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和と差の文章題がテーマです。今まで習った様々なタイプの文章題が登場する盛りだくさんの回です。ポイントは図を的確に活用することです。ついパターンで解いてしまい、式の意味を理解しないままに式を丸暗記したままになってしまいがちなのが、今回演習する単元です。パターンを覚えることで、基本問題は解けるようにはなりますが、例えばペナルティーが科されるタイプのつるかめ算や、長いすタイプの過不足算のように、問題の内容が複雑になると、式の丸暗記だけでは式を立てることすらできなくなってしまいます。なぜその式になるのか、その部分をしっかり理解できていれば、問題が複雑になっても解法のきっかけを自分の力で手に入れることができます。そうなるためにも、基本問題で図を使って内容を理解する習慣をつけておきましょう。図をかく手間がかかるように思われますが、その手間があるからこそ、式の意味を確実に理解することができるのです。図を使って視覚的に数の変化や過不足を把握しておけば、問題対応力は大きくアップします。第24回は、その練習になる大事な回です。
「考えよう1」は和差算、「考えよう2」は分配算となっています。どちらも線分図で問題内容を整理することが最大のポイントになります。ここでしっかり線分図のかき方をマスターしておけば、これから和差算だけでなく、様々な割合に関する問題、そして速さの問題などにも正確に対応することができるようになります。
まずは問題文をていねいに読むことです。そこで問題に出てくる数値をいかに図に表すか、を徹底的に練習してください。正解した問題でも解説を見て、線分図のかき方が正しかったのかまで確かめておくと理解が固まります。
「考えよう3」は消去算です。(1)~(3)は数学の連立方程式でいうところの加減法、(4)は代入法です。片方を消去し、一種類だけの式に持ち込むという発想は同じです。くり返し練習をして、解き方を身につければ得点源にできる単元です。加減法と比べて代入法の方が忘れやすいので、多めに練習しておきましょう。
「考えよう4」はつるかめ算です。2つの量が合わせて10本で、合計の金額が560円になる、というように、2つの単位あたりの量とその合計がはじめからわかっている場合はつるかめ算が使える問題です。タイトルにつるかめ算と書いてあるのでこのページの問題は迷わずに解けますが、実際のテストでは、つるかめ算の問題であることに気づくこと自体がポイントになる例も少なくありません。問題を見て、2つのものについて、それぞれの単位あたりの量、合計の数、そして合計の量が与えられているとわかったところで、つるかめ算の式を立てられるように、まずは問題文をよく読むことを大事にしてください。そして式の立て方ですが、機械的に覚えるだけでは、記憶が曖昧になってしまいがちです。どちらの量を求める際に、どのような式になるのか、その過程を確実に理解することに集中してください。間違えた場合に式を見直す必要があります。必ず式は見やすく残しておくことを習づけましょう。
(3)の速さのつるかめ算のように他分野との融合問題はテストでも頻出ですが、そのパターンになるとつるかめ算を使うことに一層気づきにくくなりますので、よく復習をしておきましょう。
「考えよう5」は過不足算・差集め算と呼ばれている問題です。一人あたりの差をいくつ分集めると全体の差になるかと考えると、旅人算と同じ感覚で解けます。この後の【攻略ポイント4】で触れる、長いすタイプの過不足算になると一気に難度が上がります。まずはここで基本を確実に固めておくことです。「余る」「不足する」という言葉を頭の中だけで処理しようとすると、条件が複雑になった問題で混乱してしまいます。そうならないように、線分図を使って、視覚的に過不足の状態を把握しておくことがが必要でしょう。
「深めよう1」はつるかめ算ですが、失敗するとペナルティーが科されるタイプの問題です。通常のつるかめ算とのちがいをしっかり理解する必要があります。つるかめ算の式を丸暗記したままにこのタイプの問題に対すると、式が立てられなくなります。つるかめ算の基本に戻って、「1つを入れ替えることで、数がいくつ変化するのか」に改めて着目してみてください。かめがつるに入れ替わった場合は、足の数が4から2になるので、2ずつ減ることになります。これが正しければ4点もらえ、まちがえれば1点ひかれるとなると、1つの問題が正解から不正解にかわることで4+1=5点少なくなることになります。公式を覚えるだけでなく、その理由まで理解することが不可欠となる問題のひとつです。
「深めよう2」は消去算でもつるかめ算でも解けます。それぞれの解き方が着実に覚えられているか確かめながら解いてみてください。
問16の2か所空欄のある表の問題は必ずやっておきたい問題です。つるかめ算に持ち込むまで手間がかかりますが、その過程を体験しておくと、つるかめ算の理解がさらに固まります。問19の長いすタイプの過不足算は定番であり、苦手とする生徒さんがとても多い問題です。空席イコール不足人数になるのですが、簡単な図で構いませんので、長いすと人数の関係を図で整理してみましょう。はじめは時間がかかるかもしれませんが、図のかき方がわかれば、不足の考え方が一気に見えてきます。問17、問 18 の個数とりちがえの問題も初見では苦戦しがちなので一度解いておくようにしましょう。
分数のかけ算です。計算ルールは簡単なので前回のたし算・ひき算より楽に進めることができるでしょう。今回は覚えることは多くありません。次回の分数のわり算につながるように、計算練習を数多く重ねておきましょう。ただし、後半には割合と深く関わる問題を扱うことになります。もちろん計算の正確さをアップさせることが目的ですが、必ず式をかくことを徹底してください。問題の難度が高くないことで暗算ですべてを済ませないように、ここで式をかいておくかおかないかが、これから先の文章題を解く際の得点力に断然の違いを生み出すことを念頭において取り組んでください。
「考えよう1」~「考えよう3」は計算練習です。式の立て方を習得できるように練習をくり返すところですが、分数のかけ算を一本の分数線で整理する方法は、これから公開模試などの計算問題で失点をしないようにするためには、とても大事な解法になります。これは問6のような、整数どうしのかけ算わり算でも効果を発揮するものです。この問6のタイプの計算問題を確実に正解できるようにしておくと、これからのテストでの得点力アップにつながりますので、十分に注意してください。「考えよう1」(2)のように、整数を分子に持ってくる作業を確実に使いこなせるように練習を重ねましょう。
「考えよう4」は文章題ですが、この段階ではまだわり算を習ってないため、題意をつかめていなくても、とにかくかけてみれば正解になってしまいます。次回わり算を学んだあとは、かけるかわるか判断を迫られます。ここでは分数のかけ算がテーマとなっていますが、問題そのものは割合の基本です。今回のテーマは計算力のアップですが、このタイプの問題で、「の」がかけ算にあたることを今のうちから理解しておきましょう。問9にも必ず取り組んでおいてください。また、問10の線分図を使った問題は、これから割合の文章題を解く際に、頻繁に使うことになります。問題自体は簡単ですが、しっかり取り組んで、分数の意味についての理解をガッチリと固めておきましょう。
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