No.1491 次の入試で出る!注目の社会時事予想問題付き(ChatGPTの新モデル「GPT-4o」発表、日中韓4年半ぶりに首脳会談、「高速料金変動制」導入へ)

≪ChatGPTの新モデル「GPT-4o」を発表、生成AIのルール作りの議論も活発に。(13、28日)≫

 アメリカの「オープンAI」社は5月13日、ChatGPTの新モデル「GPT-4o(フォー・オー)」を発表しました。ChatGPTは、質問すると人のように答えるAIですが、これまでのモデルと比べて新しいモデルは、質問に答えるスピードが速くなり、人と同じくらいのスピードですぐに答えることができるようになりました。

 5月27日には、世界ニュース発行者協会(WAN―IFRA)が主催する「世界ニュースメディア大会」が、デンマークのコペンハーゲンで開幕しました。75カ国以上から報道関係者ら約千人が参加し、生成AIへの対応、ウクライナやパレスチナでの「戦時下のジャーナリズム」について議論が繰り広げられました。

【予想問題】
問題1:

「生成AI」に関する、次の文章の空欄に入る、適切な語句を答えなさい。
※アは漢字4字、イは漢字2字です。

 「生成AI」とは、AI=( ア )が、与えられた大量のデータを、分析・解析を通して、AI自身が( イ )し、新たなコンテンツを生成する革新的な技術です。つまり、AI自身が最善の回答を探し出していくことによって「新たなデータを生み出す」ことができ、より高度なコンテンツを創造できるようになります。

解答:

ア:人工知能、イ:学習 

 従来のAIは「学習済みのデータを活用し、素早く適切な回答を探して提示する性質」を持っていましたが、生成AIは「新たなデータを生み出す性質」が特徴的です。

 機械学習の分析方法を活用することによって「自ら」学習を重ねられるようになり、すでに学習したデータを参考に予測した答えを返すのではなく、AI自身が自ら「学習」し続け、人間が与えていない情報やデータさえもインプットし、新たなアウトプットを人間に返すことができるのが生成AIの特徴です。

 テキストや画像などさまざまな形式で人間の作業の効率化や創造的活動をサポートし、ビジネスや社会の幅広い分野で革新をもたらしています。

問題2:

「生成AI」に関して、明らかに間違っている文章はどれですか。

A.既存のコンテンツから新たなコンテンツを生成するため、著作権・商標権を侵害する恐れがある。
B.入力した機密情報が学習データとして再利用されることで、情報が漏洩(ろうえい)するがある。
C.生成AIからの回答に誤りはないため、自分で思考する力、表現する力が身につかなくなる。
D.生成AIを導入することによって、顧客満足度の向上につながる可能性がある。

解答:

C

画像引用元:文化庁HP

 生成AIは膨大なデータを基に学習していますが、必ずしも正しい回答を返すとは限りません。学習元のインターネット上の情報が正確とは限らないためです。関連性の高い言葉を予測して文章を生成する仕組みのため、事実とは大きく異なる記述となる恐れもあります。

 また、ビジネスで活用される機会が増えてきているChatGPTの無料版では、2021年9月までの情報を学習しており、最新の情報が反映されていないため、近年の情報やリアルタイムの情報を回答することができないという点も指摘されています。

 Aについて、生成AIは既存のコンテンツを学習して新たなコンテンツを生成するため、著作権に抵触する恐れがあります。また現段階では法整備も追いついていません。

 海外では、人気アーティストの音声をAIで再現・模倣した曲がSNSで拡散されることがありましたが、アーティストの楽曲を管理する会社が「著作権の侵害」だとして配信サービスからの削除を求め、その後、削除されたことがありました。

 Bについて、生成AIは学習し進化し続けるために、データはクラウド(インターネット上のデータ)に保管されます。そのため、データ漏洩の危険があります。

 生成AIを利用する際のガイドラインでは、『個人情報・秘密情報・機密情報』といった、『秘匿性(ひとくせい:情報を他人の目につかないように秘密にして隠す性質)の高い情報は入力しない』よう、呼びかけています。秘匿性の高い情報を入力してしまうと、生成AIのサービスを提供している会社やほかのユーザーにも情報の内容が流出する恐れがあると指摘されています。

 逆にDの通り、生成AIによって顧客の行動や嗜好を調査し、分析・学習することで顧客のニーズに最も適した商品やサービスを提案することができ、顧客満足度の向上が期待できるとされています。

問題3:

