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第26回のテーマは「割合と比 比が使われている文章題」です。今回は倍数算を確認していきます。それぞれの「学び」では「文章にある条件から比を作り出す」「文章にある条件を線分図に表す」「線分図を使って比を操作する」ことを行っていきます。
入試ではこれらを駆使して問題を解いていきます。自然と手が動くよう、問題文を読みながら書いて考える作業を何度も練習しましょう。
よく、解法が思いつかない、解法を忘れたということを耳にします。解法を瞬時に思いつく問題もありますが、算数の多くの問題は自分の学んだ整理の仕方や視点の向け方を通して解法に至ることが多いものです。つまり、書いて考えることが問題解決につながるといえます。今回の「学び」でそのプロセスをあらためて実感しましょう。
「学び1」では比を決めたり、比を数のようにあつかって計算したりします。はじめに比を決める練習をしてみましょう。194ページの【状況1】を見てみましょう。Aの3倍とBの4倍が等しいとあります。これを式にするとA×3=B×4となります。A×3とB×4は等しいため、これを1とします。つまり、A×3=B×4=1とします。
このようにするとA=1/3、B=1/4となります。したがって、A:B=1/3:1/4=4/12:3/12=4:3となります。このように等しい値を仮に1とすると、A:Bを求めることができます。
次に195ページの【状況2】を見てみましょう。この場合も【状況1】と同じように考えることができます。Cの4倍とDの5倍とEの6倍が等しいことを式で表すと、C×4=D×5=E×6=1となります。このことから、C:D:E=1/4:1/5:1/6=15/60:12/60:10/60=15:12:10となります。
次は具体量や比を操作して、新しい比を作ってみます。196ページの【状況3】を見てみましょう。「やってみよう!」にあるように、10円玉が20枚、50円玉が16枚あるときの、10円玉の合計金額と50円玉の合計金額の比を求める方法を考えます。
10円玉の合計金額は10×20=200円、50円玉の合計金額は50×16=800円となります。このことから10円玉の合計金額と50円玉の合計金額の比は200:800=1:4となります。
同じ課題を比を使って考えてみます。10円玉と50円玉の1枚あたりの金額の比は10:50=1:5となります。また、10円玉の枚数と50円玉の枚数の比は20:16=5:4となります。このことから、10円玉の合計金額と50円玉の合計金額の比は1枚あたりの金額の比と枚数の比をかけて1×5:5×4=5:20=1:4となります。
このように、具体量で計算しても、比で計算しても、合計金額の比は1:4で変わらないことがわかります。
次に197ページの「やってみよう!」を見てみましょう。ここでは「内項の積と外項の積は等しい」という比例式の性質について説明します。「内項の積と外項の積は等しい」とは、A:B=C:Dのとき、B×C=A×Dが成り立つことをいいます。このとき、A:B=C:Dの式の等号を基準にして内側にあるものを内項(BとC)、外側にあるもの(AとD)を外項といいます。
例えば1:2=4:8の比例式があります。内項の積は2×4=8、外項の積は1×8=8となり、内項の積と外項の積は共に8で等しいことがわかります。
また、このことは□︎:15=3:5のような未知の数を含んだ計算にも利用することができます。この場合、内項の積は15×3=45、外項の積は□︎×5となります。内項の積と外項の積は等しい という関係を使うと45=□︎×5となり、□︎=9となります。
「学び2」では倍数算について考えていきます。ここでは線分図を使って考えていきます。
はじめに198ページの【問題1】を見てみましょう。【問題1】は「差が一定の倍数算」です。198ページの【解き方】にある線分図を説明します。
AさんとBさんの所持金の比は2:1のため、Aさんの線の長さを2、Bさんの線の長さを1とします。450円の本を買った後のAさんとBさんの所持金の残りの比は5:1のため、Aさんのはじめの所持金の2から450円を引いたところに⑤、Bさんのはじめの所持金の1から450円を引いたところに①と書きます(450円は同じ量のため、左側にそろえて書きます)。
