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今回の目次は以下の通りです。
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1、なぜ過去問演習が不可欠なのか?
2、過去問をより有効活用するための演習の進め方とは?
3、過去問演習はいつから始めればよいのか?
4、過去問演習をより効果的にするために必要なこととは?
5、まとめ
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夏休みも中盤を迎え、6年生の方々は9月からの本格的な志望校対策に向けて、日々演習を重ねておられることでしょう。塾によってはすでに過去の入試問題(以下、過去問)の演習をスタートしているところもありますが、この過去問演習こそが志望校合格のための最重要プロセスなのです。今回は、過去問演習を進めるうえで、ぜひご注意頂きたいポイントをお伝えしていきます。
まず大前提として、過去問演習が以下の3つの理由から、志望校対策において不可欠であることを認識しておいてください。
中学受験の入試問題は学校によって傾向が大きく異なります。例えば国語で記述問題が多いのか、記号選択問題が多いのか、算数で解答のみの形式か、式や考え方をかかせる形式なのか。また、制限時間の中で、どのように自分の解答時間を配分するかは、過去問でしかわからないことです。そうした問題傾向、時間配分を知るためには、過去問を演習することが最も早く的確なアプローチとなります。
自分が解く問題に志望校の名前があるだけでも、その学校を受験するのだという自覚が芽生えます。同時に緊張感も高まりますが、その緊張感が集中力をアップさせる効果があるのです。
苦手分野をピックアップして対策するのは模試や普段のテキストでもできることでは、と思われるでしょうが、過去問であるからこそ、より高い点数を求める気持ちになり、だからこそ誤答への悔しさもより強くなります。間違いの原因がどこにあったのか、それを振り返る際に悔しさがあることが、苦手な問題を克服しようという精神面での下支えになるのです。
このように志望校対策において不可欠である過去問を有効活用するには、どのように解き進めていけばよいのでしょうか。ここからは具体的な進め方について触れていきます。
小学生のお子さんにとって問題傾向を認識することは、決して簡単ではありません。少しでも多く問題を解いておきたいところですが、時間に制限があります。ひとつの目安が以下の通りです。
ただし、1月校を併願でお考えの際に、ぜひ気をつけて頂きたいことがあります。市川、渋谷幕張、浦和明の星などの1月校の中でも難関と称される学校は、問題傾向がかなり特殊で、非常に解きづらいことがあります。そうした学校を志望される際には、第一志望でなくとも7、8回以上は演習しておく必要がありますので、十分に注意しておいてください。
必ずどちらかでなくてはいけない、というルールはありませんが、古い年度から最近の年度へと解き進める方がよいでしょう。というのも、問題傾向がわずかでも変わっている学校の場合は、より最近の傾向に合った問題を入試近い時期に演習した方が、最新の傾向をインプットして入試に臨むことができるからです。
ただし、最新年度の問題は、最後のシミュレーション用として使えるので、演習する順番を最後にした方がよいです。
科目によっての違いはありますが、できれば夏休み中に演習をスタートさせましょう。国語は、未習単元がほとんどないので、早めの時期からのスタートが可能ですし、他の3科目も基礎的な力を身につけたうえで、少しでも早めにスタートしておきたいところです。
夏休みから過去問演習をスタートするのは早いのではないか、とお考えになるかもしれませんが、先程お伝えした過去問の演習量から考えると、夏休み中に始めなければ入試本番までに間に合わなくなってしまう危険性があるのです。
例えば、第一志望校を10回分、第二志望校を8回分、第三志望を6回分、第四志望以下(2校)で4回分×2校=8回分としても、全部で10+8+6+8=32回分となり、毎週2回分というペースで進めても16週=約4か月が必要です。1月校は早めに仕上げる必要があること、学校によってはプラスアルファの演習が必要であることなどを考えると、毎週2回以上のペースとなり、それを維持するのは、かなり大きな負担となります。本格的な演習は9月以降からとしても、余裕があれば夏休み中から解ける問題だけでも解き始めておきましょう。
合格するための基準点はあくまで「合格者最低点」です。「合格者平均点」は、上位合格者が大きく点数を上げている可能性がありますので、あくまで参考とすればよいでしょう。特に過去問を解き始めてすぐは、驚くくらいに点数がとれないケースが多くあります。まだ問題の傾向に慣れていないこと、過去問だからこそ少しでも高い点数をとりたいという気持ちから、普段はできている見直しや時間配分への意識が抜けてしまうことなどが理由として考えられます。
過去問を解き始めた段階での点数に左右されることなく、まずは「受験者平均点」を目標に、それがクリアされたら「合格者最低点」へと目標をアップさせていきましょう。
問題を解いて丸つけをするのはもちろんですが、最低でも以下のことはやっておいたほうがいいでしょう。
得点をどこかに記録しておいてください。そのデータが、最終的な出願校を決定する際に役に立ちます。(最近の過去問題集には得点記入欄のあるものが多いですね。)⇒配点がわからない場合には正解率だけでも記録しておきましょう。
間違えた問題を解き直してください。できれば自力で解き直すのが理想ですが、それができなければ先生に質問してください。⇒質問できない環境の場合は、次善の策として、解説のページを読むなどして解法や理由を確認しておきましょう。
反省点を挙げてください。たとえば「結果的にこの問題に手をつけたのは失敗だった。あの問題のほうが解ける可能性はあった。」「この問題に時間をかけるべきではなかった。計算の解き直しをしたほうがよかった。」といったような短いコメントで結構です。できればこれを簡単な書面にしておき、親子で共有して作戦会議をするのもお勧めです。
この他、間違えた問題を親御さんがコピーしてノートに貼り付け、自分専用の『「要」復習ノート』を作る、というのもいいことですが、これは負担も大きいので、あまり無理をなさらないでください。コピーをしなくても、たとえば「何年度の過去問では何番を間違えた」というリストさえ作っておけば、ずいぶん負担は減らしてほぼ同じ効果が得られるはずです。
過去問演習は志望校の問題傾向、時間配分を知ることのできる唯一の教材であるだけでなく、苦手分野を克服しなければ志望校に合格できないと自覚できるという点でも、志望校対策に不可欠な最高の教材なのです。その教材を有効に活用するためには、第一志望であれば10回分など、十分な演習量が必要になります。そのため、過去問演習は夏休みからスタートすることが望ましいのです。過去問はただ演習して終わりにしてしまっては、効果が半減してしまいます。目標点を設定して、解き終わった問題は記録表で管理をして課題を把握する、という一連の流れがあって初めて、過去問が最高の教材となり得ることを、ぜひ心に留めておいてください。
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