生成AIがユーザーの質問に対して、もっともらしく事実とは異なる回答を生成することを指す言葉を何と言いますか、次の中から記号で答えなさい。

A.ディープフェイク
B.ハルシネーション
C.デマコギー
D.ディープラーニング

解答:

B

 「ハルシネーション」とは、生成AIが事実に基づかない情報を生成する現象ことです。この言葉は「幻覚」を意味する語からとられたもので、人工知能である生成AIが幻覚を見ているかのように、堂々と「もっともらしい誤り」を出力することから名付けられました。

 その多くは学習データそのものに原因があります。 現状では、ハルシネーションの発生を抑える対策は見つけられていません。また、ハルシネーションが発生してもすぐに見分けられないことも多いので、注意が必要です。

 Dの「ディープラーニング」とは、データの背景にあるルールやパターンを学習するために、多層的(ディープ)な構造で考える方法で「深層学習」と同義です。人間の脳の働きを模倣した人工知能技術で、AI自身の学習方法のひとつとなっています。

 Aの「ディープフェイク」は、Dの「ディープラーニング(深層学習)」と「偽物」を組み合わせた造語で、AI(人工知能)を用いて、人物の動画や音声を人工的に合成する処理技術のことを指します。もともとは映画製作など、エンターテインメントの現場での作業効率化を目的に開発されたものでしたが、その精度の高さから、悪用されるケースが増えています。

 Cの「デマコギー」は、ドイツ語で政治的な目的で意図的に流す虚偽の情報、根拠がない噂のことで、「デマ」の語源です。

≪岸田首相、中国の李首相と初会談、さらに日中韓4年半ぶり首脳会談。(26、27日)≫

日中韓サミットの記念撮影 画像引用元:自由民主党HP

 岸田文雄首相は5月26日、訪問先の韓国・ソウルで中国の李強(リーチャン)首相と初めて正式に個別会談しました。岸田首相は東京電力福島第一原発の処理水放出を受けた日本産水産物の禁輸措置の即時撤廃を求め、処理水問題をめぐる日中間の事務レベル協議を加速することで合意しました。

 さらに翌27日午前には、岸田首相、中国の李強首相、韓国の尹錫悦(ユンソンニョル)大統領による日中韓首脳会談が開かれました。3か国は会談後に共同宣言を発表しました。

 日中韓首脳会談の歴史は1999年に始まります。同年の東南アジア諸国連合(ASEAN)関連首脳会議に合わせて始まり、2008年からは国際会議から独立した形で開かれてきました。次回会談の議長国は日本が務めます。

【予想問題】
問題1:

日中韓首脳会談の後に発表された共同宣言の中に明記された以下の文言の空欄に入る漢字2字の言葉を答えなさい。

「(   )半島と北東アジアの平和と安定、繁栄維持は我々共通の利益、責任だ」

解答:

朝鮮(半島)

朝鮮半島(Googleマップより)

 今回の会談について、日本や韓国としては北朝鮮の脅威が高まっていることから、「朝鮮半島の安定」に向けて中国と協議を行うことで、北朝鮮をけん制する狙いがあったと見られています。岸田首相は、「北朝鮮の非核化と朝鮮半島の安定が3か国の共通利益である点を改めて確認した」と評価しましたが、会談にてまとめられた共同宣言では、前回の共同宣言に盛り込まれていた、日中韓が「朝鮮半島の完全な非核化にコミットしている」という表現はなく、朝鮮半島の非核化については、「それぞれの立場を強調した」となりました。日韓と中国の温度差が露呈したかたちとなっています。

問題2:

統監府庁舎 画像引用元:ウィキペディア

1905年のポーツマス条約後、日本は韓国・京城(現在のソウル)に「韓国統監府(かんこくとうかんふ)」を設置しますが、その初代統監は誰ですか。

A.板垣退助
B.伊藤博文
C.黒田清隆
D.寺内正毅

解答:

B

伊藤博文 画像引用元:ウィキペディア

 1905年、日韓の間で結ばれた第2次日韓協約に基づいてソウルに「韓国統監府」が設置されました。これは日本が韓国を準植民地的に統治するための機関でした。日露戦争後のポーツマス条約によって、日本は韓国支配をロシアに認めさせました。これにより日本の韓国介入は強まり、統監府が設置されることにつながりました。初代統監は伊藤博文です。

 統監は天皇に直属し、韓国において日本政府の代表となり、韓国の外交に関する事項を統轄しました。この状況下で韓国では、反日運動が盛んになります。

問題3:

