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マンスリーテストではありますが春休みに演習した割合や平面図形、立体図形などの重要単元がテスト範囲となり、春休み直前の「速さ」も含まれるといった範囲の広いテストですので、どこから復習を進めればよいか、迷ってしまいます。しかも翌日4月14日(日)には、いよいよ『第1回志望校判定サピックスオープン』が実施されるといったハードスケジュールですので、マンスリー対策はより効率的に進めたいところです。
そこで今回は、4月度マンスリーテスト対策について、ぜひ気をつけて頂きたいポイントを、第5位から第1位までのランキングのかたちでご紹介します。
このランキングを参考に重要単元の理解をしっかり固めて、お子様ご自身の復習ポイントをしっかり攻略したうえで、ぜひ万全の構えでマンスリーテストに臨んでください!
また、攻略ポイントだけでなく予想問題付きです。過去問を分析し最も出題される可能性が高い問題を揃えてあります。解説も準備しますので、問題を解く→解説を熟読する→もう一度問題を解く、のサイクルで、解法を自分のものにしてください。問題は鉄人会のHPで公開中です。クラスアップのための強力ツールとして、ぜひご活用ください!
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それではランキングの発表です。まずは第5位からです!
割合の問題を攻略するには、図をかいて内容を整理することが重要です。例題を挙げてみましょう。
仕事の進め方が2つのパターンで示されています。桜子さんと桃子さんのうちどちらかの仕事した時間が同じであれば取り組みやすいところですが、2人ともに時間が異なるために問題内容が複雑に感じられます。このような場合は線分図を用いて内容を整理すると、対応しやすくなります。
同じ長さの線分を2本、上下に並べてかきます。どちらも全体の仕事量を表し、上が「桜子さん6時間+桃子さん5時間」のケース、下が「桜子さん3時間+桃子さん10時間」のケースとします。
桜子さんの1時間の仕事量をマル1、桃子さんの1時間の仕事量をシカク1とします。上の線では、線の途中(おおよそ半分より少し長めでよいでしょう)までを「マル6」とし、残りの部分を「シカク5」とします。これで桜子さんが6時間、桃子さんが5時間仕事をすると終えられる、という状況を表すことができました。
同じように下の線もマル3とシカク10で線を分けるようにします。
そこで上下の線分図を見比べてみると、マル6-マル3=マル3の長さが、シカク10-シカク5=シカク5の長さと同じになることがわかります。ここでマル3=シカク5より桜子さんが3時間でできる仕事量と桃子さんが5時間でできる仕事量が等しいことから、2人が1時間でできる仕事量の比は(1÷3):(1÷5)=5:3と求めることができるのです。
慣れてくれば線分図をかかなくても、例えば「桜×6+桃×5」という式と「桜×3+桃×10」という式をたてに並べ書いて、桜×3=桃×5とすることもできますが、まずは図をしっかりかいて視覚的イメージを固めたうえで内容を整理することが大切です。ぜひ図をかいて解く方法を実践してみてください。
ここでは「道順」の問題を取り上げます。マス目の入った図で、最短距離で進んだ場合の始点から終点への行き方が問われる問題です。
塾の授業では、マス目の角に数値をかき入れて、その数を足して終点までたどりつく、という方法を学習し、お子さんもそれを実践するでしょう。もちろん解法はその通りなのですが、危険なのが、数値のかき入れを「機械的」に覚えてしまっていることです。マス目の外枠にある角には「1」を入れて、後は足していく、とだけ覚えてしまっていると、少し応用が入った問題に対応できなくなってしまうのです。なぜ数値を足して角の数値を算出するのか、その理由をしっかり理解するようにしてください。
わかりやすく例を挙げましょう。
まず先ほど触れたように正方形の外枠の縦、横の線上の角に「1」をかき入れます。なぜこれが1なのかですが、それはその点に行きつく方法が1通りしかないということです。Aから右どなりの点に行くのは、もちろん1通りで、そこからさらにもうひとつ右に行くには、新しい行き方が加わりませんので、そのまま1になります。これが「最短距離」でなければ、迂回して行く方法がいくつも出てきますが、ひとつだけ進む、となると新しい行き方が加わらなくなるのです。このように、ただ縦や横にひとつだけ移動する場合には、行き方が増えませんので、数は変わらなくなります。
次に、Aを含む小さな正方形の、Aと対称の位置にある点に入る数値ですが、先に答えを言うと、1+1=2の2になります。この1は、小さな正方形のAのとなりの角にかき入れた1にあたるのですが、ここで1+1になる理由を把握するために、矢印をかき入れてみましょう。1とかき入れた角の点から、求める点に矢印をひくと、下からと左から、2本の矢印になります。下の点から1通り、左の点から1通り、その2つを足すので、1+1となります。
