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10月度の組分けテストは、5年生、4年生ともに重要単元が出題範囲となりますので、十分な対策を進めたいところです。特に5年生は「比」という中学受験算数の中でも最重要単元のひとつを演習することになります。ここで「比」をしっかりマスターすることは6年生になってからの算数の進め方にも大きく影響すると言っても過言ではないでしょう。4年生も数に関する問題という、こちらも受験で頻出の単元となります。
重要単元だけに万全の構えで臨みたいのだが、どこに注意して復習を進めればよいのか、迷われてはいないでしょうか?そこで今回は、10月度組分けテスト対策について、ぜひ気をつけて頂きたいポイントを、5年生は第5位から第1位まで、4年生は第3位から第1位までのランキングのかたちでご紹介します。
このランキングを参考に復習を進めて、ぜひ万全の構えで組分けテストに臨んでください!
また、5年生は攻略ポイントだけでなく予想問題付きです。解説も準備しますので、間違えた箇所はとくに読み込んで本番で同じ間違いをしないように注意してください。問題は明日9/28(金)のお昼ごろ 鉄人会のHPにアップ致します。アップが完了しましたら、メルマガ、フェイスブック、ツイッターでもお知らせ致しますので、ぜひ鉄人会のフェイスブック、ツイッターもフォローしてください!予想問題をアップするページはこちらです。ぜひ、ブックマークをしておいてください!
それではランキングの発表です。まずは5年生の第5位からです!
比の文章題は問題文から比の関係を作り、それをもとに「比の1あたり」を求めていくという手順で考えていくと解き易いでしょう。
「A君はミカン8個とリンゴ5個を買い、B君はミカン3個とリンゴ7個を買ったところ、2人の代金は等しくなりました。また、C君はミカン5個とリンゴ4個を買ったところ代金は900円になりました。このときA君の代金はいくらですか。」
という問題を考えてみましょう。
まず、比の関係を作ります。問題文から ミ×8+リ×5=ミ×3+リ×7 となり、これを整理して ミ×5=リ×2 となります。ここで逆比を利用して、ミカン1個とリンゴ1個の比を求めると ミカン:リンゴ=2:5 となります。
次に「比の1あたり」を求め、ミカンとリンゴの値段を求めます。C君の条件から「比の1あたり」は 900÷(2×5+5×4)=30(円)となり、ミカン1個は 30×2=60(円)、リンゴ1個の値段は 30×5=150(円)と求まります。
したがってA君の代金は 60×8+150×5=1230(円) と求まります。
この考え方は比の文章題の基本となる考え方なので、練習して必ずできるようにしましょう。
「高さが等しい三角形の面積の比は、底辺の比と等しい」という重要な考え方があります。この考え方を使って補助線を引き、応用問題でも考えられるようにしていきましょう。
「三角形ABCがあります。辺ABの延長線上にAB:BD=1:2となる点Dを、辺BCの延長線上にBC:CE=1:3となる点Eを、辺CAの延長線上にCA:AF=1:4となる点Fをそれぞれ取ります。3点D、E、Fを結んでできる三角形DEFの面積は三角形ABCの何倍ですか。」
という問題で練習してみましょう。
問題文の条件に合うように図をかきます。完成した図を見ると、「高さの等しい三角形」がありません。そこで補助線を引いて「高さが等しい三角形」を作ります。
まず、頂点Dから頂点Cに補助線を引いてみましょう。すると「高さの等しい三角形」、三角形CABと三角形CBDができます。三角形ABCの面積を1とすると、AB:BD=1:2より、三角形CBDの面積は 1×2=2 となります。また、この補助線DCを引くことにより三角形DBCと三角形DCEも「高さが等しい三角形」になっています。三角形DBCの面積は2だったので BC:CE=1:3より、三角形DCEの面積は 2×3=6 となります。 同様に、補助線EA、FBを引いて考えると、三角形EACの面積は1×3=3、三角形EFAの面積は 3×4=12、三角形FABの面積は 1×4=4、三角形FBDの面積は 4×2=8 とそれぞれ求まります。したがって、三角形DEFの面積は 1+2+6+3+12+4+8=36となり、三角形DEFの面積は三角形ABCの面積の 36÷1=36(倍)と求まります。
