No.929 入試で狙われそうな社会時事予想設問付き(秀吉が晩年に築いた城の石垣と堀が京都で見つかる、4月の外国人観光客数が初めて1万人を割り込む)

 2019年は、訪日外客数が統計開始以来最大を記録しましたが、その中でアジアの国々の合計がなんと8割を超えています。メディアの影響で欧米からの外客数が実際よりも多い印象を持っているお子さんもいるのではないでしょうか。今年、新型コロナウィルスの影響で外客数が激減していることもあり、来年の入試で訪日外客数について出題される可能性があります。数字で実際のところを整理しておきましょう。

≪豊臣秀吉が最晩年に築いたとされる「京都新城」の石垣と堀が京都仙洞御所内で見つかる。≫

豊臣秀吉像 画像引用元:ウィキペディア

  京都市埋蔵文化財研究所は12日、京都市上京区の京都仙洞御所内で、豊臣秀吉が最晩年に築いたとされる「京都新城」の本丸を囲う石垣と堀が見つかったと発表しました。同研究所によると、同城の遺構が発見されたのは今回が初めてとのことです。
 豊臣秀吉が手がけた城としては、全国統一の拠点とした「大阪城」、晩年の「伏見城」と比べても「京都新城」は絵画などの資料も乏しく、これまで遺構は確認されていませんでした。京都新城は豊臣秀吉が1597年に京都御所の南東に築城したもので、同研究所の昨年11月からの発掘調査では、高さ約1~1.6メートル、南北8メートルの石垣が発見されました。

【予想設問】
問題1:

 1582年、織田信長は「本能寺の変」により家臣の明智光秀の謀反にあい自害しますが、そのすぐ後「山崎の合戦」で明智光秀を破ったのが豊臣秀吉です。秀吉が1582年から取りかかり、死の直前1598年まで続けた、土地制度に関する政策を漢字四字で答えなさい。

解答:

太閤検地

 太閤検地(たいこうけんち)は、豊臣秀吉が日本全土で行なった検地の測量及び収穫量調査のことです。「天正の石直し」、「文禄の検地」とも言われています。それまでも戦国時代の武将や織田信長も検地を行っていましたが、それを徹底したのが秀吉です。目的は、安定してかつ効率的に年貢を確保すること。全国統一の升(ます)を使ってとれ高をはかり、そのとれ高や土地の面積、耕作者の名前を検地帳に記録しました。以前はそのほとんどが申告制だったので、実際より少なく申告されていました。太閤検地では、役人自ら現地に赴いてチェックしました。これにより「石高制」が確立され江戸時代も踏襲されました。「石高」は、土地の生産性を米のとれ高に換算したものです。

問題2:

 豊臣秀吉の土地政策や「刀狩令」により武士と農民の身分の区別が明確になりました。このことを何と言いますか。漢字四字で答えなさい。

解答:

兵農分離

 戦国時代では、「武士」と「農民」は大きな身分差はありませんでした。織田信長以降、「武士」と「農民」を区別する政策がとられていきましたが、その大きな目的の一つが「農民一揆」を防ぐことでした。豊臣秀吉の「兵農分離」の政策として代表的なのが「刀狩令」です。これは1588年に制定されました。内容は文字どおり農民から刀を没収する制度ですが、実際には刀に限らず武器全般を農民から没収しました。

問題3:

 1583年より豊臣秀吉によって築かれた「大阪城」は、何の跡地に築かれた城ですか。

大阪城 画像引用元:大阪城天守閣ホームページ

解答:

石山本願寺

 織田信長は仏教勢力と対立をし、比叡山延暦寺の焼き討ちを行った他、一向一揆の本拠地である石山本願寺も長年の戦いの結果、降伏させています。その後石山本願寺は1580年に消失し、1583年に豊臣秀吉によりその跡地に「大阪城」が築城されました。

