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第18回は『旅人算とグラフ(1)』です。旅人算は、2人以上の旅人(登場人物)が出会ったり、追いついたりするときの、速さ、時間、距離を考える問題です。ダイヤグラム(たて軸に距離を表し、横軸に時間を表したグラフ)も使用して考えます。
旅人算の基本は、2人が出会う(近づく)問題であっても、反対方向に離れていく(遠ざかる)問題であっても、距離の和を考える問題では、2人の速度の和を考えます。また、距離の差を考える問題では、追いつく(近づく)問題であっても、同じ方向に離れていく(遠ざかる)問題であっても、2人の速度の差を考えます。予習シリーズ165ページから166ページにある、速さと時間、距離の関係式をよく読んで、それぞれの式の内容を理解してから問題演習に進みましょう。
「必修例題1」は、距離の和を考える問題です。
(1) 分速85mで歩く人と、分速65mで歩く人が向かい合って進みます。同時に出発して18分進んだときに出会いますから、2人がそれぞれ、18分歩いた距離の和が、AB間の距離です。2人合わせて1分間に85+65=150m進みますから、18分では150×18=2700となり、2700m=2.7km進んで出会いますので、AB間は2.7kmです。
ここでは、速度の和×時間=近づいた距離(距離の和)という関係になっています。
(2) 姉が駅から、妹が家から、同時に向かい合って歩き始めます。家から駅までの距離である1200mは、姉と妹が歩いた距離の和です。(1)と同様に、姉と妹の速度の和である、80+70=150に時間□分をかけると、家から駅までの距離になりますから、150×□=1200となります。よって、□=1200÷150=8より、8分後に出会います。
「必修例題2」は、距離の差を考える問題です。
(1) 次郎君が出発するときに、太郎君は、10分間進んでいますので、65×10=650m離れた先にいます。これは、次郎君が出発するときの、太郎君と次郎君の距離の差です。1分後には、2人の速度の差である、90-65=25m近づきます。650m近づくと追いつくことになりますから、650÷25=26より、26分後に追いつくことになります。
ここでは、速度の差×時間=離れている距離(距離の差) という関係から、距離の差÷速度の差=時間を考えています。
(2) お母さんが出発するときにゆみさんは540m先にいて、お母さんは3分でゆみさんに追いつきました。ゆみさんの速度を分速□mとすると、お母さんの速度である分速240mとの差は、1分間に(240-□)mずつ近づくということです。3分後に追いついたということは、(240-□)×3=540と整頓できます。よって、540÷3=180が、速度の差である、240-□ですから、240-180=60より、ゆみさんの速度は、分速60mです。
「必修例題3」も、距離の差を考える問題です。
(1) 妹が家を出発してから8分後に、姉が妹を追いかけます。姉が妹を追いかけて7分たった時、妹は毎分60mの速度で、8+7=15分進みましたから、家から60×15=900m離れた地点にいます。また、この時(出発して7分後)に姉は、妹より305m手前にいますから、家から900-305=595m離れた地点にいます。よって、姉は7分で595m進みました。595÷7=85より、姉の走る速さは、毎分85mです。
(2) 姉が家を出発して7分後の距離の差である305m近づくと追いつきます。2人の速度の差は、85-60=分速15mですから、305÷15=12.2より、姉は家を出発してから7+12.2=19.2分後に追いつきます。0.2分=12秒ですから、19分12秒後に妹に追いつくことになります。
速さの問題で時間を求める際には、上記のような0.2分=60×0.2=12秒のような時間の単位換算を求められるケースが多いので注意しましょう。
旅人算を表すダイヤグラムについて学習します。右上がりのグラフと右下がりのグラフが同時に示されている場合は、出会いの問題です。この場合は、横軸の右方向にある(あとに出発した人の)出発時刻を元にしてグラフの間の距離(グラフのたての長さ)を考えます。右上がりどうし右下がりどうしのグラフが同時に示されている場合は、追いつきの問題です。この場合も同様に、横軸の右方向にある出発時刻を元にしてグラフの間の距離を考えます。予習シリーズ168ページの、類題3の下の説明および図を参照して下さい。
