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6月になると、多くの塾で保護者面談がスタートしますね。そこで今回は、成績アップのために欠かせないアドバイスを、先生からどのように引き出し、この先に活かしていくかをテーマに、お話を進めたいと思います。
まずこの時期の面談の目的ですが、塾側の目的は「ご家庭の受験に対する考え方」を伺いたいということです。よって、仮に第一志望校と成績の差が大きい場合も、「志望校変更が必要です」などの厳しい発言はほとんどなく、「今後のがんばり次第ですね」や、「秋の模擬試験で偏差値○○くらいまで成績を上げましょう」などのアドバイスを受けることになります。
親御さんは、志望校に合格するために「具体的に何をどのようにがんばればよいのか」を親子ともに理解、共有して、成績アップをさせていく。ということを目的としてください。
では、面談までに準備していただきたいことをいくつかご紹介いたします。
まず、第一志望校を定めた経緯・理由を伝えられるようにしてください。例えば「校風」であったとしても、特にどういった部分なのか明確に伝えるなど、可能な限り具体的に伝えてください。そうすることで、ご家庭が進学先にどのような学校を求めているか先生は判断することができます。そして併願校の選定においても、単に偏差値だけで判断するのではなく、ご家庭やお子さんの意向に沿った学校を紹介することができます。その際、平均偏差値の上下10の範囲(偏差値50の場合、チャレンジ校は60で併願校は40が目安です)で、学校を紹介してもらいましょう。
現時点で複数の学校を見学されているご家庭も、比較的レベルが近く志望順位の高い学校ばかりに足を運ばれている場合が多いかもしれませんが、併願校はなるべく最悪の場合を想定し、複数ピックアップした上で、早いうちに見学しておくことをお勧めいたします。11月ごろの成績を見てそれからでも遅くないとお考えの方も多いでしょうが、追い込みが始まっている時期に志望順位の高くない学校の見学のために時間を割くことのほうが、非効率的だと思いませんか。また、併願校の見学はお子さんも気が進まないことではありますが、早い時期に複数の学校を見学することによって、「やっぱり○○中学に行きたい」とモチベージョンの上がるお子さんが多いですので、夏休み前までに受験する可能性のある学校を、一度は見学しておくことをお勧めいたします。
次に大切なことは、家庭学習の様子(ノートの書き方など)や1週間のスケジュールなどを先生に伝えられるようにしておいてください。塾で指示されている家庭学習を行う以外にどの程度時間の余裕があるか、あるいは指示された内容も消化できていない状況であるかなどを把握しておかないと、具体的な家庭学習のアドバイスが受けられません。志望校合格というゴールに向かって、お子さんはどういう点が足りないのか、合格するためにどういう能力をつけていかなければならないのかという話を伺ってください。
先生の目から見たお子さんの長所短所を聞いた上で、先生がお子さんの能力や適正から判断して、第一志望校と同レベルで他にお勧めの学校がないかなども聞いてみてください。私もかつてSAPIX講師時代に、駒場東邦を志望されていた方に麻布を勧めたり、白百合を志望されていた方に「能力的には桜蔭を目指しても良いのではないですか」などとお伝えしていました。保護者の方が気付いていないお子さんの能力を、先生から教えていただくことができるかもしれません。
そして、先生のアドバイスを実践するために協力を求めると良いです。「先生のお話を子供に伝え、家庭学習に反映していきます。」と約束した上で、「やり方が先生の指示と異なっているようでしたら修正していただきたいので、家庭学習のノートを確認していただけませんか。」などとお願いすると、力になってくれると思います。その後も月に一回程度を目安に、テスト成績をもとに改善されたところや、まだ改善する必要のあるところを先生と共有する努力をしてください。テストの答案を持参して、各教科の先生に分析してもらうこともひとつの方法です。
大切なことは、生徒さんと親御さんと塾の先生が三人四脚で歩んでいく環境を作るということです。「私が言っても勉強しないので、先生から言ってください」などと、塾任せになってもいけません。先生からお子さんに直接お話して欲しいなどとお願いするときは、同席させてもらうと良いでしょう。お子さんに「先生はどういう話をしてくれたの?」と聞いても、要領を得ない返事しか返ってこないケースが多いですし、塾の先生もご家庭にどういう話をしたか報告のお電話をする手間が省けます。そして何より、先生の話の内容がお子さんにきちんと伝わっているかその場で確認でき、さらに「一緒に頑張っていこう」という気持ちが共有できると思います。
最後に、塾に遠慮し過ぎてはいけません。「先生達はいつも忙しそうで、お電話かけると迷惑かもと思って・・・」というお話を伺いますが、塾の先生は強い必要性を感じない限りご家庭にはお電話差し上げにくいものです。しかも、生徒さんが伸び悩んでいるにもかかわらずご家庭の要望もないと、「あまり熱心ではないのかなぁ」と誤解していることもあります。電話をかける時間が気になるのでしたら、あらかじめ都合の良い時間を聞いておくと良いでしょう。
毎週のようにお話をする必要はありませんが、月に一度程度は何か気になることや不安な点があれば相談していくと、お子さんの現状や成長具合をしっかり把握できるようになります。
「受験終了までサポートしてもらうための最初の顔合わせ」というつもりで、面談にのぞんでいただきたいと思います。
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