No.1594 日能研6・5年生 第28回算数対策ポイント!

<算数 6年生 第28回>

 第28回のテーマは「割合と比 お金に関する問題」です。今回の目標は「売買の場面で使う言葉を正確に捉えること」「原価、売値、利益の関係を線分図に整理すること」「売買の問題を面積図を使って解くこと」です。

 授業前の準備としては割合の復習が必須です。「原価の10%の利益を見込んで•••」や「定価の5%引きで•••」などの表現が出てきます。割合の基本的な内容についてあらためて確認をしておくと、今回の内容がよりスムーズにわかります。

 売買に関する問題は入試では頻出単元です。言葉の意味を正確に捉え、図に整理することで、複雑な条件でも対応することができます。丁寧に図を書いて考えていきましょう。

【対策ポイント】

 「学び1」では売買の場面で使う言葉を確認します。246ページを読んでみましょう。まほさんは画廊を開店して絵を売るお店を始めました。まほさんは自分で絵は描けないため、絵を買って、その絵を売ることにしました。物語を順に追って行きましょう。

①まほさんは1枚の絵を10万円で書いました。これを原価(仕入れ値)といいます。
②まほさんはその絵を10万円で売ると得をしないため、30万円で売ることに決めました。これを定価といいます。
③もし、絵が定価で売れれば30-10=20万円もうかります。これを利益といいます。
④まほさんはこの絵を割り引きして25万円で売りました。実際に売った値段を売値といいます。
⑤まほさんの実際の利益は25-10=15万円となりました。

 ここでは「原価」「定価」「利益」「売値」の言葉の意味がわかればよいでしょう。これらの関係を246ページの線分図で確認しておきましょう。

 「学び2」では品物が1個の売買の場面について考えていきます。247ページの文章を読んで「原価」「定価」「売値」について考えてみましょう。はじめに原価は1000円です。また、原価の60%は1000×0.6=600円となることから、原価の60%利益を見込んでつけた定価は1000+600=1600円となります。

 ここで、赤字にならないようにするには、定価の最大何%引きまで可能か考えてみましょう。赤字とは売値が原価より少なくなり利益が出ないことをいいます。つまり、赤字にならないためには最低でも原価と同じ値段の1000円で売らなければなりせん。この場合、売値は定価の何%かを考えてみましょう。

 定価の1600円を1と考えます。すると1000円は比の1000÷1600=0.625となります。これは1-0.625=0.375となり、37.5%引きとなります。したがって赤字にならないようにするには、定価の最大37.5%引きまで可能となります。

 「学び3」では品物が複数個の売買の場面を考えてみます。複数個の品物を扱う場合は1個の場合と少し違います。

 例えば原価100円の品物を3個買ったとします。この場合、仕入れにかかる金額は100×3=300円となります。3個の合計の仕入れ値を仕入れ総額といいます。

 また、1個100円で仕入れた品物をそれぞれ200円、160円、110円で売ったとすると200+160+110=470円が売値の合計となります。売値の合計を売上といいます。

 3個の商品を仕入れ総額300円で仕入れ、売上が470円であることから、利益の合計は470-300=170円となります。この170円を総利益といいます。

 このように、品物が複数個ある場合は品物の種類が違ったり、状況によって売値が1つひとつ変わるため、原価の合計を「仕入れ総額」、売値の合計を「売上」、利益の合計を「総利益」といいます。

 次に売買の問題を面積図で考えてみましょう。

 249ページの【場面】と【面積図】を見てみましょう。はじめに面積図の説明をします。売買の面積図は縦に原価、その上につなげて利益を書きます。横は個数となります。原価×個数で表される長方形の面積は仕入れ総額を示します。

 また、その上にのっている利益×個数で表される長方形の面積は総利益を示しています。縦の長さの合計は原価と利益の和のため定価を表します。したがって、定価で全部の品物が売れた場合、定価(原価+利益)×個数で表される長方形の面積は売上を示します。

 実際に面積図に数字を書き込んでみましょう。Aさんがある品物50個を1個100円で仕入れたため【面積図】の長方形の横の長さの個数のところに50個、縦の長さの原価のところに100円を書き込みましょう。また、原価の2割は100×0.2=20のため、縦の長さの利益のところに20円を書き込みましょう。