いま2とかき入れた点の右となりの点に入る数はいくつでしょうか。2から右にひとつ行くのに行き方は増えませんので、右への矢印は2、そこに下の点から矢印がひけますので、下の点にある1を加えて、2+1=3となります。
このようにして、左から右へ、下から上への最短距離で進む場合の角の数を出すには、その左と下にある数を足せばよい、という方法につながるのです。
この成り立ちを理解しておけば、例えば途中である点を通らない行き方、といった難しい問題にも対応できます。通らない点に☓(ばつ)を入れてしまえば、そこには矢印をつなげることはできませんし、またその☓から矢印が出すこともできません。つまりその☓の点は存在しない、と考えられるのです。まずは基本のかたちを暗記するのではなく、しっかり理解してから応用型に進むようにしましょう。
通過算については、今回のテストの後半で応用問題として出題される可能性もあります。少しでもわかりづらい場合や、解法の記憶が曖昧な場合は、ぜひ時間をかけてでも図をかいてみてください。あるいは消しゴムを列車に見立てて、状況を再現してみてもよいでしょう。視覚的な再現ができれば、理解が一気に進められることがあります。
例えばこんな問題はどのように対応すればよいでしょう。少し長くなります。
といった問題です。
問題文が長いので複雑に見えますが、内容をしっかり整理できれば決して解きづらいものではありません。まず(1)では、列車の長さを比較するように言われています。これは裏返せば、差さえ求められれば、列車の長さそのものは求めなくてよくてよいということです。与えられた数値を整理しましょう。
まずは「速さ」ですが、列車Aが分速900mですから秒速にすると900÷60=15(m/秒)、列車Bが分速1200mですから秒速にすると1200÷60=20(m/秒)となります。
次に「時間」を活用することで、2つの列車が走った距離が出ます。
(トンネルの長さ)+(列車Aの長さ)=15×94(秒)=1410(m)
(トンネルの長さ)+(列車Bの長さ)=20×75(秒)=1500(m)
このように上下に並べてみると、よりポイントがはっきりしてきます。トンネルの長さは共通していますので、上下の値の差がそのまま列車の長さの差となります。よって答えは、1500-1410=90より、列車Bの方が90(m)長い、となります。
速さと時間から、トンネルの長さと列車の長さの和を出す部分ですが、すぐに式が浮かんでこない場合は、少し時間をかけてでも図をかいてみてください。上にトンネルと列車Aをならべ、トンネルの位置は変えずにそのまま下にスライドして、列車Bをかき込めば、長さの違いが視覚的にもわかりやすくなります。特に今回のような長さの差を求めるためには、図を活用する手間は省かないでください。
次の(2)ではトンネルの長さを解くことになります。トンネルの長さを導き出すためには、どうしても列車の長さが必要になります。というより、列車の長ささえわかってしまえば、もう勝負はつくことになります。
そこで問題文でまだ使っていない部分、列車Aと列車Bがすれ違うという状況を活用します。列車同士のすれ違いについて理解が曖昧な場合は、焦らず図などを使って再現してください。列車同士が向かい合ってすれ違うとき、そこでかかった時間に2つの列車の速さの和をかけると、2つの列車の長さの和になります。ここでピンときたお子さんもいらっしゃるのではないでしょうか。(1)で列車の長さの差が求められていますので、ここに列車の長さの和が求められれば、和差算の考え方を使って、2つの列車の長さを出すことができるのです。
式にしてみましょう。まずは2つの列車の速さの和に時間をかけて、列車の長さの和を出します。(15+20)×8=280(m)となります。和が280で差が90ですので、(280-90)÷2=95(m)で列車Aの長さが求まりました。この式の意味が曖昧な方は、すぐに和差算の単元を見直してください。和差算の考え方は、速さだけでなく、図形などでも使われることがあります。早めに固めましょう。問題に戻ると、列車Aの長さが95mとなりましたので、(1)で出した、(トンネルの長さ)+(列車Aの長さ)=1410(m)より、トンネルの長さは1410-95=1315(m)として答えに行きつきました。
あえて応用問題について長々と説明しましたが、単に通過算の問題としてだけではなく、問題文にある材料のひとつひとつを活用して、あとは問題の誘導に従えば、一見難しそうな問題でも、攻略することができることのサンプルとしてご紹介しました。
今回のテストでは、回転体の出題が予想されます。回転体とは、直線を回転軸として平面を回転させたときの、平面が通過する部分の図形について問うものです。特に注意して頂きたいのが、回転する平面が、回転軸から離れたところにあるパターンです。
