No.927 日能研6・5年生 第36回算数対策ポイント!

<算数 6年生 第36回>

 速さの特殊算の演習です。流水算・通過算・時計算とボリュームたっぷりの回です。この3つの単元に共通しているのが、図を使って内容を整理することがポイントである点です。流水算であれば4つの速さの関係を表した線分図、通過算であれば列車が鉄橋やトンネルを通過する様子を簡潔に表した図を使うと、式が立てやすくなります。時計算は速さが角度で表される分、動きのイメージがつかみづらいので、解法に慣れるまでは時計の図をかくことが必須です。また、速さに関する式や値をただ丸暗記するだけでは、問題の難度が上がった際に対応できなくなる点も、共通して注意が必要です。流水算であれば、上りの速さ=静水時の速さ-流れの速さを覚えるだけでなく、線分図でその理由を確実に把握しておくこと、時計算であれば1分間に5.5度の差を丸暗記するのではなく、長針が1分間に6度、短針が1分間に0.5度進むことをしっかり踏まえておくこと。こうした根拠を理解できていれば、問題の難度に関わらず、今回演習する単元をテストの得点源にできます。大事な回です。じっくり取り組みましょう!

【攻略ポイント1】

 まずは「考えよう1」「考えよう2」で流水算を演習します。今回初めて学ぶ内容です。流水算では、静水時の速さ、上りの速さ、下りの速さ、流れの速さの4つの速さを扱います。この4つの関係をしっかり理解することが基本となります。「考えよう2」にある線分図をよく覚えてください。流水算の問題を解く際には、自分でこの線分図をかければスムーズに式を立てることができます。シンプルなかたちですが必ず覚えておくべき図ですので、問題文の内容を整理できるようにしておきましょう。
 「深めよう1」は流水算の問題を、比を利用して解くパターンとなります。同じ道のりを進む場合に、速さと時間が逆比の関係になることを利用して、上りの速さと下りの速さの比を線分図で表せば、具体的な数値が与えられている流れの速さが線分図のどの部分の長さになるかが一気につかめます。このような難度が上がった問題でも、線分図を使えば攻略できるので、徹底して図のかき方を覚えて下さい。
 次に「考えよう3」で通過算の基本の確認をします。特に(2)で正解することがポイントになります。基本問題ですが、図をかいて列車が鉄橋を渡る様子を把握しましょう。長さのある列車の動きがつかみづらいですが、列車の最前部の点を基準に考えると、列車が移動した距離がわかりやすくなります。
 「深めよう2」も基礎レベルですが、テストでよく出題されるパターンです。ここでも列車が鉄橋を渡るケースとトンネルを通過するケースの両方を図にして、列車が鉄橋を渡り始めた地点とトンネルに入り始めた地点をそろえるかたちに、図をたてに並べると、道のりの違いがはっきりとわかります。図をかく際には、列車や鉄橋、トンネルは細かくかく必要はありません。長さの関係がわかればよいので、ラフなかき方で構いませんので、まずは図をかくことを実践してください。

【攻略ポイント2】

 そして「考えよう4」「考えよう5」で演習するのが時計算です。道のりの代わりに角度を用いた針どうしの旅人算です。速さが角度になる点で解きづらさを感じることがあるかもしれませんが、単位時間に一定の角度を進むという点では、通常の旅人算と変わりはありませんので、問題演習を通じて慣れていきましょう。長針と短針が1分間に5.5度ずつ差が縮んだり広がったりすると考えますが、この5.5度を機械的に覚えるのではなく、長針が1分間に6度進み、短針が0.5度進む、その差であることをしっかりと理解してください。問題の難度が上がった際に、この6度と0.5度の和である6.5度を使うケースも出てきます。根拠を固めたうえで暗記をするようにしましょう。
 (2)では、1分間に5.5度ずつ差が縮まることを使えば、最後の問題をすぐに答えられますが、上記のような長針と短針の速さの差を理解するうえでは、2番、3番の問題も大切ですので、抜かさず全問を解くようにしましょう。
 「考えよう5」は時計算の中でもテスト頻出のパターンです。(2)(3)では、実際に時計の絵を描いて針が重なる前なのか後なのか確認すると安全です。基礎クラスの生徒さんは「考えよう」と「深めよう」の問題を何度も練習しましょう。ここまでが不十分なまま先に進んでしまうと、問題を見て式を立てる段階で迷いが生じてしまいます。