このように図形の問題では、補助線を引くと見通しが良くなりあっさり解ける問題が多いです。ただ、お子さんに「補助線を引いてみよう」というと「補助線の引き方が分からない」という反応が返ってくることが多いと思います。「引き方」と難しく考える必要はありません。「自分の知っている形を作る」と考えてみましょう。そうすれば今回のような補助線も引けるようになってきます。がんばって練習していきましょう。
割合と比の文章題では「和が一定」でも「差が一定」でもない場合に、比例式を使って問題を解いていきます。A:B=C:Dのとき、A×D=B×C になる考え方を使います。
「はじめの兄と弟の所持金の比は6:5でしたが、兄が1000円を使い、弟が500円を使ったところ、兄と弟の残りの所持金の比は4:5になりました。兄ははじめにいくら持っていましたか。」
という問題を考えてみましょう。
はじめの兄の所持金をマル6、弟の所持金をマル5とします。比例式を作ると(マル6-1000):(マル5-500)=4:5 となります。式を整理して (マル6-1000)×5=(マル5-500)×4、マル30-5000=マル20-2000、マル10=3000、マル1=300 となります。したがって、はじめの兄の所持金は 300×6=1800(円)と求まります。
比例式が利用できると、意外と簡単に解けてしまいます。実はこの方法は「和が一定」のときでも「差が一定」のときでも使うことができます。計算力に自信があるお子さんは、問題文からそのまま比例式を作って計算するのでかなり早く解くことができます。ぜひ練習して身につけましょう。
次の問題を考えてみましょう。
「お財布の中に100円玉と50円玉が合わせて20枚入っています。100円玉だけの金額の合計と50円玉だけの金額の合計の比は 1:2 です。お財布には全部で何円入っていますか。」
この問題でよくある間違いは、100円玉と50円玉の枚数の比を (100÷1):(50÷2)=4:1 としてしまう間違いです。数字の意味を考えると「1枚あたりの金額÷金額」となり意味のない式になっています。これはお子さんの経験上、文章題では大きな数を小さい数で割ることが多かったため、数字の意味を考えずに計算してこのような間違いになっていると考えられます。このような勘違いを直すために「比は一番簡単な整数の比で表すのが決まりだから1:2という比は、見た目は小さな数だけども、もともとは 1000(円):2000(円) とか 5000(円):10000(円)を簡単にしているかもしれないよ。だから見た目の数字は小さくても「金額」という意味で考えないといけないよ。」とお子さんに伝えてみてはいかがでしょうか。例に挙げる金額は極端に大きな数にして、「見た目は小さな数でも、もともとは大きな数だったはず」という印象を付けられると今後間違いが減っていくと思います。
では問題を解いていきます。「枚数=金額÷1枚あたりの金額」なので、100円玉と50円玉の枚数の比は (1÷100):(2÷50)=1:4 となり、100円玉は 20÷(1+4)×1=4(枚)、50円玉は 20-4=16(枚)と求まります。したがって、お財布には入っていた金額は 100×4+50×16=1200(円)と求まります。
比の積、比の商の考え方は、文章題だけではなく図形などでも使っていきます。しっかり練習していつでも使えるようにしておきましょう。
平面図形の応用問題では「ピラミッド型」や「クロス型」を見つけて、その比を利用して問題を解いていきます。
「長方形ABCDがあります。AE:ED=BF:FC=2:3、DG:GC=4:1となるように3点E、F、Gをとります。AGとEFの交点をH、BDとEFの交点をIとすると、台形ABIHの面積は長方形ABCDの面積の何倍ですか。」
という問題を考えてみましょう。
図をかいてみるといろいろな相似が見つかります。ここで、AB=マル5とするとDG=マル4、GC=マル1となります。三角形AEHと三角形ADGが「ピラミッド型」の相似になっています。相似比は 三角形AEH:三角形ADG=2:5なので、EH=マル4×2/5=マル8/5と計算できます。また、三角形DEIと三角形BFIは「クロス型」の相似になっています。相似比は 三角形DEI:三角形BFI=3:2 なので、EI=マル5×3/5=マル3と計算できます。このことから、EH:HI:IF=8/5:(3-8/5):(5-3)=8:7:10 とわかります。台形ABIHと長方形ABFEは高さが等しい四角形なので面積の比は、台形ABIH:長方形ABFE=(7+25):(25+25)=16:25 となります。長方形ABFEは長方形ABCDの2/5なので、台形ABIHは長方形ABCDの 2/5×16/25=32/125(倍)と求まります。
