No.979 早稲アカ・四谷大塚4・5年生 予習シリーズ算数下 第11回対策ポイント

<算数 5年下 第11回>

 第11回は『速さと比(3)』です。円周上の旅人算、および時計に関する問題を学習します。なお、メルマガでは、分数は、分子/分母の形、帯分数は、(整数と分子/分母)の形で表すこととします。

【攻略ポイント1】

 2人が、円周上を同じ地点から出発して円周上を回るとき、反対方向に進む場合は、出会うまでに動く道のりの和は円周の長さ1つ分になります。また、同じ方向に進む場合は、速度の速い人が、速度の遅い人に追いつくまでに動く道のりの差は円周の長さ1つ分になります。このことは、5年上第19回で学習しました。この内容に比を交えて問題を解いていきます。

 「必修例題1」は、兄弟が池のまわりを回る問題です。1周するのに、兄は20分かかり、弟は30分かかります。1周の道のりは、等しいのですから、速度比と時間比は逆比の関係にあります。兄と弟の速度比は、1/20:1/30=3:2です。兄の速度を3として20分で進む道のりは、3×20=60ですから、この池のまわりの道のりは60となります。
(1) 旅人算を考えます。60の道のりを、兄の速度を3、弟の速度を2として、同時に出発して反対方向に進みますから、60÷(3+2)=12より、2人がはじめて出会うのは、12分後です。
(2) 速度を2とする弟は、5分で、2×5=10の道のりを先へ進んでいます。このへだたり(2人の間の長さ)を兄が弟を追いかけます。10÷(3-2)=10より、兄が弟に追いつくのは、兄が出発してから10分後です。
速度や道のりを、比の値で表して解き進めると断然解きやすくなりますので、この方法に慣れていきましょう。

 「必修例題2」は、必修例題1の逆問題です。池のまわりをA君とB君が反対方向に走ると6分ごとに出会い、同じ方向に走ると24分ごとにA君がB君を追いこします。
(1) 出会うまでに走る道のりの和と追いつくまでに走る道のりの差は、どちらも池のまわり1周分で等しいです。よって、A君とB君の速度の和と、速度の差の比は、出会いにかかる時間と、追いこしにかかる時間の比の逆比になります。
1/6:1/24=4:1が、速度の和と速度の差の比になります。和差算で、A君の速度は(4+1)÷2=2.5、B君の速度は(4-1)÷2=1.5と考えられますので、2.5:1.5=5:3より、A君とB君の速度の比は、5:3です。
和差算を使った解き方が曖昧な場合は、線分図をかいて内容を整頓しましょう。
(2) A君の速度を5、B君の速度を3として、出会うまでに走る道のりである、(5+3)×6分=48を、池1周の道のりとします。よって、48÷5=9.6より、A君がこの池のまわりを1周するのにかかる時間は、9.6分です。
(3) A君は、9.6分ごとにスタート地点にもどります。また、B君は、48÷3=16より、16分ごとにスタート地点にもどります。よって、同時にスタート地点にもどるのは、9.6と16の最小公倍数である、48分後です。また、このとき、A君は、48÷9.6=5より、この池を5周しています。

 「必修例題3」は、池のまわりの別々の地点から、兄と妹が反対方向に池をまわる問題です
(1) AB間で、2人がはじめて出会った地点をDとすると、兄はDB間を8分で進み、妹は同じDB間を12分で進むことになります。同じ道のり(DB)を進む場合の時間比は、8:12=2:3です。兄はAB間を、12+8=20分で進みますので、20÷2×3=30より、妹は、出発してからA地点を通過するのは、30分後です。
(2) (反時計回りに進む)兄は、A→B→Cを60分で進みます。A→Bには20分かかっていますので、B→Cは60-20=40分です。この60分の時間で、(時計回りに進む)妹は、B→A→Cを進みますが、B→Aを30分で進みますので、A→Cには、60-30=30分かかっています。
妹が30分かかる道のりを、兄は、30÷3×2=20分で進みます。よって、60+20=80より、兄はこの池のまわりを1周するのに、80分かかります。
また、兄が80分かかる道のり(池のまわり1周)を、80÷2×3=120より、妹は、120分かかります。
このように段階を踏んで解く問題は、慣れるまでは急いで解こうとせずに、上記のようにひとつひとつの内容を書き出して整頓するようにしましょう。