 原価×個数=100×50=5000円となるため、仕入れ総額を示す下にある長方形の面積は5000となります。利益×個数=20×50=1000円となるため、総利益を示す上の長方形の面積は1000となります。長方形の全体の面積は5000+1000=6000となり、これは定価で全部の品物が売れた場合の売上を示しています。

 「学び4」では面積図を使って売買の問題を解いてみます。250ページを見てみましょう。中段にある問題では定価500円のお弁当を初めは定価で売り、途中から定価の10%引きで売ったところ、合計で100個が売れ、売上が48250円となっています。定価の10%引きの値段は500×(1-0.1)=450円となります。

 したがって、問題を整理すると、500円のお弁当を◯個、450円のお弁当を△個売って、売上は48250円となります。売れたお弁当の個数の合計は100個です。このことを式で表すと500×◯+450×△= 48250、◯+△=100となります。

 和の式で表された品物の個数の合計がわかっていて、和と積の式で表された売上がわかっていることから、つるかめ算で解くことができます。この2つの式を満たす◯と△を求めていきます。

 250ページの面積図に数字を書き込んでいきましょう。左側の長方形の縦の長さの「定価」のところに500円と書きます。次に右側の長方形の縦の長さの「10%引きの売値」のところに450円と書きます。左側の長方形の横の長さのところに◯個、右側の長方形の横の長さのところに△個、横の長さ全体の「個数」(◯+△)のところに100個と書き込みます。

 左側の長方形と右側の長方形の面積の和が売上となることから、これらの図形の真ん中に48250円と書き込みます。これで面積図は完成です。

 はじめに左側の長方形の横の辺と右側の長方形の縦の辺を延長して縦の長さが定価(500円)、横の長さが個数の合計(100個)の長方形を作ります。この大きな長方形の面積は500×100=50000となります。

 左側の長方形の面積と右側の長方形の面積の和は48250であることから、右側の長方形の上にできた長方形の面積は50000-48250=1750となります。この長方形の縦の長さは左側の長方形の縦の長さの500と右側の長方形の縦の長さの450の差で500-450=50となります。

 このことから、右側の長方形の上にできた長方形の横の長さは1750÷50=35となります。このことから450円のお弁当を売った個数(△)は35個とわかります。したがって500円のお弁当を売った個数(◯)は100-35=65個となります。

 演習としては251ページから253ページは必修です。255ページの問1から256ページの問7までも理解を深めるために取り組みましょう。さらに難度の高い問題に挑戦したい場合は257ページの問8、258ページの問12、問13、259ページの問17に取り組みましょう。

<算数 5年生 第28回>

 第28回のテーマは「平面図形 円とおうぎ形」です。今回の内容は「円やおうぎ形に関する言葉を覚える」「円周を求める式について考える」「円の面積を求める式について考える」「おうぎ形の孤の長さを求める」「おうぎ形の面積を求める」です。

 円やおうぎ形の導入となります。そのため、結果的には公式として覚える円周や円の面積の求め方について、理由を探っていきます。

 どんな単元、分野でも数量の大きさを感覚的に持てることはとても重要です。円周や円の面積についてもどうしてそうなるのかを考えて、公式に落とし込んでいきましょう。そうして得られた知識はきっと忘れません。また、たくさんの問題を解くことで、公式を使う練習もしていきましょう。

【対策ポイント】

 「学び1」は円の導入です。円とは、ある点(中心といいます)からのきょり(半径といいます)が等しい点の集まりです。実際に円を書いてみましょう。コンパスを使って書いた場合、コンパスの針をさしたところが中心、コンパスで書かれた線を円周といいます。また、円の中心を通り、円周上に両端があり直線を直径(半径の2倍の長さ)といいます。

 「学び2」では円周の求め方を学びます。円周は直径×3.14の式で求めることができます。ここでは円周が直径のおよそ何倍か体感してみましょう。191ページの「やってみよう!」を考えます。円周を測る方法を挙げてみましょう。

①実際に測ってみる
正確に測るのは難しいですが、例えば定規を円周にそってあてて、1cmごとに区切ってはかります。テキストの図では1cmが13回と残りが4mmほどになるかと思います。つまり円周は13.4cmとなります。直径を測ると4.2cmのため、円周は直径の13.4÷4.2=3.19•••となり、およそ3倍であることがわかります。

