No.1478 早稲アカ・四谷大塚予習シリーズ算数上対策ポイント 6年生(第15回)5・4年生(第16回)

<算数 6年上 第15回>

 第15回は『速さ(2)』です。
 復習テーマは、図形上の点の移動、通過算、時計算、流水算です。新出テーマは、歩幅と歩数、動く歩道、シャド―の利用です。なお、分数は、分子/分母の形で表します。

<今回のポイント>

 毎回のことですが、重要問題チェックの問題を、言葉通り、しっかりチェックしておきましょう。今回、取り上げた問題は、すべて難易度が高めですが、学習する機会を有効に、しっかり理解しましょう。

【対策ポイント1】

 歩幅と歩数の問題を考えます。

[必修例題1]

 父が2歩で進む距離を、子は3歩で進みます。また、父が4歩進む間に、子は5歩進みます。

(1) 歩幅とは、1歩進むときの長さです。父と子の歩幅を、A、Bとすると、問題文「父が2歩で進む距離を、子は3歩で進みます」より、A×2=B×3 と表されますので、A:B=1/2:1/3=3:2、よって、父と子の歩幅の比は、3:2 です。

(2) 歩幅×歩数=距離で、(同じ時間で進む) 距離の比=速度の比です。問題文「父が4歩進む間に、子は5歩進みます」より、(同じ時間) 距離の比は、父:子=(3×4):(2×5)=6:5 となりますので、そのまま、父と子の速さの比は、6:5 です。

(3) 歩幅×歩数=距離を利用して、一般的な旅人算で考えてみます。
ア) 子が60歩で進む距離=2×60=120
イ) 父が子に追いつく時間=120÷(6-5)=120
ウ) 父が120の時間で進む距離=6×120=720
エ) 父が720の距離を進む歩数=720÷3=240
よって、父は子に追いつくまでに、240歩進みます。

【対策ポイント2】

 動く歩道の問題を考えます。「動く歩道」とは、高低差のない平面にあるエスカレーターと考えられます。ですから、流れのある川を進む、流水算と同様に考えることができます。

[発展例題1]

 歩く速さが、兄は分速90m、弟は分速70mです。この2人が、「動く歩道」の上を歩いて進みます。

 駅からデパートに向かう「動く歩道」の速さを分速□mとすると、「動く歩道」の上を歩いている、2人の速さは、兄が毎分(90+□)m、弟が毎分(60+□)mで、駅からデパートに着くまで、かかった時間の比は、6:8=3:4でした。
 ですから、速度の比は、兄:弟=1/3:1/4=4:3となり、この差(4-3=)1は、(90+□)
と(60+□)の差の分速30mです。
 よって、兄の動きで、30×4=120が、90+□となります。□=120-90=30 より、「動く歩道」の速さは、分速30mです。また、120×6=720 より、駅からデパートまでの距離は、720mです。

【対策ポイント3】

 シャドーの利用の問題を考えます。ある点の動きに「つられて」動く別の点に注目して、解いていく問題です。

[発展例題2]

 長方形ABCDと、辺AB、DCに平行なEFをかいた図形で、点Pは、Eを出発してFまで秒速4cmの速さで進み、点Qは、Cを出発してDまで秒速3cmの速さで進みます。2点PとQが同時に出発するとき、3点B、P、Qが一直線上に並ぶのは、出発して何秒後かを考えます。シリーズの解き方にある図を参照してください。

 ここで、BQとEFの交点をR(シャドー)とし、このRの動きを考えます。三角形BCQと三角形BFRは相似で、相似比は、BC:BF=(60+30):60=3:2ですから、CQ:FR=3:2となり、点Qが秒速3cmですから、3÷3×2=2 より、点Rは秒速2cmです。

 よって、点PとRの旅人算の出会いを考えることになります。EF=60cmより、60÷(4+2)=10 より、10秒後に出会いますので、3点B、P、Qが一直線上に並ぶのは、10秒後です。

<算数 5年上 第16回>

 第16回は『旅人算とグラフ』です。旅人算は、2人以上の旅人(登場人物)が出会ったり、追いついたりするときの、速さ、時間、距離を考える問題です。ダイヤグラム(たて軸に距離を表し、横軸に時間を表したグラフ)も使用して考えます。

<今回のポイント>

 旅人算の基本は、
a) 2人が出会う(近づく)問題であっても、反対方向に離れていく(遠ざかる)問題であっても、距離の和を考える問題では、2人の速度の和を考えます。
b) 2人が追いつく(近づく)問題であっても、同じ方向に離れていく(遠ざかる)問題であっても、距離の差を考える問題では、2人の速度の差を考えます。

 予習シリーズ168ページから169ページにある、速さと時間、距離の関係式をよく読んで、それぞれの式の内容を理解してから問題演習に進みましょう。また、問題を解く場面でも、気になった時には振り返って確認してください。

【対策ポイント1】
[例題1]