「必修例題4」は、旅人算とダイヤグラムの問題です。
A君の動きを表す直角三角形では、距離(たての長さ)は1500m、時間(横の長さ)は(20-5=)15分ですから、1500÷15=100より、A君の速度は、分速100mとわかります。B君の動きを表す直角三角形では、距離(たての長さ)は1500m、時間(横の長さ)は25分ですから、1500÷25=60より、B君の速度は、分速60mとわかります。
B君が出発して5分後のA君とB君の間は、1500-60×5=1200m離れています。よって、1200÷(100+60)=7.5より、7.5分後にすれちがいますから、B君が出発して5+7.5=12.5分、つまり12分30秒後に2人はすれちがいます。B君が出発してからの時間ですから、A君が出発する前の5分を加えることを忘れないようにしましょう。
「必修例題5」は、折り返しの旅人算です。
太郎君と次郎君が、A地点を同時に出発して、AB間を往復します。太郎君の方が次郎君より速いので、2人が出会うのは、太郎君がB地点を折り返したあとです。距離について考えるとき、2人が出会うまでに進んだ距離の和がAB間の往復の距離となることがみつかりました。
そして、距離の和を考えますから、速度も和を使うことになります。速度の和は、80+60=140で、24分たつと、140×24=3360より、AB間の往復の距離は、3360mです。よって、片道は、3360÷2=1680より、AB間の道のりは1680mです。
予習シリーズ169ページの解き方にある図を参照してください。折り返しの旅人算では、この169ページのような図を自分でかけるようにしておくと、6年生になってからの問題を解くスピードに、大きな差を生むことができます。ぜひ図をかく練習をしておきましょう。
第18回は『四角形の面積』です。予習シリーズ137ページから138ページにある、四角形の分類と性質をよく読み、四角形の種類および性質の関連を理解しておきましょう。
「必修例題1」は、四角形の内角について、角度を求める問題です。それぞれの四角形の角度の性質を考えて解きます。
(1) 台形では、台形の図の左上にあるアの角と81度の角(となり合う角)の和は180度になります(予習シリーズ137ページの説明にあります)。よって、180-81=99より、アの角の大きさは、99度です。
(2) 平行四辺形でも、(1)と同様に、となり合う角の和は180度になります。式で表すと、68+(イ+61)=180ということです。よって、180-68-61=51より、イの角の大きさは、51度です。
(3) ひし形の4つの辺の長さはすべて等しいですから、1本の対角線によって、同じ形、同じ大きさの2つの二等辺三角形になります。1つの二等辺三角形において、37度の角が2つとウの角の和は180度になります。式で表すと、37×2+ウ=180となります。よって、180-37×2=106より、ウの角の大きさは、106度です。
平行四辺形、台形、ひし形の面積の求め方を学習します。これらの図形は、長方形を変化させてできた図形ですので、面積の公式も、長方形の面積の求め方から出発しています。予習シリーズに書いてある、公式の成り立ちを理解して、必ず使えるようにしましょう。また、底辺と高さの関係は、必ず直角になっていることに注意してください。
「必修例題2」は、平行四辺形の面積を求める問題です。「平行四辺形の面積=底辺×高さ」です。よって、12×5=60より、面積は、60平方cmです。
「必修例題3」は、台形の面積を求める問題です。 「台形の面積=(上底+下底)×高さ÷2」です。ここで、上底とは上にある底辺、下底とは下にある底辺のことです。公式にあてはめて、(5+12)×6÷2=51より、面積は、51平方cmです。
「必修例題4」は、ひし形の面積を求める問題です。 「ひし形の面積=対角線×対角線÷2」です。2つある対角線のそれぞれの長さをかけて2でわります。よって、9×12÷2=54より、面積は、54平方cmです。
問題演習を重ねて、公式を固めるようにしましょう。このとき、途中式を、公式の通りにできるだけ1つの式で書くことで、公式が覚えられます。また、くり返しますが、底辺と高さは、直角の関係になっていることを忘れないでください。このことは、問題の図にある直角のマークがヒントになる、ともいえます。
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