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第9回は『差集め算』です。例えば、5人の子どもに折り紙を配る場合を考えます。2枚ずつ配る場合と、4枚ずつ配る場合では、配る折り紙の合計枚数には、10枚の差ができます。これは、子ども1人について2枚ずつの差ができて、この2枚ずつの差が5人分で、10枚となるわけです。つまり、1人についての枚数の差(1つ分の差)に人数(いくつ分)をかけると、全体の枚数の差(全体の差)を求めることができます。
このように、「(1つ分の差)×(いくつ分)=(全体の差)」の仕組みを使って解く問題を差集め算といいます。解法としては、(いくつ分)をそろえて考えます。
各問題の解説にある図を参照して下さい。
「必修例題1」は、差集め算の基本です。
1個50円のリンゴを買う予定を、1個30円のミカンに代えたことで、180円のあまりがでました。リンゴ1個50円とみかん1個30円の差が(1つ分の差)です。同じ個数(いくつ分)を買ったときの、(全体の差)は、あまりの180円になります。そこで、買った個数を□個として、整頓すると、(50-30)×□=180となります。□=180÷20=9より、買った個数は9個です。よって、1個50円のリンゴを9個買うつもりで持っていったお金は、50×9=450より、450円でした。
差集め算では、最後に何を求めるのか、個数なのか代金なのか、といった点にも十分に注意しましょう。
「必修例題2」は、あまった枚数と不足した枚数から、全体の差を考えて、解く問題です。
用意した折り紙を○枚とします。17枚のあまりがあるということは、配る枚数は、(○-17)枚です。また、9枚不足するということは、配る枚数は、(○+9)枚です。この差が、全体の差で、(17+9)枚となります。
1人分の差は(7-5)枚、子どもの人数を□人として、整頓すると、(7-5)×□=(17+9)となります。よって、□=26÷2=13より、子どもは13人います。問われているのは折り紙の枚数ですので、5枚ずつ配る場合を考えて、5×13+17=82より、折り紙は82枚あります。
「必修例題3」も、あまりの数や不足の数から、全体の差を考える問題です。
(1) えんぴつを□人の生徒に配ります。3本ずつ配ると60本あまり、2本追加して(5本)配ると、4本あまります。このことは、1人分の差(1つ分の差)は2本で、全体の差は(60-4)本ということになります。
整頓すると、2×□=(60-4)となります。□=56÷2=28より、生徒の人数は、28人です。
(2) カードの枚数を○枚とします。8枚ずつ配るためには、(○+25)枚が必要で、5枚ずつ配るためには、(○+4)枚が必要です。よって、全体の差は(25-4)枚となります。
子どもの人数を□人として、整頓すると、(8-5)×□=(25-4)となります。□=21÷3=7より、子どもは7人います。
「必修例題4」は、不足する個数を考える問題です。
かごにクリを9個ずつ入れていくと、5個しか入っていないかごが1個と、何も入っていないかごが2個できる場合、□個のかごにすべて9個ずつ入れるためには、何個不足するかを考えます。(9-5)+9×2=22より、22個不足することになります。予習シリーズ85ページの解説図をよく見て、何も入っていないかごをどのように扱うかに注意しましょう。
また、かごにクリを7個ずつ入れる場合にはクリは、16個あまります。よって、全体の差は(22+16=)38個とわかります。整頓すると、(9-7)×□=38となります。□=38÷2=19より、かごの個数は19個となりますので、7×19+16=149より、クリの個数は149個です。
「必修例題5」は、(いくつ分)の数がそろっていない場合の問題です。この(いくつ分)の数がそろっていないタイプの問題から難度が上がりますので、式の立て方をしっかり理解するようにしましょう。
予定の個数を□個として、1個45円のたまごを□個買うときの金額と、1個35円のたまごを予定通り、□個買うときの金額をくらべます。1個35円のたまごを(□+2)個買って、50円があまりましたので、□個買ったことにする(2個減らす)と、35×2+50=120円あまることになります。1個45円のたまごと1個35円のたまごをそれぞれ等しく、□個買ったときの全体の差は、120円です。
整頓すると、(45-35)×□=120となります。□=120÷10=12より、予定の個数は12個と求められます。よって、45×12=540より、持って行ったお金は、540円です。
「必修例題6」も、(いくつ分)の数がそろっていない場合の問題です。難度の高い問題ですので、予習シリーズ86ページの解説図を参照してください。
買ったミカンの個数11個を、買ったリンゴの個数である8個にそろえます。ミカン1個とリンゴ1個では、15円の差がありますので、(いくつ分)をそろえて、8個ずつ買ったとすると、15×8=120円の差ができますが、これが8個ずつ買ったときの(全体の差)です。ここから、ミカンは(11-8=)3個分の代金があまり、リンゴは30円があまりますので、ミカン3個分の代金と30円の差が、それぞれを8個ずつ買ったときの(全体の差)である120円に相当します。
よって、(ミカン3個分の代金)-30=120円となりますので、(120+30)÷3=50より、ミカンは1個50円とわかります。以上より、50×11=550ですから、持っているお金は、550円です。
