No.1600 日能研6・5年生 第29回算数対策ポイント!

<算数 6年生 第29回>

 第29回のテーマは「平面図形 図形のいろいろな性質」です。今回の内容は「平行線と折り返し」「図形の性質と角度」「線対称•点対称」です。特に「学び1」「学び2」では錯角や同位角、合同や相似といった知識を使いながら、さらなる手がかりを見つけていきます。

 このときに重要なことは、分かったことを図に書き込んでいくことです。書き込んでいくとばらばらの手がかりが結びついて大きな発見につながります。今まで学んだ図形の知識を総動員して取り組みましょう。

【対策ポイント】

 「学び1」は平行線と折り返しです。270ページの「やってみよう!」を説明します。平行線と角度の関係に注目して整理していきます。270ページの図を見てみましょう。図は長方形ABCDを直線BEを折り目として折り返した図です。

 ここで辺BC’と辺ADの交点をF、辺C’Eと辺ADの交点をGとします。図形の同じ角度のところに◯や×の印をつけていきましょう。はじめに長方形ABCDの4つの内角に直角の印を書き込みましょう。

 折り返しの図形では折り返す前と後で必ず合同な図形ができます。図では三角形BCEが折り返す前の図形で、三角形BC’Eが折り返した後の図形です。つまり、三角形BCEと三角形BC’Eは合同です。したがって、角CBEと角C’BEは同じ大きさとなります。角CBEと角C’BEに◯の印を書き込みましょう。

 また、角BCEと角BC’Eは同じ大きさで90度のため、角BC’Eに直角の印を書き込みましょう。次に角ABFに×の印を書き込みましょう。角ABCは直角のため◯+◯+×=90度となります。

 次に平行な2つの辺に直線が交わると錯角が等しくなる性質を利用して角の大きさを考えていきます。辺ADと辺BCは平行で、そこに辺BC’が交わっています。したがって、角AFBと角FBCは錯角のため同じ大きさです。角CBEと角C’BEの角度を◯としたため、角AFBは◯2つ分の大きさとなります。角AFBに◯◯と書き込みましょう。

 さらに、辺ABと辺CDは平行で、そこに辺BEが交わっています。したがって、角ABEと角CEBは錯角のため同じ大きさです。角ABFを×、角C’BEを◯としたため角CEBは◯と×の和となります。角CEBに◯×と書き込みましょう。また、三角形BCEと三角形BC’Eは合同なため、角CEBと角C’EBは同じ大きさです。角C’EBに○×と書き込みましょう。

 最後に対頂角の関係を見ていきます。角AFBと角C’FGは対頂角のため同じ大きさです。角C’FGに◯◯と書き込みましょう。ここで三角形ABFと三角形C’GFに注目すると、角BAFと角GC’Fは同じ大きさで90度で、角AFBと角C’FGも同じ大きさのため、三角形ABFと三角形C’GFは相似です。

 相似な三角形の対応する角の大きさは等しいため、角ABFと角C’GFの角の大きさは同じです。角ABFを×としたため、角C’GFに×と書き込みましょう。さらに、角FGC’と角EGDは対頂角のため同じ大きさです。角EGDに×と書き込みましょう。

 ここで三角形C’GFと三角形DGEに注目すると角GC’Fと角GDEは同じ大きさで90度で、角FGC’と角EGDも同じ大きさのため、三角形C’GFと三角形DGEは相似です。相似な三角形の対応する角の大きさは等しいため、角GFC’と角GEDの角の大きさは同じです。角GFC’を◯◯としたため、角GEDに◯◯と書き込みましょう。

 これでほとんどの角度を直角と◯と×だけで表すことができました。図形を折り返す問題では合同な図形や相似な図形に着目したり、対頂角、錯角、同位角の関係を見つけたりするとよいでしょう。大切なことは同じ角度に印をつけながら手がかりを増やしていくことです。丁寧に書き込みながら考えていきましょう。理解を深めるために、281ページの問1②に取り組みましょう。

