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ホームメールマガジン宝箱合格に導く魔法の本棚No.843 プレジデントファミリー誌上で1位、2位を的中させた入試対策室長貝塚が予想する2020年度入試 国語出題予想ベスト10

No.843 プレジデントファミリー誌上で1位、2位を的中させた入試対策室長貝塚が予想する2020年度入試 国語出題予想ベスト10

2020年度中学入試の国語で出題されそうな物語文の作品ベスト10!対象は2018年8月から2019年7月末までに出版された書籍です。第9位と第2位以外は以前のメルマガで読解ポイントを解説しておりますので、そちらにリンクを貼っておきます。第9位と第2位は、このメルマガにて読解ポイントを解説させて頂きますので、ぜひ参考にしてください!

  • 第10位 『思いはいのり、言葉はつばさ』(まはら三桃/アリス館)
  • 第9位 『夜空に結ぶ』(雑誌『飛ぶ教室2019冬59号』より)(市川朔久子/光村図書)
  • 第8位 『いつか、太陽の船』(村中李衣/新日本出版社)
  • 第7位 『徳治郎とボク』(花形みつる/理論社)
  • 第6位 『キャプテンマークと銭湯と』(佐藤いつ子/角川書店)
  • 第5位 『海とジイ』(藤岡陽子/小学館)
  • 第4位 『線は、僕を描く』(砥上裕將/講談社)
  • 第3位 『天を掃け』(黒川裕子/講談社)
  • 第2位 『駒音高く』(佐川光晴/実業之日本社)
  • 第1位 『月まで三キロ』(伊与原新/新潮社)
【第10位『思いはいのり、言葉はつばさ』まはら三桃】

10位は中学受験の最頻出作家の一人、まはら三桃の作品です。10歳の少女チャオミンが、中国の女性だけが書く文字「ニュウシュ」を学びながら、様々な人物との出会いを通して成長していく姿が描かれた物語。幼馴染のジュアヌとの友人関係に、互いが属する民族の違いが影響を及ぼしている点、チャオミンの母が物語の後半で綴った手紙に込められた思いを読み取れるかどうかなどがポイントです。SNS全盛の今、「手紙」の価値を再認識して欲しいと感じる中学校の先生方は少なくないと思われることも、本作が出題対象となる可能性が高いと考える理由のひとつです。
※詳しい読解ポイントはこちらをご覧ください。
☆LINE・SNS世代にこそ読んで欲しい!『思いはいのり、言葉はつばさ』まはら三桃(アリス館)

【第9位『夜空に結ぶ』(雑誌『飛ぶ教室2019冬59号』より)市川朔久子】

9位の作品は、雑誌『飛ぶ教室』に収録された短編です。麻布中やラ・サール中でも、近年にこの雑誌に収録された短編作品が出題された実績があります。
[この作品の読解ポイント!]
☆細かな表現で示される心情を見逃さない!
本作ではLINEでつながる友人関係が描かれています。スタンプなど、LINEを使わないお子様には馴染みのないコミュニケーションツールも登場しますが、それらを知っておく必要は全くありません。大事なのは転校してしまった友人との絆が薄れていくことに不安を感じる主人公の気持ちの移ろいをから正確に読み取ることです。
その気持ちの移ろいや、人物の置かれた状況がほんの些細な表現で描かれているのが本作の特徴です。入試ではそうした、つい見逃してしまいがちな表現の意味を理解できているかを問うてきます。表現の理解の鍵となるのが、他の表現との関連から真意をつかむことです。
ここではそうした表現の読み取り方をいくつかご紹介しましょう。

・結香とフーさんにもそう話すと、「わかる」と言いながら話題はいつのまにか昨日食べたチーズもちへと移っている。(P.47)
→主人公・芽久がクラスメイトである2人との間に感じている「心の距離」が表されています。芽久が親友であった花梨が転校に実感が抱けず、そのことを結香とフーさんに話しても、共感が得られなかったことが表されています。この心の距離は、P.46の「気を遣うというか、気を遣われてるのがわかるというか」「どこかほっとした気持ちで席に戻る」といった表現にも共通して描かれています。
・灯りで星は見えなかった。(P.51)
芽久が遠く離れた花梨の存在を感じていることが暗示されています。この表現と関連するのが、P.47の「今見えてる星もじつはもうないとか」、そしてP.52の「その後ろにあった夜空と、そのずっと向うにいる花梨のことも(思った)」です。花梨が身近にいないことを、星の消滅に例えた芽久ですが、塾で知り合った川瀬さんの話を聞き、花梨が自分にとって大事な存在であることを再認識します。灯りで星は見えなかったとありますが、そこに星は確かに存在しており、星になぞらえた花梨に芽久は思いを馳せるようになります。
・花梨はいちばんすみっこで、それでも嬉しそうに笑っていた。(P.51)
→芽久が、転校先で頑張っている花梨を実感する場面です。この前に花梨が合唱コンクールでソロパートになることが明かされています(P.48)。ソロパートは合唱の花形ですから、記念写真では真ん中に映ってもよいところですが、「いちばんすみっこ」にいる花梨。その姿を見て、芽久は花梨が転校してしまったことへのさびしさ、そこで頑張る花梨に切なさを感じながら、花梨が転校先で新たな生活を楽しむことを心から祈るようになります。

