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第8回のテーマは「割合と比 濃度」です。食塩水の濃度の定義、食塩水の濃さを変える方法、食塩水の面積図の使い方がわかることが目標です。濃度、食塩の重さ、食塩水の重さ(水の重さ)を明らかにしながら、線分図や面積図を書きながら考えていきましょう。食塩水の濃度計算は算数だけではなく、理科でも入試でよく出題される重要な単元です。何度も練習し、基本的解法を定着させましょう。
「学び1」は食塩水の濃度の基本的な知識です。166ページの上段には「濃度=食塩の重さ÷食塩水の重さ」とあります。この定義は必ず覚えましょう。注意したいのは、濃度は百分率で表すため濃度を出したら、その値を100倍して%の単位にすることです。また、食塩水の重さの部分を水の重さで割らないよう気をつけましょう。
次に166ページの線分図を見てみましょう。図の100%に対応するのが食塩水の重さ(g)で、濃度(%)に対応するのが食塩の重さ(g)となります。
具体的な数字で説明します。例えば10%の食塩水を作る場合、10gの食塩を水にとかして食塩水100gを作ればよいことになります(100gが100% にあたり、10gが10%にあたります)。これをもとに考えると、10%の食塩水を作る場合、20gの食塩を水にとかして食塩水200gを作ればよいことになります(食塩の重さを2倍、食塩水の重さも2倍にすると同じ濃度です)。
このように同じ濃度の食塩水を作る場合、はじめに100gの食塩水を作り、それを基準に比例関係を使っていけば同じ濃度の食塩水を作ることができます。食塩水の重さ(g)=食塩の重さ(g)+水の重さ(g)なので、水の重さも出すことができます。
合わせて166ページ中段に出ている食塩の重さ(g)=食塩水の重さ(g)×濃度(%)の式も使えるようにしておきましょう。食塩水の濃度がわかったら、167ページの「やってみよう!」を使って練習しましょう。食塩と食塩水の重さの関係に注意しながら考えていきます。比例の関係を使えば、同じ濃度の食塩水が何通りも作れます。何通りかの濃度の食塩水を、重さを変えて作ってみましょう。
「学び2」では食塩水の濃度を変える方法について学びます。172ページの中段にある「10%の食塩水が200g」の整理の仕方を見てみましょう。上から順に10%(濃度)、20g(食塩の重さ)、200g(食塩水の重さ)となっています。ここではこれを横に書いて(10%、20g、200g)と表していきます。
この表現方法を使って、173ページにある食塩水をうすめる方法を考えていきます。例として10%の食塩水200gに水を200g加えたら何%になるか考えてみましょう。できた食塩水の濃度を□%として整理すると、(10%、20g、200g)+(0%、0g、200g)=(□%、20g、400g)となります(水は濃度が0%で溶けている食塩も0gと考えます)。ここで□の値は20÷400=0.05となり5%となることがわかります。
次に174ページにある食塩水を濃くする方法を考えていきます。例として10%の食塩水200gに食塩を25g加えると何%になるか考えてみましょう。できた食塩水の濃度を□%として整理すると、(10%、20g、200g)+(100%、25g、25g)=(□%、45g、225g)となります(食塩は濃度が100%で溶けている食塩の重さと食塩水の重さが等しいと考えます)。ここで□の値は45÷225=0.2となり20%となることがわかります。
※「学び1」「学び2」はあくまでも初めて学ぶ食塩水についてのイメージ作りです。実際に計算できることも大切ですが、水に食塩をたくさん溶かせば溶かすほど濃くなることや、食塩水に水を混ぜればうすくなることを感覚的に身につけましょう。168ページや169ページにある「算数探検」はご家庭でもできる内容です。授業に行く前にぜひ実験をしてみましょう。授業での理解度に断然の差がつきます。
「学び3」では食塩水の面積図について学びます。入試でもよく使う実践的な方法のため必ずできるようにしましょう。175ページの面積図を見てください。食塩水の面積図では縦に濃度、横に食塩水の重さを書いていきます。面積が表す値が食塩の重さになります。
「やってみよう!」にある面積図は12%の食塩水200gと5%の食塩水150gを混ぜたときのものです。第7回の平均の面積図と同じように考えてみましょう。12%の食塩水200gと5%の食塩水150gを混ぜたとき 、全部で350gの食塩水の濃度は12%から5%の間になるはずです。
平均の線を横に引いて長方形を作ってみましょう。すると平均の線から12%の間に長方形が、平均の線から5%の間に長方形ができます。この2つの長方形の面積が等しいことを利用して12%と5%の食塩水を混ぜたときの濃度を求めていきます。(左側の横の長さ):(右側の横の長さ)=200:150=4:3です。面積が等しいことから逆比の考え方を使って、(左側の縦の長さ):(右側の縦の長さ)=3:4となることがわかります。すると比の7にあたる量が12-5=7%となります。このことから比の1にあたる量は7÷7=1%となります。したがって12%と 5%の食塩水を混ぜたときの濃度 は5+4=9%となります。
