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6年生6月度のマンスリーテスト算数対策をお伝えします。今回も攻略ポイントだけでなく予想問題付きです。マンスリー過去問を分析し最も出題される可能性が高い問題を揃えてあります。解説も準備しますので、間違えた箇所はとくに読み込んで本番で同じ間違えをしないように注意してください。
問題は6/9(木)のお昼ごろ 鉄人会のHPにアップ致します。アップが完了しましたらフェイスブック、ツイッターでお知らせ致しますので、ぜひ鉄人会のフェイスブック、ツイッターをフォローしておいてください。予想問題は6/15(水)の17時ごろまで1週間だけの公開となりますので入手忘れがないようにツイッターかフェイスブックのフォローをお勧め致します。
※今回の予想問題はベータ版ですので無料です。
今回のテストの範囲は、「拡大・縮小」「変化のグラフ」「場合の数」「規則性に関する問題」となる予定です。それぞれの単元で気をつけるべきポイントについて、順にお伝えしていきます。
その前に1点お伝えしておきたいのですが、今回のテストは全体的な難度がこれまで以上に高くなる可能性があります。それぞれの単元に難度の高い問題が含まれていて、前半の小問集合で出される問題でも、一筋縄では行かないものが出される可能性があるのです。 そこで今回は、『基礎力トレーニング』の復習についての説明は割愛して、単元別の説明にすぐに進みたいと思います。もちろん『基礎力トレーニング』の復習が必要であることは言うまでもなく、失点を少しでも防ぐために、復習はしておくようにしてください。
また、テストの際には、まず問題を注意深く読み、うっかりミスをしないようすること、そしてこれまで以上に、解くべき問題と、抜かすべき問題の選別に一層の注意を払うようにしてください。1問の正誤が、全体の偏差値に大きく影響するテストとなる可能性が高いです。
これからの説明の中で、毎回のことですが、分数については、2分の1は1/2と分数線が斜線になるかたち、帯分数は1と3分の2は1・2/3のかたちとします。また、「○の中に数字」の表記が文字化けしてしまう可能性がありますので、マル1、マル2と表記します。
小問集合で、縮尺の出題があるかもしれません。例えば、「時速16kmで45分走った距離は、縮尺3万分の一の地図上では何cmですか」といった問題です。実際に走った距離を1/30000倍するという方針ですが、ここで気をつけて頂きたいのが、式を小分けにしない、ということです。縮尺の問題では、上記のような30000分の1や25000分の1、といった0が多く出てくる数が使われます。ここに、km→cmの変換に100000倍を使うと、またさらに0を使うことになります。そうした際には、式をすべて並べることで、0を消すことができるメリットがあります。上記の問題を式にしてみましょう。「16000/60×45×100×1/30000」となります。最初の項は時速16kmを分速、mに変換したもの、それに45分をかけて、次の×100でcmに変換、最後に縮尺を使う、といった流れですが、このように式を一気にかけば、分子には0が5個(16000×100)、分母にも0が5個(60×30000)となり、結局上記の式を、16/6×45×1/3=40、とだいぶスッキリしたかたちに変えることができます。ここまでまとめられれば計算もだいぶ楽になるでしょう。
このように縮尺の問題では、式を一気にまとめることで、0が整理できることに気をつけておいてください。
立体図形で、円すいの上部から底面に平行な面で小さな円すいを切り取った、プリンのような形をした図形を円すい台と呼びます。このような円すい台の体積を出す際には、「比」を使って解くことをおすすめします。では、どのように比を使えばよいでしょうか。
例題を挙げます。メルマガでは図をかけませんので、ぜひ以下の問題から図を再現してみてください。「上底面(円すい台の上の部分の面)が半径5cmの円、下底面(円すい台の底の部分の面)が半径15cmの円、上底面の円の中心と、下底面の円の中心を結んだ長さが12cmである、円すい台があります。この立体の体積は何立方cmですか。」図はかけましたでしょうか。