【攻略ポイント3】

 他に挑戦したい問題としては、流水算では問8のグラフを利用した船どうしの旅人算、問11のように流速や静水時の速さが変わる問題です。特に問11では線分図をかいて内容を整理できれば解きやすくなりますので、ぜひ取り組んでください。
 通過算では問17の一定の間隔で電車と人がすれ違うタイプの問題時計算では問19・問20の目盛りをはさんで対称になる時刻を求める問題などです。またここには載っていませんが普通の時計とは異なる時間設定の問題も解いておきたいところです。
 速さの特殊算は全体的に難化傾向にあり、上位校で流水算や時計算が大問として出題された場合は難度が跳ね上がるケースが多くあります。志望校によって到達目標レベルの差が大きい分野なので、過去問で必要なレベルを確認しておくとよいでしょう。

<算数 5年生 第36回>

 前回に引き続き、「割合」の演習です。割合の3公式を使いこなすことが目標となります。テキストに掲載された線分図をよく見て、その図の意味を理解したうえで公式を覚えるようにしましょう。ただ式だけを丸暗記するよりも図を見て視覚的な理解を伴った方が、記憶が深く定着します。今回演習する内容は、中学受験算数の最重要単元である割合の問題を解き進めるうえで、重要な基盤となります。ここで割合の基本的な内容をしっか理解しておけば、これから様々な割合の問題に取り組む際に、圧倒的に有利になります。頑張りましょう!

【攻略ポイント1】

 「割合」「割合にあたる量」「1にあたる量」を求める3公式を使いこなせるようになるのが目標です。どれか1つの式を覚えて、それ以外を求める際には還元算の考え方を使うこともできますが、式を立てる際に時間がかかってしまいますので、それぞれを独自にしっかりと覚え込んでおいた方がよいでしょう。
 「考えよう1」は割合を求める問題で、前回の復習になります。比べる量を基準量でわって割合を求めるのですが、その式の意味を深く理解するために、本科教室にあるような線分図で内容を整理するとよいでしょう。簡単な図に見えますが、大事な内容を表していますので、図の意味をしっかりと理解するようにしてください。
 「考えよう2」と「考えよう3」で使う公式は「考えよう1」で学習した公式を逆算することで導き出されますが、先に述べたように、テストで式を立てる時間をより短くするためにも、それぞれの式を確実に覚えておきましょう。「考えよう3」の基準量を求める計算は次回の相当算で何度も使用することになりますので、よく覚えておいてください。

【攻略ポイント2】

 問1から問3までは「考えよう」で演習した内容の反復演習となります。その後の問4は割合の増減の演習になります。ここで問題にそえられている図は、これから自分でかくことが求められますので、図の成り立ちを確認しておきましょう。
 そのうえで3つのタイプが混合した問5は必ず解いてください。問題を見て、かけるのか、わるのか、わるときはどちらでわるのかを瞬時に判断しなくてはなりません。どうしてもわからない時は、問題文の「の」を「×」に、「は」を「=」に換えたかけ算の式を一旦つくり、逆算などで答を出してもよいでしょう。その演習を重なることで、式の立て方にも慣れきます。
 問6の「~増し」「~引き」もとても重要です。割合の中に売買損益という単元がありますが、この演習の際には「~増し」「~引き」の言葉の意味の理解が大前提となります。少し時間がかかっても、この問6は図をかいて解き進めるようにしましょう。

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