No.969 早稲アカ・四谷大塚4・5年生 予習シリーズ算数下 第8回対策ポイント

<算数 5年下 第8回>

 第8回は『平面図形と比(3)』です。三角形の相似を利用して、長さの比や、その長さの比を底辺の比として、面積比に利用する問題を学習します。第4回で学習した、平行線を使ったピラミッド型やクロス型の相似を見つけることがカギになります。また、太陽の光や街灯の光による影の長さの問題も三角形の相似を利用して考えます。
 なお、文字化けする可能性がありますので、○に数字を入れた表示は、マル1、マル2などのように表します。

【攻略ポイント1】

 「必修例題1」は、直角三角形の中にピッタリおさまる正方形の辺の長さを求める問題です。問題の図では、ピラミッド型の相似な三角形を考えます。相似な三角形では、対応する(等しい)角をはさむ2辺の比は互いに等しい、という性質を利用します。予習シリーズ75ページの解き方にある図を参照してください。
 辺ABと接している正方形の頂点をDとして、時計回りに、正方形をDECFとします。三角形ABCにおいて、直角をはさむ2辺の比がBC:AC=28cm:21cm=4:3であれば、三角形ABCと相似な三角形ADEにおいても、直角をはさむ2辺の比、DE:AE=4:3となります。
 ここで正方形DECFにおいて、DEをマル4として、EC=DE=マル4となることがポイントです。よって、AE:EC=3:4と考えることができます。AC=21cmから、EC=21÷(3+4)×4=12より、ECすなわち、正方形の1辺の長さは、12cmです。

 「必修例題2」は、正三角形を折った図形において、ある角度を求める問題です。
 三角形ABDにおいて、外角の定理により、角DAC(角DAEと角EACの和)=角B+角BDA=角B+xです。ここで、角DAEは、折る前の角(A)=60度、また、角B=60度ですから、先の等式(角DAE+角EAC=角B+x)で、等号の左側は60度+角EACで、等号の右側は60度+xとなります。結果として、角EAC=xとなります。
 そこで、三角形ACEにおいて、角EAC=x、角C=60度、角AEC=34度で、合計が180度です。よって、180-(60+34)=86より、Xの角の大きさは、86度です。
 図形の折り曲げでは等しい辺の長さや角度が、どこに移動したかに気をつけましょう。

 「必修例題3」は、長方形を折った図形の問題です。
 折った図形は、折る前の図形と(当然に)合同な図形になります。また、重なっていない部分の2つの三角形(三角形AEFと三角形DFC)は相似な図形になることを確認しておいてください。合同な図形では、対応する辺の長さ、対応する角の大きさは等しくなります。また、相似な図形では、対応する辺の長さの比(相似比)、対応する角の大きさは等しくなります。予習シリーズ77ページの解き方にある図形を参照してください。
(1) 三角形FECは、折る前の三角形BECと合同ですから、三角形BECの面積を求めればよいことになります。辺BC=15cm、辺EB=9-4=5cmです。よって、15×5÷2=37.5より、三角形FECの面積は、37.5平方cmです。
(2) 三角形AEFと三角形DFCは、この頂点の順に対応する相似な三角形です。必修例題1に述べた、対応する角をはさむ2辺の比は等しいという性質より、AE:EF=DF:FCとなります。AE:EF=4cm:5cm=4:5ですから、DF:FC=4:5です。FC=BC=15cmより、DF=15÷5×4=12cmとなります。よって、12×9÷2=54より、三角形FCDの面積は、54平方cmです。

【攻略ポイント2】

 影の問題を学習します。この問題は、大きく2つに分類できます。太陽光による影の問題と、電灯光による影の問題です。考え方が異なることがありますので、それぞれの解き方を理解しましょう。

 「必修例題4」は、太陽光による影の問題です。
 太陽光による影の問題では、文章中に必ず、棒の長さと影の長さが与えられます。この棒の長さと影の長さによる三角形と、問題中の木の長さと影の長さによる三角形を、相似な三角形として相似の問題を解いていきます。ただし、木の長さと影の長さについては、[へいにできた木の影の先端から木に垂直な線を引いた三角形]を考えることが ポイントになります。予習シリーズ78ページの解き方にある図を参照してください。
 問題文より、棒の長さ(高さ):影の長さ(底辺)=30cm:40cm=3:4です。木の長さを□cmとして、へいにうつった影の長さを引いた、(□-2)mを高さ、木とへいの間の長さ6mを底辺とする三角形が、3:4となります。よって、□-2=6m÷4×3=4.5m、□=4.5+2=6.5より、木の高さは、6.5mです。

 「必修例題5」は、電灯光による影の問題です。
 この問題では、必修例題4と同じように、[人の身長の先端から街灯に垂直な線を引いた三角形]を考え、この三角形と人の身長と影の長さによる三角形との相似を考えて問題を解いていきます。
 (街灯の高さ-とも子さんの身長):(街灯からとも子さんまでの距離)=(とも子さんの身長):(とも子さんから影の先端までの距離)という、関係になります。とも子さんの影の長さを□mとして、数値の式にすると、(4-1.5):3=1.5:□となります。□=3×1.5÷2.5=1.8より、とも子さんの影の長さは、1.8mです。
 ここでは、太陽光による影の問題と同様でしたが、電灯光の問題では、人が移動することによって、影の長さが変化していくケースがあることに注意が必要です。