ここでまずポイントになるのが、図形の「高さ」です。与えられている12cmをどのように利用するかですが、まずわかりやすいように、上部にも円すいがあると仮定して、大きな円すいを完成させましょう。上底面と下底面を結ぶ、両端にある斜めの線を上に延長させて、2本の直線が交わった点が大きな円すいの頂点になります。わかりやすいように上部にできた円すいは点線でかくようにします。ここで、大きな円すいの高さが必要になりますが、頂点と下底面の直径を通る面で円すい全体を切ります。その面の半分にあたる直角三角形を使って長さを導くのです。直角三角形は、底辺が15cmで、途中に底辺と平行な5cmの線があり、その2本の直線を結ぶ線が12cmとなっていますでしょうか。平面図形になれば相似の考え方も使いやすくなるでしょう。上部の直角三角形と、全体の直角三角形の相似比が5:15=1:3より、全体の直角三角形の高さが12×3/2=18(cm)と求められます。
これで材料はそろいました。後は式なのですが、ここで比の考え方を使います。上部の円すいと全体の円すいの相似比は、それぞれの底面の円の半径の長さから、1:3とわかりますので、立体の体積の比は、1×1×1:3×3×3=1:27となります。よって、円すい全体の体積と、求めるべき円すい台の体積の比は、27:27−1=27:26です。ここで、以下の式で、円すい台の体積が求められます。
15×15×3.14×18×1/3×26/27=5×5×3.14×2×26=1300×3.14=4082(立方cm)式が長く、分数も含まれるのでややこしく見えますが、分母にあたる数は計算を進めるうちに消えていくことがほとんどです。いずれにしてもわかりやすい数字に整理できることが多いので、迷わず式にしてみてください。
念のため、円すいの体積を算出する公式の「×1/3」は忘れないように気をつけましょう。式が長くなると、つい忘れてしまいがちです。
直角三角形の3辺の比で、3:4:5についてはご存知のお子さんが多いですが、5:12:13についても覚えてしまいましょう。お子さんに説明する流れとしては、まず3辺の比が3:4:5になる直角三角形を素材として、三平方の定理(直角三角形で、直角をはさむ2辺それぞれの平方の和は、斜辺の平方と一致する)を説明してしまってよいでしょう。もちろん中学数学で習う単元ですが、先に知っていても問題はありません。ルートについては未習ですから、計算をしてみて整数の平方にならなければ、それ以上は深追いしなければよいのです。むしろ、ただ3:4:5として覚えるよりも、そこに公式としてのきまりがあってのことと知る方が、お子さんには定着するかと思われます。
その三平方の定理から、他にもこんな図形があるよ、といった流れで直角三角形の3辺の比に、5:12:13の関係もあることを伝えるとよいでしょう。この3辺の比を知っておくことが、時間短縮と正答率を上げる効果を生み出します。
ここでは、テストの後半に出題されるような応用問題を題材とします。どのポイントに気をつければ、得点率が上がるかに気をつけて読んでみてください。例題を挙げますが、やはりここでは図がかけませんので、まずは以下の説明から実際に図をかいてみてください。
「平行四辺形ABCDをかきます。底辺がBCになるように、左上から時計と反対回りにA、B、C、Dと配置するようにします。平行四辺形のかたちは、Dの方向に傾くようにしてください。辺AB上にAE:EB=3:2となるような点Eを置きます。点Dと点Eを直線で結び、D→Eの向きに直線を伸ばし、辺BCをC→Bの向きに伸ばした直線との交点をFとします。さらに四角形AHFDが平行四辺形となるような点Hを、C→Fを伸ばしたところに置きます。最後にH→Aを伸ばした直線とC→Dを伸ばした直線の交点をGとします」少し長くなりましたが、図はかけましたでしょうか。大きな三角形GHCの中に、平行四辺形ABCDと平行四辺形AHFDが含まれているようなかたちです。ここから問題です。
「(1) HBの長さとBCの長さの比を最も簡単な整数の比で答えなさい。
(2) 四角形ABCDの面積は三角形GHCの面積の何倍ですか。」
特に(2)のような面積比の問題は頻出ですので、よく注意して取り組んでください。
問題としては応用になりますが、何とか(1)は正解したいところです。相似の図形への慣れが身につくと、この(1)のような問題を解くスピードが変わってきます。この問題の図形の中で、三角形AEDと三角形BEFが砂時計のようなかたちで接しているのが見えるでしょうか。ADとBFが平行になりますので、2つの三角形は相似の関係になります。このように相似の関係にある図形同士をすぐに見つけられると、そこからの戦略が組み立てやすくなります。