 距離の和を考える問題です。 予習シリーズ169ページの解き方にある線分図を参照してください。

(1) 分速70mで歩く姉がA地点から、分速55mで歩く妹がB地点から、向かい合って進みます。同時に出発して□分進んだときに出会います。2人がそれぞれ、□分歩いた距離の和が、AB間の750mです。2人合わせて1分間に70+55=125m進みますから、125×□=750となりまので、□=750÷125=6より、2人がすれちがうのは、出発してから6分後です。

(2) 分速85mで歩く人と分速65mで歩く人が、それぞれA地点とB地点から向かい合って同時に歩き出と8分後に出会います。進んだ距離の和を求めます。(1)と同様に、(85+65)×8=1200 より、A地点とB地点は1200mはなれています。

 この例題では、(1)、(2)とも速度の和×時間=近づいた距離(距離の和)という関係になっています。

[例題2]

 距離の差を考える問題です。予習シリーズ170ページの解き方にある線分図を参照してください。

(1) 兄が家を出発するときに、弟は10分間進んでいますので、75×10=750m離れた先にいます。これは、兄が出発するときの、兄と弟の距離の差です。1分後には、2人の速度の差である、100-75=25m近づきます。750m近づくと追いつくことになりますから、750÷25=30より、30分後に追いつくことになります。

(2) お母さんが出発するときにひかるさんは540m先にいて、分速240mの自転車で追いかけたお母さんは3分でひかるさんに追いつきました。ひかるさんの速度を分速□mとすると、お母さんの速度である分速240mとの差より、1分間に(240-□)mずつ近づくことになります。3分後に追いついたということは、(240-□)×3=540と整頓できます。よって、540÷3=180が、速度の差である、240-□ですから、240-180=60より、ひかるさんの速度は、分速60mです。

 この例題では、(1)、(2)とも、速度の差×時間=離れている距離(距離の差) という関係から、距離の差÷速度の差=時間を考えています。

【対策ポイント2】

 旅人算を表すダイヤグラムについて学習します。

 右上がりのグラフと右下がりのグラフが同時に示されている場合は、出会いの問題です。この場合は、横軸の右方向にある(あとに出発した人の)出発時刻を元にしてグラフの間の距離(グラフのたての長さ)を考えます。

 右上がりどうし右下がりどうしのグラフが同時に示されている場合は、追いつきの問題です。この場合も同様に、横軸の右方向にある出発時刻を元にしてグラフの間の距離を考えます。予習シリーズ171ページの説明および図を参照して下さい。

[例題3]

 旅人算とダイヤグラムの問題で、向かい合って進む場合です。

(1) 兄の動きを表す直角三角形では、距離(たての長さ)は1800m、時間(横の長さ)は(24-6=)18分ですから、1800÷18=100より、兄の速度は、分速100mです。弟の動きを表す直角三角形では、距離(たての長さ)は1800m、時間(横の長さ)は30分ですから、1800÷30=60より、弟の速度は、分速60mです。

(2) 兄が出発するときの2人の距離の差を考えます。弟が6分進みましたので、1800-60×6=1440mはなれています。この後、兄も進み始めますので、旅人算の考え方が使えます。2人合わせて1440m進む時間を求めます。1440÷(100+60)=9 より、兄が進み始めてから9分後ですので、6+9=15ですから、グラフのxは、15です。9を答えとしないよう、気をつけてください。

[例題4]

 前問と同様、旅人算とダイヤグラムの問題で、同方向に進む場合です。
 弟の動きを表す直角三角形から、1600÷20=80 より、弟の速度は、分速80mです。兄の速度は、弟の速度の2.5倍ですから、80×2.5=200 より、分速200mです。

 グラフにおいて、弟は9分先に進んでいますので、(80×9=)720mが、兄が出発するときの2人の距離の差です。720÷(200-80)=6 より、兄は6分後に弟に追いつきます。このときの兄が進んだ距離がグラフのxです。200×6=1200 より、xは1200(m)です。

【対策ポイント3】

 折り返しの旅人算について学習します。2人が進む距離の和や差に注目して考えます。

[例題5]

 兄と弟が、A地点を同時に出発して、AB間の900mを1往復します。兄の速度は分速90mで、弟の速度は分速60mです。予習シリーズ174ページの解き方にある図を参照してください。

 2人がすれちがう(出会う)までに進んだ距離の和がAB間の往復の距離(900×2=)1800mとなります。また、距離の和がわかりましたので、速度も和を使うことになります。

 1800÷(90+60)=12 より、2人がすれちがうのは12分後です。

[例題6]

 兄と弟が、A地点を同時に出発して、AB間を1往復します。兄の速度は分速160mで、弟の速度は分速120mです。弟はB地点の480m手前で、先にB地点を折り返してきた兄とすれちがいます。予習シリーズ174ページの解き方にある図を参照してください。