 ほんの些細な表現でも、物語の流れの中で重要な役割を果たすことがあり、中学受験国語ではそうした表現への理解を求められますので、注意しましょう。

【第8位『いつか、太陽の船』村中李衣】

8位は東日本大震災で被災し、北海道の根室に移住した家族の物語です。故郷とは、実際に暮らしていた場所だけでなく、思い出が残されている「心の故郷」のことでもある。それが主人公の少年と様々な人々の交流を通して描かれています。物語後半の、主人公が母親の泣き声をかき消すために工場のモーターを動かし続けるという場面は、親子関係について深く考えさせられる屈指の名場面です。子が親を思い行動するという親子関係の描写は、親が常に子を守り助ける立場にあるのだという固定観念を覆すもので、出題対象となる可能性が極めて高いでしょう。
※詳しい読解ポイントはこちらをご覧ください。
☆「故郷」「親子関係」を読み解く!『いつか、太陽の船』村中李衣(新日本出版社)

【第7位『徳治郎とボク』(花形みつる】

7位の作品のテーマは「生命と死」です。重いテーマではありますが、小学生のお子様でも読み取れる表現で綴られています。本作では小学生だからこそ抱く、愛する者を失うことへの怖れが的確に表現されています。祖父の余命を知った小学6年生のケンイチは、大好きな祖父に対して何もできないでいる無力感から、祖父の死に対する怖れを強く感じてしまいます。そんな思いに行き着いたケンイチの悲しみを的確に読み取れるかどうか。中学入試の国語は、決して小学生にとって身近ではない状況、心情への理解も求めてきますので、本作のような「生命と死」を描いた作品が出題対象に十分になり得るのです。
※詳しい読解ポイントはこちらをご覧ください。
☆入試最頻出テーマ「生命と死」は花形みつる『徳治郎とボク』で疑似体験できます!

【第6位『キャプテンマークと銭湯と』佐藤いつ子】

6位は物語文読解の最頻出テーマのひとつ「友人関係」をストレートに描き切った作品です。特に、部活動などで行動を同じくする人物同士の関係の変化が多く出題対象となりますが、本作もサッカーのクラブチームの所属する中学生達が感情をぶつけ合いながら、絆を深めていく様子が鮮やかに表現されています。当初はライバルへの反感や嫌悪を抱いていた主人公が、孤独を経験することで心の成長を果たし、ライバルへの理解を深めていくという構図は、まさに友人関係の頻出パターンです。男子校・女子校、偏差値も問わず、幅広く多くの学校での出題が予想されます。
※詳しい読解ポイントはこちらをご覧ください。
☆入試最頻出テーマ「友人関係」は佐藤いつ子『キャプテンマークと銭湯と』に学べ!

【第5位『海とジイ』藤岡陽子】

5位は、7位の『徳治郎とボク』同様に、祖父や曾祖父と主人公の心の交流が描かれています。3編の短編のうち、『海神 わだつみ』『波光 はこう』の2編が、孫である主人公が祖父、曾祖父との触れ合いを通して心の成長を果たす姿を描いている点で出題の対象になりやすいと考えます。『海神』では、いじめにより不登校になってしまった小学4年生の少年が、『波光』では陸上部で挫折を経験した高校生が、曾祖父や祖父との触れ合いを通して再生していきます。人生の先輩である人物たちから投げかけられた言葉を受けて、主人公がどのように変化していくかを読み取ることがポイントとなります。
※詳しい読解ポイントはこちらをご覧ください。
☆出題可能性大!藤岡陽子『海とジイ』(小学館)を見逃さないで。

【第4位『線は、僕を描く』砥上裕將】

4位は、多くのメディアでも取り上げられ話題となった作品です。「孤独」という概念が出題の対象になると考えます。小学生のお子様方にとっては理解しづらい概念ですが、中学入試では容赦なくそこを突いてきます。両親を事故で亡くした青年が水墨画の世界に出会い、水墨画を描くことで再生していくという物語の中で特に注目したいのが、孤独を知る者同士だからこそ成り立つ心の交流を通して、主人公が成長していく姿です。深い孤独の中にいた主人公が、希望の光を見出すまでの変化の過程が、どこを切り取っても美しい表現に溢れており、その表現の真意を読み取ることが求められるでしょう。
※詳しい読解ポイントはこちらをご覧ください。
☆駒東2018、市川2016で出題!重要テーマ「孤独」を読み解く!『線は、僕を描く』砥上裕將(講談社)

