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第8回は『平面図形と比-まとめと応用-』です。三角形の相似を利用して、長さの比や、その長さの比を底辺の比として、面積比に利用する問題を学習します。第2回で学習した、平行線を使ったピラミッド型やクロス型の相似を見つけることがポイントになります。
また、相似な三角形が見つからない場合には、補助線を引いて相似な三角形を作る作業が必要になります。なお、分数は、分子/分母の形で表します。
上に述べましたように、補助線を引いて相似な図形を作り、この相似な図形から長さの比を利用する解法を考えます。
正六角形の分割については、ほぼ解法パターンが決まっていますので、ここで確実に身につけておきましょう。
平行線によるピラミッド型やクロス型の相似の利用です。
平行四辺形の中に2本の直線が引いてあります。ここに、相似な三角形ができています。
(1) 三角形AFEと三角形CFBは相似ですから、AF:FC=AE:BCです。AE:ED=2:1 より、AE:BC=2:(2+1)=2:3です。よって、AF:FCは、2:3です。
(2) 予習シリーズ33ページの「共通の角を持つ三角形の面積の関係」を利用します。三角形ACDにおいて、AE:AD=2:(2+1)=2:3、AF:AC=2:(2+3)=2:5ですから、面積比 三角形AFE:三角形ACD=(2×2):(3×5)=4:15で、四角形EFCDの面積は、15-4=11となります。また、三角形ACDは平行四辺形ABCDの半分の面積です。よって、11÷(15×2)=11/30 より、四角形EFCDの面積は、平行四辺形ABCDの面積の11/30倍です。
台形ABCDの中に、台形の上底・下底に平行な直線EFを引いた図形です。予習シリーズ85ページの解き方にある図を参照してください。
補助線として、Aを通りDCに平行な直線を引き、EF、BCと交わった点をそれぞれG、Hとします。ここで、三角形AEGと三角形ABHは相似になります。四角形AGFD、四角形AHCDは平行四辺形になり、AD=10cmですので、GF=HC=10cmです。その結果、EG=14-10=4cm、BH=20-10=10cmとなります。
三角形AEGと三角形ABHの相似により、AE:AB=EG:BH=4:10=2:5です。よって、AE:EB=2:(5-2)=2:3です。
平行四辺形ABCDにおいて、FG:GBを求める問題です。FG、GBをそれぞれ辺にもつ相似な三角形を見つけます。ですが、ありませんので、平行線を利用して相似な三角形を自作します。ここがポイントです。予習シリーズ85ページの解き方にある図を参照してください。
Fを通りABに平行な直線を引き、AEと交わった点をIとします。できた三角形AFIと三角形ADEはピラミッド型の相似で、相似比は、AF:AD=1:2ですので、FI=6cm÷2=3cmです。また、三角形FGIと三角形BGAはクロス型の相似となりますので、相似比 FG:GB=FI:AB=3:8です。
なお、予習シリーズの解き方にあるの[考え方2]のように、平行四辺形の外部に点Hを考えて解く方法もあります。ただし、問題用紙の余白の関係で外部に線を延ばせない場合もありますので、今回のように[考え方2]の平行四辺形の内部に点Iを作る方法を説明しました。
辺の比と面積比についての、応用を学習します。予習シリーズ87ページの説明および枠内の図形をよく読んで理解しましょう。
三角形ABCの中に直線を2本引いた図形において、線の長さの比を求める問題です。予習シリーズ88ページにある[考え方1]の方法で進めます。図を参照してください。
AFを結んで、三角形ABF、三角形BCF、三角形CAFに分割します。予習シリーズ87ページの枠内の公式1番目より、
面積比 三角形ABF:三角形BCF=AE:EC=3:2
面積比 三角形BCF:三角形CAF=BD:AB=4:3
となりますので、連比をして、三角形ABF:三角形BCF:三角形CAF=6:4:3、よって、四角形ABCF:三角形CAF=(6+4):3=10:3、同じく、枠内の公式2番目より、BF:FE=四角形ABCF:三角形CAFですので、BF:FEは、10:3です。
予習シリーズ88ページの考え方2、3も場合により有効ですが、この考え方1が、多くの場面で効果があると思います。
正六角形の分割問題を学習します。予習シリーズ90ページの例題5の前の説明をよく理解してください。
予習シリーズ90ページの解き方の図を参照してください。アは、正六角形の面積の1/6ですから、90×1/6=15平方cmです。イについて、考えます。イの四角形は三角形FGBと三角形CFBに分けて面積を求めます。三角形FGBの面積は、アと同じ15平方cmです。
三角形CFBは、三角形AFBの一部でその面積は三角形AFBの面積の2/(1+2)=2/3です。また、三角形AFBは正六角形の1/3ですので、三角形CFBの面積は、90×1/3×2/3=20平方cmです。よって、15+20=35 より、イの面積は35平方cmです。