 「学び2」では図形の性質と角度について学びます。272ページの「やってみよう!」を見てみましょう。正五角形と正方形と正三角形が重なった図形です。辺CDは正五角形の一辺でもあり、正方形の一辺でもあるため、図の正五角形と正方形の辺の長さはすべて同じです。

 また、辺DEは正五角形の一辺でもあり、正三角形の一辺でもあるため、図の正五角形と正三角形の辺の長さはすべて同じです。これらのことから、図の正五角形と正方形の正三角形の辺の長さはすべて同じことがわかります。

 次に正多角形の1つの内角の大きさの確認をします。正五角形の1つの内角の大きさは、正五角形の内角の和を5で割ることで求めることができます。したがって、正五角形の1つの内角の大きさは、180×(5-2)÷5=108度となります。正方形の1つの内角の大きさは90度、正三角形の1つの内角の大きさは60度です。

 ここで図の中から二等辺三角形を探してみましょう。三角形CBFは辺CBと辺CFが同じ長さのため、ニ等辺三角形です。したがって角CBFと角CFBは同じ大きさとなります。ここで、角BCFについて考えます。角BCFの大きさは角BCDから角FCDを引くことで求めることができます。

 角BCDは正五角形の1つの内角のため108度、角FCDは正方形の1つの内角のため90度となります。したがって、角BCFの大きさは108-90=18度となります。したがって、三角形の内角の和が180度であることを利用すると、角CBF=角CFB=(180-18)÷2=81度となります。

 また、三角形BCAは辺BCと辺BAが同じ長さのため、二等辺三角形です。したがって角BCAと角BACは同じ大きさとなります。ここで、角ABCは正五角形の1つの内角のため108度となります。したがって、三角形の内角の和が180度であることを利用すると、角BCA=角BAC=(180-108)÷2=36度となります。

 他の三角形にも注目してみましょう。三角形EIDについて考えます。角DEIは正三角形の1つの内角のため60度となります。また、角EDIの大きさは角EDCから角GDCを引くことで求めることができます。角EDCは正五角形の1つの内角のため108度、角GDCは正方形の1つの内角のため90度となります。

 したがって、角EDIの大きさは108-90=18度となります。また、角EIDの大きさは三角形EIDの内角の和が180度であることを利用して、180-(60+18)=102度となります。三角形FJCや三角形HIDについても角の大きさを計算してみましょう。

 次に274ページの「やってみよう!」を説明します。図はおうぎ形OABを直線DAを折り目として折り返した図です。折り返した後の図を書いてみましょう。点Dと点C、点Cと点Aを直線で結びます。三角形DOAを折り返した図形が三角形DCAです。三角形DOAと三角形DCAは合同です。

 次に点Oと点Cを結びます。三角形DOAと三角形DCAはADを対称の軸とした線対称な図形(この後、「学び3」で説明します)のため辺ADと辺OCの作る角度は直角になります。ここで三角形OCAに注目します。辺OAと辺ACは三角形DOAと三角形DCAが合同なため同じ長さです。また、辺OAと辺OCはおうぎ形OABの半径のため同じ長さです。

 これらのことから辺OA、辺AC、辺OCは同じ長さとなり、三角形OCAは正三角形とわかります。したがって、角AOC=角OCA=角CAO=60度となります。ここで、三角形DOAと三角形DCAは合同なため、角CADと角OADは同じ大きさです。角CADと角OADの角度の和が60度となることから、角CADと角OADの大きさはそれぞれ60÷2=30度度なります。

 次に三角形DOCについて考えます。三角形DOAと三角形DCAは合同なことから、辺DOと辺DCは同じ大きさです。したがって三角形DOCは二等辺三角形となります。二等辺三角形の底角は等しいため角DCOと角DOCは同じ大きさとなります。

