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インドが昨年打ち上げた無人火星探査機「マンガルヤーン」が、9月24日に火星の周回軌道に到着しました。火星に着陸はしませんが、上空から大気や地表の調査を行う予定です。
この火星の周回軌道到着がそんなに大変なことなのか、想像しづらいところですが、実はこれまで火星軌道に到達できたのは、アメリカ、旧ソ連、ヨーロッパ欧州機関だけで、アジアではインドが初めてになるのです。アジアでは日本が1998年に探査機「のぞみ」を打ち上げ、中国も2011年のロシアの協力で探査機を打ち上げましたが、いずれも失敗に終わりました。太陽系では隣の星にあたる火星ですが地球からの距離は遠く、かつてアメリカのNASAの探査機が火星に着陸したときには、フランスのパリから東京にホールインワンしたようなものだと言われたそうです。
そんな快挙をインドが成しえたことで、お子さんのインドに対するイメージは変わるのではないでしょうか。小学生にとってのインドと言えば、カレーやガンジーなどが浮かんでくるかと思われますが、実はインドの宇宙開発は非常に進んでいるのです。
そこでこんな問題が考えられます。
それでは、解説していきましょう。今回のテーマはインドの宇宙開発です。
インドはロケット打ち上げの技術が優れていて、他の国のロケット打ち上げを請け負うこともあります。さらにインドの地理的な条件がロケット打ち上げに有利に働いています。その条件とは、赤道に近い地点にあるということです。ロケットなどを打ち上げる施設は緯度が低い位置に設けられることが望まれます。最適なのは赤道直下です。
その主な理由は2点。まず、打ち上げられた衛星は地球の赤道上空を飛行することになるため、打ち上げた地点が赤道から遠くなってしまうと、打ち上げられた後に赤道上空に移動しなければならず、燃料がより多くかかってしまいます。そうしたロスを防ぐためにも、より赤道近くで打ち上げることが望ましくなるのです。
もう1点は地球の自転に関わってきます。ロケットを打ち上げる時に、地球が自転する方向に打ち上げると、地球の自転速度が加わって、より有利になります。同じボールを投げるのでも、静止した状態より移動する車などから進行方向に投げる方がより速く投げられるのと同じです。さらに地球が自転する速さは、地軸から遠ければ遠いほど速くなります。遠心力をイメージするとわかりやすいでしょう。
こうした条件から赤道により近い場所がロケットなどの打ち上げには適していると言われています。
中学受験では基本的には世界地理は出題対象から外れますが、世界で人口の多い国はどこかというところはおさえておく必要があるでしょう。世界保健機関(WHO)の『世界保健統計2014』による、総人口ランキングの国別順位上位10か国は以下の通りです(2012年時点)。
もちろんすべての順位を覚える必要はありませんが、上位5か国の国名はチェックしておきましょう。見ての通り、中国・インドが圧倒的な数値になっています。
インドが抱える問題点はこうした人口が多いことではなく、その中で貧困層の占める割合が多いことにあります。世界銀行が、1日に約1.25ドル以下で生活する層を世界貧困線と設定しましたが、インド国民の3分の1がこの貧困線より下の生活を送っていると言われています。インドは低予算でロケットを打ち上げる実績があり、今回の火星探査機も打ち上げ予算は約71億円で、ロケット打ち上げに200億円前後がかかる日本より、また中国よりもずっと安くなります。それでもこれだけの高い金額になりますので、貧困問題の解決にお金をまわすべき、との批判が出るのはやむを得ないかもしれません。
一方でこうした宇宙開発の技術を向上させたことが、通信や気象観測、航空・航海、防災さらには教育に役立つ衛星の開発につながり、それが国民の福利向上を成しえたという声もあります。1999年にインド東海岸を襲ったサイクロンで10,000人の人々が犠牲になるという大惨事がありましたが、2013年にさらに強力なサイクロンが同じ地域が襲った時には、死者数はわずかにとどまったそうです。その原因のひとつが、インドの気象観測システムが大きく改善されたことにあると言われています。
ひとつの出来事に評価される点と課題点のどちらもがあるという見方は、中学受験でも出題対象になることが多いテーマのひとつです。ぜひインド火星探査機のニュースについて、お子さんとじっくり話をしてみてください。
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