No.889 わが子を中学受験で早慶へ(早稲田佐賀中学2020年入試の実質倍率の意味を探る)

 昨年6月に配信致しましたメルマガ「わが子を早慶へ(早稲田佐賀中学というウルトラC 前編・後編)」が大変好評を頂きました。今回はその続編となります。大学付属校に人気が集中した2020年入試において、早稲田大学の付属校の中でも注目を集める同校の本年度の入試結果にはどんな特徴が見られたのでしょうか。

早稲田佐賀中学・高等学校 
画像引用元:佐賀県私立中学高等学校協会

【首都圏・名古屋会場の入試結果】

 今年度、首都圏・名古屋会場で実施された入試につきまして、昨年度と比較すると以下の通りの結果となりました。

 注目すべきは実質倍率で、男女ともに実質倍率がアップしています。特に女子は2.0倍から3.4倍と大きくアップしました。受験者数は減少したにも関わらずこうした状況となった原因は、合格者数が昨年度の118名から57名と50%以上も減少したことにあります。
 今年度中学入試のトピックスの一つに、渋谷教育幕張中の1次入試(1月実施)の合格者数が昨年の754名から630名と約120名の大幅な減少(約16%減)したことがあります。その原因を推察するに、数年前までは東京の最難関校との併願の結果、同校に合格しながらも進学しなかったケースが多くみられていましたが、それが近年では渋谷教育幕張中を第一志望とする受験生の割合が多くなったことで、学校側も合格者を絞ることができたといった要因があると考えられます。
 早稲田佐賀中についても同様の要因が働き、九州在住以外で早稲田佐賀中を第一志望の進学先とする受験生が増えたからでしょう大学付属校の人気を考えると、そうした傾向は今後も続き、実質倍率は高く維持すると予想されますので、早稲田佐賀中を志望する場合には十分な対策が必要になるでしょう。

【直近3年の入試問題傾向】

 ここからは各科目の直近3年(2018年度・2019年度・2020年度)の問題傾向についてポイントをお伝えします。

《算数》
・第1問が計算と小問集合、第2問・第3問で文章題、第4問に平面図形で構成され、第5問に立体図形が出題されるパターンは変わっていません。
・2020年度の第1問は2019年度から問題数が増加しました。難度は大きく変わっていませんが、問題文が長くなるなど、解答に時間がかかる傾向が強まっています。 
・第2問は2019年度から表を用いた問題が2年連続して出されました。統計分析力を問う学校側の目的が感じられます。難度は高くありません。
・第3問は2019年度の難度が高かったですが、2020年度は標準的な難度の速さの問題でした。
・第4問の平面図形は3年ともにスタンダードな面積比の問題で難度も大きな変化はありませんでした。
・第5問の立体図形が早稲田佐賀中の算数の中でも毎年難度が高い問題です。2019年度までは切断をからめた出題でしたが、2020年度は展開図を使った問題になりました。(2)(3)の難度が高く、これらを深追いするよりもそれまでの問題を見直しする方が有効でしょう。
・全体的に大きな変化は見られていませんが、2019年度から出題されている第2問の資料問題は今後も出される可能性は高いと感じらます。難しい問題ではありませんので、過去問演習の際にはよく解説を読んで解き方を習得しておくとよいでしょう。
 
《国語》
・問題構成は3年とも変わっていません。第1問が説明文、第2問が物語文、第3問が漢字・語句の構成です。全体の難度としては2019年度が他2年よりも高かったです。
・説明文の最後に「すべて選ぶ」タイプの選択肢問題が含まれることが特徴的です。
・物語文では、時代設定が現代でないことがポイントです。
・2019年度は記述問題が1問のみでしたが、抜き出し問題が多く、点数がとりづらいパターンでした。その反動のためか、2020年度はスタンダードな出題でした。
・記述問題も心情の変化や理由の説明といった頻出パターンなので、部分点はとりやすいものです。
・過去問演習を通して、基本的な取り組み姿勢を変える必要はありませんが、表現技法(擬人法など)も問題になるので、幅広い準備は必要です。 

《理科》
・大問数に変化はなく、物理・化学・生物・地学から1問ずつの構成で、単元複合的な問題はありません。
・細かい知識、難度の高い計算問題がメインであることに変化はありませんが、2020年度は早稲田佐賀中でこれまで頻出パターンであった「すべて答えよ」タイプの知識問題はなく、計算問題の割合が多くなっていました。
・2020年度の難度は前年よりやや上がった印象で、特に大問2(地学)の問5で鉱物の模式図を使った問題が出されており、問題内容そのものを正確に理解することが求められるものでした。

《社会》
・早稲田佐賀中の社会ならではのスピード勝負のテストである特徴は健在でした。約50問もの小問を40分で解かなければならず、分量が多いリード文もあるので、時間は足りないという認識で臨む必要があります。
・問題傾向、難度ともに3年間変わっていません。2020年度はオリンピックに関する問題がありました。

 入試問題はスタンダードな形式が多いですが、スピード重視の社会はかなり特徴的です。実質倍率が増加していることもありますので、志望される際には早めに過去問演習に取り組んだ方がよいでしょう。

 

附設寮「八太郎館」 
画像引用元:早稲田佐賀中学高等学校HP 

 早稲田大学への内部進学はもちろん、他大学への進学の道も視野に入れることができ、さらに寮生活がお子様を大人にする効果もあり、早稲田佐賀中の魅力はこれからさらに広く認知されていくことは間違いないと思われます。ぜひ学校説明会にも参加されて、校風を感じられる場を活用されてください。

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