今回の三国首脳会談では、経済協力・貿易で、日中韓自由貿易協定の実現に向け、交渉を加速することが盛り込まれましたが、自由貿易協定を指すアルファベットは、次のどれですか。

A.FTA
B.TPP
C.GATT
D.RCEP

解答:

A

 今回の共同宣言では、3か国が自由かつ公正で互恵的なFTA(自由貿易協定)の実現に向けて、交渉を加速するための議論を続けることで一致しています。FTA(自由貿易協定)は、特定の2か国以上の国や地域が、相互に関税や輸入割当などその他の貿易制限的な措置を一定の期間内に撤廃あるいは削減することを定めた協定です。

 BのTPPは、「環太平洋パートナーシップ協定」のこと、CのGATTは1947年に署名された「関税および貿易に関する一般協定」(General Agreement on Tariffs and Trade)の略称で、自由貿易を国際的に推進することを目的とした国際協定です。またDのRCEPは、2022年1月に発効された「地域的な包括的経済連携協定」のことです。

≪「高速料金変動制」の導入へ。(6日)≫

首都高速道路3号線渋谷出口付近 画像引用元:ウィキペディア

 政府は渋滞緩和のため、高速道路の料金を時間帯などで変える「ロードプライシング」を2025年度以降、全国へ本格導入する方針を固めました。料金を安くする場合、最大で現在の半額とする方向です。「ロードプライシング」とは、高速道路の利用料金を時間帯、曜日、区間などによって調整することで、交通量を抑制し、渋滞緩和や環境負荷低減を図る政策です。6月に策定する「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」に考えを盛り込みます。

 高速道路が混雑している時間帯は料金を値上げする一方で、すいている時間帯は値下げするといったことによって渋滞を緩和させ、自家用車による移動やトラックなどによる物流をスムーズにさせる目的があります。

【予想問題】
問題1:

1997年に開通した、千葉県木更津市と神奈川県川崎市を結び、東京湾にかかる(   )では、社会実験として料金変動制が実施されています。(   )内に入る高速道路名を答えなさい。

解答:

東京湾アクアライン

東京湾アクアライン

 東京湾アクアラインは1997年に開通した、東京湾の中央部を神奈川県側の川崎市から千葉県側の木更津市まで、ほぼ一直線に結んで横断する高速道路です。2024年度末までの社会実験として料金変動制が実施され、川崎(東京)方面へ向かう通行料はETC(自動料金収受システム)搭載の普通車で800円ですが、混雑することが多い土日・祝日には、川崎(東京)方面に向かう上り線で13時~20時は1200円と引き上げられ、20時~24時は600円に引き下げられています。

問題2:

ロードプライシングによって渋滞が緩和されれば、車のアイドリング(エンジンがかかっていてアクセルを踏まずにいる状態で、エンジンが回り続けている状態)時間が減って二酸化炭素排出量の減少につながることが見込まれています。
 二酸化炭素やメタン、フロンガスといった「温室効果ガス」の排出を実質ゼロにすることを何と言いますか。

解答:

カーボンニュートラル

カーボンニュートラルの構造 画像引用元:経済産業省 資源エネルギー庁

 「カーボンニュートラル」とは、地球上の温室効果ガスの排出量と吸収量・除去量を同じにさせることを指します。日本政府は2020年10月に「2050年にカーボンニュートラルを目指す」ことを表明しました。世界では、120以上の国と地域が「2050年カーボンニュートラル」という目標を掲げ、気候変動問題への対応を成長の機会ととらえる国際的な動きが加速しています。

問題3:

日本で最初に開通した高速道路は、次のうちどれですか。記号で答えなさい。

A.東名高速道路
B.名神高速道路
C.中央高速道路
D.東北自動車道

解答:

B

名神高速道路(赤線) 画像引用元:ウィキペディア

 日本経済が戦後の困窮状態を乗り越え、成長期を迎えた頃、自動車輸送への依存度が高まりましたが、道路整備は立ち遅れていました。その中で日本初の高速道路として完成したのが、1963年7月16日で名神高速道路の尼崎(あまがさき:兵庫県)~栗東(りっとう:滋賀県)間の71kmでした。当初の最高速度は100km/h、最低速度は50km/hとされていました。1965年7月1日には、名神高速道路の小牧IC – 西宮ICの全線が完成しました。

 東名高速道路が、全線開通したのは1969年で、首都圏と関西圏が高速道路で結ばれました。もちろん、1969年に開催された東京オリンピックの影響も大きいものでした。中央高速道路は1967年に、東北自動車道は1972年にそれぞれ開通しました。

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