日能研6年生の夏、国語総仕上げの勉強法

タイトルをご覧になって、「えっ、もう総仕上げ?」と思われるかもしれません。来年1・2月の本番の入試まで約半年。「まだ半年もあるではないか」とおっしゃるかもしれません。しかし、国語に関しては「あと1ヵ月半」が正念場です。

9月に入ると、理科・社会の追い込みを優先していかなければなりません。一方で算数の勉強を減らすこともなかなかできません。となると、どうしても国語は4科目の中で勉強量・勉強時間が少なくならざるを得なくなります。そんな状況で漢字やことわざ・慣用句といった知識分野を仕上げていくのは大変です。また、読解力や記述力などの文章問題を解く力はなかなか一朝一夕につきません。努力した結果が3ヵ月後、半年後に実を結ぶような面があります。9月・10月から必死でがんばっても本番の入試に間に合うかどうか。ということで9月以降は、やはり即効性のある理科や社会を中心にやるべき時期なのです。そういった点を考えると、国語は夏の間にある程度仕上げておきたいところです。夏は国語に相当程度ウエイトをおいて勉強することにしましょう。

では、どのような勉強をすべきでしょうか。ポイントは2つです。

  • [1]暗記すべき知識の選別・整理(インプット)とアウトプットの練習。
  • [2]読解演習による練習量の確保です。

[1]について

「暗記すべき知識の選別・整理」というのは、すでに覚えている知識とまだ覚えていない知識をしっかりと区別し、覚えていない知識へ簡単にアクセスできる(確認できる)ように整理しておくことです。
現在覚えていないもの、忘れてしまっているものは、半年後の入試でできない可能性が高いのです。この覚えていない知識がまさに自分の弱点なのです。それをできるだけ早く、効率的に克服しなくてはなりません。覚えているものをくり返し勉強しても時間の無駄。まだ覚えていないもの、忘れてしまっているものを集中的に頭へインプットする必要があります。そのために、覚えなければならない知識・情報に簡単かつ素早くアクセスできるようにして、くり返し練習できるように一つにまとめてしておくとよいでしょう。

そこで、必要になるのが情報の選別と整理です。夏期講習テキストでやった語句問題・漢字問題で不正解だったものはチェックし、家でノートやカードのようなものに書き留めて整理しておきましょう。時間があれば、今まで受けたカリテやセンター模試で間違えたものも入れておくとよいでしょう。(これらを一つにまとめたものは、入試直前になって威力を発揮します。直前の時間のない時期に短時間で弱点補強をすることができます)

以上は頭へのインプットの話。でも、これだけでは不十分です。アウトプットの練習が必要です。入試ではどのような知識がどのような形で問われるか分かりません。突然問われた知識を頭の中からすばやく、正確に引き出せる訓練が必要です。そのための訓練をしましょう。アトランダムに初めて見る問題にたくさん当たって練習しましょう。具体的には市販の漢字・語句問題集を買ってやるのも一つの方法です。しかし日能研生のみなさんにはⅠ期の「日特問題集」の「語句問題」部分を使って練習することをお勧めします。

[2]について

日能研6年生の皆さんは、毎日のように午後から夏期講習を受けることになりますから、午前中の時間をどれだけうまく活用できるかがポイントとなります。先ほど「国語にウエイトをおいて勉強しましょう」とは言ったものの、実際に国語ばかりやるわけにはいきません。算数も理科、社会も授業の復習が必要ですし、課題をこなさなければなりません。国語についても担当の先生からやるべきことを指示されているかと思います。これにプラスαの勉強となるとなかなかなこと大変です。それを承知の上でお勧めする勉強法だとふまえてお読み下さい。

ところで、文章読解の学習は、どこにポイントをおいて文章を読み、どうやって問題を解き、どんな形で答案を書くかを理解し、覚えることはとても重要です。5年生から6年生の前半まで勉強してきた国語の授業の中心はここにあります。

しかし、いくら読み方・解き方を知っても自分で使いこなすことができなければテスト問題は解けません。道具を手に入れてもその道具を使いこなさなければ意味がないのです。(もちろん、まだこの「道具」が身についていないと感じていらっしゃる方は、すぐに5年・6年テキストの「学習のポイント」や授業ノートを復習して身につけましょう。)

そこで、毎日10分から20分ぐらいの短時間で、文章を速く正確に読む練習をしていただきたいのです。個々の設問を解く練習も、記述答案を書く練習もしなければいけませんが、文章題の出発点は、ポイントをつかみながら速く正確に読むことです。これができての設問の解法です。したがって、いまだに文章読解問題の成績がふるわない方、自信が持てない方、成績が安定しない方は是非やってみてください。

では具体的にどうすればよいのか。お勧めは、日能研生の皆さんが持っているⅠ期の「日特問題集」を読むことです。問題を解くのではありません。読むのです。この問題集は、日特の授業で使われたものですが、その大部分は未使用のまま残されているのではないでしょうか。おすすめする理由は次の通りです。

  • (1)内容が昨年の入試問題ですから来年の入試にも出題される可能性が高い、新しい文章が入っている。
  • (2)説明文・物語文・随筆文の種類に分類されているので、自分の不得意な文章や受験しようと考えている学校でよく出題される種類の文章に的をしぼって練習ができる。
  • (3)一つの文章量が2500字から3000字程度のものが多く、10分から15分程度で読み切ることができる。
  • (4)入試に出題されるテーマに関連する様々な著者の文章を読むことで、そのテーマについての関連知識を得ることができ、より深い読解につなげられる。(例えば、「自然保護」に関するさまざまな著者の文章を読むことで、「自然保護」についての違った見方、知識を得ることもできます。そうすれば、次に「自然保護」についての文章を読む際、それが土台となってより深く文章を理解できるようになります。)
  • (5)入試レベルの語彙を身につけることができる。

このように入試問題の文章を「読む」という作業にはいろいろな利点が考えられます。6年生の夏にのんびりと入試によく出題される作家の本を読書している時間はありません。だけど文章を読む訓練をしなければならない。そういった時、この方法はとても有効だと考えます。

具体的には、問題集として設問を解くことに使ってももちろん構いませんが、時間のない方は、上で述べましたように読む素材として使ってください(ただ読むだけです)。毎日1つか2つの文章を選び、ポイントにチェックを入れながら(ラインマーカーや鉛筆で線を引きながら)読むとよいでしょう。全ての勉強を終えた後、寝る前に布団の中で読んでも構いません。問題集にペンをはさんでおいて、他の勉強の合間に息抜きのつもりで読むのもいいでしょう。

ちょっと余裕がある時は、空欄補充問題や選択問題の答えをちょっと考えてみたりしながら(答えをノートに書かなくても構いません。問題集に書き込んでもよいと思います)解答集を横に置いて、答えをその場で確認しながら読んでみるのもいいでしょう。それぞれの時間や目的に合わせてやってみてください。今から毎日1つの文章をコツコツ入試まで読んだとしても200近くの文章にふれる計算になります。これは文章題が苦手な人にとっても一つの自信につながるのではないでしょうか。是非お試し下さい。

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