【攻略ポイント2】

 時計に関する問題を学習します。時計の短針と長針の作る角の大きさと、時刻の関係を時計算といいます。基本的には、円周上の旅人算で、同方向に動く場合の問題と同じ考え方で解き進めます。
 基本知識の確認をしておきましょう。時計の文字盤(12から1、2、3、…と続き、12にもどる)の1めもりは、360÷12=30度です。また、短針は、この30度を1時間=60分で動きますから、短針の動く速さは30÷60=0.5より、分速0.5度です。そして、長針は、1周360度を1時間=60分で動きますから、長針の動く速さは360÷60=6より、分速6度です。なお、時計算では、12のめもりからの時計回りの角度を道のりとして考えます。

 「必修例題4」は、4時と5時の間で考える時計算です。
(1) 4時40分のときの両針(長針と短針)の作る角を考えます。4時ちょうど(正時といいます)のとき、短針は、長針より30×4=120度先にあります。
40分で、長針は、6×40=240より、12のめもりから240度進みます。同じ40分で、短針は、0.5×40=20より、4のめもりから20度進みますが、12のめもりからの角度は、120+20=140度です。よって、12のめもりからの角度の差が、両針の作る角になりますので、240-140=100度です。
(2) 両針が重なるということは、長針が短針に追いつくということです。4時ちょうどのとき、両針は120度の差(長針が後ろにある)があります。旅人算の追いかける場合があてはまります。120÷(6-0.5)=(21と9/11)より、重なる時刻は、4時から(21と9/11)分たった時刻である、4時(21と9/11)分です。
(3) 両針の作る角が2度目に直角になる時刻を求めます。1度目に直角になるのは、短針が長針より先にある場合ですが、2度目に直角になるのは、長針が短針より90度先にある場合です。
ということは、120度先にあった短針を追いこして、90度先に進むということになります。つまり、長針が短針より、120+90=210度多く進む時刻です。よって、210÷(6-0.5)=(38と2/11)より、時刻は、4時(38と2/11)分です。
 
 時計算では長針、短針の動きをより正確にイメージできるように、慣れるまでは予習シリーズ117ページの解き方にあるような図を自分でかく練習を重ねるとよいでしょう。

<算数 4年下 第11回>

 第11回は『分数(3)』です。分数×整数、分数÷整数、分数×分数、分数÷分数の計算を学習します。計算は、量的トレーニングが大切です。計算の仕方をしっかり身に付けて、後はトレーニングです。今回は、具体的な計算の説明ではなく、注意点・ポイントとなる点をお話しします。予習シリーズの必修例題にある解き方を参照してください。

【攻略ポイント1】

 分数×整数では、かける整数は分数の分子にかける。分数÷整数では、わる整数は分数の分母にかける。ここがポイントです。

 「必修例題1」の計算上、注意すべきことを述べます。
 帯分数に整数をかけたり、整数でわったりする場合、仮分数に直して計算します。また、分数計算の答えは必ず既約分数(=これ以上、約分できない分数)となるようにします。そこで、約分できる場合、約分は計算の途中でできます。分母の部分や分子の部分で、かけ算の形をつくり、この時点で約分をするのです。
 予習シリーズ83ページの解き方にある式で、(1)であれば12と9を3で割って4と3に、(2)であれば24と15を3で割って8と5にするということを指します。計算の後に約分すると、数が大きくなり約分するのに手間がかかります。

【攻略ポイント2】

 分数×分数では、分子どうし、分母どうしをかけ算します。分数÷分数では、わる分数の分母と分子を入れかえた分数(逆数)をかけ算します。このことは、必ず身に付けましょう。予習シリーズ84ページから85ページにある説明を参照してください。

 「必修例題2」の計算上の注意は、必修例題1と同様です。(3)では、3つ以上の分数どうしのかけ算・わり算が混ざっていますが、わり算をかけ算に直して、3つ以上の分数をまとめて、かけ算します。つまり、分子部分、分母部分にかけ算の入った、1つの分数をつくり、この時点で約分をして、答えを出します。

 「必修例題3」の計算上の注意は、計算のくふうを考えることです。
(1) 分数・小数の混じった計算では、すべて分数にして計算します。小数では、0.25=1/4、0.5=1/2、0.75=3/4、また、0.125=1/8、0.375=3/8、など、分母が4や8になる小数は、今後の計算でもよく使われますので、今から覚えておくと役に立ちます。
(2) 整数のわり算は、わられる数は分子に、わる数は分母にした分数に直すことができます。よって、かけ算・わり算だけの整数計算では、分数の乗除計算が可能です。分数を利用すると、ひっ算をすることなく、計算が早くなることが多いのでおすすめです。

 くり返しますが,計算はトレーニングが重要です。分数計算でも,量的にトレーニングすることで,いろいろな計算場面を経験してください。また,わり算をかけ算に変えるなど、途中式を書くことを心がけて進めましょう。

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