三角形AEDと三角形BEFは相似の関係にあるので、AE:BE=3:2より、AD:BF=3:2となります。ADの長さをマル3とすると、BFはマル2、四角形ABCD、四角形AHFDがともに平行四辺形なので、AD=BC=マル3、AD=HF=マル3となります。よって、HB:BC=(3+2):3=5:3と求められます。
(2)についてはいくつかの解法がありますが、ここでは相似の比から面積比を求める方法を説明します。方針としては、三角形GHCと相似の関係にある図形を見つけ出し、その面積比を利用することになります。
まずは、ADとHCが平行であることから、三角GADと三角形GHCが相似の関係になります。(1)より、AD:HC=3:8となり、三角形GADと三角形GHCの面積比は3×3:8×8=9:64です。次にABとGCが平行であることから、三角形AHBと三角形GHCも相似の関係になります。底辺が平行の関係にある図形同士が相似になることは見つけやすいのですが、この三角形AHBのような底辺以外の辺が平行であることから相似の関係を見つけ出すことが、なかなかできないお子さんが多いです。様々な位置関係にある図形同士が相似の関係にあることを見つけられるように、ぜひ図形を見る目を養ってください。
問題に戻ります。(1)よりHB:HC=5:8となり、三角形AHBと三角形GHCの面積比は5×5:8×8=25:64です。
ここで、わかりやすいように図形の中に面積比の値を記入しましょう。三角形GADの部分をシカク9、三角形AHBの部分をシカク25とすると、求める四角形ABCDの面積は、三角形GHCの面積から、三角形GADと三角形AHBの面積を引いたものになりますので、64−(9+25)=30より、シカク30です。30÷64=30/64=15/32から、四角形ABCDの面積は、三角形GHCの面積の15/32倍と求められます。
今回のテストでは他の単元で難問が多くありますので、相似の単元で少しでも得点ができるようにしたいところです。どのような位置関係にある図形同士が相似になるか、しっかり見直しをして臨むようにしてください。
この単元では、テストの最終問題にもなるような難問が含まれてきます。最終問題だからといって手をつけないという判断はしてはいけませんが、時間がかかり過ぎることが予想される場合は、深追いはせずに、他の問題の見直しに時間を使いましょう。
出題のパターンとしては、水槽に水を入れた際の水深変化をグラフにした問題が多くなります。その中でも基本的なパターンに、一定時間に一定量の水を入れる管と、水を出す管の両方があり、ある時間まではどちらか一方のみを開き、以降は両方を開けた状態にする、というものがあります。グラフの直線の始点と終点の数値から差を見つけ出して、それぞれの管の単位時間あたりの水の量を求めれば、ほとんど正解に行きつけます。くれぐれもグラフの数値を見間違わないようにして、式のスペースに「A管→15(L/分)、A管−B管→10(L/分)」とメモを残すようにしましょう。基本的なパターンは全体正答率も上がりますので、細かなミスもないように気をつけてください。
また、水槽に段差があるようなパターンもあります。例えば底面積が大きな直方体の上に底面積が小さな直方体が乗っているような階段型の図形の場合は、その境目に線を引いて、どこまでが何cmになるか、といった数値をどんどんかき込んでいくことで、水量の変化を視覚的にもわかりやすくするとよいでしょう。
得点の分かれ目になりそうなのが、水槽の中に仕切りがあるパターンです。このパターンでは立体のままで考えるよりも、仕切りに垂直な断面図をかいてみると、断然解きやすくなることが多いです。例題を挙げてみましょう。説明から立体の図形とグラフをまずはかいてみてください。
「たて10cm、横45cm、高さ12cmの直方体のかたちをした水槽があります。この水槽には容器の底面に垂直に立つ長方形の仕切りがあり、左から順にA・B・Cに分けられています。Aの部分の横の長さは15cm、Bの部分の横の長さはアcmです。またCの部分には十分に重い直方体のおもりが置いてあります。この水槽のAの部分に毎分300立方cmの割合で水を入れていったところ、Aの部分の水位の変化が次のようなグラフになりました。