<算数 4年下 第8回>

 第8回は『分数(2)』です。分数どうしの大小をくらべたり、分数どうしの加減(たし算とひき算)をする場合に必要な、通分や約分の仕方を学習します。分母が同じ分数での、大小くらべや加減計算は予習シリーズ上巻で学習しました。そこで、分母の異なった分数を分母の同じ分数にして考えます。このために必要なことが、通分という作業です。また、分数の大きさを考える上で、分子・分母をなるべく簡単な数で表すことも大切です。この作業が約分です。これらの通分・約分の作業では、「分数の分子・分母に0でない同じ数をかけても、0でない同じ数でわっても分数の大きさは変わらない」という重要な性質を利用します。なお、メルマガでは分数は、分子/分母の形で表し、帯分数は、整数・分子/分母と表します。

【攻略ポイント1】

 予習シリーズ61ページにある通分と約分の説明をよく読んで、理解しましょう。
 「必修例題1」は、約分と通分の問題です。
(1) 約分する問題です。上で説明しましたように、分数の分子・分母を、0でない同じ数でわります。マル1(○の中に数をいれた表示は、文字化けすることがありますので、このように表します)は、分子の45と分母の51のどちらも共通にわることのできる、できるだけ大きな数の3でわります。45÷3=15、51÷3=17より、45/51をこれ以上約分できない分数(規約(きやく)分数といいます)に直すと、15/17です。
マル2は、分子・分母を共通にわることのできる、できるだけ大きな数14でわります。28÷14=2、42÷14=3より、28/42をこれ以上約分できない分数に直すと、2/3です。なお、ここで使っている、共通にわることのできる、できるだけ大きな数とは、最大公約数のことです。
(2) 分数の大小を考えますので、分母をそろえて、分子の大小を考えればよいことになります。これが通分の利用です。予習シリーズ62ページの解き方にある、連除法を参照してください。6と9と15の最小公倍数である90を共通の分母とします。5/6=75/90、7/9=70/90、13/15=78/90となります。よって、分子の75と70と78の中で、最も大きいものは78ですから、3つの数の中で最も大きい分数は、78/90のもとの分数である、13/15です。解答の仕方としては、もとの分数で答えることに注意してください。

 「必修例題2」は、 (分母のことなる) 異分母の分数の加減です。異なる分母の数の最小公倍数を新しい分母として、同分母の加減を行います。
(1) 分母3と分母2の最小公倍数である6を新しい分母として通分します。整数部分はそのままで、分数部分を2/3=4/6、1/2=3/6として、整数部分の和は5+3=8、分数部分の和は、4/6+3/6=7/6=1・1/6になりますので、8+1・1/6=9・1/6となります。
(2) 分母6と分母15の最小公倍数である30を新しい分母として通分します。分数部分どうしは、1/6=5/30、7/15=14/30となりますので、引けません。そこで引かれる数の整数部分から1を繰り下げます。つまり、1=30/30から、引かれる数は3・5/30=2・35/30とします。
そして,引き算です。整数部分の差は、2-1=1、分数部分の差は35/30-14/30=21/30ですが、約分ができて、21/30=7/10となります。よって、答えは、1・7/10です。

ポイントを整理しますと、通分後の分数の加減では、整数部分・分数部分は別々に加減する。引き算では、繰り下がりに注意する。答えは既約分数(これ以上約分できない分数)で答える、ということになります。

 「必修例題3」は、文章問題です。分母をそろえる(=通分する)ことが解法のコツです。
(1) 問題内容を整頓すると、(□+5)/48=5/8ですから、通分して5/8=30/48とすると、分子部分は □+5=30となります。よって、□=30-5=25より、この分数の分子は25です。
(2) 約分した後の分子・分母の和は、4+9=13になりますから、91÷13=7で約分したことがわかります。よって、もとの分子は(4×7)、分母は(9×7)です。つまり、28/63です。

【攻略ポイント2】

 分数、小数の混じった問題では、まず小数を分数に直すことを基本的方針として身につけましょう。直し方は0.1=1/10、0.01=1/100、0.001=1/1000、などを利用します。例えば、2.34=0.01×234ですので、(1/100)×234=234/100=2・34/100となります。ここで、約分できる場合は約分しますので,2・17/50とします。

 「必修例題4」は、分数と小数が混じった数の大小くらべの問題です。基本的方針にそって、分数で通分するところですが、3つの分数の通分はなかなか難しいものです。この場合は、すべて小数に直すことも一つの考え方です。分数を小数に直す場合、分子÷分母の計算をします。ここでは、割り切る必要はなく、他とくらべて、大小がわかればよいのです。4/5を小数に直して、4/5=4÷5=0.8です。7/9は、7/9=7÷9=0.77…としておきます。よって、小さい方から順に、0.72、0.77…、0.8となりますが、答えは、もとの数で答えますので、0.72、7/9、4/5です。

 分数の計算は、今後もさまざまな問題で使うことになりますので、きちんと身に付けておきましょう。計算は、「習うより慣れろ」です。計算トレーニングを欠かさずに。

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