6月も後半に入り、これから夏に向けて節電のことが気がかりな方も多いかと思います。中には「使わない電化製品のコンセントを抜けば節電」と思っているお子さんもいらっしゃるかもしれませんが、この機会に節電を通してお子さんと一緒に理科の知識を身につけていくのはどうでしょうか。生活のなかで学んだ知識というのは、なかなか忘れにくいものです。
では今日は節電子ちゃんの夏休み中のある一日を通して、いろいろ学んでいきましょう。
6:00 起床・朝食
- お母さん「ほら、起きなさい。塾がないからって寝坊してたらリズムが狂うわよ」
- 節電子ちゃん「早起きした方が節電なんだよね?」
- お母さん「そうよ。一日のうちで一番涼しいのは夜明けごろだから、まだ涼しいでしょ」
☆Check Point
太陽が昇りだすと気温が上昇し始めるため、一日の中で気温が最低になるのは夜明け前です。
7:00 塾の宿題
- 節電子ちゃん「保冷剤冷たくて気持ちいい〜、眠気がさめた!」
- お母さん「保冷剤は高吸水性樹脂っていうものにたくさんの水を含ませたもので、水があたたまりにくい性質を利用しているの。中身の99%は水なのよ」
- 節電子ちゃん「ほとんど水だね」
- お母さん「それだけ吸水性が高いのよ。これは紙オムツにも使われているくらいなんだから」
- 節電子ちゃん「え〜、じゃあこれオムツなの!?」
☆Check Point
水は比熱が高いため、水を多量に含むことのできる高吸水性樹脂はいったん冷えるとあたたまるのに時間がかかります。それを利用したのが保冷剤です。
12:00 昼食
- 節電子ちゃん「一番太陽が高くなるのが12時だから今が一番暑いんだよね?」
- お母さん「太陽は空気じゃなくて地面をあたためるの。その地面が空気をあたためるから、一番暑いのはもう少し後よ」
- 節電子ちゃん「じゃあまだ暑くなるんだね」
☆Check Point
太陽の南中時刻は12時ごろですが、太陽の熱が地面を暖め、その熱が空気を暖めるため、気温が最高になるのは太陽の南中より遅れて14時ごろになります。
13:00 「緑のカーテン」のある居間で勉強
- 節電子ちゃん「緑のカーテンのゴーヤ、だいぶ育ってきたよ」
- お母さん「直射日光をかなり防いでくれて助かるわね」
- 節電子ちゃん「それってゴーヤじゃなくて本当のカーテンでも同じなんじゃないの?」
- お母さん「植物は暑いと葉の裏から水蒸気を出して体温を調節するの。人間が汗をかくのと同じね。水は蒸発するときに一緒に熱をもっていってくれるはたらきがあるから、植物の方が効果は高いのよ」
- 節電子ちゃん「植物も汗かくんだ!でも確かに扇風機だけで充分だね」
☆Check Point
「緑のカーテン」はツル性の植物(ヘチマやアサガオ、ゴーヤなど)で外壁を覆い遮光・断熱する方法です。植物は気温が高くなると葉の裏の気孔とよばれる穴から水蒸気を出し、気化熱で体温の調節をおこなう蒸散というはたらきがあるため、無機物で外壁を覆うよりも効果があります。
17:00 打ち水をする
- 節電子ちゃん「水まくの楽しい!」
- お母さん「まいた水が蒸発するときに地面の熱をもっていってくれるのよ」
- 節電子ちゃん「さっきの緑のカーテンの話と一緒だね。水が冷たいから地面が冷えるのかと思っていたけど違うんだね」
18:00 夕食
- 節電子ちゃん「やったーカレーだ!でもカレーの匂いしなかったのにいつ作ったの?」
- お母さん「夏場は火を使うと暑いから、保温調理鍋っていうのを使ったのよ。」
- 節電子ちゃん「何それ?」
- お母さん「鍋ごと入る魔法瓶みたいなものよ。魔法瓶は熱を伝えない工夫がされているから、その中に熱いカレーをお鍋ごといれておけば熱いままゆっくり煮込むことができるの」
- 節電子ちゃん「熱の伝わり方が3つあるのは知ってるよ!伝導、対流、放射でしょ?」
- お母さん「よく知ってるわね。魔法瓶はその3つとも起こらないように設計されているから熱の伝わりようがないのよ」
☆Check Point
保温調理鍋は鍋が丸ごと入る魔法瓶のようなものです。真空層があり熱の伝導・対流を防ぐとともに、内部が鏡面仕上げ等になっているため放射熱を反射して熱を伝えないのです。
22:00 就寝
- 節電子ちゃん「ロフトのベッドってなんで暑いんだろう。暑くて寝られないよ」
- お母さん「暖かい空気は上の方にたまるのよ。冷たい空気は下の方にたまってしまうから、扇風機で部屋の空気をかき混ぜましょう。あと保冷剤を氷まくらにするといいわよ」
- 節電子ちゃん「オムツを枕にするんだ。でも暑いから使おうっと」
☆Check Point
空気は暖まると膨張するため周りの空気と比べて軽くなり、上に移動します。冷たい空気は逆に収縮するので周りの空気と比べて重くなり下に移動します。
いかがでしょうか?理科は教科書内だけのものではなく、身近な’不思議’の謎を解く学問なのです。教科書で学んだ知識を生活の中で実感することは最高の復習です。これを読んでいる方の中にも理科が苦手な方はいらっしゃるかもしれませんが、ぜひお子さんと一緒に理科を楽しんでみてください。
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