このように平均の面積図と同じように考えて、濃度の違う2つの食塩水を混ぜた時の濃度を出すことができます。176ページの「やってみよう!」は179ページの問6を使って練習するとよいでしょう。
演習としては177ページから179ページは必修です。178ページの問3~179ページの問5までは「学び2」で学んだ食塩水の整理の仕方を使う練習です。179ページの問6は問題にもある通り面積図を使う練習です。183ページの問2は食塩水を捨てる問題です。ここでは食塩水を捨てても食塩水の重さが減るだけで濃度は変わらないことがポイントです。
また、183ページから184ページの問3~問5は食塩水のやりとりの問題です。ここでも食塩水を分けた場合、濃度は変わらないことを使います。やりとりの問題の整理の仕方は解答解説の【解き方】にある図を参考にしてください。184ページの問6以降、難易度がさらに上がります。184ページの問6は同じ作業を何回も行う問題で難関校でも見られる問題です。185ページの問7、186ページの問10の問題にもぜひチャレンジしてみて下さい。
第8回のテーマは「規則性 比例のグラフ」です。第7回で学んだ比例のグラフを書き、グラフから比例の関係を表す式を作っていきます。入試でもグラフを書く問題は出題されることがあります。初めて習う内容のため、定規を使って丁寧に書いていくことを心がけましょう。
「学び1」では比例の関係をグラフに表していきます。130ページのは針金の長さAと針金の長さBの表を見てみましょう。針金の長さAが1、針金の重さBが50の列を基準に考えると、Aが2、Bが100の列ではAが2倍、Bも2倍になっていることがわかります。前回習った比例の関係です。
131ページの「やってみよう!」を使ってグラフを書いてみましょう。グラフを書くときには表にある7個の点をはっきりと書きその点を線で結んでいきます。比例の場合、0(ゼロ)を通る直線になります。グラフを書くときには、きちんと点をとり、その点のひとつひとつを結ぶ作業を怠らないようにしましょう。今回出てくるのは直線のグラフですが、グラフは書いてみないと規則性があるのかないのか、直線なのか曲線なのかどちらでもないのかなど、わからないことがたくさんあります。まずは点をとって特徴を見つけることが基本姿勢です。
131ページの「やってみよう!」では0(ゼロ)を通る右上がりの直線(これが比例のグラフの特徴です!覚えておきましょう)のグラフが出来上がれば正解です。132ページの「やってみよう!」もやっておきましょう。
「学び2」ではグラフから比例の関係をとらえていきます。133ページの長方形の面積の例を見てみましょう。ここでは縦の長さが5cmと決まっている長方形の横の長さAcmと面積B㎠の関係を考えていきます。
はじめにグラフから情報を読みとってみましょう。Aが0cmのときBも0㎠であることがわかります。ここではこれを(0、0)と表します。順番に読みとっていくと(1、5)(2、10)(3、15)…となります。カッコの中のAの値とBの値を比べると、BがAの5倍であることがわかります。このことからグラフの関係を式に表すとB=5×Aとなります。
また、Aにかける値(ここでは5)は、Aが1のときのBの値となります。つまり(1、5)の5がAにかける値です。Aが1のときのBの値がわかれば式を作ることができます。
「学び3」ではグラフから情報を読みとり式を作っていきます。136ページのリボンの長さAmと重さBgの例を見てみましょう。文章中には「AとBは比例していて、A=4のとき、B=50である。」と書かれています。これをもとにグラフを書いて、式を求めていきます。グラフは比例ということがわかっているため、0に点を書き、(4、50)のところにも点を書きます。これらの点を結ぶとグラフが出来上がります。
また出来上がったグラフからグラフ上の点をいくつか調べていくと、(1、12.5)(2、25)(3、37.5)(4、50)となります。これらの数値を表でまとめることも有効です。このことからAとBの関係を表す式はB=12.5×Aとなります。
演習としては136ページから137ページは必修です。137ページの「何が決め手?」もやってみましょう。138ページの問1はグラフから式を作る練習です。必要であればAとBの関係を表にしてみるとよいでしょう。
139ページの問3は理科でも扱われる「ばね」の問題です。部分的に比例していますが、まずは調べることから始めましょう。この問いでは図からおもりの重さが4gふえると、ばねの長さが4cmふえることがわかります。グラフに情報を書き込んでみましょう。140ページの問4はろうそくが燃える長さに注目しましょう。25分で30cm燃えることから考えていきます。
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