1) 底辺は12cm、高さは7cmです。12×7÷2=42より、この三角形の面積は、42平方cmです。
(2) 底辺と高さは垂直の関係になっていなければならないので、底辺は9cm、高さは8cmです。よって、9×8÷2=36より、この三角形の面積は、36平方cmです。
(3) 6cmの辺を底辺として、この辺をのばした直線に垂直な4cmが高さになります。よって、6×4÷2=12より、この三角形の面積は、12平方cmです。高さを5cmとしないように注意しましょう。
公式の使えない図形の面積を求める考え方を学習します。公式が使える図形に分けたり(分割)、図形を付け加えた面積から付け加えて面積を引いて求める(加えて引く=加減)問題を考えます。
(面積公式の使えない)一般的な四角形の面積を求める問題です。2通りの求め方を説明します。予習シリーズ104ページの解き方にある図を参照してください。この図の頂点の記号を使って説明します。
(求め方1) 分割
四角形ABCDを三角形ABCと三角形ADCに分けて、三角形の面積を合計します。三角形ABCは、底辺5cm、高さ8cmですから、5×8÷2=20平方cmです。また、三角形ADCは、底辺6cm、高さ5+5=10cmですから、6×10÷2=30平方cmです。よって、20+30=50より、四角形ABCDの面積は、50平方cmです。
(求め方2) 加減
四角形ABCDの面積は、台形AECDの面積から三角形BECの面積をひいて求めます。台形AECDは、上底6cm、下底8cm、高さ5+5=10cmですから、(6+8)×10÷2=70平方cmです。三角形BECは、底辺8cm、高さ5cmですから。8×5÷2=20平方cmです。よって、70-20=50より、四角形ABCDの面積は、50平方cmです。
多角形の面積は、前回に学習した四角形、今回学習した三角形を利用して面積計算をします。多角形を、四角形や三角形に分けて計算した上で合計して面積を求める(分割)か、引いて面積を求める(加減)かの2通りを考えて求めていきます。上級学年で学習する面積も、ここから始まりますので、きちんと身に付けておきましょう。
やや難しい問題を考えます。
[例題4]
面積計算の逆算を考えますが、その面積がわからない問題です。
長方形のたての長さ(6+3=)9cmを高さとして、□を底辺とする三角形がみえます。この三角形の面積がわかれば、□は求まります。この三角形の一部である、色のついていない部分の三角形をウとします。このウは、アの部分と合わせると、底辺12cm、高さ6cmの(直角)三角形になります。
三角形アと、四角形イは面積が等しいので、それぞれに三角形ウを加えると、ア=イ から、ア+ウ=イ+ウ となり、2つの三角形の面積は等しいことになります。式にすると、12×6÷2=□×9÷2 となりますので、□×9÷2=36 です。よって、36×2÷9=8 より、□は、8cmです。
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