グラフは、たて軸が水位で単位がcm、横軸が時間で単位は分、ここからグラフ上の点を(分・水位)で表すことにします。グラフの横軸の5と12の間の、5に近いところにイを置きます。まず(0、0)から(3、6)に直線を結びます。次に(3、6)から(5、6)に横軸に平行な直線、(5、6)から(イ、9)に斜めの線、(イ、9)から(12、9)に横軸に平行な線、最後に(12、9)から最初に引いた線より若干傾斜のゆるやかな線を引いて、水位が12cmになったところで止めてください。斜め、横、斜め、横、斜め、の5本の直線が引けたでしょうか。ここから問題です。ただし、仕切りの厚さは考えないものとします」
(1)アの値はいくつですか。
(2)イの値はいくつですか。
(3)直方体のおもりの体積は何立方cmですか。」
この問題では、毎分300立方cmの割合で水が入ることがわかっています。これはこのパターンの問題を解くうえで、とても有益な情報です。テストの終盤にこの単元の問題があって、水の量がわかっていた場合には、できれば(1)は解いてみましょう。得点のチャンスが広がります。
まず(1)ですが、ここで先に触れました断面図をかいてみます。水槽全体の断面図は、たて10cm、横45cmの長方形から、上の部分の辺をとったかたちになります。左から10cmのところに仕切りを表すたての線を入れます。この仕切りの高さは何cmにすればよいでしょうか。グラフで、3分までは水位が上がり、そこから5分までの間、水位が変化していません。3分でAの部分が満水になり、そこから2分かかってBが満水になったことがわかります。そのため、AとBの間の仕切りの高さは、グラフのたての値から6cmとわかります。さらにそこから水位が上がり、イ分から12分までが水位が9cmで変わらないことから、BとCの間の仕切りの高さが9cmとなることもわかります。
断面図に戻って、左から15cmのところに高さ6cmの仕切り、そこからアcm右に高さ9cmの仕切りとします。断面図はこれで完成です。(1)ではCに置いたおもりは関係ありませんので、記入する必要はありません。
問題を解くにあたって大前提となるのが、水が一定の割合で入れられていることです。断面図のたて6cmのところに水槽の左端から9cmの仕切りのところまで、横の辺に平行な線を引きましょう。これが水位6cmになっている最後の状態です。この状態になるまで時間にして5分になります。断面図でAの部分にたて6cm、横15cmの長方形、Bの部分にたて6cm、横アcmの長方形が出来上がりました。この2つの長方形の面積比はわかりますでしょうか。グラフからAの部分を6cmにするのに3分、Bの部分を6cmにするのに5−3=2(分)かかることがわかります。水の入る割合が一定なので、2つの長方形の面積比は3:2となります。間違わないように長方形の中にそれぞれマル3、マル2とかき込んでおきましょう。高さが6cmで同じですから、横の長さの比が3:2となり、ここからアの長さが15×2/3=10(cm)と求められます。
次の(2)でも、(1)でかいた断面図をそのまま使います。グラフのイ分の時点では、どのような状態になっているでしょうか。イ分は水位が9cmの最後の状態ですので、BとCの間の仕切りの高さまで水がいっぱいに入った状態になります。断面図の9cmの高さのところに水槽の左端から9cmの仕切りの最上部までを、横の辺に平行な直線を引きましょう。(1)で使った2つ並ぶ長方形の上に、ふたをするように大きな長方形が乗るようなかたちになりました。下部の2つの長方形にあたる量の水を入れるのに合計5分かかっています。その高さは6cmで、求めるイ分後には高さが9cmになりますので、5×9/6=7.5(分)としてイの値が7.5と求められます。
説明は長くなりましたが、断面図を利用すれば、(1)、(2)までは大きな負担もなく解けるのではないでしょうか。テストでも、かけられる時間があれば、このような応用問題でも(1)(2)までは解ける可能性が十分にあることを覚えておいてください。
最後の(3)ですが、実はこの問題も(1)(2)で求められた値を使えば、決して難しい問題ではなくなります。まずアが10cmであることから、Cの部分の横の長さは45−15−10=20(cm)とわかります。さらにイが7.5分であることから、Cの部分の9cmの高さまで水を入れるには12−7.5=4.5(分)かかることがわかります。これで材料はそろいました。Cの部分の高さ9cmまでの体積は、20×10×9=1800(立方cm)になります。それに対して実際入れた水の量は、300×4.5=1350(立方cm)となることから、この差の1800−1350=450(立方cm)が求めるおもりの体積となります。
