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小学生くらいの男の子が、真剣な目で「ハイ!」と手をあげているこの表紙。「新書コーナー」でひときわ目を引く本です。
3月に発売された最新刊。「今、なぜ教養が必要なのか」。「池上さんはどうやって教養を身につけたか。」そして、NHK時代の苦労。なぜ、54歳でNHKを去ったのか?
何度でも読み返したくなる「名言」が、ぎっしりつまっています。
池上さんは、きっと「教養を身につけると、こんなにいいことがあるよ!ボクは、こんなふうに教養を身につけてきたんだよ!」という情熱を持っているに違いありません。
「これから就活をする大学生」や「大人」が対象ですが、難しい言葉はなく、5年生以上のお子さんであればスイスイと読み進められます。来年度入試で出題される可能性が高い一冊でもありますので、ぜひお子さんに勧められてください。
東京工業大学のキャンパスに、ピアノが無造作に置かれていること、知っていますか?
学生が自由に弾いて楽しむのです。なんと、アメリカの名門、マサチューセッツ工科大学にも音楽教室が「こんなに?」と思うほどたくさんあるそうで・・・。
池上さんは言います。
「『数学と音楽は、実は親和性が高い』という話は、私には目から鱗でした。」
「音楽を学べばそれが数学の学びにも影響を与え、それは将来思わぬところで役に立つに違いありません。
一見遠回りに見えても長い目で見るといつか役に立つ。」
現在、コロナの影響で、世の中は一変しました。学び方、働き方、人とのつながり方が変わりつつあります。今までの常識が、常識でなくなるかもしれません。
そんな「今」だからこそ、子どもたちには力強く生きていってほしい。「教養」は、生き抜く上での大きなヒントになる、そう確信させてくれます。
池上さんがOECDのプロジェクトに参加したときのこと。自己紹介で、外国人のある女性が「私はジュリエットです」。池上さんは、思わず、この「ロミオとジュリエット」のセリフ、“Oh Romeo・・・?”を言います。
すると・・・?
「彼女の顔がぱっと明るくなって、『日本に来てこんなこと言われたのは初めてです』と感激していました。その瞬間から突然、彼女が私に対してリスペクトを持ってくれました。」
相手に合わせて、ぱっと教養ある反応を示す。
「ああ、この人はそれなりの教養があって話が通じるんだな」
と思ってもらえるそうです。
こんなこともありました。
海外の国際会議にも、よく取材に行った池上さん。会議が終わると、夜はいつも立食パーティーです。
そこでは、「仕事とはまったく関係のない、出席者個人の趣味や関心のあること」について自由に語り合うのが暗黙のルール。
しかし、そんなとき、日本のエリートはどうだったのでしょう?
「話すべき内容がないので、外国人と会話を楽しむことができません。
(中略)アメリカのエリートたちは大学時代に深い教養を身につけているので、(中略)絵画やオペラ、シェークズピアなどの文学について滔々(とうとう)と語り合っています。」
日本のエリートは英語が話せ、仕事の話だったらいくらでもできる。でも「教養」はどうでしょうか?
