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2学期もほぼ1ヶ月経過し、家庭学習のペースもつかみかけてきた頃でしょうか。SAPIXの先生からも「5年生の二学期は重要な時期です」とのアナウンスがあったことと思いますが、それは受験算数の最頻出単元である「比と割合」を活用する、速さ・割合の文章題、平面図形の相似形を学習することと、社会での歴史の学習によって家庭学習の負荷が大きくなるからです。
まず算数ですが、SAPIXは5年生のうちにほぼ全単元の学習を終了し、6年生開始とともに入試レベルの問題を扱います。6年生スタート時に「比と割合」を使いこなせている生徒さんは少数ですが、「比と割合」を理解できていて問題演習が進む生徒さんと、「比と割合」を復習する必要がある生徒さんとでは演習量に差がついてしまいます。
5年生の二学期における学習定着度の差は、そのまま6年生での演習量の差となるわけですが、そのような差がついてしまう理由は、カリキュラムに連続性があること、しかも内容が難しいため、一度分からなくなってしまうと自力で挽回することが難しいからです。
「比と割合」の文章題に強くなるためには、問題文で与えられている条件を図式化し、解答に至るまでの「パズルを完成させていく」というイメージが大切です。お子さんのノートやプリントを見て、線分図や面積図、時計算では時計の絵などを書くところから考えているか(指導がなされているか)をチェックしてください。
塾から大事な時期と言われているだけに、テストの点数が悪いと「大事な単元だから、しっかり勉強しなさい」と、責めてしまいがちです。しかし、お子さんにとって5年生の後期は、理解し、解けるようになるということは大変な行程ですので、責めるのではなく手を差し伸べることが肝心です。
次に社会についてですが、歴史が始まり家庭学習の負荷が想像以上に大きいと感じる方も多いのではないでしょうか。
5年生の夏期講習までは地理を学習してきましたが、それは4年生での学習内容の発展的復習であったため、家庭学習もさほど時間をかけずに済ますことが出来たことも一因でしょう。歴史は新出単元である上、一回の授業で「奈良時代全て」など進度が速く、しかも固有名詞は漢字指定ですが、中には習っていない難しい漢字が含まれているなど、忍耐力の必要な学習になります。
このように学習内容は難しくなる上に量も増加し、時間はいくらあっても足りず「早く勉強しなさい」が口癖になりそうな時期ですが、ここで反抗期が大きく立ちはだかるケースを多く見受けます。
反抗期は治まる時期を待つしかありません。自我が芽生えるため何事も自分で計画し実行したいがなかなか上手くいかない自分への苛立から、我慢の限界点が下がるようです。私の生徒さんも、計算ミスでなかなか正解に至らず、「もう嫌だ」と泣きながら部屋を飛び出して行ったことがありますが、しばらく時間が経って気持ちが落ち着くとケロッと勉強を再開していました。
また、皆さんも学生時代に「勉強しなさい」と言われて、「今やろうと思っていたのに」と、愚痴をこぼした経験があると思います。経験上、反抗期のお子さんには「勉強しなさい」はNGワードだと思います。しかも自分のことは自分で決めたい時期のため、家庭学習計画も親御さんの考えを守らせることに反発します。
年に数回、保護者の方から「子どもが勉強したくないと言っている」とお困りの連絡をいただきますが、そこで無理矢理勉強させることは難しいため、「声をかけず、しばらくそっとしておいてください」とお伝えしています。子どもも勉強しなくてはならないと理解しているため、気持ちが落ち着くと自分の意志で勉強し始めることが多いからです。
まれに反発が激しい場合は丸一日勉強できないこともありますが、このケースでは疲れがたまっていることが多いようです。それを上手く伝えられない(甘えられない)こともストレスの原因です。疲れているときに無理させると、体調を崩して数日寝込んでしまうこともありますので、丸一日勉強できなくても「熱を出して寝込んだ」と思って、気持ちを切り替えてください。自分の気持ちを尊重してくれたと、お子さんの精神状態も落ち着くと思います。
したがって、反抗期では学習計画を立てる際にはお子さんに主導権をとらせ、親御さんはアドバイスや確認程度の関わり方がよいと思います。学習内容も、前述のように「時間はいくらあっても足りないくらい」の量ですので、「あれもこれも」と詰め込みたいところですが、計画が盛りだくさん過ぎて上手く消化できないとお子さんのストレスになってしまいます。まずは各教科の基本問題だけを消化できるスケジュールにリードしてみてください。
それでも計画通りに進まないことが多いと思いますが、初めから上手く進まないことは当たり前です。学習が上手く進まない、あるいはテストの成績が良くないからといって、すぐに「子ども任せには出来ない、やっぱり私が管理しないと」となってしまうと、お子様さんはプライドを傷つけられ、反発が強くなります。
受験勉強は志望校合格のための学力向上が目的ですが、受験生生活を通じて、もがき苦しみながら大人へと成長して行きます。言い換えると、親御さんのコントロールが及ばなくなり始める時期ですので、子ども扱いし過ぎず反抗期がなるべく早く治まるように、気持ちにゆとりを持ってお子さんに接してあげてください。
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