変化とグラフの問題は、多くの時間を要してしまう難問もあります。ただし、今回の例題のように、与えられた情報を使い切れば、一見難しそうでも解けないことはない問題もあります。まずは、標準レベルまでの問題をくり返し練習して、グラフの変化が何を表しているかを把握できるように、さらに断面図などを活用する方法を覚えたうえで、時間のあるかぎりは難問にもチャレンジしてみてください。
今回のテストで得点の差をつけられるかどうかのポイントになるのが、この「場合の数」です。先の「変化とグラフ」や、この後に説明する「規則性に関する問題」からは、無理に取り組むべきではない難問が出される可能性が高くなります。その点、場合の数は、難問とまでは言えないけれど、解き方がわかっていないと手も足も出ない、つまりしっかり準備していれば得点できるけれど、準備が足りないと全く解けない問題が出てくるのです。徹底的に注意して臨むようにしましょう。
まずは「投票算」です。この投票算も解法がわからないと、どうにもしようがなくなってしまいます。基本的な考え方として、「1人だけ強いライバルがいて、そのライバルに勝つ」という考え方をしっかり固めておきましょう。例えば120人の中から代表を3人選ぶとします。候補者が何人であろうと、1人のライバルをつくります。ここでは3+1=4(人)の勝負にするのです。4人がまったく同じ得票数とすると120÷4=30(票)で同点となります。それより1票でも多ければよいので、30+1=31(票)で代表に選ばれることになります。
もうひとつのパターンとして、次のような問題はどう取り組めばよいでしょうか。
「Yさんの学年には146人の生徒がいます。全員が1人1票ずつ投票して、学年代表を1人選ぶことになり、Aさん・Bさん・Cさんが立候補しました。最初の40票を開票したところ、Aさんに15票、Bさんに3票、Cさんに22票集まりました。Bさんが当選を確実にするには、少なくともあと何票が必要でしょうか」
Bさんにとっては、40票を開票した時点でトップにいるCさんがライバルになりますから、まずトップに追いつくための得票数を算出します。22−3=19(票)が追いつくための得票数で、生徒数にあたる146票のうち40票が開票済みですので、残った票数は、146−(40+19)=87(票)になります。この87票をトップの者と争うことになりますので、87÷2=43あまり1より、43+1=44(票)で過半数を勝ち取ることができます。よってBさんが当選を確実にするには、19+44=63(票)が必要となります。
ただ式を丸暗記しただけでは、数値が変わると対応できなくなります。それぞれの式がどのような意味になっているのかを確かめながら、しっかり理解を進めましょう。
タイトルだけ見ると、意味がわからないかもしれません。例題を挙げてみます。
「りんご17個とみかん7個をA、B、Cの3人に8個ずつ配ります。3人とも必ずどちらの果物ももらうような配り方は何通りありますか」といったパターンの問題です。
まず、りんごとみかんのうち数が少ないみかんに注目します。みかん7個を先に3人に1個ずつ配ってしまいます。すると残りのみかんは7−3=4(個)になります。仮にこの4個を3人のうちの1人がすべてもらったとしても、その1人はみかんが5個となり、残りの3個にりんごが入ることができますので、必ずどちらの果物ももらえるようになります。これを数の多いりんごに置き換えると、17−3=14(個)が残り、1人がもらった8個がすべてりんごになってしまう可能性が出てきてしまいます。必ず数の少ない方に注目するようにしましょう。
後は、残ったみかん4個の配り方を決めてしまえば、りんご17個は空いたスペースに入れるように配置すればよいことになります。3人がもらうみかんの数の組合せを(A、B、C)として、配り方を整理して行きます。(4、0、0)の配り方は3通り、(3、1、0)の配り方は3×2×1=6(通り)、(2、2、0)の配り方は3通り、(2、1、1)の配り方も3通りで、合計して、3+6+3+3=15(通り)と求められます。手順をしっかり理解すれば、得点源にできる問題です。
ここでも早速、例題を挙げてみましょう。
「ある文房具屋では、えんぴつを1本80円、シャープペンを1本180円、ボールペンを1本240円で販売しています。A君はこの文房具屋で、えんぴつとシャープペンとボールペンを合計20本買ったところ、支払った金額は2920円でした。A君が買ったと考えられる本数の組合せを答えなさい。ただし、買わない種類があってもよいこととします。答え方は、えんぴつ、シャープペン、ボールペンの順に、例えばえんぴつを2本、シャープペンを3本、ボールペンを15本買った場合は、(2、3、15)と表すことにします。」
