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慶應義塾普通部の社会の入試問題の特徴のひとつに、塾テキストで習う内容よりも幅広い範囲からレベルの高い知識問題が出されることがあります。
昨年(2018年)度には、カタカナの表現を漢字に直した場合の言葉、逆に漢字の表現をカタカナに直した場合の言葉を選択肢から選ばせる問題が出されました。以下のような内容です。
※2018年度 第1問
中学受験生にとってはかなり難度の高い問題です。今年度も昨年度ほどの難問ではありませんでしたが、サマータイムの名称とその効果を答えさせる問題が出され、過去にも、「同一労働同一賃金」について労働格差の内容を記述させる問題(2017年度)、道路標識「ロータリーあり」の内容を答えさせる問題(2016年度)が出されることがありました。
このような小学生のお子様が普段の生活の中で吸収できる範囲を超えた知識問題を攻略するためには親御様のサポートが極めて重要となります。親御様だからこそご存知の言葉の意味や内容についてお子様に伝えるという環境こそが、慶應義塾普通部ならではの知識問題対策には必要になると考えられるのです。
こうした出題には、単に受験生の知識レベルを見るといった次元を超えた、慶應義塾普通部からの深く強いメッセージが強く感じられます。
※引用元:慶應義塾大学HP
慶應義塾の理念の中に「半学半教」という精神があります。慶應義塾のHPによると、この「半学半教」とは以下のような内容になります。
※引用元:慶應義塾HP
https://www.keio.ac.jp/ja/about/philosophy/
この精神こそが、慶應義塾普通部の知識問題出題の背景にあると強く感じられます。
「半学半教」をご家庭に当てはめてみると、先に学ばれた「親御様」と、後で学ぼうとする「お子様」という関係に置き換えられます。親御様は先に学ばれた者として、お子様に教え、そして時にはお子様から親御様も学ばれる。そのような親子が互いに学び合って高め合うという環境をご家庭で作られることを慶應義塾が求めているからこそ、親御様のサポートを必要とする知識問題が出題されていると言えるのではないでしょうか。
「親が子供に勉強を教えても喧嘩になってしまう」というお声を聞くことが多くあります。親御様からすればお子様への期待も大きいだけに、不安や苛立ちが先立ってしまうのは無理もないことです。お子様にしても親御様から教えられるというのはお説教と同じように考えてしまうこともあるでしょう。互いに感情的になるのは親子関係であれば当たり前のことで、親子の間で学び合うという関係を築くことはなかなか難しい障壁があるとは思われます。
だからこそあえて、ご家庭の中で「半学半教」の精神を重んじて欲しい、との意向が慶應義塾にはあると考えます。親御様は一方的に知識を押し付けるのではなく、あくまで共に学ぶという姿勢で臨まれ、時にはお子様から教えてもらうという機会をつくることも重要となります。お子様が新しく知識として取り入れたことを親御様に教えるという時間は、お子様にとって自信とモチベーションアップにもつながります。互いに知識を与え合う時間を積み重ねることによって、お子様から親御様にわからないことを質問することの気持ちのハードルも下がり、互いに学び合うという環境がより構築しやすくなるでしょう。親御様も、お子様からの質問の答えがわからない時には「自分で調べなさい」とはおっしゃらずに、まず親御様が調べてそれをお子様に伝えてみてはいかがでしょうか。親御様から受けた知識の伝承は、塾テキストに出てきた内容をただ覚えるだけの作業では得られないようなインパクトをお子様の思考回路に与えると考えられます。
人生の先輩である親御様の力なくしては対策が難しい慶應義塾普通部の社会の知識問題。その出題には、親子が互いに学び合うという環境を作ろうとするご家庭で育ったお子様を求めるという慶應義塾の意向があるように強く感じられます。慶應義塾普通部の社会の入試問題はもうひとつの面接と考えて、普段から時事的な出来事について、都度お子様と会話する機会を持たれてみてはいかがでしょうか。
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