②糸やエナメル線、針金を使う
円周上に糸を重ねて、1周りしたところで切ります。切った糸をまっすぐ伸ばして長さを測ります。

③別の円で確かめる
例えばトイレットペーパーの芯を使います。はじめにトイレットペーパーの芯で円の部分を見つけましょう。見つかったら直径を調べておきます。次にトイレットペーパーの芯を円周を定規で測ることができるように切ります。切った形は長方形になります。円周にあたる部分を定規で測ります。

 なお、③の方法は立体図形で円柱について学ぶときに役に立つ作業となります。ぜひやってみてください。他にも方法を探して円周と直径の関係を確認しておきましょう。

 「学び3」では円の面積の求め方を学びます。円の面積は半径×半径×3.14の式で求めることができます。ここでは円の面積が半径×半径×3.14の式で求めることができる理由を探っていきます。

 193ページの「やってみよう!」を見てみましょう。円を8等分して白と黒のおうぎ形を互い違いに並べた図を見てみましょう。平行四辺形に近い形になります。底辺の部分を見ると白いおうぎ形4つの孤(円周の1部)の長さの合計であることがわかります。白いおうぎ形は8等分したうちの4つ分にあたるため、底辺の長さは円周のちょうど半分であることがわかります。

 このことから、平行四辺形の底辺にあたる長さは半径×2×3.14÷2=半径×3.14となります(半径×2は直径を示しています)。同じように円を16等分して白と黒のおうぎ形を互い違いに並べた図を見てみましょう。こちらも平行四辺形に近い形になります。同じように考えて、平行四辺形の底辺にあたる長さは半径×3.14となります。

 最後に円を32等分して白と黒のおうぎ形を互い違いに並べた図を見てみましょう。だんだんと円を細かく切り取って並べていくと、平行四辺形から長方形に近い形になります。同じように考えて、長方形の横の長さ(底辺)にあたる長さは半径×3.14となります。

 また長方形の縦の長さは円の半径のため、この長方形の面積(=円の面積)は縦の長さ×横の長さ=半径×半径×3.14となります。したがって、円の面積は半径×半径×3.14の式で求めることができます。

 「学び4」ではおうぎ形について学びます。194ページの右上の図を見てみましょう。円を2つの半径で切り取った形をおうぎ形といいます。おうぎ形の2つの半径にはさまれてできる角を中心角といい、円周の1部を弧といいます。

 次におうぎ形大きさと中心角の関係について考えます。例えば中心角が180°のおうぎ形を考えます。円の中心角は360°のため、180°は360÷180=2となり、中心角が180°のおうぎ形は円の1/2(半分)ということができます。これは円の中心角に対するおうぎ形の中心角の割合と同じで、180/360=1/2となります。

 したがって、おうぎ形の大きさを円の大きさと比べる場合、円の中心角(360°)に対するおうぎ形の中心角の割合(おうぎ形の中心角/360)を調べればよいことがわかります。このことからおうぎ形の孤の長さと面積は次の式で求めることができます。

・おうぎ形の孤の長さ=直径×3.14×中心角/360
・おうぎ形の面積=半径×半径×3.14×中心角/360

 197ページの問4②を使っておうぎ形の孤の長さを求めてみましょう。おうぎ形の半径は8cmのため、直径は8×2=16cmとなります。おうぎ形の孤の長さは、
 16×3.14×45/360 (45と360を約分)
=16×3.14×1/8(16と8を約分)
=2×3.14
=6.28
となります。

 このようにおうぎ形の孤の長さや面積を求める場合、中心角/360の部分を先に約分して、さらに3.14の計算をする前に半径や直径と約分すると効率よく計算ができます。

 演習としては196ページから198ページは必修です。196ページの問2③のように半径がわからない問題は入試でもよく見られます。この場合、正方形AOBCの面積が13㎠であることから、AO×BO=13となります。AOとBOは円の半径のため、半径×半径の値が13であることから、円の面積は半径×半径×3.14=13×3.14=40.82㎠となります。半径がわからない場合は半径×半径の値を求めてみましょう。

 200ページから203ページにかけてはテストで非常によく出題される形式の問題で、慣れておくためにも触れておいた方がよいでしょう。200ページの問1や201ページの問2では3.14の計算を分配法則を使ってまとめてやるよう心がけましょう。

 例えば200ページの問1①では小さい円の円周が6×3.14、大きい円の円周が12×3.14となります。それぞれを計算して足すのではなく、6×3.14+12×3.14=(6+12)×3.14=18×3.14=56.52とします。

 さらに難しい問題に挑戦したい場合は202ページ以降の問題に挑戦してみましょう。

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