【第3位『天を掃け』黒川裕子】

3位の作品も4位の『キャプテンマークと銭湯と』と同様に友人関係を扱っています。本作では対象となる2人の個性の違いが際立っており、その個性のぶつかり合いが力強く描かれています。対照的な2人だからこそ、その関係の変化が把握しやすく、変化を的確に読み取れるかが出題のポイントとなるでしょう。また、2人はそれぞれに大切な存在を亡くしており、ここに「死」について考え方も表現されています。友人関係と死という、いずれも重要なテーマが含まれている点でも出題されやすい作品です。読みやすい文体ながらも、友人関係の変化について、多くの要素が凝縮された場面に満ちた作品です。
※詳しい読解ポイントはこちらをご覧ください。
☆これは外せない!友人関係の深化バージョン。『天を掃け』黒川裕子(講談社)

【第2位『駒音高く』佐川光晴】

2位の佐川光晴と言えば、著書『大きくなる日』が今や出題されない年度がない程になっていますが、本作もまた今年度注目必至の名作です。将棋の世界に生きる人物を描いた7つの短編で構成されていますが、特に出題の可能性が高いのが第三話『それでも、将棋が好きだ』です。
[この作品の読解ポイント!]
☆勝負の世界の厳しさに打ちのめされた人物が再生するまでの変化をつかむ!

厳しい状況に追い詰められる→普段は抱かないような攻撃的な悪意を持つ→気持ちを吐き出す→落着きを取戻し、前向きな気持ちになる

 こうした気持ちが再生するまでの構図は、中学受験国語の頻出パターンのひとつです。第三話『それでも、将棋が好きだ』でその構図を見ることができます。
 大事な将棋の対局で連敗した主人公・祐也は悔しさと悲しさから、食事も喉を通らなくなり(P.81)、声をかけてくれた将棋仲間の野崎君に対しても「いつになくイジワルな気持ち」(P.96)になってしまいます。まずここで普段は抱かないようなイジワルな気持ちに包まれてしまうほどに、祐也が追いつめられた心情に至っていることが表されています。
 その後も戦いに敗れた祐也は、父親の言葉に「身も世もなくなきじゃくり」ます(P.99)。ここで、父親の言葉に救われた祐也の姿があることに要注意です。小学生のお子様方は人物が涙する様子を、悲しさや悔しさが極まっているからという理由だけでとらえてしまいがちです。もちろんここでの祐也も涙するほどに悔しく悲しいのですが、気持ちを吐き出すこともできずに苦しんでいたそれまでの状況とは異なり、心許せる父親の前でひとしきり涙を流すことで苦しみの状況から救われ出されているのです。涙の持つ意味を少しでも多く把握しておきましょう。
 そして、涙にくれる時間を経たことで、祐也は落ち着きを取戻し、悪意の対象となった野崎君に対しても「どんな気持ちで研修会に通っていたのかを話してみたい。」(P.101)という前向きな気持ちを抱くにまで至ります。そしてタイトルにある、「それでも将棋が好きだ。」という言葉を出せるようにまでなるのです。ここに祐也の心の成長が描かれています。
 この物語では将棋の世界が舞台となっていますが、人物が苦しみや厳しさを味わいながら成長していく様子は、スポーツや音楽といった部活を舞台にしても描かれることがありますので注意しておきましょう。

【第1位『月まで三キロ』伊与原新】

1位は第38回新田次郎文学賞受賞作となった短編集です。その中の『エイリアンの食堂』を今年度の第1位とします。『エイリアンの食堂』では、少女がある女性との出会いを通して悲しみを乗り越えていく姿が淡麗な表現で描かれています。出会った当初は女性に強い不信感を抱いていた少女が、次第にその女性に強い関心を抱くようになり、女性の言葉に励まされて、母親を亡くした悲しみから抜け出すきっかけを得る、という過程は、まさに中学受験頻出の「心情の変化」が凝縮されており、その変化が至上の美しさで描かれているのです。少女の「水素、ここにもある?」という言葉の意味を、どうか読み取ってください。
※収録作の『星六花』は大人の恋愛を描いた作品で、お子様に読ませるかどうかはまず親御様がご判断されるとよいでしょう。
※詳しい読解ポイントはこちらをご覧ください。
☆第二弾!出題可能性大!伊与原新『月まで三キロ』(新潮社)も見逃せません。

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