 前問と似た問題ですが、距離の和がわかりません。ですが、解き方の図から、兄は弟より(480×2=)960m多く進んでいることが読み取れます。

(1) 距離の差がわかりましたので、速度も差を使います。960÷(160-120)=24 より、2人がすれちがったのは、出発してから24分後です。

(2) すれちがうまでに、弟が進んだ距離より480m先がB地点です。よって、120×24+480=3360 より、AB間は3360mです。別解として、すれちがうまでに2人が進んだ距離がAB間2つ分ですので、(160+120)×24÷2=3360 と求めてもよいです。

 折り返しの旅人算では、この解き方にあるような図を自分でかけるようにしておくことが大切です。問題を解くスピードに、大きな差を生むことができます。ぜひ図をかく練習をしておきましょう。

<算数 4年上 第16回>

 第16回は『約数』です。

<今回のポイント>

 整数に関する問題の基礎となりますので、ていねいに学習して身に付けてください。作業的な部分が多く、まずは、約数を求める、最大公約数を求めるといった、基礎のトレーニングが今後の学習に必要となります。

【対策ポイント1】

 予習シリーズ146ページの説明をよく読みましょう。

[例題1]

 3を約数にもつ整数を選ぶ問題です。この例題の直前に説明されていますように、3でわり切れる整数を求めることになります。実際にわり算をすると、3でわり切れる整数は、9と51ですので、3を約数にもつ整数は、9、51です。

[例題2]

 ある整数について、その約数を求め、その個数を求める問題です。この問題も、直前に説明されている「□=○×△となるとき、○や△は、□の約数です。」を利用します。

(1) 20=1×20、2×10,4×5 となります。よって、約数は{1、2、4、5、10、20}の6個あります。

(2) 64=1×64、2×32、4×16、8×8 となります。よって,約数は{1、2、4、8、16、32、64}の7個あります。8を2回数えないよう、注意して下さい。

(3) 13=1×13 だけです。よって、約数は{1、13}の2個です。

 なお、13のように、約数が2個の整数を「素数(そすう)」といいます。素数は、最小の2から(1は素数ではありませんので、注意してください)、2、3、5、7、11、13、17、19、… といくつもあります。

[例題3]

 20をわると2あまる整数を求める問題です。

 条件を整とんすると、20÷○=△あまり2 となり、たしかめ算の形で表すと、○×△+2=20 で,○×△=18 となります。例題2 で利用したように、○や△は18の約数です。ですが、あまりが2であることから、わる数○は,あまりの2より大きくなければなりません。このことに、注意して下さい。

 18=1×18、2×9、3×6 より、18の約数は{1、2、3、6、9、18}で、2より大きい整数を考えますので、求める整数は、{3、6、9、18}です。

【対策ポイント2】

 公約数、最大公約数について、学習します。予習シリーズ148ページから149ページの説明や用語(公約数、最大公約数)をきちんと理解しましょう。

[例題4]

 ベン図にかかれた2つの整数の約数や公約数について考える問題です。

 28の約数は、{1、2、4、7、14、28}の6個あります。
 42の約数は、{1、2、3、6、7、14、21、42}の8個あります。
 ベン図のイの部分は、28と42の約数の共通の数ですから、公約数です。上にかき出した約数から、どちらにもある共通の数は、{1、2、7、14}の4個です。
 よって、ア=6-4=2個、イ=4個,ウ=8-4=4個です。

 予習シリーズ149ページの枠(わく)内の説明もよく読んでおいて下さい。

[例題5]

 連除法を学習します。予習シリーズ150ページの連除法の使い方をよく読み、必ず使えるようにしましょう。

(1) (60、96)をともに素数2でわると、(30、48)となり、まだともに2でわれるのでわって、(15、24)となります。この後は、2でわれないので、次に小さい素数3でわると、(5、8)となり、これ以上共通にわれる数はありません。よって、共通にわった数の積、2×2×3=12より、最大公約数は12です。

(2) (42、56、98)をともに素数の2でわると、(21、28、49)。次に小さい素数3、また5ではわれないので、その次に小さい素数7でわって、(3、4、7)となり、これ以上共通にわれる数はありません。よって、共通にわった数の積、2×7=14より、最大公約数は14です。

【対策ポイント3】
[例題6]

 約数に関する文章問題です。

 赤い色紙と青い色紙を何人かの子どもに、それぞれ同じ枚数ずつ配りますので、子どもの人数を□人にして式に整頓すると、赤い色紙については、30÷□=○、青い色紙については、48÷□=△あまり3となります。□は、30の約数であり、(48-3=)45の約数ですから、30と45の公約数を求めればよいことになります。

 「公約数は最大公約数の約数」ですから、まず、最大公約数を求めます。連除法により、最大公約数は15となり、公約数は、15の約数である{1、3、5、15}です。ですが、3のあまりがありますので、□にあてはまる数は、3より大きい{5、15}です。よって、子どもの人数は、5人か15人です。

 あまりのある問題では、「わる数はあまりより大きい数である」ことに注意が必要です。

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