2つの線分図の差に注目すると2人がはじめに持っていた所持金の差は2-1=1となります。また、450円の本を買った後の2人の所持金の差は⑤-①=④となります。「2人がはじめに持っていた所持金の差」と「450円の本を買った後の2人の所持金の差」は同じため比の1と④をそろえて、④とします。
つまり、線分図の1のところを④、2のところを④×2=⑧とします。Bさんの線分図を見ると④-①=③が450円であることがわかります。したがって①=450÷3=150円となります。このことからAさんの初めの所持金は⑧=150×8=1200円となります。
このように倍数算でも、比をそろえて、「比のいくつ分=具体量」という関係を見つけていくとよいでしょう。
次に199ページの【問題2】を見てみましょう。【問題2】は「和が一定の倍数算」です。199ページの【解き方】にある線分図を説明します。
AさんとBさんの所持金の比は5:4のため、Aさんの線の長さを5、Bさんの線の長さを4として、2つの線を横につなげて書きます。AさんがBさんに500円渡したため、AさんとBさんの所持金の比は5:7となったことから、Aさんの初めの所持金から500円を引いた部分が、Aさんの残りの所持金で⑤となり、Bさんの初めの所持金に500円を足した部分がBさんの残りの所持金で⑦となります。
2つの線分図の和に注目すると「2人がはじめに持っていた所持金の和」は5+4=9となり、「AさんがBさんに500円渡したあとの所持金の和」は⑤+⑦=⑫となります。
2人がはじめに持っていた所持金の和とAさんがBさんに500円渡したあとの所持金の和は同じため比の9と⑫をそろえて、36とします。つまり、線分図の5のところを5×4=20、4のところを4×4=16とします。また、⑤のところを⑤×3=⑮、⑦のところを⑦×3=㉑とします。
線分図を見ると20-15=5が500円であることがわかります。したがって1=500÷5=100円となります。したがってAさんの初めの所持金は20=100×20=2000円となります。
次に200ページの【問題3】を見てみましょう。【問題3】は「差や和が一定でない倍数算」です。198ページの【解き方2】にある線分図を説明します。
兄と弟の貯金額の比は5:3のため、兄の線の長さを5、弟の線の長さを3とします。兄が7500円使い、弟が1000円貯金した後の兄と弟の貯金額の比は3:4のため、兄のはじめの貯金額の5から7500円を引いたところに③、 弟のはじめの貯金額の3に1000円を足したところに④と書きます。
差や和が一定でない場合、比べる比のどちらか一方の長さをそろえた線分図に書き直すとよいでしょう。この場合は初めの兄と弟の貯金額の比の5:3を最小公倍数の15にそろえていきます。つまり、兄の線分図に書かれている値をすべて3倍、弟の線分図に書かれている値をすべて5倍にします。
すると201ページの【解き方2】の2番目に出ている線分図のようになります。2つの線分図を比べると⑳-⑨=⑪が22500+5000=27500円であることがわかります。このことから、①=27500÷11=2500円となります。
ここまでは初めに作った線分図を書き換えた線分図(201ページの【解き方2】の2番目にある線分図)を利用しているため、答えを出すときには、もとの線分図(201ページの【解き方2】の1番目にある線分図)を使うことに注意しましょう。
したがって初めの兄の貯金額は2500×3+7500=15000円となります。また、この問題の解法としては、200ページにある【解き方1】の比例式を使った解法も参考にしてください。
演習としては203ページから205ページは必修です。今回は206ページ以降たくさんの問題が並びます。基本を定着させたい場合は206ページから209ページにある問1、問2、問5、問8、問9、問10、問12に取り組みましょう。
さらに難しい問題に挑戦したい場合は210ページから212ページにある問題に取り組むとよいでしょう。いずれの問題も文章中の条件を線分図、ベン図、表などに整理して、今回のそれぞれの「学び」で確認した考え方を使って取り組みましょう。
第26回のテーマは「数と計算 分数の計算4~四則混合計算•逆算~」です。今回の内容は「分数と小数が混ざったたし算•ひき算」「分数と小数が混ざったかけ算•わり算」「分数と小数が混ざった四則混合計算」「分数と小数が混ざった四則混合逆算」です。
