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奈良県の古墳で出土したガラス碗が、遠くペルシャ伝来のものであったことが発表されました。
奈良県橿原(かしはら)市の新沢千塚(にいざわせんづか)古墳群のひとつ、126号墳(5世紀後半)で出土(土の中から出てくること)した、円形の切子(きりこ)ガラス括碗(くびれわん)の化学組成が、ササン朝ペルシャの王宮遺跡で見つかったガラス片(5〜7世紀)とほぼ同じであったことが、東京理科大の阿部善也助教らの蛍光X線分析でわかりました。国内で出土したガラス器が、西アジア伝来と科学的に裏付けられたのは初めてのことだそうです。
中学受験では世界史は基本的には範囲外ですので、ササン朝ペルシャそのものが出題対象となる可能性はほとんどないでしょう。ただし、このササン朝様式の工芸品(絹織物、ガラス器、水差し、絨毯など)や、幾何学模様が日本に伝来した例は他にもあり、例えば、法隆寺の獅子狩文錦(ししかりもんにしき)や、正倉院の漆胡瓶(しっこへい)などがそれにあたります。法隆寺や正倉院は中学受験でもズバリ範囲内ですので、このガラス碗を題材に、ペルシャ文化の日本伝来をテーマとした出題がなされたとしても、「法隆寺→世界最古の木造建築物で7世紀初めに聖徳太子が建立」「正倉院→東大寺の宝庫で、校倉造と呼ばれる建築様式」といった基本情報は瞬間的に出てくるようにしておきたいところです。
ササン朝ペルシャは226年の建国から651年にイスラムに滅ぼされるまで栄えた王朝で、現在のイラン・イラクなどに広がって位置していました。その文化は古代西アジア文化を集約した文化として、その後のイスラム文化や周辺のヨーロッパ、中国にも大きな影響を与えたとされています。正倉院の漆胡瓶は、ペルシャ式の形と唐で発達した漆芸が融合したもので、東西文化の交流の跡を示す貴重な美術品と言われています。
新沢千塚で出土したガラス括碗ですが、どのような経緯で日本に伝来したのか、直接ペルシャの人物が持ち込んだのか、中国を経由して来たのか、諸説が飛び交っていますが、いずれにしても当時の交易を考察するうえで非常に価値のある出土品になります。
このガラス括碗は、東京国立博物館・平成館の「倭の五王の時代 古墳時代Ⅲ」のコーナーで、12月7日まで展示されています。機会があれば、ぜひ実物を見に行ってみてはいかがでしょうか。
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