 円やおうぎ形の場合、円やおうぎ形の中心と折り返した後の図形の頂点を結ぶことで新たに同じ長さの辺(半径)が現れることを利用することで手がかりが増えます。

 「学び3」では線対称•点対称について学びます。はじめに線対称な図形の導入です。276ページを見てみましょう。線対称な図形とは折り返したときにぴったりと重なる図形です。このとき折り返しの線を「対称の軸」といいます。図を見ると対称の軸が鏡となり、左側の図形が鏡に映って右側の図形のように見えると考えることができます。

 このように線対称の図形は対称の軸が鏡となり、実物が鏡の前にあるときに、その反対側に像が映って見えるイメージで捉えるとよいでしょう。276ページの上の図をあらためて見てみましょう。対称の軸の左右にある図形は同じ形のため、対応する辺の長さは等しくなります。また、対称の軸の左側の図形上の頂点と、その頂点を対称の軸で折り返したときに重なる頂点を結んだ直線と対称の軸が作る角度は直角となります。

 また、276ページの下の図のように、対称の軸が図形の外側にある場合は「線対称の位置にある図形」といいます。

 次に点対称な図形の導入です。278ページを見てみましょう。点対称な図形とはある点を中心に180度回転したときにぴったりと重なる図形です。このとき回転の中心にした点を「対称の中心」といいます。

 278ページの3つの図を見てみましょう。図をよくみてからテキストをさかさまにしてみましょう。図の位置は変わりますが、形や模様は全く同じ図になります。また、279ページの下の図のように、回転の中心が図形の外側にある場合は「点対称の位置にある図形」といいます。理解を深めるために、283ページの問5①に取り組みましょう。

 演習としては281ページから283ページは必修です。287ページの問2はアの角度とイの角度の和を求める問題です。補助線を引いて図形の性質を利用して解きましょう。問3は円の中心と円周上の点を結んで考えましょう。さらに288ページの問5、問6、289ページの問8、292ページの問13にも挑戦してみましょう。

<算数 5年生 第29回>

 第29回のテーマは「平面図形 複合図形の面積」です。今回はいくつかの図形が重なってできる図形の面積を考えていきます。一見面積が求められそうもない形でも、「切る」「取り除く」「視点を変える」という方法で面積を求めることができます。

 「視点を変えて考える」とは、形を変えて考えたり、重なった部分を考えたりと、「切る」「取り除く」以外のすべての考えを含みます。どの考え方も重要なためじっくりと取り組みましょう。また、複合図形は入試でもよく出題されるテーマです。多少時間がかかっても自分の目と手を使って考え抜きましょう。

【対策ポイント】

 「学び1」では形を変えて図形の面積を求めます。210ページの「やってみよう!」を見てみましょう。真ん中の図で影をつけた部分の面積を求めます。この図形は1辺の長さが5cmの正方形の中に半径5cmの四分円(中心角が90度のおうぎ形)が書かれている図形を4つ組み合わせたものです。

 ひとつの1辺の長さが5cmの正方形は「ア 半径5cmの四分円」と「イ 1辺の長さが5cmの正方形から半径5cmの四分円を取り除いた部分」でできています。図の半径5cmの四分円のところに「ア」、1辺の長さが5cmの正方形から半径5cmの四分円を取り除いた部分のところに「イ」と書き込みましょう。

 「ア」が4つ、「イ」も4つあります。「ア」どうし、「イ」どうしは形が同じで向きが違うだけなため、交換することができます。

 はじめに左の列の1辺の長さが5cmの正方形から考えましょう。上の正方形の「イ」の部分と下の正方形の「イ」の部分を交換します。すると上の正方形のすべての部分に影がつきます。次に右の列の1辺の長さが5cmの正方形を考えます。上の正方形の「イ」の部分と下の正方形の「イ」の部分を交換します。すると上の正方形のすべての部分に影がつきます。