例題を挙げてみます。メルマガでは図がかけませんので、まずは図をご説明しますので、実際にかいてみてください。
PQも面ABFEもいずれも底面に垂直ですので、回転してできる立体は高さ15cmの柱体となります。問題はこの立体の底面積です。ここでは、「点Pを中心として1回転したときに、辺ABが通った部分の面積」が底面積となります。
いわゆる軌跡の問題ですが、360度回転させるので、円のかたちになることはすぐにわかります。ここではPから最も遠い点とPを結んだ線を半径とする大きな円と、Pから最も近い点とPを結んだ線を半径とする小さな円との間にできる部分が答えになります。つまり、真ん中が空いたドーナツ型になります。
Pから最も遠い点がA(またはB)になることはすぐにわかるでしょう。問題はPから最も近い点がどこかです。ここでは、PからABに垂線を下して、ABとの交点をRとした場合に、そのRが最も近い点になるのです。
PRの長さがわかっていませんが、PRを半径とする円の面積を求めるので、PR×PRの値がわかればよいことになります。三角形PRAに注目してみましょう。この直角二等辺三角形の面積はPR×PR÷2で求められます。また三角形PRAはPRを1辺とする正方形の半分になります。正方形の面積は「対角線×対角線÷2」の式でも求められます。この正方形の対角線は12cmの半分の6cmですので、PR×PR÷2=(6×6÷2)÷2より、PR×PR=6×6÷2=18となります。
そこで求める底面積は(6×6×3.14-18×3.14)×15=(18×15)×3.14=270×3.14=847.8(立方cm)となるのです。3.14計算をまとめることにも注意しましょう。
立体の回転体は平面の回転体よりも対応しづらく思えますが、平面の回転体の考え方がしっかり固まっていれば、十分に解き進めることができます。苦手な生徒さんはぜひ平面の回転体を復習してみてください。
今回は面積比の問題の出題が予想されます。特に補助線をひいて面積の比を求めさせるタイプの問題は、今回のテストで勝負の分かれ目のひとつになる可能性が高いので気をつけてください。具体的な問題を挙げてみます。メルマガでは図がかけませんので、ぜひ図をかいてみてください。
図はかけましたでしょうか。三角形ABCのうち、三角形AED、三角形DFCの面積はわかっているので、あとは四角形BEDFの面積がわかれば、正解に行きつけますが、この四角形の面積は公式を使って求められるものではありません。そこで、補助線のひき方が大事になってきます。ここでは、BとDを結んで、四角形を三角形BDEと三角形BDFに分けて考えることにします。これは、すでに面積がわかっている三角形AEDと三角形DFCに隣接する三角形をつくると、解きやすくなる効果があるためです。ここから計算になります。
まず三角形AEDと三角形ABDは、どちらもAB上に底辺を考えると高さの等しい三角形になりますので、三角形AEDの面積:三角形ABDの面積=AE:AB=5:8です。よって、三角形ABDの面積は、30×8/5(8分の5)=48(平方cm)となります。同じようにして、三角形DFCの面積:三角形BCDの面積=4:7より、三角形BCDの面積は、50×7/4=87.5(平方cm)と求められます。こうして三角形ABCの面積が、48+87.5=135.5より、135.5平方cmと導き出せるのです。
補助線のひき方をしっかり身につけておかなければ、時間がかなりかかってしまうタイプの問題です。どのように図形を切ればよいのか、という点を意識するようにしましょう。
また、特殊なかたちの三角形にも十分に注意しておきましょう。具体的には、頂点の角度が30度の二等辺三角形の面積を、等しい辺の長さのみが与えられている場合に求める方法です。例えば三角形ABCで、辺AB=辺AC=6cm、角BAC=30度といった場合、ABを底辺として、点Cから辺ABに垂線をおろし、ABとの交点をHとします。これでAB×AH÷2で面積が求まります。このAHの長さですが、ABを軸にCから線対称な位置に点Dを置くと、三角形CADが1辺6cmの正三角形になります。CHはその半分ですので、3cmとなります。よって面積は6×3÷2=9(平方cm)と求められます。
この正三角形を半分にしたかたち(90度、60度、30度の直角三角形)が利用されることが多くありますので注意してください。上記の頂角30度の二等辺三角形はよく見るかたちですが、その他にも、例えば頂角150度の二等辺三角形でも、その頂角の外角が30度になることから、正三角形の半分のかたちが利用できるのです。より多く類題を解いて、様々なパタ-ンを習得しましょう。
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