それぞれの単価と合計の個数、合計の金額がわかっていることから、「つるかめ算」を使って解くというイメージはできます。ただし対象が3種類になると、面積図もどのようにかけばよいのか、と思ってしまうかもしれません。この対象が3種類になるつるかめ算(3段つるかめ算)でも、やはり面積図で内容整理することに変わりはないのです。実際に面積図をかいてみましょう。かき方は、対象が2種類の際と基本的には同じです。まず単価の一番安いえんぴつを左端に、そこから右にシャープペン、ボールペンそれぞれの金額を表す長方形をかき並べます。えんぴつは、たて80円×横a個、シャープペンは、たて180円×横b個、ボールペンは、たて240円×横c個の長方形になります。そして3つの長方形を並べた際の横の合計が20個、となります。
ここからがポイントですが、この3つの長方形から成る面積図を、普段使い慣れている2つの長方形から成る面積図に変形させます。方法としては、下から高さ80のところで図形全体に横の線を引きます。この線から上にある部分、シャープペンのたて100円×横b個、ボールペンのたて160円×横c個の2つの長方形を利用するのです。わかりやすいように、2つの長方形が並んだ部分に斜線を引いてもよいでしょう。2つの長方形の合計金額は、2920−80×20=1320(円)になります。本来のつるかめ算であれば、2つの個数の和(b+c)がわかっているのですが、ここでは20−aであることしかわかりません。
そこで式にしてみます。100×b+160×c=1320となります。ここで、数を小さくするために全部を20で割って、5×b+8×c=66とします。ここからは数の組合せで、b、cに入る数値を求めて行きます。b、cともに整数になるので、組合せが無限にあるわけではありません。かといって、ただ闇雲に数をあてはめて検証しようとすると、時間だけが過ぎてしまいます。何かしらの条件づけが必要になります。この条件づけが、このパターンの問題を解くうえで大きなポイントになります。5×bはもちろん5の倍数になるので、一の位は5か0です。5×bの一の位が5になると、和が66と偶数であることから、8×cが奇数にならなければならず、成り立ちません。そこで5×bの一の位は0、つまりbは必ず偶数になります。しかも合計で66ですので、bは0から11の中から見つければよくなります(b=12とすると、8×c=6となってしまうため)。そこで数の組合せを(b、c)とすると、式を満たす値の組合せは(10、2)(2、7)のみとなります。最後にa+b+c=20から、それぞれの場合のaの値を出して、答えは(8、10、2)(11、2、7)と求められます。
まずは面積図をかいてみること、そこから図を変形させ、数の組合せでは、できるだけ数を限定させるための条件を見つけ出すこと、といくつかの手順はありますが、その意味をしっかり理解しておけば、十分に得点源にできるパターンの問題です。
規則性に関する問題も難問が多く含まれる単元です。先にも触れたように、テストの終盤に出題されるからといって手をつけなくて構わないということではありません。チャレンジできる時間があれば、(1)だけでも勝ち取るように臨みたいところです。ただし、規則性は時間がかかり過ぎてしまいがちです。決して深追いはせず、テスト全体の時間配分を考えて、他の問題の見直しができるようにしましょう。
規則性の問題でも、得点できるところで取りこぼしがないようにしなければなりません。例えば、以下のような中空方陣の問題を確実に正解できるでしょうか。「208個のおはじきをすべて使って、はば4列の中空方陣を並べると、外側の1辺に並ぶおはじきの個数は何個になりますか」
ラフなかたちでも構いませんので、図をかいてみると間違いを防ぐことができるでしょう。正方形の1辺をa+4として、辺の長さがaと4(aが4より長くなるように)の長方形を、正方形の内側に並べます。まず左下の角から、たてa、横4となるように、たてに長方形を置き、左上の4の部分に次の長方形の4がおさまるように横に長方形を置く…と、角が4ずつずれるように順に並べて行きます。後は、全体で208個なので208÷4=52より、ひとつの長方形におはじきが52個あることがわかり、52÷4=13より、a=13となります。そのため外側の1辺には、13+4=17(個)のおはじきが並ぶことになります。図形の並べ方に気をつけて、確実に得点できるようにしましょう。