前半のたし算•ひき算•かけ算•わり算のところでは、「すべて分数にする方法」と「すべて小数にする方法」を比較しながら計算を進めていきます。どちらの方が効率がよいか、実際に計算を行ってみることで、体感してみてください。四則混合計算や四則混合逆算は入試でも出題されます。計算する順序が大切なため、順番を書き込むなど、順序に意識を向けていきましょう。
「学び1」は分数と小数が混ざった式の計算のしかたを考えます。147ページの「やってみよう!」を見てみましょう。ここではたし算と引き算が混ざった場合を考えてみます。
「①すべて分数に直してから計算する方法」と「②すべて小数直してから計算する方法」で考えてみます。
①のプロセスを見てみましょう。はじめに分数にそろえるために0.25を1/4に直します(2行目)。次にたし算をするために3/5と1/4を通分します(3行目)。次に引き算をするために17/20と1/2を通分します(5行目)。答えは7/20となります。
②のプロセスを見てみましょう。はじめに小数にそろえるために3/5を0.6に、1/2を0.5に直します(2行目)。次に0.6と0.25をたして0.85とします(3行目)。最後に0.85から0.5を引きます。答えは0.35となります。
①の分数に直してから計算する方法では「小数を分数に直す」「通分をする」という手続きがあります。また、②の小数に直してから計算する方法では「分数を小数に直す」という手続きがあります。手続きの数だけで比較すると①の分数に直してから計算する方法の方が手間がかかるといえそうです。
しかし、1/3など小数で表すと0.333•••のように割りきれない数のときは①の分数に直してから計算する方法の方が適しているといえます。どちらの方法にも利点、欠点があるため、計算するときに判断して2つの方法を使い分けていきましょう。
次に148ページのかけ算とわり算が混ざった計算をやってみましょう。はじめに「①すべて分数に直してから計算する方法」で計算してみましょう。
3/8×1/4÷0.5
=3/8×1/4÷1/2
=3/8×1/4×2/1(1/4の分母の4と2/1分子の2を約分しましょう)
=3/16
次に「②すべて小数に直してから計算する方法」で計算してみましょう。
3/8×1/4÷0.5
=0.375×0.25÷0.5
=0.9375÷0.5
=0.1875
かけ算とわり算が混ざった計算をする場合は小数のかけ算やわり算を行うことを考えると、すべて分数に直して約分した方が効率がよいといえます。
「学び2」では分数の入った四則混合計算について学びます。基本的な考え方は、整数の四則混合計算のときと同じです。150ページの「やってみよう!」を見てみましょう。
四則混合計算の場合の計算の順序はカッコ内→かけ算•わり算→たし算•引き算です。はじめに分数にそろえるために0.625を5/8に直しています(2行目)。次に11/12と5/8を通分します(3行目)。次にカッコ内のわり算をするために帯分数を仮分数にします(5行目)。
次にわり算をかけ算にして、約分して計算します(6行目)。カッコ内を計算するため通分します(8行目)。カッコ内の計算結果を約分します(9行目)。かけ算をするため、帯分数を仮分数にします(10行目)。約分して計算します(11行目)。答えは2/5となります。
このように分数と小数の混ざった計算でも計算する順序を守って丁寧に計算していきます。
「学び3」では分配法則の使い方について復習します。151ページを見てみましょう。
12687×42+12687×66-12687×8の計算をする場合、12687は共通する数のためまとめて1つにすることができます。つまり、下のように計算します。
12687×42+12687×66-12687×8
=12687×(42+66-8)
=12687×100
=1268700
次に151ページの「やってみよう!」を見てみましょう。一見、共通する数がなさそうですが、以下のように計算します。
0.25×1.35+1/4×0.42-0.77÷4
=1/4×1.35+1/4×0.42-0.77×1/4
=1/4×(1.35+0.42-0.77)
=1/4×1
=1/4