「必修例題7」は、とりちがえの問題です。予習シリーズ87ページの解説図を参照してください。このタイプの問題はテストで頻出です。式を丸暗記するのではなく、なぜその式になるのか、といった理由まで確認するようにしましょう。例えば、50円切手を80円切手より1枚多く買う予定が、逆に80円切手を50円切手より1枚多く買ったとすると、とりちがえにより、80-50=30円高くなります。
問題にもどります。予定の代金より実際の代金が、180円高くなるのは、180÷(80-50)=6より、6枚分をとりちがえたからとわかります。また、とりちがえた結果、代金が高くなるということは、もともとは50円切手を80円切手より6枚多く買う予定だったことになります。どちらを多く買う予定だったかを間違わないように気をつけてください。合わせて20枚買いますので、和差算で、(20+6)÷2=13より、50円切手を13枚買う予定でした。
第9回は『正方形と長方形』です。図形のまわりの長さや、面積を学習します。正方形や長方形の形については、予習シリーズ69ページの必修例題の前にある説明をよく読んでください。
「必修例題1」は、まわりの長さを求める問題です。
(1) 正方形は4本の等しい長さの辺で囲まれた図形です。1辺の長さが7cmですから、7×4=28より、まわりの長さは28cmです。
(2) 長方形はたてと横2本ずつの辺で囲まれた図形です。たて4cm、横9cmですから、(4+9)×2=26より、まわりの長さは26cmです。
「必修例題2」は、まわりの長さから、たてや横の長さを求める問題です。
まわりの長さが40cmの長方形ですから、たての長さと横の長さ1本ずつの和は、40÷2=20cmです。また、たての長さは横の長さより6cm短いという、差がわかっています。よって、和(20cm)と差(6cm)から、和差算をつかって、(20-6)÷2=7より、たての長さは、7cmです。
「必修例題3」は、面積を求める問題です。予習シリーズ70ページ、必修例題3の前の説明および解き方にある説明を参照して、公式の成り立ちをよく理解してください。
(1) 1辺が3cmですから、1辺1cmの正方形がたて、横に3個ずつあることになります。よって、1平方cmの正方形が3×3=9個ありますので、1×9=9より、1辺が3cmの正方形の面積は、9平方cmです。
このことは、1辺の長さを2回かけることで求められることと同じです。よって、「正方形の面積=1辺の長さ×1辺の長さ」という公式が成り立つことを理解してください。
(2) 同様の考え方で、「長方形の面積=たての長さ×横の長さ」という公式も成り立ちます。4×6=24より、たて4cm、横6cmの長方形の面積は、24平方cmです。
「必修例題4」は、正方形や長方形を組み合わせた図形のまわりの長さや面積を求める問題です。
(1) 問題の図形は、見方をかえると、長方形から、かどをふくむ小さい長方形を切り取った形です。予習シリーズ71ページの解き方にあるように、まわりの長さは、小さい長方形を切り取る前の長方形のまわりの長さと等しいことに注目してください。切り取る前の長方形のたては9cm、横は15cmですから、(9+15)×2=48より、まわりの長さは48cmです。
(2) 面積を求めるには、公式の使える正方形や長方形に分けて計算します。たて9cm、横8cmの長方形と、たて(9-6=)3cm、横(15-8=)7cmの長方形に分けます。9×8+3×7=72+21=93より、面積は93平方cmです。また、横に分けて、6×8+(9-6)×15=48+45=93と考えてもかまいません。
あるいは、(1)で考えたように、大きい長方形の面積から、切り取った小さい長方形の面積を引いて求める考え方もあります。大きい長方形の面積=9×15=135平方cm、小さい長方形の面積=6×(15-8)=42平方cmより、135-42=93平方cmです。
「必修例題5」は、面積の単位の学習です。
面積の単位には、平方cmのほかに、平方m、a(アール)、ha(ヘクタール)、平方kmがあります。予習シリーズ72ページの説明を理解して、これらの単位の変換の関係を覚えましょう。1m=100cmですから、1平方m=100cm×100cm=10000平方cmです。ここでは、長さの単位を利用した面積の換算です。
面積の単位としては、1辺の長さが1mの正方形の面積を1平方mとするところからはじまります。この正方形をたてに10個、横に10個の合計100個集めると単位が変わります。つまり、1平方m×100=100平方m=1aで、このあとも、100個ずつで単位が変わります。1a×100=100a=1ha、1ha×100=100ha=1平方km、となることも理解しておくと役に立ちます。
(1) 1a=100平方mですから、35aは、100×35=3500より、3500平方mです。
(2) 1ha=100aですから、720aは、720÷100=7.2より、7.2haです。
平方mより大きい面積単位は、100倍ずつ単位がかわっていきますので、比較的覚えやすいものです。小さいほうから、(平方メートル)、(アール)、(ヘクタール)、(平方キロメートル)の順をしっかり覚えましょう。面積の単位の問題は、計算問題で出されるなどテストで頻出です。予習シリーズ72ページの図を自分でもかいて壁に貼るなど、徹底的に頭の中にすり込む作業を重ねてください。
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