また次のような群数列の問題も出されることがあります。
「長い紙テープを、10、10、20、10、20、30、10、20、30、40、10、…(単位はすべてcmです)と、ある規則にしたがって左から切っていきます。例えば、20cmのテープを3本切り取るには、8回切る必要があります。このとき、60cmのテープを2本切り取るには、何回切る必要がありますか。」
今回のテストでは、このような問題が前半の小問集合に含まれる可能性が高くあります。冒頭のテストの難度が高くなるとお話した要因のひとつが、こうした問題にあるのです。
規則性の問題では、書き出しが不可欠になることがあります。この問題でも、まずは書き出しをしてみましょう。問題で挙げられた規則から、数字をグループ分けしていきます。1番目のグループは10、2番目が10、20、3番目が10、20、30、…となりますが、見やすくなるように、各グループの1番はじめの数である10がたてにそろうように、グループごとにたてにかき並べてみましょう。すると、グループを表す数を10倍した数が、グループの最後の数として、右端に出てくることがわかります(3番目→30が右端、4番目→40が右端)。ここで60が最初に出てくるのが6番目のグループの最後、2回目に出てくるのが7番目のグループの6番目となります。そこで、60cmのテープを2本切り取るには、まず6番目の最後の数までの個数の和に6を加えることでテープを切る回数がわかります。数の個数は1番目に1個、2番目に2個、…となりますので、6番目の最後までの個数の和は、(1+6)×6÷2=21、よって21+6=27より、テープを27回切る必要があるのです。
数を書き出すことで規則を確実に把握して、式を立てられるように練習を重ねましょう。
繰り返しになりますが、規則性の問題で難しいと感じたものについて深追いすることは危険です。ただし、難問でも(1)、(2)までは正解できるチャンスはあるので、その見極めの時間を持てるようにチャレンジしてみてください。
例えば、次のような問題はいかがでしょうか。
「下のように、ある規則にしたがって分数が並んでいます。
1/800、3/797、5/794、7/791、…
このとき、次の問いに答えなさい。
(1)左から数えて90番目の分数を求めなさい。
(2)はじめて1より大きい分数が出てくるのは左から数えて何番目ですか。
(3)1より小さい分数のうち、7で約分できる分数は何個ありますか。」
規則性の問題の(1)になる小問には、書き出すことで正解に行き着けるものもあります。この問題の場合は90番目を求めるので、さすがに書き出すことはできませんが、与えられた分数列の規則は見つけやすいのではないでしょうか。
分子を見ると、1、3、5、7、…と、1から始まり2ずつ数が増えていく数列になっています。分母はというと800、797、794、791、…と、800から始まり3ずつ数が減っていく数列になっていることがわかります。そこで(1)の問題ですが、左から数えて90番目ということで、分子、分母それぞれの数値を出してしまいましょう。分子は1+2×(90−1)、分母は800−3×(90−1)より、179/533と答えが導き出せます。決して難しい問題ではないことはわかりましたでしょうか。ただ、等差数列の値を求める式が曖昧ですと時間がかかってしまいますので、式の立て方は確認するようにしておきましょう。
次の(2)も難しい問題ではありませんが、注意をしないといけない落とし穴のような部分があります。まず問題にある、はじめて1より大きい分数が出てくる、という状況ですが、分数が1より大きいということは、分子が分母より大きくなることを意味します。1番目の分数の分子は1、分母は800で、ここから分子は2だけ増え、分母は3だけ減りますので、ひとつ順番が進むごとに分子と分母の数の差が2+3=5ずつ縮まることになります。この考え方は、速さの旅人算に近いものです。そこで、はじめの差を、1回に縮まる差の5で割る、という方針が成り立ちます。式にすると、(800−1)÷(2+3)=799÷5=159あまり4となります。ここからがポイントです。ここに落とし穴がありますので、注意してください。式から導き出した159あまり4が何を表すかを確認しましょう。これは、最初の1/800という分数から、159+1=160(個)「進んだところで」、はじめて分子が分母より大きくなる、ということです。求めるのは、「何番目の分数か」ですので、160に1を足して、161番目と答えなくてはなりません。ここで焦って160番目としてしまわないように、徹底的に注意してください。時間がないと余計に焦ってしまいますので、式で求められた答えが何を表しているのかを認識することを、普段から気をつけておくようにしましょう。
