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9月よりスタートした模擬試験シーズンも後半戦に突入しました。通常はお通いの塾が実施している、もしくは推薦する模試を受験すると思いますが、日程的に受験が可能であれば、違う模試も受験するのも一つの手です。偏差値や合格可能性がセカンドオピニオンとして参考になるからです。
そこで今回は、主にサピックスの「合格力判定サピックスオープン」、四谷大塚の「合不合判定テスト」、首都圏模試センターの「統一合判」の比較と活用方法を中心にお話しします。
まず、今年で3年目を迎えるサピックスオープンですが、受験者数は塾内のマンスリーテストが4800人超であったのに対し、サピックスオープンは5200人超でしたので、90%超がサピックス生のようです。
サピックスは受験生全体の上位層の割合が高く、他塾よりも偏差値が低く算出されます。例えば、9月に実施された模擬試験での一例を挙げると、巣鴨中学の偏差値はサピックスオープンが46で、合不合判定テストは56。西武文理中学の偏差値はサピックスオープンが41で、合不合判定テストは50です。
ちなみに『高校受験案内』を見ると、巣鴨高校の偏差値は70、西武文理高校は66です。意欲的な小学生だけが受験する中学受験の偏差値は、中学生全員が対象となる高校受験よりも低く算出されます。中学受験経験のない親御さんは、この点をよく考慮して中学受験の偏差値を見てあげてください。
話を戻します。サピックスは上位層が厚く、難関中学において合格者の半数以上を占めるケースも少なくありません。このような現状から考えると、他塾の生徒さんで上位難関校を志望している場合は、通塾先の判定模試の他にサピックスオープンの受験もおすすめです。
詳細は7月に発売しました『中学受験 偏差値ではなく合格力で決まる!』(晶文社)をご参考にして頂けると幸いですが、サピックスオープンは、問題の大半が上位難関校で合否を左右するレベルで構成されています。それに対して、合不合判定テストは基本から応用まで幅広いレベルで構成されています。上位層の母数が大きく、難しめの問題構成であるサピックスオープンは、高い精度の上位難関校の合格可能性のデータが得られると思います。
一方、サピックスで中堅校を志望している生徒さんは、中間層の母数が大きい、合不合判定テストや統一合判も受験することをおすすめします。
一例を挙げると、偏差値がサピックスオープンで43、合不合判定テストで53の富士見中学(第2回)の志望者は、サピックスオープン14名に対して、合不合判定テスト約150名でした。
志望者数に10倍以上の差があると、たとえ「14人中3位、合格可能性80%」と算出されても、本当に大丈夫かなぁとの疑問も湧いてくると思います。
基本・標準問題がどの程度得点できているかという学力到達度を確認するとともに、実際の受験校を志望する集団の中で、どの辺りの位置にいるか把握できるメリットは大きいと思います。
上記の例をはじめ、模試が返却されると、成績と合格可能性が気になってしまうと思いますが、そのデータはパーフェクトな物でしょうか?通塾先の先生が、他塾の判定模試を勧めることは皆無に等しいでしょう。しかし、先に述べてきたような状況に当てはまるようでしたら、ぜひ他の判定模試も受験してみてください。
午前・午後、しかも途中移動しての受験となりますので体力的にはきついと思いますが、難しいテストを受験して気持ちが引き締まる、あるいは普段より解きやすい問題が多くて自信がついたと、お子さんも気持ち新たにラストスパート期間を迎えることが出来ると思います。
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