 このことから、図で影をつけた部分の面積は1辺の長さが5cmの正方形2つ分であることがわかります。したがって、影をつけた部分の面積は5×5×2=50㎠となります。

 211ページ「やってみよう!」もよく見ると形は同じで向きが違う図形があります。したがって、210ページの「やってみよう!」で考えたように、形は同じで向きが違う図形どうしを交換することができます。図形を交換して、影をつけた部分をもっと単純な形に変形してみましょう。そして、影をつけた部分の面積の合計を求めてみましょう。

 「学び2」では面積を求める3通りの工夫について考えます。212ページの「やってみよう!」を説明します。1辺の長さが10cmの正方形の中にあるレンズ形の部分の面積の求め方を考えます。213ページを見てみましょう。

【Aさんの考え】

 Aさんの考えは「切る」方法です。213ページの1番上の図のように、レンズ形を半分に切った部分の面積を求め、その面積を2倍してレンズ形の部分の面積を求めていきます。レンズ形の半分の部分の面積は半径が10cmの四分円の面積から底辺が10cm、高さが10cmの直角二等辺三角形の面積を引くことで求めることができます。

 半径が10cmの四分円の面積は10×10×3.14÷4=78.5㎠となります。底辺が10cm、高さが10cmの直角二等辺三角形の面積は10×10÷2=50㎠となります。これらのことからレンズ形を半分に切った部分の面積は78.5-50=28.5㎠となります。したがって、レンズ形の部分の面積は28.5×2=57㎠となります。

【Bさんの考え】

 Bさんの考えは「取り除く」方法です。213ページの真ん中の図のように、レンズ形の部分の面積は1辺の長さが10cmの正方形の面積からアとイの部分を取り除くことで求めることができます。アとイの部分は形は同じで向きが違うだけのためアの部分の面積を求めていきます。

 アの部分の面積は1辺の長さが10cmの正方形の面積から半径が10cmの四分円の面積を引くことで求めることができます。1辺の長さが10cmの正方形の面積は10×10=100㎠となります。半径が10cmの四分円の面積は10×10×3.14÷4=78.5㎠となります。これらのことからアの部分の面積は100-78.5=21.5㎠となります。したがって、レンズ形の部分の面積は100-21.5×2=57㎠となります。

【Cさんの考え】

 Cさんの考えは「視点を変えて考える」方法です。ここでは「切る」「取り除く」方法ではなく、見方を変えて、重なった部分を考えることで面積を求めてみます。213ページの1番下の図を見てみましょう。半径が10cmの2つの四分円の面積の和と1辺が10cmの正方形の面積を比べるとレンズ形の部分の面積分だけ半径が10cmの2つの四分円の面積の和の方が大きいことがわかります。

 このことを利用してレンズ形の部分の面積を求めていきます。半径が10cmの四分円の面積は10×10×3.14÷4=78.5㎠となります。したがって半径が10cmの2つの四分円の面積の和は78.5×2=157㎠となります。また、1辺の長さが10cmの正方形の面積は10×10=100㎠となります。

 これらのことから、レンズ形の部分の面積は157-100=57㎠となります。

 このように公式だけでは求めることができない図形の面積を求めるときには、「切る」方法「取り除く」方法の他に重なった部分を考えたり、等積変形をしたりという「視点を変えて考える」方法があることを覚えておきましょう。

 演習としては215ページは必修です。215ページの問2は「学び2」で説明した3つの方法を試してみましょう。また、217ページの「同じに見えない同じ」にも取り組んでみましょう。必要であれば大きい四分円の半径を10cmとして考えてみましょう。

 218ページから221ページも必修です。220ページの問3以降の問題では、1つの方法にとらわれず、ときには思い切って方針を変えることも必要です。今回の「学び1」「学び2」で学んだことを振り返って、いろいろな方法で考えてみましょう。さらに難度の高い問題に挑戦したい場合は222ページから223ページにかけての問題にも取り組みましょう。

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