テストで時間がある限りは、この(1)まで、できれば(2)までは正解しておきたいところです。
そして最後の(3)です。1より小さい分数ということで、(2)より160番目の分数までが対象になります。7で約分できる分数、とありますが、これをすべて計算で導き出そうと考えていると時間ばかりが過ぎてしまいます。この場合、まずは7で約分できる、1番小さな分数、1番はじめに出てくる分数を見つけてみます。すると問題のはじめに挙げられていた4つの分数のうち、7/791が該当することがわかります。ここまでは計算ではなく、書き出し、あるいは見つけ出しの作業になります。
ここからがポイントですが、7で約分できるということは、分子、分母ともに7の倍数になります。最初の分数7/791から分子の変化にだけに注目してみると、7の次にくる数は、7の倍数でもあり、7から2ずつ増えていく数でもあります。ここから、分子は7から始まり、7と2の最小公倍数である14ずつ数が増えていくことになります。ひとつ順番が進むことに分子は2ずつ増えていきますので、14ずつ増えるということは順番にして7つずつ進むことになります。
次に分母も同じように見ていくと、分母は791から始まり、7と3の最小公倍数である21ずつ数が減っていくことになります。ひとつ順番が進むことに分子は3ずつ減っていきますので、21ずつ減るということは順番にして、やはり7つずつ進むことになります。
ここから、7で約分できる分数は7/791から始まり、7つずつ順番が進んでいく、といことがわかります。7/791は4番目の分数、1より小さい分数は160番目まで、ですので、式にすると、(160−4)÷7=22あまり2より、22+1=23(番目)の分数が最大になります。これより、答えは23個と導き出せます。(1)、(2)に比べると、いくつもハードルがありますので、チャレンジ問題として位置づけた方がよいでしょう。
冒頭で今回は『基礎力トレーニング』の説明は割愛するとしましたが、ひとつだけ気をつけておいて頂きたい問題があります。次のような問題です。
「1から120までの整数を順にすべてかけた、1×2×3×…×120を計算した積の値には、一の位から0が何個続けて並びますか」
解き方としては、0は2つの素数2と5をかけ合せると出てきますので、1から120までの積の値を素因数分解したときにできる2と5の組合せの数を求めることになります。2と5の個数を比べると、2の方が圧倒的に多くなりますので、5の個数と同じ数だけ2と5の組合せができます。ここからまず、120÷5=24として5の倍数の数を出し、さらに5×5=25の倍数の数を、120÷25=4あまり20から4個と求めて、24+4=28(個)とするのですが、この一連の流れがなかなか理解しづらく感じるお子さんが多くいらっしゃいます。
その対策として、実際に数を並べて書き出して、実証することをおすすめします。1から30までの整数を並べて、そこに5がいくつ含まれているかを確かめます。5に1個、10に1個、15に1個、…と進めてみて、25のところで5が2つあることがわかります。そこで5の倍数だけを見つけ出しても、まだ5が残っている、ということを確かめられるようになります。視覚的に理解できるように、並べた数値の中で5を含むものの下に5、と書いてみると、25の下には5が2つある、として、よりわかりやすくなります。
この問題を、ただ解き方だけを暗記してしまうと、行き詰まってしまうことが多くあります。例えば、同じようなパターンで、1から150までの積、となった場合はどうなるでしょうか。150÷5=30、150÷25=6だけでなく、5が3つから成る5×5×5=125の個数も必要になるのです。150÷125=1あまり25より、30+6+1=37(個)となります。本質的な理解ができるように、十分に気をつけてください。
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