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突然ですが、あのポンジュースで育ったブランド牛が誕生しようとしていることをご存知ですか?
中学受験の社会では、日本のある都道府県を取り上げてその歴史や特徴を問う、というタイプの問題が非常に多く出されています。都道府県に関する情報をより多く持つことは大きなアドヴァンテージになります。例えば香川県をテーマとした時に、小豆島がオリーブの名産地であることだけでなく、ひまわり栽培が盛んな地区があること、そのきっかけが減反政策であったことなども知っておくと、とても強い武器になります。
そこで今回は、お子さんが大好きな牛肉から中学受験社会に関する多くの知識を吸収して頂きたいと思います。ぜひ地図を傍らに置いて、お子さんと一緒に読んでください。
愛媛県では、ポンジュースをつくるときに出る搾りかすを混ぜた飼料を牛に与える実験が昨年末から進められ、来年夏には「ミカン牛(仮称)」として一般販売を開始すべく、開発が佳境を迎えています。ポンジュースの原材料である温州ミカンに豊富に含まれるβ-クリプトキサンチンは牛の体内でビタミンAに変わるため、脂肪の少ない上質な赤身肉が育ち、健康志向の高い消費者へアピールすることができるとのことです。
これまでも日本各地で特産品をつくるときに出る残り物を飼料として育ったブランド牛がいくつも生まれてきました。岩手県石巻市の「花巻黒ぶだう牛」はワインの製造工程で発生する、ぶどうの搾りかすを飼料として育てられました。この「黒ぶだう」というネーミングは、宮澤賢治の生前未発表の作品『黒ぶだう』のタイトルがもとになっているそうです。香川県ではひまわり油の搾りかすを飼料とする「まんのうひまわり牛」や、小豆島特産のオリーブで作られるオリーブオイルを搾油した後の果実を飼料として食べて育った「オリーブ牛」が誕生しました。ぶどう、オリーブ、ひまわり油には、健康によいとされるオレイン酸が豊富に含まれていて、肉の旨味・やわらかみが増す効果があります。
また、宮崎県のブランド牛「都萬(とまん)牛」が食べる飼料には、麦焼酎や芋焼酎の粕が含まれていて、その効果で肉の旨味、コク、風味を引き出すことに成功したそうです。
こうした搾りかすで作られた飼料には、豊富に含まれる様々な成分が肉質に良い影響を与えるという利点だけでなく、本来ならばごみとして捨てられる搾りかすを活用する「エコ餌」としての価値があります。また、ブランド牛の存在を知ることは、岩手県でぶどうが栽培され、高品質なワインが製造されることや、香川県にひまわり栽培が盛んな地区があることなど、日本の地理を新たに発見する絶好の機会にもなるでしょう。ちなみに、香川県まんのう町では、もともとは減反による休耕田を利用して1992年からひまわり栽培が始められ、今では夏場には約25万本が咲き誇るひまわりを見に、多くの観光客が訪れているそうです。
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