相似を見つけられるかは経験値に左右されます。多くの問題を解いて、見たことがある図形を増やすことが経験値を増やすことにつながっていきます。積極的に問題演習に取り組み、経験値を増やしていきましょう。
0でない2つの整数A、Bがあり、AがBで割り切れるとき、BはAの約数になります。このことから約数の問題は「割り切れる」ところに着目して考えるとよいでしょう。
「ある整数Nがあります。78をNで割ると6余り、50をNで割ると2余ります。このような整数Nのうち、最小のものを求めなさい。」
という問題を考えてみましょう。
この問題のポイントは「割られる数から余りを引けばNで割り切れる」という事です。割り切れるということから約数ですが、条件が2つあるので公約数を考えます。78-6=72、50-2=48なので、72と48の公約数を求めます。「公約数は最大公約数の約数」ですから連除法を使って最大公約数を求めると24と求まるので、公約数は{1、2、3、4、6、8、12、24}となります。ただし、Nは余りより大きい数です。したがって{8、12、24}のうち最も小さい8が答えとなります。
公約数に気をとられて、余りの条件を見落とすミスが多いです。落ち着いて問題文の条件に当てはまるものを答えましょう。
正多角形の問題では辺の長さが同じであることから、二等辺三角形を発見して考えることが多いです。問題文を読みながら、同じ長さのところに印をつけていくと発見しやすくなります。
「正六角形ABCDEFがあります。この6つの頂点を通る円をかき、さらに正六角形に重なるように円の内側に正方形CDGHをかきます。頂点Bと頂点Hを結び、その延長線と辺EFとの交点をIとします。このとき角BIFは何度ですか。」
という問題を考えてみましょう。
円を利用して正六角形の1つの内角を求めます。中心と各頂点を結ぶと、1つの二等辺三角形の中心の角度が360÷6=60(度)となり正三角形だったとわかります。したがって正六角形の1つの角度は60×2=120(度)と計算できます。
正方形の1つの内角は90度なので角BCH=120-90=30(度)となります。また、正六角形と正方形は辺CDを共有しているのですべての辺の長さが等しくなっています。このことから三角形CBHが二等辺三角形とわかり、角CBH=(180-30)÷2=75(度)となります。
ここで辺BCと辺EFは平行なので錯角が等しくなり、角CBH=角BIH=75(度)と求まります。
正多角形の1つの内角は頻繁に使うのでこれを機に覚えてしまうとよいでしょう。ちなみに正三角形は60度、正方形は90度、正五角形は108度、正六角形は120度です。
次の問題は解き方に注意しましょう。
「2けたの整数で、3の倍数でも7の倍数でもない数は何個ありますか。」
という問題を考えてみましょう。
2けたの整数の個数を求めると99-10+1=90(個)となります。
次に、2けたの3の倍数の個数を求めます。99÷3=33、9÷3=3、33-3=30(個)となります。このとき、2けたの整数の個数を使って 90÷3=30と求めないようにしましょう。同じ数字なのであっているように見えますが、ずれてしまうことがあります。
2けたの7の倍数の個数を求めます。99÷7=14あまり1、9÷7=1あまり2、14-1=13(個)となります。2けたの整数の個数を使って求めると、90÷7=12あまり6となってしまい個数がずれてしまいます。こうならないために正しく求めましょう。
2けたの21の倍数の個数は 99÷21=4あまり15、1けたの21の倍数はないので4個と求まります。
以上より、2けたの3の倍数または7の倍数の個数は 30+13-4=39(個)となり、3の倍数でも7の倍数でもない数は 90-39=51(個)と求まります。
このように、式の意味を考えないと間違えてしまうことがあります。気をつけて解きましょう。
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