なお、例題5の前の(図3)で、左から、面積を①、②、③とし、正六角形全体を⑥として、比を利用することで整数の処理ができることが多いです。利用してみてください。
第8回は『多角形の性質』です。多角形の対角線の本数を求める公式、内角や外角の和を求める公式を学習します。また、面積については、もととなる三角形の面積を求める工夫を学習します。
前半は、公式の利用です。成り立ちを理解して、しっかり覚えましょう。例題4と5は、多少難問ですが、挑戦してください。
予習シリーズにある公式の成り立ちの説明をよく理解しておきましょう。忘れた場合、不確かな場合に、自身でその場で公式が作れるようになります。
多角形の対角線の本数を求める問題です。公式「N角形の対角線の本数=(N-3)×N÷2」の利用です。
N=10 ですから、(10-3)×10÷2=35 より、十角形の対角線の本数は、35本です。公式の成り立ちを理解しておきましょう。
多角形の内角の和を求める問題です。公式「N角形の内角の和=180×(N-2)」の利用です。
N=10 ですから、180×(10-2)=1440 より、十角形の内角の和は1440度です。前問と同様、公式の成り立ちをしっかり理解しておきましょう。
多角形の内角1つの大きさを求める問題です。求め方が、(アとイの)2通りあります。イは、外角の和の利用です。
(ア) 例題2の「内角の和」の利用
九角形の内角の和は、180×(9-2)=1260度で、正九角形ですから、内角1つの大きさは、内角の和を9等分することで求められます。1260÷9=140 より、内角1つの大きさは140度です。
(イ) 「多角形の外角の和=360度」の利用
正多角形では、(ア)で述べたように、内角はすべて同じ大きさです。また、1つの内角とその内角にとなり合う外角の和は180度です。正九角形の外角1つの大きさは、360÷9=40度ですから、180-40=140 より、内角1つの大きさは、140度と求めることができます。
角度問題の少し難しい問題です。
ちらばっている角度の合計を求める問題で、角についての学習済みの性質を利用します。 メルマガでは、図解ができませんので、予習シリーズ77ページの解き方にある図を参照してください。
(1) 解き方にある図で、頂点AとCを結んで、三角形ABCを作りますと、この三角形の 内部に蝶々(ちょうちょ)の羽のような形ができます。解き方にある、わくでかこまれた図を理解しておきましょう。2つの三角形のそれぞれ2つの内角の和(ア+イとウ+エ)は、三角形の外角の定理により、等しくなります。
ですから、問題の図にある印をつけた角の大きさの和は、三角形ABCの3つの内角の和に等しいことになります。よって、180度です。
(2) ツノのように出っぱっている7つの角の大きさの和を求めます。まず、このツノのような7つの三角形の内角の和を合計します。180×7=1260度です。そして、ここから、それぞれの三角形の印をつけた角以外の2つずつ、合わせて14個の角度の合計を引きます。
このそれぞれの角は、この図形の内部にできている七角形の外角です(ここがポイント)。つまり、14÷7=2 より、外角の和が2組できますので、360×2=720度を引きます。よって、1260-720=540 より、印をつけた角の大きさの和は、540度です。
工夫して面積を求める方法を学習します。予習シリーズ78~79ページの説明をしっかり理解して進めましょう。
平行線が使われた図形の面積では、底辺を動かさずに、一方の平行線上にある頂点をこの直線上に移動させても面積は変わりません。この操作は「等積移動」といわれます。また、同じく平行線が使われた問題では、前問にもありました、蝶々の羽の形もよく利用されます。これらのことは、上級学年でも重要になります。
(1) 正方形の中に3つの三角形がかかれています。底辺は同じ辺の上にありますので、これらの三角形の頂点を正方形の左上の頂点に移動 (等積移動) させると、正方形の対角線を使った直角二等辺三角形になります。つまり、面積は正方形の面積の半分です。6×6÷2=18 より、青い部分の面積の和は、18平方cmです。
(2) 頂点の角(頂角)が30度で、等しい辺の長さが6cmの二等辺三角形の面積を求めます。ふつうに考えると、高さがわかりませんので求められません。予習シリーズ79ページの解き方にある図2を参照してください。辺ABを底辺とすると、図2にあるように、頂点Cから辺ABに下した直角の線CDが高さになります。
ここに、三角形ACDができましたが、3つの角は、30度、60度、90度の直角三角形で、例題前の説明にあるように、「最長辺の長さが最短辺の長さの2倍」になっています。結果として、底辺ABの6cm、高さAD=6÷2=3cmですから、6×3÷2=9 より、この三角形の面積は、9平方cmです。
この30度、60度、90度の直角三角形は、今後も、よく出てきますので、辺の長さの性質である「最長辺の長さが最短辺の長さの2倍」を覚えましょう(重要です)。
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