《4月の外国人旅行者数が初めて1万人を割り込む。》 

 日本政府観光局は5月20日、2020年4月の訪日外客(外国人旅行者)数の推計値を発表しました。4月は前年同月比99.9%減の2900人で、7か月連続で前年同月を下回りました。単月の訪日外客数としては、1964年から統計を取り始めてから最少となります。
 新型コロナウィルス感染症の拡大により、多くの国で海外渡航制限や外出禁止などの措置が取られていること、また、日本でも検疫強化、査証の無効化などの措置対象国が拡大されたことなどがその要因と考えられています。

【予想設問】
問題1:

 昨年2019年の外国人旅行者数は過去最高の約3188万人でしたが、国別の1位はどこの国でしたか。

A.アメリカ
B.イギリス
C.韓国
D.中国

解答:

D

 2019年の訪日外客数の上位5位までのランキングを表にすると以下の通りとなります。

※日本政府観光局ホームページ掲載のデータ(2020/5/25更新)より筆者が作成。
 割合は、2019年の訪日外客数全体(31,882,049人)に対する値。

 ランキングを見ると、何と1位から4位までの東アジアの国々で全体の70.1%を占めていることがわかります。表にはありませんが、東南アジアとインドからの人数を加えると、合計は82.7%にもなります。その中では、韓国からの旅行者は日韓関係悪化の影響で大きく減少しました。全体として、2019年の訪日外国人客数が増加した要因としては、LCC(格安航空会社)を始め航空座席供給量が増加したこともあり、東アジアや東南アジアの観光客が日本に訪れやすくなったことが挙げられます。また、桜の季節の観光やラグビーワールドカップの開催による影響で、欧米からの訪日外国人客数も増加したことも考えられます。

問題2:

 外国人旅行者数の増加について、日本は2008年に「観光庁」を発足させ国際観光の環境整備に力を入れてきました。「観光庁」は次のどの省の外局ですか。

A.総務省
B.経済産業省
C.財務省
D.国土交通省

解答:

D

 観光庁は国土交通省の外局です。2008年10月1日に、我が国の「観光立国」の推進体制を強化する目的で観光庁が設立されました。以下は1964年からの年別訪日外客数の推移をまとめたグラフです。



年別訪日外客数の推移 画像引用元:日本政府観光局ホームページ

問題3:

 2009年にも外国人旅行者数が大幅に減少したことがありました。その原因となった出来事について説明した以下の文の空欄に入る語句を2つの選択肢から選びなさい。

2008年にアメリカの大手投資銀行グループのリーマンブラザーズの経営破たん(リーマン・ショック)をきっかけに起こった世界金融危機による(  )の影響で、2009年の外国人旅行者数が減少した。

選択肢: 円高  円安

解答:

円高

 円高とは、極端な例では1ドル=100円だった為替相場が1ドル=50円になることです。1ドル分のものを買うのに100円かかっていたのが、50円の支払いでよいことになり、「円の価値が高くなった」ことになります。輸入には有利で、輸出には不利となります。日本からの海外旅行では、円高の場合は同じ1ドルを交換するのに100円から50円になるので有利となり、逆に日本に来る旅行者にとっては、同じ外貨(例えばドル)で交換できる円が少なくなるので不利となります。  

問題4:

 2020年外国人旅行者の大幅な減少により、経済的にも大きな損失が出て経済成長が大きく押し下げられています。ところで、現在その国の景気を判断する経済指標は次のどれが使われていますか。

A.GDP
B.GNI
C.FTA
D.GNP

解答:

A

 GDPは国内で一定期間内に生産されたモノやサービスの付加価値の合計額で「国内総生産」です。国内のため、日本企業が海外で生産したモノやサービスの付加価値は含まれません。一方GNPは「国民総生産」で国内に限らず、日本企業の海外の所得も含んでいます。以前は日本の景気を測る指標として、主としてGNPが用いられていましたが、現在では国内の景気をより正確に反映する指標としてGDPが用いられています。GNIは国民総所得、FTAとは自由貿易協定のことです。

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