このように、小数を分数で表したり、わり算をかけ算で表したりすることで、共通の数を見つけることができます。
「学び4」では分数の逆算について学びます。分数の逆算は整数の逆算や小数の逆算と同じように考えます。ここでは注意する逆算について解説します。152ページの「やってみよう!」を見てみましょう。
間違えやすい逆算は「ひく数が□のとき」と「わる数がが□のとき」です。はじめに「ひく数が□のとき」を見てみましょう。0.2-□=1/6の□︎に入る数を求めてみます。式は「0.2から□︎を引くと1/6になる」ことを表しています。
このことを線分図で表してみましょう。線の全体の長さを0.2とします。次に全体0.2の長さの左から□︎を適当な長さにとり、余った右側の長さを1/6とします(□︎と1/6をたした長さが0.2となるようにします)。線分図から︎□︎を求める式を考えてみると、□︎=0.2-1/6となることがわかります。
したがって、□=0.2-1/6︎=1/5-1/6=6/30-5/30=1/30となります。ひき算の逆算だからたし算と考えるのではなく、いったん立ち止まって具体的な量の関係を図に表して考えてみましょう。
次に「わる数が□︎のとき」を見てみましょう。1/3÷□︎=1/2の□︎に入る数を求めてみます。式は「1/3を□︎でわると1/2になる」ことを表しています。わり算の逆算の場合はこの表現ではわかりづらいため「面積が1/3の長方形で、面積1/3をたての長さ□︎でわると横の長さ1/2になる」とします。
このことを図で表現してみましょう。長方形を書きます。長方形の中に面積の1/3を書きましょう。たての長さを□︎、横の長さを1/2とします。図から︎□︎を求める式を考えてみると、□︎=1/3÷1/2となることがわかります。しだかって、□︎=1/3÷1/2=1/3×2/1=2/3となります。
「わる数が□︎のとき」も「ひく数が□︎のとき」と同じように、わり算の逆算だからかけ算と考えるのではなく、いったん立ち止まって具体的な量の関係を図に表して考えてみましょう(157ページにある「図は式ほどにものをいう」も確認しておきましょう)。152ページのその他の逆算にも取り組みましょう。
最後に分数が含まれる四則混合逆算に取り組みましょう。153ページの逆算に挑戦します。以下の①~⑫に逆算の過程を示します。
① (□︎+8)×2/7-1.5÷(0.125+1/4)=4
② (□︎+8)×2/7-3/2÷(1/8+1/4)=4
③ (□︎+8)×2/7-3/2÷3/8=4
④ (□︎+8)×2/7-3/2×8/3=4
⑤ (□︎+8)×2/7-4=4
⑥ (□︎+8)×2/7=4+4
⑦ (□︎+8)×2/7=8
⑧ (□︎+8)=8÷2/7
⑨ (□︎+8)=8×7/2
⑩ (□︎+8)=28
⑪ □︎=28-8
⑫ □︎=20
上記逆算の過程①~⑫の操作説明を以下に示します。初めに計算できるところから計算します。
② 1.5を3/2、0.125を1/8として、分数にそろえます。
③ 後ろのカッコ内を通分して計算すると3/8になります。
④ ÷3/8を×8/3とします。
⑤ 3/2×8/3を計算して4とします。
※⑥以降はは逆算になります。
⑥ (□︎+8)×2/7-4=4の式の左辺の計算の順序は1番目が(□︎+8)、2番目が×2/7、3番目-4のため、3番目に計算する-4から逆算します。
⑦ ⑥の逆算の結果が4+4=8となります。
⑧ ⑥の説明で2番目に計算する×2/7を逆算で、「÷2/7」とします。
⑨ 8÷2/7=8×7/2とします。
⑩ ⑧の逆算の結果が8×7/2=28となります。
⑪ ⑥の説明で1番目に計算する+8を逆算して、-8とします。
⑫ ⑪の逆算の結果が28-8=20となります。
演習としては155ページから156ページは必修です。158ページの問1は計算の順序を考えながら取り組みましょう。159ページの問2③~⑥では線分図を利用するとよいでしょう。160ページの問4は分配法則をうまく使いましょう。
161ページ問6は入試でもよく見られる形式の計算です。問題文のヒントをもとに式を変形してから計算しましょう。余裕のある場合は162ページの問7、問8に挑戦してみましょう。
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