No.814 受験対策にも自由研究にもなる!『江戸のスポーツと東京オリンピック』展

 オリンピック2020関連の時事問題は必ず出題されます。時事問題対策と自由研究を進めやすくするためのポイントの両方についてご紹介していきます。

会場前に掲示されたポスター

 東京オリンピック・パラリンピック開催まであと1年となりました。中学受験では、すでに2018年度の開成中、2019年度の麻布中などの社会でオリンピックを扱った問題が出されており、来年度はより多くの学校でオリンピックやスポーツについて出題されることが予想されます。
 オリンピックやスポーツは、お子様の関心度が高いものですので、夏休みの自由研究のテーマとしても取り組みやすい内容となるでしょう。
 現在、東京・両国の江戸東京博物館で開催中の特別展『江戸のスポーツと東京オリンピック』は、中学受験の社会において資料を通じてテーマの内容を読み取る力を養うことができる絶好の機会となります。
 また、江戸時代の伝統的な競技を描いた絵画や、実際に使われていた剣道などの道具、そしてオリンピックに出場した選手たちのメダルやユニフォームなど、貴重な品々が展示されていますので、自由研究のテーマを見つける貴重な機会にもなります。

【江戸時代のスポーツについて】
《中学受験的ポイント》

 江戸時代になると、それまでは武士が生き残るためには欠かせない技術であった剣術や弓術などが実戦で使われることがなくなり、相手を倒すものから、技術を高める武道といったスポーツ的な要素が色濃いものへと変貌していきました。こうした変貌は、2019年度の麻布中の社会で記述問題として出されていますので注意しておきましょう。
 そんな江戸時代のスポーツ振興のキーマンだったのが、八代将軍徳川吉宗です。吉宗は平和な世の中にあって幕臣たちの意識がゆるまないように、例えば日頃鍛えた武芸の技を自身の前で披露させるなど、武芸の奨励を進めたと言われています。また、平安時代から鎌倉時代にかけて盛んに行われていた「流鏑馬(やぶさめ)」を復興させたのも吉宗でした(流鏑馬も2019年の麻布中で出題されました)。「享保の改革」を行った吉宗が江戸スポーツ振興の立役者でもあったことを知ることで、歴史の見方をさらに深めることができます。

《自由研究的ポイント》

①江戸・明治時代にどんなスポーツが行われていたか?
 上記にご説明した徳川吉宗にスポットをあててもよいですし、流鏑馬の歴史をたどることもできます。また、江戸時代に人気の高まりを見せた相撲や、明治時代に行われた近代競馬など、様々なスポーツについての展示がありますので、それらを紹介するだけでも十分に研究テーマとして成立するでしょう。

『東京上野忍ヶ岡競馬会之図』歌川重清/画

②江戸時代のスポーツを「数」で紹介
 相撲の雷電為右衛門という巨体力士の手形や、彼が着ていた羽織が展示されていますので、いかに雷電が巨体であったか、また、江戸の弓術である「通し矢」が行われた江戸三十三間堂(約120m)がどれほど長かったかなど、数値的なデータを紹介してもよいでしょう。 

【東京オリンピックについて】
《中学受験的ポイント》

 日本が初めてオリンピックに参加したのは1912年のストックホルム大会、出場選手は陸上短距離の三島弥彦とマラソンの金栗四三の2人のみでした。その後1928年のアムステルダム大会で人見絹枝などが活躍を見せ、1932年のロサンゼルス大会では競泳で5つ、陸上でひとつの金メダルを取るなど、国際大会での日本人の活躍はめざましいものがありました。そしてついに1940年のオリンピック開催地に東京が選ばれるのですが、日中戦争の開戦と国際関係の悪化から東京オリンピックの中止が決定されます。戦争の激化によって幻となってしまった東京オリンピックがあったことについては、2018年度の開成中の社会では問題文中に記され、2019年度の昭和学院秀英中第1回の社会ではこの事実そのものが問題対象になっていました。スポーツと国際情勢の関係について、この機会にぜひ知っておきたいところです。

《自由研究的ポイント》

①オリンピックの歴史
 オリンピックそのものでもよいのですが、せっかく多数の展示がありますので東京オリンピック開催までに日本がたどった歴史に焦点をあてる方がよいでしょう。1964年の東京オリンピックのポスターは写真撮影が可能です。

展示されているポスターの一部。

②オリンピックに携わる人々の紹介
 上記に挙げました三島弥彦と金栗四三については、現在放映中のNHK大河ドラマ『いだてん』でもその活躍が描かれていましたが、展覧会では実際に2人が着たユニフォームなどが展示されています。また、日本人で初めてオリンピックに参加した女性選手である人見絹枝をメインとして、女性スポーツの歴史を調べてもよいでしょう。田畑政治(たばたまさじ・『いだてん』で阿部サダヲが熱演中)が東京にオリンピックを招致するためにどのような策を講じたかも展覧会で紹介されていますので、その功績をたどることも十分に研究のテーマになり得ます。
 
 中学受験の社会時事問題対策、自由研究のテーマ探し、そのどちらにも活用できる貴重な展覧会です。
 博物館の7階図書室では展示期間中、関連図書コーナーが設置されていますので、活用してみてください(図書室は観覧チケットが必要ありません)。夏休み中のお時間のある際に、ぜひ足を運ばれてみてはいかがでしょうか。なお本展覧会は、小学生以下は無料です。

江戸東京博物館(東京・両国)

特別展『江戸のスポーツと東京オリンピック』
開催期間:8月25(日)まで 月曜日は休館(ただし8月12日は開館)

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