小学生の皆さんが大人になるころ、世界のグローバル化はますます進むことでしょう。保護者の方は、お子さんから「海外の大学に進みたい!」、もしかしたら、10年くらい先に「インドのIT企業で働きたい!」なんて言うかもしれません。
また、お子さん自身が外国人から質問を受ける可能性もあります。「日本の文化について教えて!」、「源氏物語はどんなお話なの?」、「歌舞伎はどうやって生まれたの?」など。
質問されたとき、ものを言うのが「教養」。
自分はどのような教養を身につけてきたか、そして自分はどんな人間なのか。外国人に伝える場面が、今後増えていくのではないでしょうか。
体験談はまだまだ続きます。
池上さんがテレビに出演したときのこと。時はまさに、政府が「令和」という新元号を発表した日。
「イギリスの公共放送BBCは、(中略)これ(令和)を order and harmony と訳しました。オーダーとしたのは、「令」は命令の令、指令の令だと考えたからです。(中略)」
それを見た池上さんは、すぐに番組の中でコメントしました。
「「令」は美しいという意味の令ですよね。」
「BBCはorder and harmony と訳したけれども、ここは beautiful and harmony と訳すべきではないでしょうか」
「令」には「ご令嬢」などというように、「美しい」と言う意味があるからです。
すると、
「その2日後、河野太郎外務大臣(当時)が、海外向けには beautiful and harmony と訳して説明すると発表しました。」
池上さんは言います。
「令という漢字にどんな意味があるのかを知っていれば、これぐらいの翻訳は誰でもできます。つまり、イギリスBBCの東京支局の記者は、英語はできても日本語の能力が十分ではなかったか、日本文化についての知識が足りなかったのではないか、ということです。」
「教養」のあるなしが、ニュースにまで影響したのですね。池上さんは、生放送の番組中、「教養」によってとっさに「令和」の正しい訳を伝えることができたのです。
池上さんといえば、ニュースをやさしくわかりやすく解説してくれるすごい人、というイメージです。テレビや書店で池上さんの顔を見ない日はない、と言っても過言ではないでしょう。
しかし、今のような池上さんになるまでには、たいへんな努力がありました。
NHK時代は、記者として真夏に張りこみをしたり、警察に朝から晩まで通い詰めたり、事件現場に駆けつけたり。大きなスクープを逃して、悔しい思いをしたこともありました。でも、「現場」が大好きだった池上さん。
そんな忙しさのなかでも、池上さんは勉強を続けたのです。
深夜、警察署の前で捜査員が帰ってくるのを待っているときの時間は、池上さんの「勉強タイム」。なんと、自動販売機が机代わりです。
「道路脇の自動販売機の明かりを頼りに英会話のテキストを見て英文を暗唱するのです。(中略)このときコツコツ勉強したことが、のちに大いに役立ちました。
また、経済の本を読むこともありました。」
やがて、池上さんは「ニュースセンター845」、そして夕方6時からのニュース番組のキャスターを任せられます。記者なのにどうしてニュースを読むの?現場好きな池上さんとしては、とまどいました。でも、ニュースを読んでいるときにハッと気づきます。
「政治部や経済部が出してくる原稿は専門用語が多くて難解でした。」
池上さんは、記者たちに嫌がられながらも「もっとわかりやすく原稿を書いてくれ」と伝え続けました。
そして、あの有名な「週刊こどもニュース」の「お父さん」役に。1週間のニュースを、小学生と中学生の子役たちにわかりやすく話すのです。生放送ですから、子役からいきなり質問が飛び出すこともあります。
池上さんのわかりやすい説明はやがて話題となり、この番組は、20パーセントという高い視聴率を出しました。
そんななか、池上さんは「解説委員になりたい」という希望を持っていました。しかしある日NHKの廊下でNHKの解説委員長にこう言われます。
「『君は解説委員になりたいと希望しているようだけど、ダメだからね。』
『君には専門性がないだろう。』
これを聞いて愕然としました。」
大変なショックでした。ただ、この時点で何冊か本を出していた池上さんは、決意してNHKを退職、フリーの執筆者になったのです。
この決意を支えたのは、「ニュースをやさしく解説する」という「技術」でした。
池上さんは言います。
「確かに私には解説委員としての専門性はない。でも、物事をやさしく解説する、という技術は持っているじゃないか。これだって一つの専門性だぞ。」
出版社からの依頼も大切にしました。
「依頼された仕事は感謝して引き受け、引き受けた以上は必死に勉強する。そして少しでも良い仕上がりになるよう努力する。その過程で失敗があっても決してくじけない。そうした積み重ねが今につながっていると思っています。」
いかがでしたか?
池上さんの学ぶ姿勢が、ギュッとつまったこの本。
お子さんが、「将来、自分はどうやって生きていこうか。そのためには、今、何をしたらよいだろう?」と、考えるきっかけになることを願っています。
お子さんだけでなく、保護者の方にもぜひ読んでいただきたい、そんな思いでおすすめしました。
最後に、この本の裏表紙にある、池上さんの言葉を記します。
「学びとは、決して人に盗られることのない財産です」 (池上彰)
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